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2006年8月の22件の記事

2006年8月31日 (木)

アメリカの超有名美容雑誌に載せて頂きました。

Fi1218_0e
allure といえば、アメリカの超有名美容雑誌なのですが、皆さんご存知でしたか?この雑誌が近く、日本に上陸するのです。今回はVOGUE 10月号別冊として紹介販売されました。

Fi1218_1e
今回の御題は、注目する5人の美容皮膚科医の注目する化粧品材料。クリニックFでも販売中のナノラディエンスクリームを取り上げていただきました。


もとよりこのナノラディエンスクリームは高浸透型のAPPSと、抗酸化剤のフラーレンを使用した、パワーコスメであり、同時に高級クリームのテクスチャーを目指して使い心地にこだわった一品です。


今までもいくつかの化粧品の開発に携わってきましたが、かなり上出来の部類だと思っています。

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2006年8月30日 (水)

脳に想像力を育てるためには

Fi1213_0e 最近、NHKのプロフェッショナルという番組をビデオに撮ってみています。これは以前あったプロジェクトXの後番組で、仕事のプロを取材して、追っていくものです。


実は、以前に書いた脳科学者である茂木健一郎さんが司会なのです。


よく読む本の作者が、テレビの司会をしていると、テレビのコメントによって、その著作の理解が深まることがあります。面白いことだなあと思っています。高校生のときに僕が好きだった三島由紀夫や、谷崎潤一郎が、テレビの司会をする番組が、その当時あったら、きっとかじりついて観たのでしょう。


その茂木さんが脳に想像力を持たせるためには、スケジュールに空白の時間が大切であるとコメントしていました。日々の仕事に追われて”てんぱった”状態だと、想像するどころではないのでしょう。


僕は鎌倉で生まれ、藤沢で育ちました。親の教育方針で、公立の学校に行っていたので、高校生になるまで塾には行かず、のんきに田舎暮らしをしていました。でもそのときの体験が、想像力を鍛えていたと思うのです。


家のとなりの空き地でトンネルを掘って遊んだり、基地を作って遊んだり、海で泳いだり、江ノ島の洞窟を探検したり、近くの川にザリガニやフナを取りに行ったり、鎌倉の八幡宮でせみを取りに行ったり。

 
でも、考えてみれば、子供の遊びは、子供なりに本当に頭を使って工夫するものです。ザリガニひとつ吊り上げるにも、えさはどうするとか、ザリガニの前に、どうやってえさをぶら下げたら釣れやすいとか。海でおぼれないようにするには、潮の流れに乗って泳いだほうがいいとか。


こうした空白の時間があったからこそ、想像力が豊かになり、好奇心が生まれたのだと思います。


同じようにビジネスも、参入障壁が高く、簡単に人に真似できない、しかもニーズとシーズをつかんだ、実は生活になくてはならない新しいビジネスモデルを思いつくために、想像力が必要です。


野原で遊んでいた私達の両親の時代の努力によって、日本は高度経済成長をしてきました。今の子供は、小さいときから塾に通わされますし、第一、東京にはいわゆる自然の遊び場が少ないですよね。コンピューターゲーム上では、工夫するといっても、想像力が生かせるところが少ないです。日本の教育に足りないといわれている想像力を伸ばすためには、小さいときから自然と戯れる経験が必要なのではないでしょうか?

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2006年8月29日 (火)

アメリカレーザー学会の会員証

Fi1210_0e 先日米国レーザー学会ASLMS(American society for Laser medicine and surgery) の今年の会員証が送られてきました。


ちょっとデザインが変わったのかな?と思っていたら、

Fi1210_1e なんと左下のシールにFELLOWと書いてあります。


昨年までただのMENBERだったのに、FELLOWに格上げされているのです。しかし、何でだろう??ここ数年、学会発表をするため、アメリカに何度も渡ったからでしょうか?


 お医者さんだったらわかって頂けると思うのですが、アメリカの医学系の学会のFELLOWになるって事は、実はすごいことなのです。日本では、大学教授レベルを見渡しても、数人ではないでしょうか?


