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2006年9月の33件の記事

2006年9月30日 (土)

ギリシャのEADV(ヨーロッパ皮膚・泌尿器科学会)

ギリシャのEADV(ヨーロッパ皮膚・泌尿器科学会)のために、明日 早朝に出国します。ヨー Fi1292_0e ロッパの皮膚科学会は、招待講演を行った昨年のイギリスロンドンのEADV、そしてフィンランドのサーリセルカのEADVに次いで三度目の出席です。


レーザー主導のアメリカの学会と比較すると、ヨーロッパの学会は、エイジマネージメントを重要視したというか、目覚しいアグレッシブな治療効果というより、良い年が取れるように、肌を維持するというマイルドな治療を重要視します。国民性なのでしょうね。


最近ECの加盟国が増えたため、ヨーロッパ全域が、あたかも欧州合衆国であるかのように意識が増してきていますよね。ユーロという共通通貨の持つ意味合いの威力を感じます。アジアも見習わなければならないのでしょうね。


一方で、イタリアやギリシャといった国では、物価が上がってしまって、映画やカフェなどの庶民の楽しみがお小遣いでは出来なくなってしまい、悲しんでいる人も多いとの意見も聞きます。実際に渡欧してみると、確かにヨーロッパの物価は上がった気がしますよね。


実は今回学会が行われるのはギリシャのロードス島なのですが、この島に入るアテネからのフライトは接続が悪く、アテネで一泊しなければなりません。さらに、リザーブしようと思っていたら、すでに全て学会関係者により、リザーブされてしまったことがわかりました。小さい島なので、他に行くルートがありません。いろいろ探したところ、ヴェネチアから船でロードスに入るルートがリザーブできたので、今回は、それでロードスに入ろうと計画しています。


客船の中の話は、またブログにアップしようとおもいます。

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2006年9月29日 (金)

医者が苦手なお金の話

Fi1286_0e_2

最近立て続けに友人の医者から、独立したいので経営を見てくれないかという依頼が来ました。


たしかに、お医者さんは経営が苦手です。事業計画書やキャッシュフローを作るなんてもってのほか。これは医学の世界にどっぷり漬かった人であればそういう人であるほど、そういった傾向があります。


知的好奇心を満たすということは、人間の本能だと思いますが、人間の好奇心は最終的には宇宙か、自然か、人体に向かうものではないかと思っています。好奇心の旺盛な人間にとっては、医学の勉強は学生のときに寝ずに教科書を読んでしまったりするほど、本当に面白いのです。なぜ風邪を引くの?とか、どうやって骨折の骨が治ってゆくのか?どうして人は老化するのか?


そういった答を見つけるためのヒントが教科書に書いてあります。こういった疑問を答えるために、いわば医学の共通言語を学び、将来の研究に役立てるのが医学の道です。


でも、すばらしい医療技術を持っている人が、経営が上手いとは限りません。保険診療費が今年も下がり、7割の病院や診療所が赤字であるという現状で、落ち着いて仕事に打ち込める状態を作るのは、非常に難しいことだと思います。病院の維持さえ難しいのですから。


現在の保険診療のクリニックを救う1つのアイテムが、自費診療で行える、アンチエイジング医療だと思っています。この医療が学問になり、さらに市場になるのは少し時間がかかるかもしれませんが、本物の医療としての確立を目指して、我々医者が日々努力しなければならないモノだと思います。

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2006年9月28日 (木)

不老革命!

Fi1287_0e 吉川 敏一 (著, 編集) の、「不老革命!」 老化の元凶「フリーラジカル」と戦う法 という本を読みました。


最近話題の活性酸素についての話ですが、これ一冊で活性酸素についてほぼ全て理解できますね。とてもお勧めの本です。


 「老い」は、体を構成する細胞自体が傷つき、死ぬことで進行します。細胞を殺す犯人である「フリーラジカル(反応性が高く不安定な原子や分子)」が引き起こす酸化反応を食い止めることができれば、理論上は130歳まで生きられるのです。


 活性酸素が引き起こしている病気は、ガンに始まり、40代からの生活習慣病、肥満や加齢臭などがあり、これらは抗酸化物質を補うことで予防できるのです。たとえば、タバコを1本吸うと、抗酸化物質のひとつであるビタミンCが血液中から25mgも消えてしまうのです。成人男性に必要な一日のビタミンCの量は、100mgですから、なんとたった四本のタバコによって、それが消えてしまう計算になります。タバコをやめることは必須ですね。


さらに有効な手立てとして、それらの物質を高濃度に含んだ「サプリメント」の摂取がよいとされています。この本には23種類の抗酸化剤が紹介されていますので、参考にしたらよいのではと思いました。


お勧めの医学書(アマゾンドットコムの検索ページです)

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2006年9月27日 (水)

ギャラクシーを超えた最新医療機器

オーロラ、ポラリス、ギャラクシー、オーロラSRA、オーロラプロ、シェイパー、コメットなどの機器を開発してきたイスラエルのシネロン社の最新機器がとうとう上陸しました。実はイスラエルは、アメリカと並ぶ、レーザーの先進国です。元々軍事目的で開発されてきたという背景があるのです。シネロン社は、バイポーラRF とほかのエネルギーの組み合わせに代表される、ELOS™テクノロジーの開発に特化している会社なのです。


その最新機種の名前はe-MAX(イーマックス)
eMax は、このELOS™テクノロジーの集大成ともいえるマシンです。



この機種は、正確にはギャラクシーの後継機種にあたり、医療レーザー(Laser=Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)と高周波のRF(radiofrequency)、光のIPL(Intense Pulsed Light)、赤外線治療のIR(InfraRed)の四つのエネルギーを駆使した科学技術での施術を可能にしたものなのです。

Fi1285_1e この機械は、フラクセルや、サーマクールが痛みが強いのであきらめていた方にとって、さらに予算的にちょっとキツイと思っていた方にとって、また、月に一度のレーザー機器で肌をメンテナンスにいらして下さっている方にとって最高の選択肢となると思います。


e-max(イーマックス)は、

オーロラの後継機種であるe-light(イーライト)の使用できる

SR(スキンリジュミネーション) 赤みと茶色みといった肌の色を薄くする
SRA(SRアドバンス) SRの茶色のメラニンを取る能力の切れ味をよくした
ST(スキンタイトニング) IR(赤外線)を使用した最新たるみ治療器リファーム
DR(RFを使用した脱毛機)


の四つのヘッドを備えて、患者さんの願いをかなえます。


さらに、ポラリスの後継機種であるe-laser(イーレーザー)
WR(リンクルリダクション) シワに効果があるレーザーです
LV(レッグベイン) 下肢の静脈を治療します


これらのすべての治療を行えるのです。


新しい機器によって患者さんに新しいサービスが出来るのは本当に嬉しいことです。coming soonです。上陸を請うご期待。

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2006年9月26日 (火)

男のカレー

先週テレビ番組「黄金伝説」を観ていたらカレー“伝説”をやっていました。旨そうなカレーばかりで、僕も昨日の晩からひとり台所でカレーを作り始めました。


Fi1284_0e 僕の台所で、最も古くからある鍋があります。学生時代に買った、「補温鍋」。この鍋、皆さん知っていますか? これが本当に重宝で、何時の引越しの時にも手放せませんでした。


この鍋でカレーを作る場合には、まず水を張り、湯を沸かします。沸騰したら具に必要なたまねぎ、肉、人参、ジャガイモなどをすべて鍋に入れます。隠し味で昆布茶や鰹節に豆乳、そして昨日はオクラとピーマンを入れたのですが、一度沸騰させた後に、鍋を火から下ろし、補温釜のような一回り大きい鍋に入れておくのです。


そして朝まで8時間。鍋ごと保温されるので、朝までとろ火で調理したのと同じ状態になります。朝起きてからもう一度火にかけて、沸騰させた後、また補温鍋にいれておきます。

家に帰ってきて、補温鍋を開けると、こんな風に、全ての肉と野菜がルーの中に溶けた、ものすごくおいしいカレーになるのです。
Fi1284_1e 24時間とろ火で煮込んだカレー。味わったことがありますか? あまりにおいしくて、二杯も食べてしまったので、今は、おなかが張って大変です。


学生のときは料理が好きでしたが、ここ数年はほとんどしていなかったのですが、自分で作るカレーって旨いですよね! 少し残ったので、もう一晩置いたら、明日はインスタントコーヒーの粉を入れるか、チーズを入れて食べようと思います。とてもおいしくなるんですよ。たかがカレーですが、たまには料理もいいですね。

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2006年9月25日 (月)

第7回トータルアンチエイジングセミナー NO,1

Fi1281_0e 第7回トータルアンチエイジングセミナーが新宿の京王プラザホテルで行われました。この学会は日本で最も大きなレーザー輸入業者であるJMECの主催で毎年行われるものです。昨年の8月に行われた、第六回トータルアンチエイジングセミナーに引き続き、今年も招待講演を依頼されました。毎年行われるこのセミナーで僕は今年が四回目の招待講演になります。こういったチャンスを与えて頂いていることは、大変ありがたいことだと思います。


今年は、会場には350名の医者が集まったそうで、毎年の成長に驚くとともに、アンチエイジング医療への関心の深さに驚きます。会場の後から見ると、実は大きなスライドがこんなに小さく見えます。

