銀杏の絵画館
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あのトマス・エジソンは、ひとつの予言を残しているのだそうです。
「未来の医師は、薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本を大事にして治療をするであろう。」
エジソンは1931年に亡くなりましたが、この予言にある「未来の医師」に僕もなりたいと、とある勉強会に23日、参加してきました。
会場はホテルサンルート品川シーサイドというところです。先日のJMECのトータルアンチエイジングセミナーで、一緒に講演した溝口徹先生を中心に行っている「分子整合栄養医学」という学問の勉強会に行ってきたのです。
この学問はノーベル賞を二回受賞したライナス・ポーリング博士の提唱された「分子整合栄養学」を元に、カナダで未だ91歳で現役医師をしているエイブラハム・ホッファー博士や、分子栄養学研究所の金子雅俊先生らを中心に40年前から行われているものだということです。
ホッファー博士はナイアシンを中心としたメガビタミン療法で、うつ病や統合失調症を治す治療を行ってきたことで有名な博士です。
彼らの長年の臨床実験データを元に、わずかな血液データの変動を捕らえて、一見正常範囲にある血液データからその異常を発見し、体内の微量ビタミンや、ミネラルなどを大量に摂取して補正することで、不足を補ってゆく方法は画期的でした。
実は医学部では栄養についての講義がありません。医者は健康と病気についての専門家であるべきなのに、その健康の土台となる栄養学について学部で学ぶことがない、という恐ろしい現実があります。僕自身はといえば、母親が栄養士の資格を持っていたこともあり、栄養学については細かい知識を教えられてきたと思っていました。でも、実際の臨床の現場でその知識を使うチャンスはあまりなかったのです。
また、僕自身、長年健康診断を受けていますが、ここ数年、「異常なし」というデータをもらい続けています。しかしながら、長年人間ドックをやって、「異常なし」のデータをもらっている患者さんが、半年後にガンになってなくなってしまうことも医師として経験してきました。今検診でもらうデータは過去のもので、決して未来を保障してもらえるものではないのですよね。
実際クリニックで診療する患者さんで美容の相談と一緒に「眠りが浅い」「倦怠感がある」「うつっぽい」「やる気が出ない」「むくみがひどい」「冷えや肩こりがなかなか治らない」「婦人科系の症状に悩まされている」・・・と言ったことを訴える方が多い最近ですが、こういった患者さんを人間ドックのようなもので調べても、実際今の医学で断定できる「病気」の人は少なかったりします。美容医療では、「ホルモン補填療法」を適用させる場合も増えてきましたが、僕自身はまだホルモン療法には疑問点もある。その点で、栄養療法というのは毎日の食生活を見直すきっかけにもなりますし、美容と健康、そしてアンチエイジングを根本から考え直すチャンスにもなる。僕自身の次の展開を考えても非常におもしろかったですよ。
僕もこの冬カナダに行って、エイブラハム・ホッファー博士に会ってこようと思います。報告は、またこのブログでしますね。
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フラクセルの進化版といわれているCYNOSURE社のAFFIRMのデモ機を使える機会がありました。会社のご好意で数日貸していただけたのです。
これが、スタイリッシュでなかなかかっこいいのです。アファームは針を打ち込むように表皮の一部を凝固させる方式をとりますが、青い色を顔に塗って光学マウスの原理を使用するスキャナ方式のフラクセルと違って、スタンプ状に肌に打ち込む形式です。
使用する波長も、エルビウムグラス(1550ナノメーター)レーザーのフラクセルとは違う、エルビウムヤグ(1440ナノメーター)のものです。前評判では、波長の関係上、アファームのほうが浅い部位(300マイクロメーターで、フラクセルの半分です)にしか届かないので、効果が弱いのではということでした。
ところが、実際にフラクセルを体験したことのある患者さん数人に施術をしてみると、非常に評判が良いのです。痛みはフラクセルより弱いし、青い色素を塗らないのが楽。効果もほとんど変らないと。
いやー、新しいクリニックで導入したくなっちゃいました。高瀬さん、スペシャルプライスを出してくれないですかね??