とても嬉しい知らせでした。

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2006年8月28日 (月)

画期的な新しい化粧品の原材料

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実は今日、京都に日帰りで出張して来ました。


京都工芸線維大学という大学の蚕の繭の研究を専門にしている助教授が、画期的な原材料を開発したので、その独占契約を取りに行ってきたのです。


この物質は黄色(イエロー)セリシンといいます。写真の、この黄金色の特殊な種類の蚕の繭から抽出されるセリシンが、実は化粧品原材料として非常にすばらしい効能を持つことが研究によって分かったのです。


Fi1207_1e 写真は、京都の嵯峨野にある、大学の裏の桑畑です。1ヘクタールあるそうです。嵯峨野という土地は、昔から桑畑があって、西陣織の発祥の地です。元から蚕に縁があった土地に、生糸を研究する、大学が建ったというわけです。


僕は、化粧品に必要とされる条件は五つあると思います。


1つは、抗酸化力に優れること。ビタミンCもEもそうですが、肌の中の活性酸素を除去する能力は、老いない肌を作るために、とても大切な条件です。


二つ目として、紫外線のカバー能力です。蚕の一生の中で、最も紫外線を避けなければならない時は、変態期。いわばさなぎになって繭を作るときです。このとき最も紫外線を避けなければならないことは、自明の理ですよね。この黄色い繭は、通常の白い繭に比べて、数倍の紫外線除去能力を持ちます。


三つ目として、シミの元になるメラニンを作るチロシナーゼという酵素の抑制作用です。これは、ハイドロキノンや、コウジ酸、トランサミンなど、の物質が化粧品材料として重要視される由縁です。紫外線が当たったとしても、シミを出来にくくするわけです。


四つ目は、保湿力があること。もともと養蚕家の、特に生糸を紡ぐ人たちの肌が、特別に綺麗であることは、昔から言われてきました。実はセリシンに含まれるアミノ酸の構成は、人間の表皮にあるNMF(自然湿潤因子)とそっくりなのです。アトピーの肌などにも、効果があるはずです。


そして五つ目は、刺激がないこと。今の女性の80%は、自分のお肌が敏感肌だと感じています。衣服の線維でアレルギーを起こす方は多いですが、化学繊維でアレルギーを起こす方でも、絹と木綿だけはアレルギーを起こしにくいといわれています。


これらの五つの条件を全て満たす物質は無く、多くの化粧品はこれらの性質を持つ物質を混ぜ合わせてできるのですが、このイエローセリシンは、この全てを満たすのです。


現在、この原材料を使って、ローション、ジェル、クリーム、石鹸などの基礎化粧品を開発していて、10月ごろには製品化できる予定です。今までの製品にない、天然のまさに日本の京都発の、他社製品と全く差別化された、オーガニックの画期的な化粧品が出来上がりそうなのです。→ 完成しました。よろしかったらお試しください。

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2006年8月27日 (日)

ゼロの概念

Fi1200_0e
実はひとつご縁あって、来年度より開校するとある経営大学院にある医療系MBA講座で講師を助教授待遇で頼まれてもらえないか・・・というお話を頂いています。講座は一定期間しかも土日に限定された講義なので、クリニックの院長と兼任も可能だというお話です。僕は学術の世界が好きなので、こういうお話を頂けるのは素直に嬉しいですね。時間やタイミングなどがうまく合えば自分に出来ることはしたいと思ってます。


その講師会が今日開かれ、仕事の合間に初めて参加してきました。この経営大学院は海外の大学の日本分校なので会議は英語で行われたのですが、ファイナンス系の講師として召集がかかった面々に、インド人が多いのには驚きました。インドは21もの言語が存在するため、会社などの公共の場で働くときは、ほとんどは英語(一部ヒンドゥー語)の会話になるのだそうです。どうりで英語が上手いわけだと感心していたのですが、ファイナンスといえば、やはり数学の知識は切り離すことが出来ません。


今のアメリカのITのシステムエンジニアは、インド人の比率が非常に高いとか。インドの数学教育のレベルは非常に高いことを思い出しました。インド人は九九を、20×20の段まで憶える事が義務付けられています。日本の九九の実に4倍! それだけでも膨大な記憶量が必要ですよね。


 数学においては、インド人が世界史上最初に発見した“0(ゼロ)”という概念によって、十進法が可能となり、負数(マイナス)の概念も確立したわけで、まさにインドは近代数学の祖といえます。


ゼロという概念を初めて見つけるというのは、考えてみると、本当にすごいことだと思いませんか? ゼロは負数や虚数と違って、実際に存在する数字だと言えます。しかし、誰かが気付かない限り、認識は出来ないのです。インド人はきっと、世界にあるほかのどの文化圏の人よりも発想が豊かなのでしょうね。