Fi1281_1e 今年のこのセミナーで面白いと思ったのは、三部構成からなるこの学会の真ん中に、「クリニックマネジメントの実際」という部が新設されたことです。駒澤大学大学院経営学研究科の山田勝教授が座長をされました。


今までこうした学会で、クリニックマネジメントについての講演の場があったことはありませんでした。数日前のブログにも書きましたが、ちょっと前には、医療の分野では、「金儲け」を連想させてしまうために、「経営」という言葉を使うことは考えられませんでした。しかしながら、今の医療機関には、CTやMRI、SPECTに多種多様にわたるレーザー機器といった数千万から数億の高額機器を導入しなければ、最先端の医療技術を患者さんに提供できなくなりました。医療の世界でも、経営の重要性が増してきたといえるのです。

Fi1281_2e 僕はこの部で発表した5人の先生の最後に「戦略的アンチエイジング医療経営」の講演をしたのです。


僕は今まで、4つのクリニックの開設と経営に関わってきました。経営に関わるうちに、経営学をきちんと学ばなくてはと思い、経営大学院に行ったのですが、ここで得た経営学の知識は貴重でした。


医学も科学ですが、経営も科学なのです。


現在、Anti Aging Doctors 株式会社という会社の”医師免許を持った医療経営コンサルタント”業をやっているわけですが、そうした活動の場を与えてもらっているもの、経営学を学んだ実績のおかげです。

Fi1281_3e そのままを医療の分野に適応するわけにはいきませんが、経営学の知識を持ったことにより、多くの経営分析の道具を持ったことは重要な体験でした。


何よもためになったのは、コーポレートファイナンスの知識です。純資産法やDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法などの計算法により、クリニックの現在価値を把握することが出来るのです。経営をする上では、クリニックの現在価値を上げてゆく努力をしていく作業が極めて大切なのです。

Fi1281_4e ですから、今回の講演では、MBAホルダーとして、経営学という学問が、どんな経営ツールを学ぶのか、限られた時間の中で、説明してみました。経営戦略の部分では、マイケルポーターの3つの基本戦略について述べました。


差別化戦略 (立地、豊富なレーザの種類と知識、ホスピタリティで競争相手よりも優位に立つ)


コスト・リーダーシップ戦略 (業界全体の広い市場をターゲットにどこよりも安いコストで評判をとり、競争に勝つ)


集中戦略 (特定市場に的を絞り、ヒト、モノ、カネなどの資源を集中的に投入して競争優位に立つ)


この基本戦略にそって、経営をしてゆくことは大切ですが、中でもコストリーダーシップ戦略については、”価格破壊”をしてはいけないと主張したつもりです。価格破壊をスローガンにした流通業界がどのような結末をおくったかは記憶に新しいですが、今私達はアンチエイジングというブルーオーションの新たな市場を作り上げているところなのです。この分野できちんとしたレベルの医療が提供できるまで、価格破壊をしてはいけないと思います。確かな市場が作られる前に、市場が崩壊してしまうこととなり、最終的に消費者である患者さんに、新しいサービスが提供できなくなります。

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第7回トータルアンチエイジングセミナー NO,2

Fi1282_0e そして、次にはマーケティングの話しをしました。


何かが満たされない状態を Needs といい
それを満たす特定のものを Wants というわけですが、
マーケティングとは、Wantsを満たす活動なのです。


古きよき時代は、いわば「作れば売れる」時代でしたので、「作ったものを売る」ことに専念すればよかったのですが、
 

現在は、どの様な産業にも競争激化、売上げ減少、成長鈍化が起こっています。こういった市場の中では、”マーケティング”が必要だというわけです。


この次のスライドでは、フィリップコトラーの著作から、マーケティングの基本的概念の説明をしました。つまり、環境の分析からセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、マーケティングミックスのいわば定石の説明です。これも普通の医師にはなじみのうすいものなのです。

Fi1282_1e 次の論点は、保険と自費の両立です。


保険診療はいわば、エコノミークラス。美容やアンチエイジング診療と行う自費診療はビジネスクラスの対応が必要なのです。


ビジネスクラスでは、

保険よりも 1ランク上のおもてなしムードで
待合スペースを分けてそちらへ通す
お待たせしない (スタッフがつなぐ)
レーザーや光治療だけでなく、スキンケア・プログラムを施術に加える 
 (枠いっぱい時間を使う)
先生やスタッフが出来るだけ話をする
携帯にメールを送る
常にビジネスクラスの笑顔で

の対応が必要です。

Fi1282_2e そして、ビジネスクラスのサービスを提供するためには、Treatment と Hospitalityを学ぶことが必要となります。これは、我々がレストランや、美容院を選ぶときと全く同じだと思います。


最新治療技術を学ぶために 

学会、セミナー、教科書
 メーカーの臨床担当者
 大学等の教育機関
 お知り合いの先生

ホスピタリティを学ぶために

教科書
 お知り合いのクリニック見学
 レストランやホテル
 コンサル会社のセミナー

などを使うのがよいと思います。

Fi1282_3e 集客のノウハウについては、WEB戦略とBLOG戦略について話しました。


美容皮膚科の分野では、デザイン性や院内の設備、そのクリニック及び院長の哲学、イメージ・・・というものが重視される。


ネット全盛の時代にあっても、美容皮膚科の場合は雑誌やTVでの露出に人気が左右される場合も依然多い。 雑誌やTVでそのクリニックを知った患者さん、あるいはそのクリニックは知らなくともレーザー機器や有効な施術法を知った患者さんが、そのキーワードを元に検索をかける。


いわば美容皮膚科の場合、WEBがまずありきではなく、口コミやマスメディアによる情報がまず先にあって、そこからWEBに検索をかける方が多いのです。

Fi1282_4e もう1つ、アカウンティングの話しをしました。


クリニックを経営するためには、外部報告向けの正確な実績を示すための財務会計(賃貸対照表 (B/S) 損益計算書 (P/L))と、将来の経営活動に活かす内部活用向けの管理会計(財務分析 損益分岐点分析 予算管理)があるわけです。


財務会計は、会計士さんや、税理士さんがやってくれますが、実は本当に大切なのは管理会計なのです。


そして、管理会計を把握するのに最も大切なのは、キャッシュフロー計算書です。 


フリーキャッシュフロー=営業利益×(1-法人税率) + 減価償却費 


と表わすことが出来ますが、フリーキャッシュフローは実物資産の増減に主観性が入る余地がなく、BS、PLと違って利益操作できないのです。


クレジットカードの売掛けや、保険診療の入金が遅れることを考慮する。さらに、減価償却費は、二年目以降の見えない利益であることが、意外と経営の基本であるのに関わらず、忘れられていることなのです。 


新しい事業を始めるときに、こうしたフリーキャッシュフローをエクセルで数年分、計算してみればいいのです。紙の上ではいくらでも失敗してよいのですから。


ともあれ、今年のトータルアンチエイジングセミナーは、一味違ったよいものを提供できたのではないでしょうか。

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9.11テロ捏造

僕の専門のレーザー医療は、アメリカで主に進化してきたものです。その歴史を勉強すると、レーザーの進化と軍需産業は切っても切り離せない関係にあることがわかります。レーザー会社にイスラエル系の会社が多いことがその事実を物語っている側面もあるでしょう。


あの9・11事件がアメリカで起きたとき、美容業界・医療業界・レーザー業界では様々な噂が流れました。あれからもう5年が経ちますが、そのときのことを思い出すような本を今日書店で見つけたので、ご紹介したいと思います。


51bhn1edv4l__ss500_ 「9.11テロ捏造」。以前ご紹介したトップポイントや、様々な書評でも取り上げられているので、ご存知の方も多いかもしれませんね。


911テロ以来、アメリカに行くたびに入国審査で写真と指紋を撮られ、長い時間のセキュリティチェックにまわされ、どっぷり疲れてしまうことも多いのですが、同時にあのテロによってアメリカ人の心に深い傷跡が今もずっと残っているのを肌で感じてきました。


こういった本は、いわゆるUFOや、アポロの月上陸がでっち上げだったなどの”トンデモ本”だと思っていたのですが、この本を読んだら、実際には、そうではない内容で驚いてしまいました。


WTCのツインタワーに飛び込んだ飛行機は、イスラム過激派のビンラディンを中心としたテロリストグループにハイジャックされたものであると伝えられ、誰もそれを疑うようには見えなかったですし、それだけ衝撃的な映像が流れました。そしてそれに続いたのはアフガニスタン、イラクへの悲惨な戦闘と破壊の開幕でした。


ところが最近のCNNの世論調査では全世界の75%の人が9・11はアメリカ政府の自作自演だと考えているのです。FBIのサイトが今でも掲載しているテロの実行犯19人のうち7人は機体とともに命を落とすどころか今も生きており、名誉毀損の裁判を起こしている人物もいるそうなのです。


あのテロでは、ツインタワーの隣の7号棟(47階建て)の何も衝突していないビルまで崩れ落ちているのですが、実は、このビルが倒壊するまで、4.5秒しかかかっていないのです。仮に7号棟と同じ高さから鉄球を落とすと、5.6秒かかるのです。これは爆破によって建物内に陰圧が働いた以外に物理的に説明がつかないそうなのです。