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ここ一年余り、開発を続けてきたジェルがようやく完成しました。その名も『ACIES スキンコンディショニング・モイスチャー・ジェル』
このACIESというブランドで作る化粧品は、クリニックにおける皮膚レーザー治療後に処方される製品として設計しました。
化粧品の効果として想定される、5つの効果に対して、それぞれ最も適した素材を入れることにしたのです。
保湿効果の保護(PROTECT) として、蚕の繭より抽出した 黄色セリシン
コラーゲンを作る線維芽細胞の活性(VITALIZE) として ハトムギエキス
ヒアルロン酸の産生(PRODUCE) として カンゾウ根エキス
活性酸素の排出(DETOXICATE) として オリーブ葉エキス
皮膚劣化の抑制(INHIBIT) として ヘマトコッカスプルビアリス油(アスタキサンチン)
を使用したわけです。
このように化粧品の効能をコンパートメントに分けると、よりすぐれた原材料が生まれた場合に、その原料のみを入れ替えればよいと言うことになるのです。
8400円で販売しています。お問い合わせください。
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最近、また料理をするようになってきました。学生時代を思い出しますね。最初はもっぱらカレーを作るぐらいだったのですが、生来“凝り性”なので、最近は秋刀魚を三枚に下ろして御飯と一緒に炊き込んでみたり、肉をあれこれと加工してみたりしています。
「にわか料理人」が実感として感じることのひとつは、「料理は道具次第で味も楽しさも全然変わる」ということでしょうか。良い道具を使うと、ちょっとしたこともうまくできるし、素人料理もおいしく出来るんですよね。
特に包丁ひとつで、料理はまったく変わることに最近驚いています。今までは地元鎌倉の八幡宮のすぐ近くにある骨董品屋で購入した包丁を使っていたのですが、この包丁、品としてはとてもよいものだと思うのですが、手入れが難しく、乾燥したつもりでもすぐに錆びてしまいますし、僕のような、週一料理人にはちょっと分不相応だった様子。
そんな中、ネットサーフィンで偶然見つけたのが「グローバル」の包丁です。プロも絶賛ということなのでさっそく3本セットを購入してみたところ、実際握ってみてもぴったり手に馴染むし、デザインもよいし、切れ味も鋭く、手入れがまたとても楽! 最高なのです。
そして、最近になって知って驚いたのが、これ実は日本の製品なのですね。てっきりドイツかどこかヨーロッパの製品だと思いこんでいました。調べてみると、1983年に、吉田金属工業株式会社(YOSHIKIN)が世界に先駆けて刀身から柄まで全てステンレス製の一体構造包丁「GLOBAL」を製造・発売したのだそうです。
この一体構造型のステンレスの包丁は、丸洗いが出来ますし、医師の視点から衛生面を考えてみても、清潔で、実用的。とてもよいと思います。日本が誇るブランドのひとつなのではないでしょうか。
悩みどころは、何種類もあることなんですよね・・・。ネットで見ていると全部欲しくなってしまって・・・まずは、もっと料理の腕を磨いてからですね(苦笑)。
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最近ずいぶん寒くなってきました。今年も冬の到来です。インフルエンザの予防接種をする人も増えてきたと思いますが、インフルエンザと普通の風邪ってどこが違うのか、ご存知ですか?
