南総里見八犬伝
僕は重症の活字中毒ではないかと時々思います。ちょっとでも時間ができると本や活字を読んでいないと落ち着かないんですよね。子供の頃から、弟たち(僕は男三人兄弟の長男です)と一緒に毎週末図書館に連れて行ってくれた、母親の教育の賜物でもあるのかもしれません。今までに何度も読み返している本が何冊かあるのですが、その内のひとつ、小学校4年生の時にまさにはまってしまった本があります。
それが表題の「南総里見八犬伝」です。
里見八犬伝
買ったきっかけ:
小学生のときから嵌って読んでいました。
感想:
若いうちに読んでおきたい書です。
南総里見八犬伝 著者:平岩 弓枝,佐多 芳郎 | |
この本は1814年から28年もかけて、滝沢馬琴が書き上げた壮大な伝奇物語です。1814年と言えばかのベートーヴェンが交響曲第八番を作曲し、ナポレオンが戦いに敗れてセントヘレナに流された年ですが、日本は化政文化真っ只中でした。
ストーリーは室町時代の関八州(関東)各地に、犬で始まる苗字を持ち、体に牡丹のあざがあり、仁義礼智忠信孝悌の文字の浮きでる玉を生まれながら持つ、8人の若者が生まれます。この玉は、南総里見家の悲劇のヒロイン伏姫の死に関わっているのですが、その武者達がまさに悲劇の伏姫の悲願を遂げるかのように、里見家の復興に関わり、手助けをして、そして見事に身を引いてゆきます。
自分自身が戌年生まれということもあるんでしょうか? この八犬伝のストーリーの奇想天外さと、伏線が最後に網の目のように繋がってゆく緻密さに読書の喜びを初めて知りました。当時売っているほぼ全ての訳者の八犬伝を読んだと思います。小学生の時の卒業記念で書いた絵は、八犬伝の伏姫が自害して、八つの玉が空に飛ぶ時の絵だったと記憶しています。
それほど、この本はインパクトがあったんでしょうね。
実はここ数日、館山の神社について調べる機会があって、ネットを見ていたら、八犬伝のことが出て来る出てくる。南総里見といえば、当然千葉の館山を指すものだと思うのですが、当時はどこの話なのか全く意識していなかったんですよね。
子供の頃に読み、しかも大好きだった本の舞台を、大人になってから調べ、その歴史の深さを知り、さらに自分で働いて得たお金で訪ねる機会をもてるというのは、考えてみるととても贅沢な、大人ならではの楽しみですね。
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