さらに、ペンタゴンに墜落した事件でも、衝突箇所はボーイング757型機のサイズよりも小さく、航空機の衝突後に起きたはずの火災の痕跡もない。確かにあのときのペンタゴンの映像で、穴の開いたビルの屋根の下に、書類の積んだままの机があったのを、なんだかヘンだなと思ったのを、思い出しました。


この本によると、米国には、今までにもマスコミによって世論を刺激し、開戦へと誘導する自作自演のプログラムが過去にいくつもあったようなのです。1898年のスペインとの開戦のきっかけになったメイン号事件。ベトナム戦争のきっかけになったトンキン湾事件。パナマ侵攻のきっかけになったノリエガの逮捕事件などなど。

51ksvn9hxyl__ss500_ マイケル・ムーア監督がブッシュ大統領を徹底批判するドキュメンタリーだった、『華氏911』を観ましたか? 僕は去年だったか、DVDで観たのです。ブッシュが大統領に当選した際のフロリダでの選挙疑惑や、同時多発テロ前後の彼の行動、ブッシュ家とビンラディン一族の意外なつながりなど、興味深い話が盛りだくさんでした。



国家として成立する条件として、軍事的、経済的に国民を守ることが第一義にあると思います。アメリカという国にも光と影があるとおもうのですが、本当にWTCの爆破がアメリカの自作自演だったとしたら、亡くなったアメリカ人たちは、殉職者として扱われるのでしょうか…。


美容医療でアメリカと深い縁を持ち、子供の頃からアメリカに憧れて育った僕としては、複雑な気持ちになりましたね。

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2006年9月24日 (日)

三国志

Fi1280_0e 最近、横山光輝の漫画「三国志」全30巻を、1巻から読み直し始めました。三国志は吉川栄治の小説も、横山光輝の漫画もどちらも持っています。初めて小説を読んだのは高校生のときですが、それ以来、5年後ごとぐらいに読み直したくなるんですよ。漫画と小説のどちらからか読み始めると、結局いつも両方読んでしまいます。どちらも違った視点で歴史を捕らえていて、とても面白いのです。


前に読んだのは、ちょうど2000年ぐらい。大学院に入ったときでした。


登場人物の中では、僕は圧倒的に曹操が好きです。三国志演技などで、劉備が善人、曹操が悪人とされてしまい、今の中国では曹操は悪人扱いなのは非常に残念なことです。


曹操は優れた政治力と戦闘力、企画実行力を持った上に、優れた詩をも多く残しており文化的な才能を持つ人物であったとおもいます。中国の王朝は、易姓革命(天が優れた人物を選び、皇帝にする)の考えがあります。前王朝の歴史の書物を次の王朝がまとめ上げるという、中国独自の歴史観から、劉家から漢王朝を簒奪し、魏の国を建てた曹操が、悪く言われてしまうのも仕方がないのかもしれません。魏の国は、邪馬台国の卑弥呼が金印を遣わされたと記録されている魏史倭人伝を編纂した国であり、実はこれが日本と中国との最初の接点なのではないでしょうか。


少し前に、中国が、中国の偉人8人を発表したのですが、その中には漢の劉邦、秦の始皇帝にならび、三国時代から曹操と諸葛亮が選ばれていました。曹操の復権が成されているのは喜ばしいと思いました。


晩年の曹操はこんな詩を詠みました。

老驥伏櫪 (老いたる馬は厩に伏すと言っても)
志在千里 (志は千里にあり)
烈士暮年 (烈士は晩年においても)
壮心不已 (壮心はやまず)


「天よ、われに全ての艱難辛苦を与えよ」と言う名言を残した曹操。全ての苦労を背負って、自ら成長することを望んだ曹操は、自分にも他人にも厳しかった人なのでしょう。晩年に至っても大志を抱いていた曹操に憧れを感じます。

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2006年9月23日 (土)

モネの睡蓮

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今日、家に帰ってから日経新聞の夕刊を読んでいたら、第一面にモネの睡蓮の写真が出ていました。


睡蓮は多くの美術館に収蔵されていますが、僕が思い出すのはやはりフランスのオランジュリー美術館の睡蓮の間ですね。


オランジュリーはルーブルの横の、小さな美術館なのですが、美術館の1階の壁一面をぐるりと取り囲んでいるのが、晩年のモネの大作「睡蓮」の8連作なのです。一つ目の部屋は、『日没』『朝』『雲』『緑の反映』の四作品。さらに隣の第二室には『樹木の投影』『二本の柳』『朝』(2点)があります。


初めてオランジュリーに訪れたのは、1993年の冬でした。壁一面に広がる壮大な睡蓮の絵を前に、二時間ぐらいボーっとしてしまいました。幸せな時間でした。日本贔屓だったモネの作品は、日本の絵画の影響を受けたものも多いですよね。


昨年パリの学会のEMAAに参加したときには、オランジュリーは改装のため、閉鎖されていました。大好きな美術館だけに、残念でした。


そういえば思い出しましたが、オランジュリーの周りは、有名なゲイの待合スポットだとフランス人に聞きました。男性は、夜は気をつけた方がいいらしいですよ(笑)。

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2006年9月22日 (金)

偽薬(プラセボ)効果

Fi1276_0e プラセボ効果って聞いたことがありますか?


たとえば、この薬は特効薬なんだよと、白衣を着た高名の医師に勧められると、たとえ食塩水を飲んでも病気が治ってしまう現象のことです。


つまり、偽薬を処方して、薬だと信じ込む事によって何らかの症状の改善がみられる事を言うのです。この改善は自覚症状だけではなく、客観的に測定可能な体温や血圧、皮膚疹などの実際の症状の改善がみられることもあります。


特に痛みや、不眠症や下痢などに効果的と言われています。プラセボ効果は統計によると20-30%といわれていて、決して無視できる数値ではありません。一部の健康食品など、こうしたプラセボ効果を狙った商品もあります。あまりよいことではありませんが。


ちなみに医師法にも、このプラセボの暗示的効果を期待し、処方箋を発行する事がその暗示的効果の妨げになる場合には、処方箋を処方する義務がない事が規定されているのです。


もちろん、偽薬効果を期待して処方される事もありますが、実際には本物の薬の治療効果を明らかにするため、比較対照試験で利用される事が多いです。


中でも、二重盲検法という実験は、実験する医師も、患者も、どちらが偽薬でどちらが本当の薬なのかを知らないで効果のみを判定します。こうすれば、プラセボ効果を排除して、薬の効きを判定できるわけです。実際に販売されている薬は、こうした高いハードルを越えてきているのですよね。


閑話休題


最近、薬を海外からインターネットで買えますよね。僕の知り合いのレーザー業者の社員さんが、以前に医者から痩せの薬のゼニカルを処方してもらって、非常によく効いたので、先月、インターネットで安いゼニカルを探して、輸入したのだそうです。ところが、包装も、カプセルも本物そっくりなのに、飲んでも全く効果がない。おかしいと思って、前に医師から処方されていて、一錠だけ残っていた薬を試しに飲んでみると、今まで通り、脂肪の塊が便からどんどん出るのだそうです。そのとき、騙されて偽薬を買わされたことに気付いたのだそうです。


こうした偽薬の話は、実は結構あるらしく、一錠数千円もするバイアグラやレビドュラなどを本物そっくりに石膏などで作る工場も、中国などの一部にあるそうなのです。全く効果がないとリピーターがつかないので、本物の薬を砕いて入れたりとか、工夫もあるそうです。こうした薬を処方されるときは、日本では医師の処方箋が必要ですが、もしも、個人輸入するなら、騙されていないか、気をつけないといけませんね。

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2006年9月21日 (木)

クリニック経営のWEB戦略

51n24cyd19l__ss500_ このブログやクリニックのホームページを見て下さる方が最近多くなってきたようで、お問い合わせを良く頂くようになりました。


自分の今まで書いた論文や、講演内容、ブログなどを一箇所に集めたほうが見やすいのでは? というご意見も頂いて、では、プライベートホームページを作ってみようかと思い付き、久しぶりにホームページ作成ソフトを買ってみました。


僕はもう1981年に販売された、PC8801という国産のパソコン(当時はマイコンと言っていましたが)を親父が仕事用に買ってからのPCユーザーでした。あの頃はBASICという言語を使ったり、マシン語を覚えてみたり、マイクロソフトのウインドウズの原型のMS-DOSというOSを使っていたことを思い出します。


その昔ホームページを初めて作ったときは、ワードを使ってHTMLをべた打ちするしか方法を知らなかったのですが、今回ホームページビルダーVOL10を購入してみると、フラッシュ(動画)は作れるし、画像は多く含まれているし、この世界は本当に進化著しいですね。


ところで、よく混合される「美容整形外科」と「美容皮膚科」では、WEB戦略が微妙に異なることをご存知ですか?


