レーザーの歴史 その拾 最新のミニマムアブレイティブのレーザー
このフラクショナルレーザーリサーフェシングの市場で、私が注目するのは、やはり2007年の春にデビューした本家本元のReliant 社フラクセルⅡと、Cynosure 社のアファームです。
フラクセルⅡとアファームは両方使わせていただいていますが、全く違った機械と考えてよいと思います。
今までのノンアブレイティブの治療では満足できない方に、数日間なら赤みが残ってもよいという、ミニマムアブレイティブなレーザーのニーズがあり、これらの機種は、ちょうどそこの枠にきっちりとはまったレーザーだと思います。 1550nmのフラクセルⅡに対して、1440nmのアファームは、光の浸透の深さが違います。
両者の波長の、水に対する吸収率が違うからなのです。アファームの採用している波長は水の吸収率が高いので、お椀のようななだらかな浅い熱変性を起こしますが、フラクセルⅡは逆に、組織が針や鉛筆のような、細長く深い熱変性を起こします。毛穴はアファーム。アクネスカーはフラクセルⅡが効果的でしょう。
フラクセルⅡはフラクセルⅠよりも痛みが少なくなり、施術の深さも深くなりました。また青い色素も必要なくなり、ニキビ跡のような、深い皮膚疾患には効果が高いと思います。
スタンフォード大学(Stanford University)の皮膚科の女医であるZakia Rahmanが日本に来日した時のフラクセルの講義は素晴らしかったです。
講義の後に、ディストリビューターであるJMEC社の好意で一緒に会食をしましたが、彼女の研究熱心さが非常に伝わりました。
フラクセルを体のどこにどのくらいの深さで、どのくらいの密度で打つかを全て調節できるようになっていて、現状のフラクショナルレーザー市場では明らかに一歩先んじています。
Affirm アファームは1440nmの近赤外線および、CAP(The Combined Apex PulseTM)システムを使用した、最新フラクショナル・レーザー・リサーフェシング機器です。
1440nmという光は、その水への吸収効率から、光老化の対象である300μm以下までしか届きません。その点痛みも弱いし、効果も浅いと言えるのですが、一般的に紫外線の効力のある部分の肌の入れ替えは出来ます。
さらに米国ではランチタイムリジュビネーション(ランチタイムを使った肌の若返り)と言われているほど、約15分という短期間に施術を終えることが出来るのが魅力です。
アファームには1330nmの赤外線を同時に照射するアファームマルチプレックスという新機種が近々デビューする予定です。この機器はアファームの能力にプラスして、さらにたるみ引き締め効果を取り入れた機器で、大変期待が持てます。現在ワシントンDCのロバート=ワイス(Robert Weiss)医師、カルフルニア州サクラメントのエミル=タンゲッティ(Emil A. Tanghetti)医師、ロサンジェルスのロナード=モイ(Ronald Moy)医師、テネシーのブライアン=ビースマン(Brian Biesman)医師、ニューヨークのブルース=カッツ(Bruce E. Katz)医師の5人の医師(彼らは米国レーザー学会で私ともよく話をする仲です)が選ばれ、治験をしているところです。
クリニックF院長の藤本は、フラクショナルレーザーの経験が日本で最も多い医師の一人であるため、日本で一番最初のアファームマルチプレックスをクリニックFに導入することを米国サイノシュア社から約束されています。
※ FDA(Food and Drug Administration of the United States Department of Health and Human Service)米国食品医薬品局=日本の厚生労働省
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