不眠症の秘密
子供のとき、”こども電話相談室”というラジオを好きで聞いていました。皆さん覚えていますか?
実はこの番組、いまでもNHKのラジオで”こども科学電話相談”という番組として残っているのだそうです。
昨日だったか、たまたま、それを聞いていた友人が、”眠くなるとき、足が温かくなるのはどうしてですか?”という質問があったと話してくれました。
子供の視点は的確です。実はこれは人間が眠るためにはとても重要な現象で、自律神経、つまり交感神経と副交感神経が深くかかわっているのです。
もう10年近く前ですが、僕が都立病院の勤務医だったときに、その横の研究所で自律神経の研究をしていたときがあり、英文論文 J Auton Nerv Syst. 1999 Feb 15;75(2-3):109-15. も書きました。痛みと密接な関係のある自律神経の分野は得意だったのです。
人間の臓器には交感神経という戦うための神経と、副交感神経というリラックスするための二つの神経支配を受けています。
交感神経が亢進すると、瞳孔や血管が縮み、脈拍や血圧が上がります。副腎からはストレスホルモン(コルチゾール)が出ます。この状態が続くと血球像では白血球が優位に立つため、癌を含む、炎症性の疾患の発症が多くなります。
反対に副交感神経が亢進すると、リラックスして手足などの末梢の血管が開くので手足が暖かくなります。脈も緩やかになり、眠ることができるのです。リラックスにかかわる神経ですので、ストレスも解消されます。ですが、この状態が続くと、血球像ではリンパ球優位になり、アレルギーや花粉症などが増えるといわれています。
電気のない時代は、夜暗くなると自然と副交感神経が活発化し、眠りについたものですが、24時間のコンビニや、テレビがある現代社会では、この交感神経(ON)と副交感神経(OFF)の切り替えが苦手な人が出てきているのです。不眠症が増えたのはこういったわけです。
実は副交感神経を優位にする薬はありません。しょうがないのでアルコールや、睡眠薬、鎮静剤などのトランキライザーを使って夜眠る人が多いですよね。西洋医学的なアプローチだと、薬で自律神経を抑える方法しかないわけです。
ではストレスが強い場合、何をするのか。僕はアロマセラピー等の自然療法を利用しています。ぐっすりと眠れますよ。
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