なぜ違うのか? と言えば、単純に客層が違うのです。


美容整形外科というのは、患者さんが人知れず自分の容姿についてずっと悩んでいる場合が多いのです。家族や友達にも相談できず、インターネットで検索するしかない患者さんにとって、各医院のHPは手術内容や金額、その効果が詳しく書かれていればいるほど良い、とされます。そして、予約もすべてHPから申し込みが出来、問い合わせもすべてメール対応で、受付や医師など現場スタッフとの会話によるコミュニケーションを必要最低限に留めたい患者さんが多いのです。HPに求められるものが、デザイン性や院内の設備といった視覚的情報やエンタテイメント性よりも、堅実な文字情報によるメニュー内容とアクセスの簡易性であるということですね。


反対に美容皮膚科の場合は、デザイン性や院内の設備、そのクリニック及び院長の哲学、イメージ・・・というものが重視されます。ネット全盛の時代にあっても、美容皮膚科の場合は雑誌やTVでの露出に人気が左右される場合も依然多く、WEB検索の仕方もちょっと違うのですね。


また、美容皮膚科の場合一番の集客は口コミです。「あのクリニックに行ったら肌のシミが全部取れてよかったわよ」「あの人もあそこに通ってるんだって」「あのクリニックではスタッフが親切」・・・など、美容皮膚科は美容整形外科と違って、友人知人で情報交換をしあう患者さんが多く、口コミに勝るPRはありません。


雑誌やTVでそのクリニックを知った患者さん、あるいはそのクリニックは知らなくともレーザー機器や有効な施術法を知った患者さんが、そのキーワードを元に検索をかけます。いわば美容皮膚科の場合、WEBがまずありきではなく、口コミやマスメディアによる情報がまず先にあって、そこからWEBに検索をかける方が多いのです。


こうしたことを踏まえた上でHPを作成していくわけですが、新しいクリニックでは従来の美容皮膚科におけるHP作成テクニックに、美容整形外科的HPテクニックと、もうひとつ別のテクニックを合わせて構築しています。ブログも実は自分なりにいろいろ日々試行錯誤しているのです。


HPやブログを見てくださる方が増えるのは、こうした地道な苦労(?)が報われているようで嬉しいですね(笑)。

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2006年9月20日 (水)

痛みについての講義のブレスト

Tomino2007 韓国の招待講演の時にまとめたブログにもありますが[関連した日記LOG]、自然療法のIMSIで10月12日に行う、痛みの講義のブレストをIMSIの人気講師である冨野さんと今日行いました。

彼女はアロマセラピーにリフレクソロジー、レイキ、エサレン、リンパドレナージュなど手技も習得していますが、何より英語が堪能なため、自然療法についての質問事項を上げると、海外の文献をつけて答をくれる、とても優秀な人材です。自然療法に関しては、僕の知恵袋とでもいえましょうか?


一般的に、国が先進国化すると、疾病構造が感染症から、心やストレスが原因の病気に変化すると言われていますが、現在アメリカでは、西洋医学に対する国民医療費よりも、自然療法を含む統合医療(補完代替医療とも言われます)に対する医療費の総額の方が多くなっており、多くの人が、これらの診療を望んでいる証拠なのです。


今日は講義の内容について、ブレストしました。痛みと自然療法という、全く新しい分野の融合の講義の前半部分なので、まず、痛みの概念について触れ、発生する機序や解剖を述べ、さらに西洋医学的なアプローチを述べた後に、使用される薬の分類と説明を行い、最後にアロマで使用される精油の薬理的効果でまとめようという事になりました。


これから半月ありますが、色々と準備を重ねてゆきたいと思います。乞ご期待。

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2006年9月19日 (火)

新たなクリニックを創るきっかけ

Fi1267_0e
新しいクリニックを創るのは、エネルギーが要る作業です。


設立にあたって、お金も必要ですし、そのお金を銀行から借りる場合には、事業計画書の作成などさまざまな書類作業が必要になります。優秀なスタッフ集めも大変ですよね。内装の設計をまかせる建築家に始まって、ドクターはもちろん、ナース、受付、セラピストなど、クリニックの成功は人材で決まると言っても過言ではないでしょう。人材の重要性はきっとどの業界でも同じだと思いますが・・・。それから良い場所を見つけるのも骨の折れる作業です。さらにソフト面でもたくさんの作業が出てきますが、そのソフトに限定して言うと最も大事なことは、そのコンセプト作りではないかと思います。


新しいクリニックが社会に対して持ちうる、経営理念(Mission, Vision, Values)の三つをよく考えて、数ヶ月プランを練ります。


新しいクリニックの将来、
目指す姿を『ビジョン(Vision)』
社会における在り方を『ミッション(Mission)』
そしてクリニックとしての信条を『バリュー(Values)』

この三つを明確にするわけです。



僕の得意な分野は、医師免許と経営学を生かした、クリニックの立ち上げです。これからも、外科、内科、皮膚科、といった既存の病院の概念から離れた、患者さんのニーズに合わせた新しいクリニックをまた、創りたいですね。いくつかプランを練っているところです。


クリニックを創り上げる作業は、本当に大変ですが、でも、その仕組みが完成し、動き出したときは、充実感があります。

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2006年9月18日 (月)

MBA友の会

Fi1265_0e 神社めぐりの後、昨日はMBA友の会の分科会?で、ヘルスケア友の会という勉強会に参加してきました。


MBA友の会というのは、知り合いにご紹介いただいたのですが、いわゆるMBAホルダーや、学生、学生志願者などが集まって定期的に勉強会を開いているらしいのです。


今回はそのヘスルケア友の会で、医療経営の勉強会をするというので参加したのです。参加者は約20名ぐらいだったでしょうか。


こういった勉強会に三連休の真ん中に参加するというのは、みな医療の経営の分野には興味があるのでしょうね。


昔は医療の分野で「経営」という言葉を使うと、「金儲け」を連想させてしまい、考えられませんでしたが、今のクリニックにはCTやMRI、SPECTに多種多様にわたるレーザー機器といった数千万から数億の高額機器を導入しなければ、最先端の医療技術を患者さんに提供できなくなりました。


一方で、保険診療費が4%も落ち込み、医院や病院の建物の維持さえも、難しくなっている医療機関があるのです。常識的な範囲での経営知識を、医師が身につけなければならない時代になってきたのです。


かといって経営学の知識をそのまま医療に応用するわけには行きません。医療という分野は、他のサービス業と違った特質がいくつもあるからなのです。やはり、一番大きなものは、医師と患者との間の、知識の非対称です。もとより、医師と患者との間には知識の開きがあるので、医師の努力が、患者には見えにくい。その一方で、患者も医師の説明次第で、治療方針を決定せざるをえない。


また、マイケルポーターの基本的な経営戦略である、コストリーダーシップ、差別化そして集中化戦略ですが、医療の持つ、公益性、倫理性の考えを強調すると、これら全て、そのまま医療界には適応できない状況にあります。


昨年の都内の美容皮膚科クリニックの新規参入は60院もありました。しかしながら、昨年40院は廃業です。自費診療の分野から、まさに医療機関の競争が始まったといえますが、良い医療を提供している医師が、経営のいざこざで職を失ってしまう可能性もあるのですよね。由々しき問題に発展しなければ良いのですが…。

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2006年9月17日 (日)

神社めぐり

Fi1264_0e 僕は神社が好きでよく神社めぐりをします。


この9月7日、患者さんの無事故と、スタッフの健康を祈って、4つの神社を今日は朝から回りました。誰かからか聞いたのですが、神社めぐりは午前中にやらなければならないらしいんですよ。


早朝にまず出かけたのは、氏神様の赤坂の日枝神社です。まだほとんど人がいませんでした。凛とした空気が気持ちよかったですよ。


次に向かったのは、杉並の大宮八幡宮です。この神社は以前に住んでいた家から近かったこともあって、何度か行ったことがありましたが、とても好きな神社です。

Fi1264_1e 次は、一気に環七を下に下りて、品川南にある、品川神社におまいりに行きました。この神社は一部の人に、パワースポットと言われている、ちょっと不思議な雰囲気を持った神社です。幹線道から近いのですが、長い急な階段を登ってお参りに行きます。



そのまま15号と17号を北上して、最後は文京区の富士神社です。

今日はお祭りが行われている神社も多かったのですが、締めの場所として、とても良い雰囲気でした。なによりお参りすると気持ちが引き締まるというか、すっきりしますね。

Fi1264_2e お参りが終ったあとは、根津神社近くにある有名な鯛焼き屋さんに並んで、できたて熱々の鯛焼きを頂き、MBA友の会の医療経営に関する勉強会に向かいました。

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2006年9月16日 (土)

中国からの患者さん

Fi1262_0e_1 クリニックには海外からの患者さんがいらっしゃることがあります。その中でも、中国の患者さんも結構いらっしゃるのです。最近の中国の経済発展は、目覚しいですよね。


今日いらしたのは、北京からの二回目の患者さんで、年頃のお嬢さんのほほの目立つホクロを取ってくれという方でした。前回、二ヶ月前に来院されたときに、一時間ぐらい英語でカウンセリングして、よし、お前を信頼するので次に日本に来るときに、娘の診療を任せると言ってくれました。


今日、16時に予約が入っていたのですが、フライトが遅れて来院が遅れてしまうとの連絡がありました。でも、僕は18時にどうしてもはずせないアポがあったのです。


幸いに、ホテルニューオータニに宿泊されるということだったので、アポをこなした後、夜の21時にクリニックを開けて、炭酸ガスレーザーでホクロを焼却し、綺麗に創傷治癒をさせるためにハイドロコイドを使用して密閉療法にしました。


おそらく満足していただけたのではないかと思います。中国では提供できない、最新で、質の高い医療を提供できたのは、嬉しかったです。

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2006年9月15日 (金)