そういえば、僕は医師国家試験を受験するとき、あまりに勉強が辛くて何かにすがりたくなり、般若心経を毎日唱えていた事があります。この経験によって多くの仏教経典のダイジェストとも言える、般若心経を暗記できましたし、今にしてみればいい体験でした。


般若心経の中には、「色即是空(この世の万物は形をもつが、その形は仮のもので、 本質は空であり、不変のものではない)」、「空即是色(またその空は、万物の形を持つのである)」という言葉が出てきます。般若心経の「空(くう)」は、すべての固定的観念を否定することを主目的としているのです。


インド人は「空」という概念を非常に大切にし、この概念が、ゼロの発見につながったのでしょうね。

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2006年8月26日 (土)

MAQUIAに載せて頂きました。

Fi1198_0e
MAQUIAにクリニックを載せて頂きました。

ギャラクシーとオーロラSRAの合わせワザで、シミとシワを一気に解決するというもの。


キャラクシーもオーロラもイスラエルのシネロンという会社で開発されています。レーザーは軍事目的で開発されますから、アメリカとイスラエルが圧倒的に進歩しているのです。


1999年にフォトフェイシャルという、肌にかさぶたを作らずに、光治療器でシミを治療する方法が開発され、2000年に日本で大ブームになりました。


その機械にRFという電流を用いたELOSというシステムを開発し、シミだけでなく、シワやたるみに対しても効果を持たせた機器が、オーロラという機器です。2002年ぐらいに発売になりました。パトリックビターJrというカルフォルニアの医師が、フォトフェイシャルに代わり、医師のトレーニングに使用したことで、一気に知名度が上がったのです。


オーロラは火傷などの副作用も少なく、非常に使いやすい機器で、すでに日本国内に300台近い機械が輸入されたと聞いています。


このゴールドスタンダードといえるオーロラに、たるみを取るポラリスの機能を加えたものが、ギャラクシーです。ギャラクシーは、パトリックビターのトレーニングにも現在使われており、現在の肌のメンテナンス機器の世界的なスタンダードといえます。月に一度、この施術を行うと、ハリのある、健康的な肌が手に入れられるので、クリニックFのメニューでも、最も人気のある施術のひとつになっています。


また、オーロラSRAは、オーロラの機能を、よりシミに対して効果を高めた、オーロラの進化型なのです。従来のオーロラで治療して、とりきれなかったうすいシミが、一気に反応して取れるので、患者さんに驚かれます。百聞は一見に如かず。ぜひご体験いただきたい施術です。

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2006年8月24日 (木)

医療事故と医療ミス

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航空機産業の世界では、ハインリッヒの法則というものがあるそうです。ひとつの重大事故の裏には、29件のかすり傷程度の軽災害があり、その裏にはケガではないが、ヒヤッとした300件の体験があるというものです。医療の世界にもそのまま適応できるのではないでしょうか。


医療過誤が起こるたびに、医師免許を更新性にすべきだなどといった議論が毎回起こりますが、僕はそれはナンセンスだと思っています。医療ミスは、一般には、医師の医学的知識が欠除しているために起こるのではなくて、点滴や、薬の申し送りがうまくいっていなかったりする、単純なミスが連続した場合に引起されることが、実に多いのです。


実際には、医療事故と医療過誤は全く違います。


事故は一定の確率で起こるものです。過誤は人為的なミスが重なったものなのです。ですが、この2つは混同されつつありますよね。


やはり医療事故は、手術に関わるものが多いです。今までに肉親など近い人の手術を三回経験しましたが、手術室の外で祈りながら待つ気持ちは、表現できないぐらい、心配で、なんともいえない気持ちになります。


純粋な麻酔の事故も、70000例に一例あるという報告も有ります。事故ならしょうがないという医療サイドの考え方と、事故や過誤が起こりません様にという患者サイドの気持ちとを考えながら、でも、過去に経験した色々な手術の事例を想像してしまうのです。


昔は手術は危険なものだというのが当たり前でしたし、スピードが勝負でした。ですから、手先の器用な、作業の早い外科医が重宝されましたし、手術室から患者さんが出たら、皆安心したものです。


しかし、以前、ブラックジャックのブログ[関連した日記LOG]にも書きましたが、今は、麻酔の技術が発達しているので、たとえ何時間手術時間がかかっても、心臓を動かしたまま、手術室から患者さんを出すことは出来るのです。手術の良し悪しは、その後の予後にかかわってくるのです。


今でも、医療事故や医療過誤で尊い命が失われることがあるわけですが、医療従事者として、一件でもそういったことが減るのを祈るのみです。

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2006年8月22日 (火)

フランクリンプランナーの手帳

Fi1182_0e 最近、様々な手帳の紹介がされていますよね。一種のブームなんでしょうか??