インフルエンザとヒトとの関わりは古く、古代エジプト時代すでにインフルエンザと見られる病気の記録が残っているそうです。重大な転機は1918年から1919年にかけて発生したスペインかぜの世界的な大流行(パンデミック)であるといわれています。当時は栄養状態が悪かったこともあり、感染者数6億人、死亡者数 4000~5000万人にのぼり、第一次世界大戦終結の遠因ともいわれているのです。
普通の風邪が、鼻咽頭の乾燥感およびくしゃみから始まるのに対して、インフルエンザは発熱、悪寒、頭痛が初発症状です。インフルエンザで体感する症状として最も顕著なのは40度近い高熱と激しい悪寒でしょう。また、気管支炎、インフルエンザ肺炎、細菌性脳炎や脳症などの合併症も併発することが多いので、高齢者は、絶対に避けなければならない病気と言えるでしょう。 普通の風邪は原因ウイルスがたくさんあります。
風邪を治す薬を発明できたらノーベル賞ものだと言われていますが、細菌を殺す抗生剤に対して、ウイルスを殺すウイルス剤は、開発が難しいのです。ちなみに・・・ ライノウイルス・アデノウイルス・コロナウイルス・RSウイルス・パラインフルエンザウイルス・インフルエンザウイルスC ・・・などが原因ウイルスだと言われています。
インフルエンザの場合は、インフルエンザウイルスA,Bなどが原因ウイルスですが、実は北里柴三郎がインフルエンザが重症患者から発見したインフルエンザ菌というものもあります。
治療にはA・B型双方に有効な吸入薬ザナミビル(商品名リレンザ®)、A・B型双方に有効な内服薬オセルタミビル(商品名タミフル®)、さらにA型のみ有効な、もともと抗パーキンソン病薬であったアマンタジン(商品名シンメトレル®など)が使用されています。こういった薬が出来たことで、インフルエンザへの恐怖は減ったのですが、これらの薬の精神障害や、異常行動などの副作用が稀に新聞をにぎわせますよね。
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クリニックの前には清水谷公園という公園があります。春は桜、夏は新緑。そして秋は紅葉と、いつも目を楽しませてくれるのです。
今日は診察日だったので、駐車場に車を停めて、地上に出てみると、目の前に錦秋が広がっていました。思わず携帯で写真を撮ってしまいましたよ。
「錦繍」と言えば、宮本輝の作品を思い出します。宮本輝氏は最後の文士といわれるほど優れた文章を書く人ですが、この作品は、分かれた男女が錦秋で美しい蔵王で偶然再会し、その後手紙をつづる話でした。
宮本輝の作品は学生時代にはまって読んだことを思い出します。今ネットで検索しても、ほぼ全ての作品は読んでいました。中でもこの「錦繍」は、もちろん文章もストーリーもすばらしかったのですが、新書の表紙のもみじの絵がすばらしく綺麗で印象に残っているんですよね。その本は、今でも実家で眠っているはずです。久しぶりに読んでみようかな…。
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昨晩は、セラピストやスタッフの件でいつもお世話になっている自然療法の学校IMSIで、痛みの講義(後半)を行いました。
前回10月に行ったときは、痛みについて初めて学ぶセラピストの方も多かったので、痛みの総論について話しましたが、今回は各論です。
最初に日本人の6割が罹患していると言われている「腰痛」についての話をしました。立っているときと座っているときの、どちらが腰に負担がかかっているか、分かりますか? 実は座っているときの方が腰に負担がかかっているのです。
人間が直立歩行するようになってから、人間の背骨には非常に多くの負担がかかっています。これは、人の背骨の断面を見ると良く分かるのですが、首のところと、腰のところが、非常に無理な反対に反ったカーブになっているのです。この二点が人間の体の構造上、最も弱いところだといえるのです。
ですから、重い荷物を持つときには、膝を折って持つとか、きちんと背筋を伸ばして立ち、重心が足にあるのを確認するとか、そういった習慣がとても大切と言えるのです。靴下を脱いで立ってみてください。重心は、足の親指の付け根と、小指の付け根。そしてかかとに三分割されていますか?ほとんどの人は、重心が後ろに行っていて、かかとのみに重心がかかるようになっています。これだと腰に”より”、負担がかかるのです。気をつけたほうがいいですよ。