二日酔いに効く秘策

Fi1259_0e

昨晩、仕事の後に、ホルモン補充療法で有名な先生と、日本最王手のエステティック会社のPRの方と食事をしました。ホルモン補充療法には以前より興味があったので、とても楽しい飲みになったのですが、おいしいジンをたくさん飲んでしまったので、今日は二日酔いです。


人間、加齢すると基礎代謝率が低下します。これは、入れ替わる細胞が減ってしまうということなのですが、ホルモン補充療法によって、代謝が上がると肌の細胞の入れ替わりも早くなるので、レーザーの効きが格段に上がるんですよ。これについてはまた別のブログでふれますね。


二日酔いは、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドやその酸化物の毒性が主な原因です。アルコールの脱水作用、エネルギー不足、体液の酸性化、低血糖などが複合して症状が引き起こされます。


同時に、二日酔いのときは激しい頭痛が起こりますよね。これは、アルコールの脱水作用により、脳に含まれている水分が少なくなり脳硬膜が牽引されることによっておこる硬膜牽引痛が原因です。激しく泣くと、頭が痛くなるときがありますよね。これも同じ原因で起こるのです。この脱水状態は水分の補給により回復します。


さらに脱水状態は脳だけでなく全身で起こります。体内の細胞外液が減少して、血液に含まれているナトリウムやカリウムの濃度が高くなります。体液の受容体が作動して、筋肉の収縮などに関わっているカルシウムやマグネシウム、などが尿と一緒に体の外へ出てしまいます。これが疲労感や脱力感の原因なのです。血糖も低下しますので、肝臓のグリコーゲンも分解されます。これも疲労感や、脱力感につながります。


ところで、二日酔いの特効薬って、なんだか知っていますか?


それは点滴なのです。僕が研修医だったときに飲みすぎて、頭が痛いといっていたら、同僚の医師が、「じゃあ血管を刺す練習もかねて、点滴をさせろ。」と言いました。だいぶ抵抗したのですが、結局やられてしまいました。確か針を刺すときに、何度か失敗された記憶があるのですが、点滴の威力はすごかったですよ。頭痛や倦怠感があれよあれよという間に減ってスーッと消えてゆくのです。


点滴の内容は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、そして糖が含まれているものがスタンダードでおすすめです。商品で言うと、ソリタ3号とかでしょうか。そして、ビタミンB1のアンプルを入れるとさらに効果的です。これでアルコールで失われたものを補充できます。


保険適応は出来ないと思いますが(笑)、オススメです。

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2006年9月14日 (木)

「戦略的アンチエイジング医療経営」

Fi1257_0e 最近、美容医療クリニックの経営をしたいというドクターや企業の方が増えているようで、僕のところにも経営指南の問い合わせが良く来ます。特に都心部ではなく、地方都市のドクターの相談が増えていることが最近の傾向でしょうか。


昔のように、美容整形が主流だった時代はもう終わりました。今はメスを使わず、レーザーやフィラー(注入療法)や化粧品などで、肌のメンテナンスを行いながら、無理のない若返りを希望する患者さんが増えました。こういったクリニックを”美容皮膚科”と業界では呼んでいます。


僕は今まで、4軒のこうした美容皮膚科クリニックの立ち上げに関わって来ましたが、一番財務を圧迫するのはレーザー機器です。


近年のレーザーの進歩は本当に早いのです。レーザー会社が作った新しいレーザーが、わずか数年で全く新しい機能を持った新機種に変わってしまうことも良くあります。全く医者泣かせですよね。


ほんの数年前までは、美容目的のレーザーといえば脱毛レーザーでした。98年ぐらいでしょうか。その当時サイノシュア社のLPIRというアレキサンドライトレーザーが一世を風靡しました。あとは、シミをかさぶたにして取るルビーレーザーがありましたね。


99年になってフォトフェイシャルという光治療器がでて、ノンアブレイティブ治療(肌にかさぶた等、日常生活に復帰できない期間がない治療)が可能になりました。つまり施術をしたその日に、化粧をして帰宅できるのです。


その後、オーロラ、ポラリス、オーロラプロなどの機種が開発され、現在はその4世代目のギャラクシーという機器が最も新しいのですが、さらにこの秋、eMAXという5世代目の機械がリリースされます。


また、2002年にサーマクールという機械がデビューしました。この機械はRFという技術を使って、メスを使ったフェイスリフトに変わる”肌のたるみの引き上げ”という施術を可能にした画期的な機械です。


2005年にはフラクセルという機器が日本で販売されました。これは肌を改善するのではなく、まったく新しい肌に新し入れ替えてしまうという、コロンブスの卵またはコペルニクス的展開の全く新しい発想の機種です。


こういった機器は、1台1000万円から2000万円という破格の金額がつけられます。フェラーリが購入できますね(笑)。もちろん、車と同じようにこれらは割賦で購入することが出来ます。


レントゲンやCT、MRIと違って、人の生死に関わらない美容目的の医療機器購入に数千万円を支払うという発想は、20年前の医療法人にはなかったものです。しかも株式組織ではない個人クリニックで、こうした機器を購入するのは大きな決断が必要となります。ただ、減価償却を考えれば、二年目以降は税引き後の見えない利益が決算書にのることになります。


たとえば2000万円の機器を購入したとき、5年の割賦で考えれば一月あたりの出費は33万円です。この金額を稼ぐのに必要な患者数は一人3万円の売上げがあるとして、わずか、11人でいいのです。よほど患者さんに嫌われる医師でなければ、安定経営は可能ですよね。


こういったクリニックの場合、経営陣として、損益計算書(P/L)と賃借対照表(B/S)だけではなく、キャッシュフローベースでの財務状況をある程度把握することは大切です。僕はクリニックを作るときに、エクセルを使って、必ず5年間の収益構造の予想をすることにしています。紙の上ではいくらでも失敗できますから。


そして、クリニックの現在資産価値をコーポレートファイナンスの知識を使って算出します。これには純資産法とDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法を主に使って計算するのですが、この作業をすることで、企業価値を上げるという、経営学の基本に戻ることが出来るのです。


経営学やMBAの知識を持って、医療業界に参入するのは、竹槍を持った兵士の中に、戦闘機がミサイルを撃ち込むようなものです。僕が、保険診療を主体とした個人クリニックではなく、自由診療主体、しかもこうした高額機器を主体としたクリニック経営に興味を持ち携わっているのは、この業界ならではの経営ダイナミズムを体験できるからというのも、大きな理由です。


9月24日に京王プラザで開催される第7回トータルアンチエイジングセミナーに招待講演を頼まれましたが、こういった医療経営学の話をしたいと思っています。


御題はズバリ、「戦略的アンチエイジング医療経営」。乞ご期待です。

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2006年9月13日 (水)

男女産み分け

Fi1255_0e 新王の誕生で妊娠や出産についての話題が一気に沸騰していますね。僕も患者さんから連日さまざまな質問を受けます。今日はそのよく聞かれる質問のひとつ=男女産み分けについて書いてみましょう。

男と女はどのようにして決まるのでしょうか? これは受精するときの性染色体の組み合わせで決まります。卵子はX染色体1個しかないのですが、精子にはX染色体とY染色体を持つ2種類が存在します。これらが組み合わさると、

XX→女児
XY→男児

がそれぞれ生まれます。これは、高校の生物で習いましたよね。


ところがこのXとYは同条件ではないのです。まず、Y精子の数は、X精子の2倍存在します。女児になるX精子は、寿命が2~3日と長く、酸にも強いという特徴があるため酸性の膣内をくぐり抜けても、しっかりと子宮に到達し受精します。ところが男児になるY精子は、寿命が1日と短く、また酸性の液の中では動きが鈍くなります。このため、素早く子宮に到達しないと、力尽きて途中で死んでしまうのです。男女の生まれる確立は、ほぼ同じ(正確には男:女は1.05:1)となっています。昔は男児が弱かったので、5%ぐらいの確率で、生後に死亡したのですが、今は医療の進歩のおかげで、ほぼ全員が生き残るのです。ですから、同年代であれば、男の方が5%ほど多いといわれています。


日本では1983年頃からパーコール法(濃縮し、質の良い精子を分離する)というXとY染色体をもつ精子の分離と人工授精がおこなわれてきましたが、この方法を使って産み分けるのは、血友病などの劣勢伴性遺伝(X染色体に変異があり、このX染色体が1つしかない、男児に発症する)に属する病気を防ぐのが目的でした。この方法は精子を分離してX精子を抽出し人工授精する方法なのですが、特殊な婦人科でしか、行われていません。また、Y精子とX精子の電荷の違いに注目して電気泳動法を利用した産み分け方法もあります。どちらも成功率は70%ぐらいといわれています。


昔から指摘されている方法で、体全体のpHを変えていく方法があります。肉・魚を食べると体は酸性に、そして野菜中心にすると体はアルカリ性になるといわれていますので、女の子が欲しければ肉・魚を、男の子が欲しければ野菜を食べればいい事になります。この理論を利用して、膣内にピンクゼリー(酸性で、女の子が生まれやすい)をいれる方法や、男児にするためにリンカル(天然カルシウム)という薬を2ヶ月間処方するという方法もあります。


最近「男女産み分けについて相談に乗ります」と言う産婦人科も増えているとは聞きますが、医師同士で集まると倫理的な点や実際の実現率などについて、議論になります。僕の個人的意見としては、やはり自然に任せた方がいいのでは・・・と考えてしまいますが。


医師が介在せず自然に出来る方法はないのか? と患者さんに聞かれ、う~んとあれこれ悩んでいる最中ひとつ思い出したのですが、夫婦生活をエンジョイしている夫婦は男の子ができやすいという噂を聞いたことありませんか? これは俗説のように思われていましたが、理論的に、そして医学的に考えると、そうでもなさそうです。


膣内は通常はデーデルラント桿菌により、酸性(pH=4.5)に保たれています。しかし、女性がオルガスムスに達してくると、アルカリ性の分泌液(バルトリン腺液)を出して、膣内を徐々に中和されていきます。アルカリ度が強いとY精子が生き残りやすくなるので男児が生まれやすいというわけです。


人間のメカニズムは面白いですね。

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2006年9月12日 (火)

安楽死の選択

映画「ミリオン・ダラー・ベイビー」のDVDをスタッフに薦められ、予備知識もなく観 たのでFi1253_0e すが、いや、実はすごい名作でした。皆さんご覧になりましたか?