以前は、PDAのような小さな携帯型のコンピューターを持ち歩いていたこともあるのですが、立ち上げが遅いし、すぐ思いついたことを書き込めない。やっぱり手帳は紙に限りますよね。


関谷ブログにもありましたが、[関連した日記LOG] 僕の手帳はここ数年、フランクリンプランナーというシリーズに落ち着きました。僕は、リーダーシップ(英語版)というシリーズを使っています。カラーなので、とても綺麗なのですよ。


バインダーは薄いものと、厚いものの二つ種類を持っていて、海外に行くときとかは薄い物を使います。普段はバインダーにクレジットカードとお札、名刺などを入れて、財布代わりにして持ち歩いているときもあります。


このシリーズには効果的なリーダーシップを発揮するのに必要な6つの要素、Communication, Trust,Vision and Forcus, Collaboration(協創),Creativity, Execution(遂行)を書き込んで、実行するために、作られたようです。


さらに、日めくりで、現在と過去の偉大なリーダー達の言葉が紹介されています。なるほどなと、感心するものから、???というものまで。


右脳手帳と左脳手帳とを持ち歩くという本も読みましたが、あれも面白かったです。僕の右脳手帳はもっぱらポストイットですね。


そういえば、ポストイットは3Mの研究者の、糊の失敗作からできたのだそうですね。ノーベル賞の田中さんの発見も、偶然試薬を間違えたことが発端でしたし、世の中を変えるような発明や、もしかしたら新しいビジネスモデルなども、常識のうちからは生まれないのかもしれませんね。

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2006年8月21日 (月)

どうやったら勉強が出来るようになるのか?パート2

61dh9pzpp5l__ss400_ そういえば、前回
[関連した日記LOG]
書き忘れたことがあります。


医師になるためには、医学士をとらなければなりません。
普通の学部だと、文学士なら文学のみ、経済学士なら経済学のみ
勉強すればよいのですが、


日本の大学で医学士を取るには、解剖学士や生理学士、衛生学士、内科学士や整形外科学士、外科学士などの全く関連の無い分野の、38の学士をとらなければならないのです。勉強するにしても結構な分量です。


ですから、全く新しい分野の勉強法というものが自然に身についてきます。


新しい分野の勉強で、もっとも有意義な事は何でしょうか???僕が都立の看護学校で非常勤講師として教鞭をとっていたときに、学生に話したことがあります。

31zer0xe6vl__ss500_ それはまず最初に、教科書の目次を暗記するように、しっかりと読み、ノートに書きとることなのです。


教科書の目次は、著者がもっとも頭を使う場所です。実際に自分で本を書いてみると分かります。こうやったらこの分野の説明が上手く出来る。そう考えて、骨組みを組むのです。通常目次なんて読み飛ばしてしまうのですが、いかにこれが、もったいないことか。


まず目次を読んで、頭の中に本棚を作り、内容の文章を読むことで、その本棚に一冊づつ本を入れていく作業をするのが、もっとも早く、新しい分野を勉強するコツなのです。また、知恵蔵や、imidasの特定の分野を切り取って、大まかな分野の理解に使用するのは、実に役立ち、さらに時間の節約になります。


情報過多の時代、その情報の選択がいかに大切かということですよね。

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2006年8月20日 (日)

日本美容皮膚科学会

Fi1163_0e 月19日、20日と大手町サンケイプラザで開催された、日本美容皮膚科学会に出席してきました。


レーザー皮膚治療というと、日本では形成外科出身の先生が多いのですが、これは世界的には珍しく、ほとんどの国では皮膚科医の先生方が先頭を切って治療器を導入、検討しています。


美容を中心とした皮膚科ということで、ケミカルピーリングや、外用剤を中心にした治療から、レーザー治療、ひいてはレーザー機器導入のための経営指南の発表あり、資生堂を中心とした化粧品会社の研究者の発表あり、非常に有意義なものでした。


新しい知識を求めるには、海外の学会に参加することがもっとも有利だと思いますが、多くの先生方の創意工夫が見られて良かったです。


ポスターセッションですが、アロエ入りヨーグルト摂取による肌状態への影響や、ハンドマッサージによる顔面皮膚改善効果の検討など、違った分野の視点からなされていた発表もあり、興味深かったですよ。

