分子栄養整合医学
以前、ある方のご紹介で、新宿溝口クリニックの溝口徹先生と一緒に食事をする機会を頂いたのですが、昨日、先生の新宿クリニックに見学に行かせて頂きました。溝口先生は、先日のトータルアンチエイジングセミナーでも経営学の部門で講演をご一緒させていただいたことも縁でした。
溝口先生は、サプリメントを使用して、栄養バランスの乱れを補正し、足りない要素を補充するという、分子栄養整合医学と分野を専門にされている先生です。
先生とディスカッションしているうちに、非常に多くの示唆を受けました。いわゆる、肩こりや眼精疲労、メニエル病、統合失調症、男性ウツ、小児自閉症などなど、不定愁訴といわれている疾患は、通常よりも多めの血液検査によって、ほとんどの場合、異常値を見つけることが出来るのだそうです。その異常な値を、数ヶ月かけてサプリメントを使用して補正すると、症状が変化してきます。実際の患者さんのデータを拝見しましたが、こういった病気は糖代謝の異常と、ビタミンB3であるナイアシンなどを中心に補正することで、かなりの症状が補正できるのです。
思えば、僕がまだ医学生だった頃、遊びに来た両親に、医療と栄養学を合わせた分野が、将来ニーズがあっていいのではないかと思うんだよと、小料理屋で話をした記憶があるのです。もう20年ちかくも前でしょうか。母親が栄養士の資格を持っていたこともあって、栄養バランスは、未病のうちに、病気を防ぐという考えを小さな頃から植え付けられていたのです。この分野は今後もっと広がりを見せると思います。医師としてとても興味深いのです。僕の専門のひとつである、偏頭痛、肩こり、手足のむくみなどのペインクリニック治療にも結びつかないかなと考えています。
カナダのビクトリア州に、分子整合栄養学の治療法を確立されてきたエイブラム・ホッファー博士という90歳で元気な医師がいるのですが、溝口先生はその先生を何度か訪問されているそうです。僕も、年末から年始にかけてちょっと時間が出来るので、今年の米国アンチエイジング学会か、年初の全米皮膚科学会の合間にでも、ぜひ訪問してみようと思います。
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