2005年のアカデミー賞ほか数々の映画賞を受賞した、クリント・イーストウッド監督・主演作ですが、これは単なる女性ボクサーの物語ではありません。


トレーラーハウスでアメリカの貧民層の中で育ったマギーは、ボクサーとして名を上げて、母親の生活を豊かにしてあげるのが夢です。ボクシングジムに通うお金を稼ぐため、喫茶店の安いアルバイトをずっと続けています。やっと貯めたお金で、ボクサーの名トレーナーとして知られるフランキー=イーストウッドに弟子入りを志願しますが、30歳をもう超えていること、そして女であることを理由に断られ続けます。


けれど、最終的に彼女のガッツに根負けするフランキー。トレーナーを引き受けることになります。彼の指導によって、年齢が過ぎているにもかかわらず、マギーはめきめきと上達します。マギーは努力の人です。試合で記録的な連破を重ね、ついに世界チャンピオンの座を狙えるほど成長しますが、そのタイトル戦で、思いもよらぬ悲劇が彼女を襲うのです。


それは、タイトル保持者の、終了ゴング後の不意打ちの反則フックでした。予測もしないフックを受けて、もんどりうって倒れるマギーの首の先には、セコンドのフランキーの用意した椅子がありました。マギーは頚椎を損傷し、全身不随になってしまうのです。


マギーはアメリカンドリームを実現し、幸せのまさにその淵に手をかけながら、どん底に突き落とされます。フランキーは全米の医者に治療の可能性を問い合わせ、マギーを救うために尽力しますが、頚椎を損傷した場合、現在の医学では治す術がありません。寝たきりの状態にあるマギーには、フランキーの必死の看病にも関わらず、床ずれがおこり、さらに血行障害により左足の切断まで余儀なくされてしまいます。ガッツのあるマギーですが、こんな状態ならばと安楽死を望みます。そんなマギーに対して、フランキーは、神に背く、ある決断をするのです。


実際には映画の様に頚椎の第一、第二番を損傷して、人工呼吸器がつけられてしまっては、言葉を発することは出来ません。そういう意味で、この内容はフィクションなわけですが、そういったものを超えた、深い愛と感動がこの映画にはあります。


僕には、医師として、安楽死の問題を考えさせられる患者さんが、実際今まで何人かいました。「死は生の対極にあるものではなく、生に含まれているものである」と話した作家がいましたが、死は生の中のほんの一部なのです。実際の人生で、生が99.9%あるとしたら、死は0.1%もないのかもしれません。生きている私達にとって、死は、恐怖の対象でしかも想像の産物でしかありません。


しかし、死への恐怖感が、その患者さんにとって、生きる意欲や希望に勝るとき、残される人は、一体どのように対処したらよいのでしょうか。その際、残される者の感情はどのように動くのでしょうか。


そして、もし万が一目の前にいるかけがえのない、愛する人を苦しみから救うためには、まさに安楽死しか選択肢が残されていないという場合。でも、その引き金は自分で引かなければならないという場合。選択を迫られたら、自分だったらどうするでしょう。

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2006年9月11日 (月)

韓国での講演を終えて

Fi1252_0e 質疑応答は、7人の全講演者が前に出て、会場内から出た5つの質問に対する見解を一人ずつ答えていくという形式で行われましたが、他の国の医師たちは、日本に比べて数段アグレッシブですね。日本では信じられないような高いパワーで、バンバン治療しています。

Fi1252_1e 質問に対する議論がセッション中、スピーカー達の中でも行われました。

香港の医師で今回の主席のヘンリー=チャンが、最後の全講演のまとめを行ったのですが、僕の講演内容から、メンテナンスにフラクセルを使用することや、肝斑対策に、NdYAGレーザー(マックスピール)を併用していることなどを、新しい技法として指摘してもらいました。

Fi1252_3e 講演の行われたロッテワールドホテルの中です。

韓国での講演が終って、お勧めだと言われたマッコリを買ってフラクセルの日本の販売元であるJMECのスタッフの田井中さん、石田さん、吉田さんと、部屋で飲みました。皆、年が近いので、修学旅行のようなノリで、楽しかったです。盛り上がって、結局三時ごろまで飲んでしまいましたね。写真撮っておけばよかったな。


ともあれ、実り多い韓国の招待講演で、良い経験が出来ました。

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汎アジア・フラクセル・ユーザーズ・ミーティング その2

各国のドクターは実際の皮膚切片から組織学的に検証したような、基礎的な実験データをプレゼンした人も多く、非常に勉強になりました。


最初に三人のドクターの講演が行われ、ディナーになりました。僕は主催者と講演者の先生方と、別室で食事をすることになり、円卓で食事をしました。


先日行ったサンディエゴのコントロバーシーの話しや、ロンドンのテロで飛行機のセキュリティチェックがとても大変だったことなどが、話題になりましたよ。


その食事会が終った後の、講演のトップバッターが僕でした。

Fi1251_0e_1_2 日本人は、他のアジア人に比べて、弱い施術を好みます。通常は、他の国の患者さんなんて、治療後に顔が赤くなっていなかったら、効いてないんじゃないかとか、かえってクレームの対象になるのです。


僕は、フラクセルがデビューした当時は、ニキビ跡や、毛穴、肝斑を治すための、対症療法的な治療器になるのではと思っていたのですが、この機械をフォトフェイシャルのような、肌のメンテナンスのために使用すると非常に良いという内容を話しました。

Fi1251_1e_1_3 このスライドでは、フラクセルのパラメーターとして、エネルギー、密度、照射径を気にするドクターが多いが、実際には、治療者のテクニックが結果に関わっているということ。そして副作用を少なくするために、施術前、施術後にどの様な工夫をしているか、話しました。

Fi1251_2e_1 またこのスライドでは、患者さんの痛みの軽減のために、通常は麻酔のクリームと摂氏-4度のクーリングエアを使いますが、どうしても痛みに弱い方は、顔の神経ブロックや、痛みの記憶をなくす作用のある、ベンゾジアゼピン系の薬の点滴を麻酔医の管理の下で行うこともあると発表しました。

Fi1251_3e 講演の最後には、ニューオータニから見える新宿の夜景と、ニューオータニのビルの写真を出しました。
Fi1251_4e レーザー治療器は、白人と黄色人種では全く違った設定が必要です。アジアの医師たちが集まって行う、こうした検討会は、非常に勉強になりましたし、良い経験になりました。

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2006年9月10日 (日)

汎アジア・フラクセル・ユーザーズ・ミーティング その1

Fi1250_3e   

Fi1250_0e 学会のホテルは20階ですが、窓からはこんな風景です。ジェットコースターがあるたびに、叫び声が聴こえたりします。

Fi1250_1e 会場はロッテワールドホテルの三階でした。この席がほぼ一杯になり、立ち見もいたので、おそらく200人弱のドクターや関係者が集まったのでしょう。

Fi1250_2e 会場で、同じ日本からの二人のプレゼンテーターの女子医大河野先生と撮りました。

高崎メディカルクリニックの貝瀬先生にも会場で会いました。

講演は、フラクセルの皮膚のメンテナンス療法について話しました。実は、今まで僕はレーザーの話を10回以上海外講演しているのですが、今回初めてカンニングペーパーを持たずにいったのです。15分ぐらいの短い講演でしたし、おそらく英語のアドリブでいけるのではと…。


Fi1250_4e 結果は…。打ち合わせしていたプレゼンテーションが出なかったりした運営サイドのミスもあったりしたのですが、最初は会場の雰囲気に飲まれてしまって、ちょっと上がってしまいました。用意して考えてきた台詞もいくつかぶっ飛んでしまい、参りました。後半から英語もスムーズに出てきて、最後の質疑応答の時には、普通にしゃべれたのですが…。いやー、日々これ経験ですね。


今後の課題を残した韓国フラクセル講演でした。内容は、また次のブログで帰国後に報告しますね。

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2006年9月 9日 (土)

痛み治療の講座

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明日の学会講演のため、韓国入りしました。会場はソウルのロッテワールドホテルですので、そこに滞在しているのですが、横からロッテワールドの歓声が聞こえてくるような立地です。