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2006年8月18日 (金)

研究者向けの血液型

Cx41_fullpic 血液型って気になりますよね。最近思いついたことがあります。


それは、良い研究者はB型が多いのではないか?ということです。B型の人は物事にこだわりが強いし、ある意味マイペース。研究は孤独なものですし、結果が出なければ粘り強く同じ作業をしなければなりません。うちのクリニックでも、B型の職員は、自分が気に入った仕事は、とことん突き詰めて、自ら技術レベルを上げる人が多いですね。


きっと有名になる調理師さんとか、そういった人が多いのではないでしょうか?

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2006年8月17日 (木)

LED(発光ダイオード)治療機器の新しい発表

Fi1156_0e コントロバーシーには、ロックスを初めとして、LED(発光ダイオード)治療に否定的な先生が多いのです。理由はしごく単純で、光のパワーがレーザーに比べて圧倒的に低いからです。おそらく少なく見積もっても100分の1ぐらいです。ですが、弱いレベルの光でも、皮膚の細胞の中のミトコンドリアに影響して、様々な若返り効果があると主張する研究者もあります。実は僕もLEDの賛成派の一人です。顔の傷の治療にLEDを使用することがありますが、傷の治りも速くなりますし、この光に何らかの作用があることは確かだと思っています。

今回、非常に興味深い発表をしたカナダの医師がいました。

日焼けの前に、LEDを照射すると、サンスクリーン剤のように、皮膚の着色が防げるというもの。コントロバーシーにLEDの効果を主張する医師が出てくるなんて、すごい勇気ですよ(笑)。でも、既存の常識を覆す発表をすることで進化してきたのが自然科学です。まだ、単なる研究発表ですが、追加報告が楽しみです。

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2006年8月16日 (水)

次世代のメス? ダイヤモンド・レーザーメス

Fi1155_0e カルフォルニアには、レーザー開発のベンチャー企業なるものがいくつかあります。


そのうちの一社を今回、訪問してきました。


この会社はダイヤモンドレーザーメスなるものを作っているのです。
デビアス社から直接仕入れ、特殊な角度でカットされたダイヤモンドをCO2レーザーの先につけ、電気メスのように使用するというものです。


電気メスには、切る役割と、血管を凝固する役割があります。電気メスは一部の上皮を蒸発させることで皮膚を切るため、傷を合わせたときに、跡が残りやすいのです。ですから、通常の手術では、まず普通のメスで皮膚を切った後、電気メスで凝固します。


しかし、このダイヤモンドレーザーメスを使うと、25ナノメーターという非常に細かい切れ味があると同時に、同時に血管が凝固できるのです。


今まで、手術の時には切開と、凝固という二つの工程で時間がかかっていたので、これにはビックリです。顔や頭といった、出血の多い部分での効果は非常に良いと思います。

Fi1155_1e 実際にチキンの肉を使って、研究所のような倉庫??で、実践してくれました。


通常、メスを使うときには肌の抵抗を感じながら切るものなのですが、実際にやってみると、なんと表現したらよいのか、バターを温めたナイフで切るような、いわゆる名医になった気分になれると思いますよ。


実際に売れるかは数年後ですね。

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2006年8月15日 (火)

帰って来ました!!

カルフォルに比べると、気温はそれほど変わらないのでしょうが、日本は湿気がすごいですね。成田についた瞬間、違いを感じました。まるで蒸し風呂にいるようです。でも肌にとって紫外線と乾燥は天敵。湿気によって日本人の肌は守られているのですね。


コントロバーシーは、朝早くから始まります。大体7時半には学会に医師が集まります。セッションは8時からです。時間毎に、IPL、スキンタイトニング、脂肪溶解、新技術など細かい分野に分かれてセッションが組まれており、そこでレーザーのメーカーごとの、いわば、遠慮の無い効果比較実験や、この新技術は実際に効くのか?などといった、医師の本音が語られるのです。


この学会はもともとハーバードコントロバーシと呼ばれていて、レーザー治療の先駆者であるハーバード大学、ロックスアンダーソン医師の主催するウェルマン研究所出身の医師たちの、いわば同窓会のようなものだったらしいのです。いつか、ハーバードの名前が取れ、何年か前から、コントロバーシー アンド カンバセーションという名前に変わったようです。