講義では、腰痛を起こす病気の実例を、症例が多い順に10症例あげて、その病気の特徴を説明しました。腰痛持ちの人はとても多いのですが、お医者にかかったほうが良いのか? という分岐点は、足にビリッとしたような痛みが走る場合や、麻痺が起こってきた場合ですね。こういったときは早めに受診をしなければなりませんね。
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実は先週から体調を崩していて、鼻のところになんと“面疔”が出来てしまいました。クリニックのスタッフからは「先生、どうしたんですか? 鼻が赤いですよ!!」と何度も言われるし、患者さんと話をしていても、なんだか視線をちらちらと鼻の頭に感じるんですよ。
ここ2~3日初対面の人には、視線を感じた瞬間自分から「ちょっと体調が悪くて面疔が出来ちゃって・・・」と自己申告/言い訳しながら診察している有様です。この状況は男の僕でも正直つらいですね。人の目線が気になって外出するのも億劫になります。重症なアトピー・にきびの患者さんや、顔に濃いシミを持った人は、外に出たくないし人にも会いたくなくなって、そういった精神的なストレスがさらに肌への悪影響を及ぼすと言われます。
医者として知識ではわかっていましたが、その患者さんの気持ちが、初めて心から良く理解できました。身をもって知る貴重な患者さん体験ですね。
ところで、面庁が危険だと言われるのには、理由があります。毛穴が細菌に感染したことによって起きる炎症を、“毛嚢(もうのう)炎”又は“せつ”と呼びます。毛穴と一致した所に赤い腫れや、軽い痛みがあり、中心に膿みを持つことが多いのですが、この“せつ”が鼻の周りに出来ると、昔の人は注意したようなのです。なぜなら顔面・・・特に鼻周囲の汗腺、皮脂腺は非常に深いところに分布しており、血管は頭蓋内の血管と直結しています。さらに、顔面は表情の変化などで常に動いていますから、患部の安静が保ちにくい場所です。原因の細菌はブドウ球菌など一般の菌が多いのですが、栄養の悪かった時代には、脳髄膜炎に至る危険性があったとされているのです。
確かに「面疔」なんていう言葉を、皆本当によく知っていますよね。面疔は通常は抗生剤を使用して1週間ぐらいで治りますが、長引く人はメスを使って切開するのがよいでしょう。直に治るさと軽く考えず、お医者さんに相談すべきですね。
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昨日は、渋谷にある日本薬学会、長井記念ホールで行われた「Meso-Carboxy Therapy 国際ワークショップ」で、Meso-Carboxy Therapy の理論と治療技術について招待講演をしてきました。
もう一人の演者のドクター バニーニは、昨年のナポリにメソセラピーのトレーニングに行ったときにお世話になったメソセラピー、カルボキシセラピーの第一人者なのです。陽気な人柄に、人懐っこい笑顔。とても明るいナポリ人ドクターです。彼はその後二回も日本に来ていますので、4回目の再会です。
僕はメソセラピーと、カルボキシセラピーの治療技術と理論について話をしたのですが、ここ1年間で、よりメソセラピーの理解が深まったことがあります。それは、メソセラピーと言うのは、結局1つのDDS(ドラッグデリバリーシステム)なのだということです。
皮膚の中の極めて浅い部位に、メソセラピーで薬液を貯蔵するのです。そうすると直接皮下に注射するよりも、長い時間、薬液をの効果を維持することが出来る。そういう仕組みなのです。
バニーニは実際の患者さんを前に、色々なアドバイスをくれました。彼はイタリア語しかだめで、前回英語の通訳を介して話しをしたのですが、今回のワークショップでは、日本語の通訳がついて、より理解が深まりました。
最後にプロモイタリア社の社員さんと写真を撮りました。このうち二人は英語が堪能で、ナポリに行ったときに、お世話になったのです。
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そういえば、最近クラシックのコンサートにいっていないと思い、年末の第九でも探そうかと思っていて、ネットサーフィンしていたら、見つけてしまいました。
