毛穴に効くフラクショナル・レーザー
「アファーム」や「フラクセル」といった“フラクショナルレーザー”が、なぜ毛穴治療に効くのか? これは、フラクショナル・レーザーを用いて肌に照射すると、まず照射部位に熱による組織の凝固層が形成されます。この部分は、変性したたんぱく質、いわば電子レンジでチンしたように一回り縮んだような状態になります。これにより、肌が15%程度収縮する。毛穴もその周りの皮膚も「縮む」わけです。これが第一に毛穴に効く理由です。
しかしながら、変性したたんぱく質の周囲は正常な組織があります。この正常な組織は編成部分を早く押し出そうとして、肌のターンオーバーが促進されるのです。つまり肌の入れ替わりが速くなる。加齢による毛穴の開き・緩みとは、加齢による肌の代謝=ターンオーバーの速度が遅くなることで生じるとも言えますが、それが改善されるわけです。これがフラクショナルレーザーが毛穴に効く第二の理由です。
さらに照射された皮下では熱によりラジカルが発生し、同時にヒスタミンなどの神経伝達物質を含む顆粒を細胞内に持つ肥満細胞(マストセル)が、顆粒を放出します。これが線維芽細胞を誘導し、皮下ののコラーゲンを合成するのです。肥満細胞は、僕の医学博士論文の主題の研究テーマでしたので、このあたりの最新の研究についてはアップデートしているつもりです。皮下のコラーゲンが新生するため、昨日のブログに書いたような、肌の内側の体積が少なくなるタイプの毛穴にも効果があるのです。これが第三の理由です。
僕のクリニックで、アファームを照射した直後の毛穴の変り方は、こうした症例を見慣れている医者でもちょっと感動ものです。
今後も、国内外の研究機関とこれらの追跡研究を行ってゆく予定ですので、またこのブログでもご紹介しますね。
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