Fi1153_1e 今年は世界から、200人以上の医師が参加しました。参加者全員の名簿が住所付で配られるという、いわば仲間意識の下(それもどうかと思いますが)、議論をするのですが、○○会社のレーザーの、照射時間を測定してみたら、事実は全く違ったよ、とか、こんな技術は効かないのじゃないの?とか、医師たちがファーストネームで呼び合って、談笑するという感じで、本音の激論は痛烈です。


それを聴きながら、休み時間に実際に質問したりして、この機械は買っちゃいけなのだなとか、来年はこの技術の入った機械を買おうとか思うわけです。こういった情報は、医師として、患者さんに最も優れたレーザー治療を提供できるわけですし、経営者にしてみれば、時価にして数千万円以上の価値があると思いますよ。

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2006年8月13日 (日)

コントロバーシー情報

Fi1151_0e  今年のコントロバーシーは Four Seasons Resort Aviara, North San Diego でした。写真はWEBからとりましたが、ホテルはこんなに綺麗です。残念ながら、学会員で予約が一杯になってしまっていて、泊まることは出来ませんでしたが…。

アメリカの学会は朝が早いのです。7時半とかから始まります。
でも、その時間は日本では真夜中なんですよ。

夜通し、学会のセッションに出席して、夜はいろいろなドクターやこちらのレーザーの業者さんや会食してへとへとになります。でもこちらの夜は、日本の真昼間なのでこれがまた、寝れないんですよね。

いつもはアメリカででWEBをあげるんですが、今回は体力的にだめです。すごい情報も手に入れたので、帰国したら順番にアップしますね。

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2006年8月12日 (土)

ひもじい食生活

Fi1144_0e 海外の学会に、一人で来てしまうと、意外と食事に困ります。


アメリカの場合、時差の関係もあって、日本の真夜中が食事時間になるので、そもそも食欲が無い。


しかも、地方に来てしまうと、ファミレスもない。かといって一人でホテルの食事をとりたいとも思わない。今回は移動があまり無いとおもって、レンタカーも借りなかったので、ちょうど1マイル(1.6キロ)離れたスーパーマーケットまで歩いて行って、アボガドの入ったアメリカ版寿司カルフォルニアロールを5ドル35セントで、そして、サラダを1ドル98セントで買って来ました。

Fi1144_1e アメリカだと量がとことん多いので、これを昨日の晩飯と、今日の朝食に分けて食べました。なんとも安上がりな…。でも、なんか違うような…。


そういえば、去年、ナポリのメソセラピーのトレーニングに行ったとき[関連した日記LOG]は、歩いていけるところにスーパーも無くて、ホテルのレストランも閉まってしまい、ミニバーにあったポテトチップスで夜を明かしたっけ…。


でも、これも経験です。ダイエットになるかもしれないし、良いように考えなくちゃいけませんね(笑)。

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2006年8月11日 (金)

傷の残りにくい、新しい創傷治療

Fi1139_0e そういえば、創傷治療について書こうと思っていたのを思い出しました。


最近、出来た傷は消毒せずに、ラップのようなものでカバーをして治したほうが傷口が綺麗になるという考えが出てきました。夏井 睦先生という人が提唱を始め、数冊本が出ているのです。


今までは「傷の治療は、毎日消毒をしてガーゼを当てる。」「消毒の時しみるのは、細菌が死んでいるから。」「傷は乾かせばよい。」などを、古くからの伝承文化のごとく、多くの医療従事者が盲目的に従ってきました。先輩の医者からそのように言われていますし、子供の時からそうやっている。今更その常識を、辞めようなんて、出来ないですよね。


消毒剤は、確かに、細菌を殺すという作用があります。しかし、考えてみれば、一旦消毒しても、皮下より湧き出す皮膚常在菌によってあっという間に汚染されます。それどころか、皮膚の上皮化をつかさどるケミカルメディエーターを一緒に殺し、組織も破壊してしまいます。功罪のうち、罪の部分もあったのです。


夏井先生の本を初めて読んだときには、新しい治療法に挑戦したその勇気に頭が下がりました。毎日消毒で痛い思いをしなくて良いし、患者さんの負担も楽。これこそ新しい医療です。


結局、傷が出来たら、48時間以内であれば、汚れを(放置すると外傷性の入れ墨になってしまいます。これはレーザーで治療できますが…。)水道水で洗い流し、ハイドロコイドなどの湿潤物質を上から乗せて、放置したほうが傷が綺麗に治るのです。消毒剤や減菌水ではなくて、普通の水道水でいいのです。