小菅優さんピアノのラフマニノフ、ピアノ協奏曲第二番の演奏会が11月7日に東京芸術劇場であったようなのです。これを聞き逃したのは痛いですよ。小菅優といえば、フランツ・リスト(1811-1886)の超絶技巧練習曲集をあっさりと弾きこなし2004年にCDを出した天才です。
彼女は1983年東京で生まれ、東京音楽大学付属音楽教室を経て、なんと10歳のときよりヨーロッパに在住して、多くの演奏会に参加しているのです。 現在ヨーロッパで、その高度なテクニックと美しい音色、深い楽曲理解と若き感性で最も注目を浴びている若手ピアニストの一人で、WEBの検索も ”小菅優” より ”YU KOSUGE”で検索したほうが多くひっかるのではないでしょうか。実は日本よりヨーロッパで有名なピアニストです。
僕も一昨年だったか、サントリーホールで彼女の演奏を聞き、すっかりファンになってしまったのです。彼女が僕の好きなラフマニノフのピアノ協奏曲を弾く機会があったら、絶対に聴きにいこうと思っていたんですよね。残念だなー。本当に悔しい。
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映画「ゆれる」をご覧になりましたか? 評判をいろんなところで読んだり聞いたりして僕もずっと観たいと思っていたのですが、なかなか時間が合わなかったのです。でも昨晩やっと渋谷のアミューズCQNで最終の回に間に合いました。
西川美和さんと言えば、監督デビュー作『蛇イチゴ』で映画賞を総ナメにした俊英ですが、今回の「ゆれる」も、映像・セリフ・伏線に入れられたエピソード・・・と全てが記憶に残る、すばらしい映画でした。
オダギリ・ジョー演じる東京でカメラマンとして活躍する弟。香川照之演じる実家に残り、ガソリンスタンドの家業と父親の世話に明け暮れる兄。対照的な兄弟、だが二人は互いを思いやり、尊重し、尊敬していた、あの事件が起こるまでは…。
この映画は、長子か末子かで、兄弟どちらに感情移入できるかわかれると思うのですが、僕はと言えば三人兄弟の長男なので、どこまでもお兄ちゃんらしい香川照之さんについつい感情移入しながら観てしまいました。長男としての責任や忍耐。
映画では、兄と弟の心の動きが、舞台になっている山梨の渓谷の吊橋のようにゆれるのです。
「誰の目にも明らかだ。最後まで俺が奪い、兄が奪われた。」
「・・・・・危うくも確かにかかっていたか細い架け橋の板を踏み外していまったのは、俺だったのだ。・・・・・・・」
オダギリジョーがそのときの感情と正義感に任せてとった、兄に対する言動の重みと意味に気付くシーンにはジンときました。映画の最後のシーンでこの兄弟は再会するのですが、弟を見て、兄は弟の行為を赦し、そして笑いかけます。弟は救われた顔をするのですが、多分兄が家に帰ることはないでしょう。脇役も実力派俳優ばかりで、これは今年の邦画ナンバー・ワンかもしれませんね。
ところで、映画の中に、DNA鑑定の結果についてキム兄演じる検事が発言するシーンがありました。
遺体の中に残されていた精液がDNA鑑定によって、被告のものと違っていた・・・と言うシーンなのですが、実は、この映画のように兄弟間の精液が、DNA鑑定によって、確実に“他人のもの”と判定されることはまずありません。本人の可能性もあるという判定しかでないはずなのです。
現在のDNA鑑定技術は、制限酵素というもので、被疑者のDNAを切り、同じ配列を探す方法が主流なのです。兄弟の場合は同じ配列が含まれる可能性が当然あり、そういった方法は使えないのです。でも、DNA鑑定の技術は年々進歩しています。
アメリカでは数十年前に裁判で残された証拠を用いて再度DNA鑑定を行ったところ、一旦迷宮入りした事件の無罪や有罪が確定したなどという報告もあります。これから進歩が期待される分野ですよね。
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実は今まで歯医者さんと言うものに行ったことがなかったのです。甘いものを食べる習慣がないというのもあるのですが、僕の歯はなぜか虫歯と無縁で、研修医のときに大学病院で、親知らずを抜いた経験があるだけでした。
