「信長の棺」
信長の棺を読みました。数年前に良く売れた本だったのですが、本能寺の変後、信長はどこへ消えたか――。というなぞを追う物語です。光秀謀反にちらつく秀吉の陰謀。阿弥陀寺の僧侶が握る秘密の鍵。そして、「信長公記」を著した主人公である太田牛一が最後につかんだ驚愕の事実とは。
本能寺の変の後、信長の遺体は忽然とこの世から消えました。明智光秀が寺の焼け跡に残ってくまなく数日捜索しましたが、どこからも出てこなかったのです。
僕はこの本のあとがきを最後に読んだのですが、もしもこれを先に読まれたら、皆さんもこの本を読みたくなると思いますよ。
この著書の構想は約20年前に作者の加藤廣氏が京都の阿弥陀寺に何度目かの訪問をしたときに始まります。ふと阿弥陀寺本堂の裏の廊下で、なぜかひっそりと祀られている開祖清玉上人の木像を前に、いつになく落ち着いた気持ちになってひとり静かに座っていたときのこと。
突然雷に打たれたように、「拙僧と我が弟子の清如の、信長公のご遺骸を巡る物語をかいてくださらぬか」というある種の啓示に近いものを受けたと言うのです。作者はこの後、多くの文献を調べ、このような発想の物語を創り上げたのです。
斬新な発想にはこのような背景があったのかと、妙に納得してしまう話でした。
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