数年前に、顔に大きな擦り傷を作ってしまった女の子を診たことがあって、この治療法をおっかなびっくりやってみたのですが、結果はまさにグレイトジョブ!!。それから傷の治療には、この方法を利用するようになりました。毎日のガーゼの交換は痛いですし、傷を作り直しているようなもの。顔にそんなことをやったら色素沈着が起こりますよ。


実は数週間前、クリニックのスタッフが目の前の坂で転倒して、左の膝を大きく切ってしまったのです。膝なら傷が残ってしまうのはかわいそう。


 縫うまでも無かったので、この湿潤治療法を採用することにして、早速実践に移したのですが、ガーゼはしない。消毒はしない。本当にこれで治るんですか?と散々詰め寄られ、最初は信じてもらえなくて、困りました。でも、
http://imsiblog.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_f02a.html
このブログを読むと、今は感謝してくれているようで…。


医師としての信頼が失墜しなくて良かったです(笑)。

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2006年8月10日 (木)

ハーバード・コントロバーシー

Fi1138_0e レーザーの国際学会に参加するため、サンディエゴに来ています。
 Controversies & Conversations in Laser and Cosmetic Surgery


通称ハーバード・コントロバーシーという学会なのですが、この学会は世界で多くあるレーザー学会の中では異色の存在です。


Fi1138_1e 通常の学会であれば、レーザー開発企業が援助し、大掛かりな発表会を兼ねるのですが、コントロバーシーで会話に入るのは、MD(医師)もしくはPHD(博士号を持つ他分野の研究者)のみで、純粋な臨床のみの検討が行われるのです。


つまり、いつもは企業の招待で、企業寄りの発表をする先生方の、いわば本音を聞ける貴重な学会なのです。

この学会では、通常は商品名を使用しません。たとえば、サーマクールはモノポーラーRF、オーロラはIPL+バイポーラRFもしくはELOS、フラクセルはFractional Reserfacing Divice となります。


今年は、フラクセルの後継機種がいくつか販売されましたので、そのあたりの本音の評価が聞けるのではと思っています。(笑)


写真はホテルからの風景です。

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2006年8月 8日 (火)

心筋梗塞はなぜ朝方に起こるのか?

Fi1118_0e 心筋梗塞は寒いときの朝4-5時に起こりやすいといわれていますが、なぜだか、知っていますか?


 これは体内の優位神経が副交感神経から、交感神経にバトンタッチされる時間とほぼ同じなのです。交感神経の影響で、急激に心臓冠血管がしまるので心筋梗塞や狭心症が起こるのです。


数日前に、自律神経のブログをかきましたが、
[関連した日記LOG]
人間の体のメカニズムは本当に複雑でよく出来ています。
病気というのは、その間隙を突いて、おこるのです。

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2006年8月 6日 (日)

どうしたら勉強ができるようになるのか?

417yh5xtfql__ss500_ 医者を長年やっていると、プライベートで、いろいろな質問をされます。


医療分野以外での質問リストの最も上位に来るのが
「どうやったら勉強が出来るようになるのか?」、そして「記憶力が上がるのか?」ということなのです。


もちろん、答えはあります。そして簡単なことです。


それは覚えるたびに”感動する”ことなのです。


脳が感動すると、短期記憶をつかさどる扁桃体を始めとした脳の大脳基底殻が活性化します。活性化すればするほど、脳の中で新しいニューロンができますので、より固定化した記憶に残ってゆくわけです。


脳は本当に複雑です。先月ぐらいから茂木 健一郎氏の著作にはまって、ようやく全冊(たぶん?)読破したのですが、写真の本は、お勧めです。1997年代に発行された彼の著作の中ではちょっと古い本ですが、脳という物理的世界に、なぜ心という精神世界が宿るのか?この難題をクオリア(質感)という概念を理解することで、答えを提示しようとしています。


医者が脳の本を書こうとすると、どうしても解剖学の知識に頼りがちなのですが、他の分野のサイエンティストの話を読むと、視点が変わって本当に新鮮です。

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2006年8月 5日 (土)

不眠症の秘密

Fi1114_0e 子供のとき、”こども電話相談室”というラジオを好きで聞いていました。皆さん覚えていますか? 