でも、僕は上唇の後ろの舌小体のところを小さいときに怪我をしたので、前歯の間の歯茎にふくらみがあります。それ取っちゃったらどうですか? 歯のクリーニングもしてくださいという、スタッフの勧めもあり、井澤歯科クリニックに行ってきました。初めての歯医者さん経験です。
緊張して門をくぐったのですが、いきなり自分のクリニックの患者さんにお会いしました。毎月二回、歯のクリーニングにいらしているのだそうです。しかも、診療室に入ると隣から、「先生」と僕を呼んでるらしい声が…。
スタッフの久保田だったのです。なんともいつも自分の仕事場で顔を合わせるなじみの顔が4人も揃ってしまったのでした。
結局、僕の歯茎の腫れは、口腔外科の先生と相談してくださることになり、切開は後日になりました。井澤先生の対応はもちろん、スタッフの接客面でも充実した良いクリニックでした。でも、慣れない施設に行くと、患者さんの不安な気持ちが改めてよくわかりますね。勉強になった日でした。
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今回の連休を利用して、後輩の林秀樹先生の名古屋のクリニックに見学に行ってきました。名古屋は本当に久しぶりですね。新幹線で名古屋まで行き、タクシーを使ったのですが、約10分で、
クリニックロタージェに着きました。
林先生とは大学時代からの付き合いで、もう15年近くなるのです。婦人科医が一人クリニックにいてもらえると患者さんにも良いサービスが提供できるので週一度、通ってきてもらっていたのですが、この時期は、ちょうど彼のクリニックの建設途中でもありました。僕も今まで4つのクリニックの設計に関わっていますので、いろいろアドバイスはしたつもりだったのですが、実際に彼の作り上げた40坪の機能的な構造に感動しました。
気の流れも非常に良いと思いましたし、何よりも患者さんがいて、快適な空間になっているんではないかと思います。あのクリニックだったら、今後もっと有名になると思います。
夜は林先生のご実家に泊まらせていただきました。前に泊めていただいたときはちょうど97年。僕がまだまだ下っ端の医師だった時に、夢だった鈴鹿サーキットでF1の観戦に行ったんですよね。ちょうど同じ名古屋コーチンが夕食に出てきて、その時のことを懐かしく思い出しましました。
昔の友人と話すと、夜更かししてしまいます。彼の奥さんも交えて、色々と語り合いましたよ。とてもよい思い出になりました。
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昨日は日本レーザー医学会の招待講演をしてきました。開催場所は幕張メッセだったのですが、メッセに行ったのは10年ぶりで、あまりの変貌に驚きました。
御題は「フラクセルとサーマクールによるスキンリジュビネーションの最新」についてでした。40分間という長い講演でもあって、写真を数十枚用意したら、ファイルが500MBを超えてしまいました。こんな大きなサイズの講演は初めてでした。(笑)
講演は100名ぐらいの部屋で行われたのですが、形成外科系のいつもの学会とは参加者が全く異なり、違った雰囲気で行われました。公演内容は、9月に行われた韓国のアジアフラクセルユーザーズミーティングに準じて、それにサーマクール(RF)を加える形で行いました。
講演後にはハンズオンワークショップがありました。僕はフラクセルの実演を行いました。10分程度の時間だったのですが、質問が活気があって、ほとんど施術をする時間がなかったのは、申し訳なく思いました。(苦笑)
参加証もきっちりともらってきました。この学会、5年前から参加していますが、だんだん大きな学会になってきましたね。レーザー認定医という資格も出来たようですし、今後の日本のレーザーの分野も楽しみです。
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「絶対音感」って、聞いたことがありますか? 少し前に売れた本なのですが、また最近読み返してみました。
何を隠そう、実は、僕も絶対音感の持ち主だと、言われたことがあります。幼少の頃からクラシック音楽に慣れ親しむ環境にいたことが良かったのでしょうか。