ちょっとまとまった時間が取れたので、今度僕が担当する“痛みの治療に関する講義”について書きたいと思います。


自然療法に関する最新の情報をシェアしたり、セラピストさんを派遣してもらって、お世話になっているIMSIで、痛みの治療に関する講義をすることになりました。IMSIブログ


お題は「医学博士が解説する、4時間で解る痛みの構造とその緩和法」です。


講座内容:
● 痛みの発生のしくみ
● 痛みをもつクライアントが来た場合の対処法
(動かして良いのか、マッサージして良いのか、温めた方が良い場合、冷やした方が良い場合など)
● ペインクリニックの役割とは
● ペインクリニックにおける痛みのアセスメント法
● 西洋医学的痛みのコントロール法
(鎮痛薬、モルヒネ麻薬性鎮痛剤、NSAID、抗うつ剤など)
● 痛みの種類(頭痛、神経痛、腰痛、関節痛、帯状疱疹痛、がん性疼痛、慢性疼痛など)
● ペインマネジメントにおける自然療法の役割



僕は医師としての初期研修に麻酔科を選択しましたが、その理由は、麻酔科が痛みのスペシャリストであるとともに、救急医療の技術が体得できることにありました。さらに、痛みと密接な関係にある、自律神経の研究が出来ることも大きな理由のひとつでした。


病気で最も苦しく、いやなことは、「痛い」ことだと思います。死が怖い理由のひとつも、死の直前かつて体験したことのない痛みが自分を待っているのではないかと思うことでしょう。結局麻酔専門医とペインクリニック認定医の資格を取り、東大病院でペインクリニックの外来を持ったり、都立の看護学校の講師をしたりしましたが、「痛み」がもたらす恐怖・不安・ストレスについて現場で何度も考えさせられました。


現在は米国レーザー医学会(ASLMS)や、日本形成外科学会、日本美容皮膚科学会、日本抗加齢医学会などの学会に所属し、美容皮膚科のクリニックを経営してはいますが、いまだに痛みの緩和に対する医学的興味を失ったわけではありません。レーザー治療を行う上でも痛みを最低限に抑えるためにはどうしたらいいかを常に考えています。


僕がペインクリニックに興味を失い、別のジャンルに移行していったのは、西洋医学のアプローチとして痛み治療に使用できる施術が、いわゆる薬と、局所麻酔薬の神経注入・・・すなわち=神経ブロックの二つしか手段がなかったことにあります。


しかしながら、もし西洋医学にアロマセラピーやリフレクソロジーなどの自然療法的アプローチを加えることができれば、痛みに対して多方面からの、それこそメンタルケアも含めた、もっと包括的な対応ができると思うのです。特に最近では、レントゲンをとっても血液を採取してもなんの異常も認められない、“病気未満”の疾患と痛みで悩む患者さんが増えています。こうした方は行く場所がなく、整体や鍼灸、アロマセラピーやリフレクソロジーなどのサロンを頼るしかないわけです。けれど現状としてこのジャンル・・・特にセラピーの専門家は、痛みの基本的メカニズムや病院で処方される薬について学校で教えてもらうチャンスに恵まれないことも多く、コンサルテーションに時間をかけてもクライアントの状態を正確に把握することができないまま、施術に入るケースが多いというのです。


西洋医学一辺倒であった戦後の医療から、東洋医学や自然療法を含む補完療法/統合医療の見直しがなされている現在ですが、新たなアプローチで慢性痛という概念に挑戦するのは、非常に楽しみなことです。医者として持っている知識がこうした現場で役に立てば、これほど嬉しいこともありませんしね。


今後ますます注目されるであろう「ターミナル・ケア」を考えても、医療と自然療法が真剣にタッグを組んで“痛み”に取り組む時代がもう目の前に迫っている気がします。それこそ本当の意味での「メディカル・スパ」がこれから誕生していくことでしょう。僕自身チャンスがあればぜひ立ち上げてみたいです。


聞けば来月行われる講座には、医療現場の方からも受講の申し込みがすでに来ているとか。講義をきっかけに活発な意見交換を皆さんとできれば、と思っています。

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2006年9月 8日 (金)

帝王切開

519xko0jifl__ss500_ そういえば、紀子妃は帝王切開で出産しましたが、なぜお腹から胎児をだす手術を帝王切開と言うのかご存知ですか?


僕は医学部の学生のときに、その理由を聞きました。実は、昔のお医者さんのドイツ語医学用語の誤訳なのです。


日本語訳の「帝王切開」はドイツ語の「kaiserschnitt」の直訳です。これは、分解すると「kaiser=皇帝」と、「schnitt=手術」の訳語であるために、帝王切開と訳されたのです。しかし、「kaiser」という言葉には、「切る」と言う意味が含まれています。つまり、「kaiser」を本来の「切る」という意味ではなく、皇帝のカイザーと勘違いしたのが誤訳の原因らしいのです。


ちなみに通常医師は、帝王切開のことをカイザーと呼んでいます。カイザーにも緊急で行われるものと、予定で行われるものがあります。緊急のものは、早く胎児を出さなければならないので、おへその下の下腹部を縦に切開する場合が多いのです。一方で、今回の前置胎盤のような予定されたカイザーは、下腹部のずいぶん下の方を横にきるのです。だから出産後にビキニも着ることが可能です。


写真は皇帝ペンギンです。あんまり関係ないですけど…。可愛いですよね。

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2006年9月 7日 (木)

臍帯血輸血

親王が誕生しましたね。

Bth1242_0b 親王の臍帯血が臍帯血バンクに登録されるということですが、臍帯血ってなんでしょうか?

臍帯血とは、胎盤と臍の緒に残った血液で、白血球、赤血球などに育っていく造血幹細胞が豊富に含まれています。赤ちゃんのへその緒や母親の胎盤にある血管中の血液には、通常の体内にある血液に比べると血液を造る能力を持つ、「造血幹細胞」という細胞が多く含まれています。

胎盤は少し前まで、医療廃棄物として処理されてましたが、現在はプラセンタとして滋養強壮・美容目的で再利用されるようになりました。

この臍帯血を患者に輸血するのが臍帯血移植です。通常、造血幹細胞の移植(骨髄移植)は、白血病の治療などに使われますが、将来的には、臓器の再生医療に使われる可能性があり、無限大のニーズがあります。

また、提供者の負担は骨髄移植とは比較にならないほど軽く、採取した臍帯血は冷凍保存が可能なので、必要な時に利用できます。臍帯血提供者が痛みを感じたり、経済的、時間的負担を強いられることはないのです。

血液の移植には、恋愛遺伝子の欄でも書いた、HLAという白血球の型の一致が重要ですが、臍帯血のリンパ球はまだ成熟していないので、「自己」と「他者」の区別を認識するシステムが出来上がっていないのです。ですから、移植した骨髄が、患者の細胞に対して拒絶反応を起こす移植片対宿主病(GVHD)が軽度で、骨髄移植に比べると、HLAが一部不一致でも移植可能なケースが多いのも利点です。

現在では、万が一、自分が血液病にかかったときに、自分の白血球のHLAに合致した臍帯血を確保しておき、冷凍してバンクに保存しておくといったビジネスも立ち上がっています。値段は保存料を含めて、一人当たり100万円前後ということですが、将来的には肝臓などの臓器再生医療にも使われる可能性もありますので、一部の富裕層には魅力的な話なのではないかと思います。こういったお問い合わせを実際に僕はクリニックでも受けたことがあります。僕に出来ることとしては、橋渡ししかないのですが…。いずれにしても、こうしたニーズは、この日本でも今後ますます高まって行くのでしょうね。

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2006年9月 6日 (水)

無痛分娩

Fi1238_0e 今日はいよいよ秋篠宮紀子さまの出産日ですね。帝王切開による出産が医師としても気になります。今回のブログは最近日本でも増えた無痛分娩について書いてみましょう。


日本では無痛分娩を行うことがあまり推奨されていない風潮がありますが、実はアメリカやフランスではほとんどの出産が無通分娩になるといいます。


そういえば、世界で初めて無痛分娩を行った人物は誰だかご存知ですか? 実はジョン・スノウという医師が、AD 1853のビクトリア女王の出産にクロロホルムによる無痛分娩を行ったのが世界初の無痛分娩だと言われています。


無痛分娩は専門的に言うと、大きく三つに分類されます。


一つ目は、全身麻酔による分娩です。全身麻酔ですと、妊婦さんの出産の記憶が全く失われます。麻酔科医が必要であること、そして麻酔薬も胎児に移行するリスクがあることから、特殊なケース以外現在この全身麻酔による無痛分娩は適応されません。


二つ目は硬膜外麻酔による無痛分娩です。硬膜外麻酔は、脊柱のなかの硬膜という部位に、細いチューブを留置して、そこから局所麻酔薬を流し込み、子宮に関連する一定範囲の痛みをとるというものです。この麻酔は熟練した麻酔医が担当すると、非常に良い結果をもたらすのですが、少し麻酔薬が効きすぎると、痛みは取れても、運動神経が麻痺してしまうため、子宮の収縮力が落ちてしまい、出血が止まりにくくなるリスクはあります。


三つ目は陰部神経ブロックというものです。ドイツでは主流の無痛分娩法ですが、胎児の出口である会陰部の神経を支配している陰部神経を局所麻酔薬によって麻痺させる方法です。陰部神経は運動神経の支配もありますので、産道から会陰部の筋肉の弛緩作用もあり、分娩をスムーズにさせます。日本では一部の施設で行われています。