実はこの番組、いまでもNHKのラジオで”こども科学電話相談”という番組として残っているのだそうです。

昨日だったか、たまたま、それを聞いていた友人が、”眠くなるとき、足が温かくなるのはどうしてですか?”という質問があったと話してくれました。

子供の視点は的確です。実はこれは人間が眠るためにはとても重要な現象で、自律神経、つまり交感神経と副交感神経が深くかかわっているのです。

もう10年近く前ですが、僕が都立病院の勤務医だったときに、その横の研究所で自律神経の研究をしていたときがあり、英文論文 J Auton Nerv Syst. 1999 Feb 15;75(2-3):109-15. も書きました。痛みと密接な関係のある自律神経の分野は得意だったのです。

人間の臓器には交感神経という戦うための神経と、副交感神経というリラックスするための二つの神経支配を受けています。

交感神経が亢進すると、瞳孔や血管が縮み、脈拍や血圧が上がります。副腎からはストレスホルモン(コルチゾール)が出ます。この状態が続くと血球像では白血球が優位に立つため、癌を含む、炎症性の疾患の発症が多くなります。

反対に副交感神経が亢進すると、リラックスして手足などの末梢の血管が開くので手足が暖かくなります。脈も緩やかになり、眠ることができるのです。リラックスにかかわる神経ですので、ストレスも解消されます。ですが、この状態が続くと、血球像ではリンパ球優位になり、アレルギーや花粉症などが増えるといわれています。


電気のない時代は、夜暗くなると自然と副交感神経が活発化し、眠りについたものですが、24時間のコンビニや、テレビがある現代社会では、この交感神経(ON)と副交感神経(OFF)の切り替えが苦手な人が出てきているのです。不眠症が増えたのはこういったわけです。

実は副交感神経を優位にする薬はありません。しょうがないのでアルコールや、睡眠薬、鎮静剤などのトランキライザーを使って夜眠る人が多いですよね。西洋医学的なアプローチだと、薬で自律神経を抑える方法しかないわけです。

ではストレスが強い場合、何をするのか。僕はアロマセラピー等の自然療法を利用しています。ぐっすりと眠れますよ。

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2006年8月 1日 (火)

25ansに載せて頂きました。

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25ansに載せていただいました。


今回はナノラディエンスクリームについてです。


このクリームはフラーレンとAPPSを高濃度に配合した高機能性を持ついわゆる ”パワーコスメ” であるとともに、高級クリームの使用感の二つをあわせ持つ、究極のクリームなのです。


フラーレンは三菱商事で販売されている、グラファイト(黒鉛)・ダイヤモンドに次ぐ第三の炭素の総称です。フラーレンを構成する原子は黒鉛中の炭素と同じ種類ですが、60個以上の炭素原子が強く結合して球状あるいは、チューブ状に閉じたネットワーク構造を形成しています。フラーレンの代表選手であるC60はちょうどサッカーボールと同じ形をした球形分子で、直径は約0.7ナノメートル(1ナノは10億分の1メートル)です。

1985年にクロトー博士により発見され、その功績はノーベル賞になりました。この物質は構造上、活性酸素を限りなく吸収できます。化粧品に入れると表皮内にとどまり、しみの元となる活性酸素を除去し続けてくれるのです。


APPS(アプレシエ)は、2004年11月に昭和電工より発売された、シワに効く可能性のある高浸透型ビタミンCです。肌の真皮にあるコラーゲンの生成にはビタミンCが必要です。しかしながら、かつてのビタミンCでは、浸透性が悪く真皮まで到達しませんでした。さらにビタミンCは構造上、活性酸素二つにより破壊されてしまいます。本来シワに効くべき、肌の真皮まで届く前に、大切なビタミンCが破壊されてしまっていたのです。


この二つの薬剤を高濃度に配合することで、いわゆるシワに効く可能性のあるクリームを作ることが出来ました。そして、通常、高機能性のクリームは使用感が悪いことが多いのですが、大手化粧品会社の開発スタッフとともにチームを組み、使用感を重厚にしたクリームが去年完成しました。

僕は医者なので、どんな成分とどんな成分を組み合わせたらおもしろいかを考えるのは好きなのですが、化粧品はそれだけではできません。微妙なテクスチャー、香り、細かい補助成分・・・など、「化粧品のエキスパート」がいないと出来ないのですね。チームワークなのです。


開業以来クリニックFで販売していますが、実は、今までにこのクリームをOEMさせて欲しいと6社から依頼されました(すべてお断りしていますが)。手前味噌ですがけっこう評判よいのですよ。

秋には、また別の化粧品がデビューする予定ですので、楽しみにしていてください。

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