人は見た目が9割
竹内一郎さんの「人は見た目が9割」という本を読みました。この本は、アメリカで重要視されている「ノンバーバル・コミュニケーション」と呼ばれる領域の本ですね。言葉よりも、言葉以外の要素の方がより多くの情報を伝達しているという理論です。
アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士は、人が他人から受け取る情報(感情や態度など)の割合について次のような実験結果を発表しているものです。
顔の表情 55%
声の質、大きさ、テンポ 38%
話す言葉の内容 7%
この研究が物語っているのは、話の内容が7%に過ぎないと言うことです。驚きませんか? 残りの93%情報は顔の表情や、声の質だと言うのです。
この本を読んで僕が感じたことは、「人は見た目が9割」であるならば、
「プレゼンは見た目が7割」
と言えるのではないか、ということです。
国内外で開かれる学会に呼んでいただく機会が多い僕ですが、最初は緊張ばかりだったのが、先月で海外で20回目の講演を果たしたこともあって、最近すこしだけ周りを見渡す余裕ができてきました。
以前は、学会でのプレゼンと言えば話の内容をとにかく密度の濃いものにしなければならないということだけが頭にあって、パワーポイントで作るスライドも、文字情報やグラフに頼り、それを多用していました。僕よりずっと先輩のドクターが席にいらしたりするので、おかしなものを出してはならないという気負いも多分にあったのだと思います。
しかし、現場でのお客さんの反応を見ていると、
「このままじゃ、お客さんには楽しんでもらえないな」
ということを去年ぐらいから感じるようになり、以来すこしずつ自分なりに「改良」してきたのです。
改良の一番のポイントは、文字や表よりも、画像やレイアウトを工夫すること。そしてプレゼンを「起承転結」に分け、「起」の部分ではドクターに焦点を合わせてプレゼンを作るのではなく、一般のサラリーマンやOLさんでもわかるような、わかりやすく身近な話から入ること。最後の「結」で、何が言いたいのかを明確にまとめること。
さらにパワーポイントを「紙芝居」に見立て、僕の声が聞こえなくても「絵」で見れば内容がある程度理解できるようなものを準備するようになったのです。
これらによってお客さんの反応は確実に変わりました。自分なりの手ごたえを感じられるようになってきたのです。特に最後の「絵で見てわかるようにする」という重要性をひしひしと感じています。
プレゼンも、人と同じように「見た目が大事」なのです。
もしプレゼンの作り方で悩んでおられるドクターがいたら、今ならご相談に乗れるかもしれませんよ(笑)。
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