リスクから考えて、紀子さまはどの麻酔法を選択するでしょうか? 多分僕は第二の硬膜外麻酔法を選択すると思います。


無事の出産を祈っています。

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2006年9月 5日 (火)

汎アジア・フラクセル・レーザー・シンポジウム

Fi1235_0e 今週の土曜日、9月9日に韓国ソウル・ロッテワールドホテルで行われるPan Asia Fraxel Laser Symposium に招待講演者として招かれています。このシンポジウムはフラクセルのリライアント社主催で行われますが、アジアでフラクセルの症例が多い医師が韓国、香港、台湾、タイなどから7人招待されており、僕は二人の日本人医師のうち、一人に選ばれました。大変名誉なことです。


韓国での招待講演は、今回で三度目です。発表は英語で行いますが、アジア人の英語というのは、聞き取りが難しいんですよ。発表は自分のペースで出来るので良いのですが、質問が聞き取れなくて困ったりすることが多々あります。といっても、きっと僕のジャパニーズイングリッシュも、さぞかし訛っているんだろうな。(笑)

Fi1235_1e 今回は、フラクセルの、肌を入れ替えた症例、毛穴を目立たなくした症例、肝斑をほとんど治療した症例、そして肌のメンテナンスにフラクセルを使用したエクセレントな結果を出している症例を提示し、さらに患者さんが楽に施術できるように、痛みのケアにこだわった麻酔法について、発表したいと思っています。


金曜日に出国しますが。結果はまたご報告しますね。

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2006年9月 4日 (月)

ベンハーとスターウォーズ(ファントムメナス)

51oeapxpnbl__ss500_ 久しぶりにベンハーを観ました。


作品、監督、主演男優などアカデミー賞史上最多の11部門受賞を果たした名作『ベン・ハー』。最近、CGの進歩により、実際の人間を使った撮影が減っているといいますが、数千人のエキストラを使ったこのような映画を見ると、映画を観た!!という満足感に浸ることが出来ます。


主人公「ジュダ・ベン・ハー」の心の葛藤、イエス・キリストとの出会いによる人間的成長。当時、原作のベンハーは、聖書の次のベストセラーでした。巨匠ウィリアム・ワイラー監督は、ローマの休日も作りましたが、ベンハーはまさに代表作ですよね。


久しぶりに観ると、スターウォーズのファントムメナスと重ねてしまいますね。主役のジュダ・ベン・ハーもアナキン・スカイウォーカーも奴隷ですし、戦車シーンとポッドレースも重なりますし、卑怯な手を使ってレースを妨害するメッサラとセブルバもキャラクターが重なります。訳あって母と別れる後に、再会するところも似ているんですよね。


この物語の舞台となったローマはオクタビアヌスの治世の後、ネロなどの暴君の混乱を経て、AD96よりローマは五賢帝(ネルウァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス、マルクス・アレリウス)の時代が続きます。この時代約100年もなぜ、ローマの平和と繁栄が続いたかご存知でしたか?


それは、皇帝が自分の子ではなく、優れた子弟を養子に迎え、帝位を譲ることで成立した治世だったからなのです。最後のアレリウス帝が歴代の賢帝の戒めを破り、不肖の息子コンモドゥスを帝位につけたところ、コンモドゥスはネロ以来の暴君となって、たった12年でローマは再び混乱に陥いりました。安倍さんは三世議員ですが、実力のほどは、どうなんでしょうかね??期待したいところです。


ところで、この時期広大な領土を持ったローマ帝国の末裔が住んでいる土地が東ヨーロッパにあります。どこだかご存知ですか?高校生のときに習ったのですが、答はルーマニア(ローマ人の国の意味)です。彼らはローマの血が流れているんですよ。


ちなみにルーマニアの隣のハンガリーという国は、マジャール人というアジア系の民族が主体です。他に北欧では、フィンランドがフィン人というアジア系の民族の国なのです。


そういえば、今年の2月のフィンランドのヨーロッパ皮膚科学会に参加したとき、フィンランドの国際的携帯電話会社であるNOKIAは、日本の会社だと思っていたと、旅行者によく言われると言っていました。確かに発音がアジア語っぽいですよね。

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2006年9月 3日 (日)

新しい若返りの器械 シネロン リファームST

Fi1230_0e 今週の週末も学会続きです。昨日土曜日がアメリカの器械の発表会。今日は、カナダのトロントからDr. Stephen Mulhollandが来日し、オーロラ、ポラリス、ギャラクシーで知られるイスラエルシネロン社の新しい機器の発表会に参加してきました。


このプローブはリファームST(SKIN TIHGTNING)といわれる機器で、昨年のシミに効力を発揮するオーロラSRAに次ぐ、シネロン社の新製品なのです。


リファームSTの肌の引き上げ効果は、ポラリスよりも上という前評判でした。実際にMulholland医師が半顔を施術すると、

Fi1230_1e 確かに、ホウレイ線(彼はスマイルラインといっていました。そちらの方がいい言葉ですね)やマリオネットラインが浅くなり、眉がぐっと引きあがるのです。会場にいた人は、感動していました。


彼は顔面を5つのベクトルに分け、それぞれを別個に施術することで、効果をあげていると説明していましたが、顔面の解剖から考えても、非常に理にかなっていました。新しい器械を使用することも良いですが、より効果の高い使用法を習うのは、とても大切だと感じました。


クリニックFでは、現在この治療を行っています。

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2006年9月 2日 (土)

おでんといったら ひげでん 姉妹店

Fi1227_0e 少し涼しくなりましたよね。昨日仕事が終わった後、無性におでんが食べたくなりました。おでんといったら ひげでん姉妹店 (0466-36-3751 神奈川県藤沢市辻堂東海岸4丁目2-18) というお店のおでんが本当においしいのです。


東京から第三京浜と横浜新道を通って辻堂海浜公園を目指して約一時間。ちょうどよいドライブコースです。実はこの店、噂を聞きつけて、東京からお忍びで芸能人が来るなど結構な人気のお店なのです。開店はなんと東京オリンピックの前年の1963年。単なる居酒屋ではなく、だしがきちんと効いたおでんに、お刺身、焼き物を出してくれて、ちょっとした小料理店。店の親父のこだわりがわかる店です。


と、ここまでは、普通のお店の紹介なのですが、


実は僕はこの店の三代目(長男)と、小中学校時代からの親友です。家も近かったので、お互いよく遊びに行った仲です。小学校の時、彼のお母さんが本当に綺麗な人だったので、授業参観日の時には、うらやましかったのを覚えています。


このひげでん姉妹店は、若くて綺麗な女将と、素材に凝った料理で、昔からとても人気があったのですが、ちょうど僕たちが高校生の時だったでしょうか。おばさんが40歳ぐらいで、乳ガンで若くして亡くなってしまったのです。若かったので、ガン細胞の勢いもあって、本当にあっという間の出来事でした。まさに美人薄命とでもいうべきでしょうか。同時に病気の怖さを体感した出来事でした。思えば、乳ガン医療は、その後大変進歩しましたよ。


女将が亡くなって以来、親父さんは、息子二人と三人で、20年以上もこの店の味を守っています。旨いわけですよね。物事を長く続けるということは、本当に大変なことだとおもいますよ。

ちなみに、東京から車で来て、お酒を飲めなかった僕に気を使ってくれて、お土産に焼酎をもらいました。佐藤という焼酎ですが、オンザロックで飲んだのですが、凛とした味で、かなりおいしかったですよ。


東京から食べに行く価値がある店です。おでんが食べたくなったらぜひどうぞ。

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2006年9月 1日 (金)

天才社員の育て方

Fi1217_0e 以前にご紹介したトップポイントの[関連した日記LOG]今月号に天才社員の育て方という本が紹介されていました。


スポーツ心理学の第一人者が、20年以上の研究を経て独自開発した「右脳開発メソッド」をビジネスリーダー向けに体系化した本です。


これまで日本は、個人の力よりも、集団の力の方が重視されてきました。しかし、今、経営者の多くはイチローのように自分で考え、試行錯誤しながら目標に向かっていく孤高の異端児、いわば天才社員を求めているといえるのです。


天才社員の能力開発をするときには、一段目持続力、二段目没頭力、三番目想像発想力、四番目人間力という四つの段階に分けて、さらにそれぞれのステップを4つのタスクによって合計16に分ける。この16のタスクをクリアにしていく仕組みを社内に創るということが大切なのだと書かれています。


三番目の想像発想力は先日のブログにも書きましたが、四番目の人間力というのは、危機管理能力、回復力、行動力、自己表現の4つのタスクに分かれています。こと既存の日本の教育では得がたいものですが、こういった方面の人材教育には非常に興味があります。いつか仕事にしたいと思っています。


そうそう。最近、TOP POINTの新規読者の紹介者欄に僕の名前を書いてくださっている方がいます。「○○様をご紹介頂き、ありがとうございました」というはがきが来るのですが、所属もはがきには書いてありません。見覚えのない名前もありますので、おそらくこのブログの読者の方なのでしょうが、とても嬉しいことです。この場で、御礼申し上げます。皆さん、ありがとうございました。これからも国際学会周遊記にお付き合いください。

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