最近は楽器も弾かないのですが、昔数年間ピアノとフルートをやっていたことがあります。でも、いったん聴いた曲をすぐに覚えられ、耳コピーができる分、楽譜を読まなくなるんですよね。結局、楽譜を読めなくなって、やめてしまいました(苦笑)。
当時は救急車の音がシーレーシーレと聞こえたり、電子レンジのピーンという音が、半音上がったなと思っていたら、案の定、翌日壊れてしまったりしました。
絶対音感があると、“オーケストラを構成している楽器の音をそれぞれ口笛で吹け”なんていう指令があっても(そんな指令があることはありませんが)、簡単に出来るんですよ。それが20種類あったとしても、音の質さえ違えば楽々と聴き分けられます。カラオケで、二音階ずらして“はもって”歌うなんてことも容易く出来ちゃいますし、これは親に感謝せねば! 絶対音感があると、世の中便利なことの方が多い! と思っていたのです。
でも、実は先日、僕は“音楽”を“歌詞を聴きながら”聴けないということに気付いたのです。
思えば、高校生のときに友達に「この歌手の、この歌詞がいいんだよ」とLPを借りても、まったく良さが理解できませんでした。音階は追えるのだけれど、旋律を追っているとまったく歌詞が聞き取れないのです。逆に、歌詞を聴き取ろうと集中すると旋律が追えない。綺麗な旋律の曲はすぐに覚えるのですが、歌詞が英語だったときでも日本語だったときでもまったく一緒ですね。まったく記憶に残りません。これは意外と悲しい事実かもしれません。
絶対音感のある人と言うのは、厳密に7歳までにきちんとした音階のある音楽に触れなければならないと言われていますが、その時期までに音階に触れると、言語中枢と音感を感知しているところが同じ部位で働くようになるのでしょう。つまり、音楽か、または言語か、そのどちらかしか、聴き取れないようになってしまうようなのです。
これから忘年会の季節に向け、カラオケの新曲を開拓するのに四苦八苦しています(笑)。
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以前、ある方のご紹介で、新宿溝口クリニックの溝口徹先生と一緒に食事をする機会を頂いたのですが、昨日、先生の新宿クリニックに見学に行かせて頂きました。溝口先生は、先日のトータルアンチエイジングセミナーでも経営学の部門で講演をご一緒させていただいたことも縁でした。
溝口先生は、サプリメントを使用して、栄養バランスの乱れを補正し、足りない要素を補充するという、分子栄養整合医学と分野を専門にされている先生です。
先生とディスカッションしているうちに、非常に多くの示唆を受けました。いわゆる、肩こりや眼精疲労、メニエル病、統合失調症、男性ウツ、小児自閉症などなど、不定愁訴といわれている疾患は、通常よりも多めの血液検査によって、ほとんどの場合、異常値を見つけることが出来るのだそうです。その異常な値を、数ヶ月かけてサプリメントを使用して補正すると、症状が変化してきます。実際の患者さんのデータを拝見しましたが、こういった病気は糖代謝の異常と、ビタミンB3であるナイアシンなどを中心に補正することで、かなりの症状が補正できるのです。
思えば、僕がまだ医学生だった頃、遊びに来た両親に、医療と栄養学を合わせた分野が、将来ニーズがあっていいのではないかと思うんだよと、小料理屋で話をした記憶があるのです。もう20年ちかくも前でしょうか。母親が栄養士の資格を持っていたこともあって、栄養バランスは、未病のうちに、病気を防ぐという考えを小さな頃から植え付けられていたのです。この分野は今後もっと広がりを見せると思います。医師としてとても興味深いのです。僕の専門のひとつである、偏頭痛、肩こり、手足のむくみなどのペインクリニック治療にも結びつかないかなと考えています。
カナダのビクトリア州に、分子整合栄養学の治療法を確立されてきたエイブラム・ホッファー博士という90歳で元気な医師がいるのですが、溝口先生はその先生を何度か訪問されているそうです。僕も、年末から年始にかけてちょっと時間が出来るので、今年の米国アンチエイジング学会か、年初の全米皮膚科学会の合間にでも、ぜひ訪問してみようと思います。
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