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2007年12月の29件の記事

2007年12月30日 (日)

ありがとうございました

今日で今年最後の診療が終わりました。

診療の後は、スタッフと共に大掃除。毎朝掃除をしていても、知らず知らずのうちに要らないものを溜め込んでいるものですね。

5月26日にクリニックFを開院して早7ヶ月。多くの方に支えていただき、なんとかこうして無事に年を越すことが出来そうです。開院にあたってお力添えくださった皆様、今年も多くの学会で講演の機会を与えてくださった皆様、診察に来てくださった患者さん、ブログを読んで下さっている皆様、日々サポートしてくれたスタッフ、そして家族、僕の2007年を支えてくださったすべての方に感謝の気持ちで一杯です。

ありがとうございます。

病院をひとつ作り、それを維持していく、というのはそれがどんな規模であっても何を以って「成功」とするのか、何を「ゴール」とすればいいのか、院長は常に悩むものなのではないかと思います。僕もまだ答えは出ていませんが、来年は更なる地盤固めに励みながら、なんとか自分の中でその答えを見つけることが出来ないか、模索していきたいと思っています。

「クリニックF」という名前をクリニックにつけたときに、「F」には、「FINAL(最終章)」の意味も実は込めています。

このクリニックで僕にとってひとつの完成形をいつかお世話になった皆様にお見せすることが出来れば、と思っています。

本年度は本当にお世話になり、ありがとうございました。

また来年もどうかよろしくお願いいたします。

良いお年をお迎えください。年始は1月7日からとなります。

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2007年12月29日 (土)

門松

Img_2308_2お正月まであと3日。クリニックFでも今朝から門松を飾っています。

今年の診療も残すところあと2日です。今日は朝からレーザーフル稼働でばたばたしています。

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2007年12月28日 (金)

部分痩せできるボディオイル?

Part_slim 痩身やボデイメイキングのご相談をよく受けます。特に最近多いのは部分痩せに関するご相談です。食事を減らして体重を落とすと、本来落ちてほしくない部分の脂肪も落ちてしまいますよね。

患者さんが希望する部分痩せのために、メソセラピーやアクシダームなどの機器を導入してきましたが、ひとつ面白い商材を見つけ、クリニックFでごく親しい方に試していただいたところ大変好評だったものをひとつご紹介させていただきます。

ScienSight 「Parts Slim」というボディオイルです。

メソセラピーで部分痩せをするときに、脂肪組織から脂肪酸を出すために「フォスファジチルコリン」を。さらに血中にでた脂肪酸を、ミトコンドリアなどの燃焼系に回すために「カルニチン」を薬剤に混ぜて注射して部分痩せを実現させてきたのですが、確かに効果はあるのですが、5~10回も注射をしなければならず、患者さんの負担を考えるとどうかなと思うことがありました。

6 このオイルは、特殊な技術で部分痩せのために必要な、これらの分子量の大きな物質を、エマルジョンという状態にして注射や機械の力ではなく皮下に取り込む工夫がされています。

自分でも1月間、実験してみましたが、おなかの肉が柔らかくなり、ベルトの穴の位置が一つ変わりました。100ml 18900円です。ご希望の方にはクリニックで販売させていただきます。

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2007年12月27日 (木)

高周波

企業の方から病院やサロンで扱う機器ではなく、家庭で使う健康/美容機器の相談を受けることがあります。世界的に見ても日本の家庭はこうした需要が高い、と言っていいでしょう。炬燵の文化が元々あることも土台にあるのかもしれません。また高齢化社会によって腰痛、肩こりなどの改善にこうした健康機器は需要がますます高まり、アンチエイジングや美容への注目が集まることによってこうした美容機器もどんどん開発が進んでいく・・・という背景もあるようです。

僕自身も機械は元々好きなので興味があります。そこで「電気治療器」という言葉をどう定義しているのか今回調べてみました。 

特許庁のWEBによると、

「電気治療器は、人体に直接電流を流すことにより鎮痛、血行改善を行なう治療機器であり、低周波治療器、高周波治療器が含まれる。」

と書かれています。

このうち、低周波治療は肩こりや神経痛などの症状緩和に効果があるといわれていす。高周波治療は温熱効果・自律神経調整作用、アレルギー性疾患などに効果があると言われているのです。

実際に「高周波市場」というのは益々広がっていく傾向にあると聞いています。聞けば巷では「家庭用高周波治療器」が安いものでは10万円以下のものから高いものになると100万円くらいするものまであり、これらを使うことによって

「ぎっくり腰が治った」

「よく眠れるようになった」

「アレルギー症状が緩和された」

「腫瘍が小さくなった」

「うつ病が治った」

「髪の毛が生えてきた」

「冷え性が治った」

「疲れづらくなった」

・・・などの報告が実際あるようですね。

医者の立場から見ると、まだまだエビデンスに弱い部分もあり発展途上であると言わざるを得ない部分ではありますが、レーザーや光治療器を扱う機械マニアの視点から見ると

「人体に電流を流すことによって改善される疾患がある」

というところには非常に興味があります。

美容の世界を振り返ってみると、業務用の高周波機器と言えば、スペインのインディバという機器が有名です。レーザー専門医としては、高周波=RFと言えばやはりサーマクールでしょう。サーマクールの登場は非常に衝撃的でした。

この続きはまた後日。

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2007年12月25日 (火)

オスカー・ピーターソン

Oscer23日にジャズの巨匠であるオスカーピーターソンが腎不全で亡くなりました。カナダ人で超絶技巧のテクニックに定評があった彼なので、とても残念です。心よりご冥福をお祈りいたします。

僕がオスカー・ピーターソンに出会ったのは、大学生の時。当時僕はピアノの音色が好きで、ピアノ協奏曲のクラシックばかり聴いていたのですが、写真の「We Get Requests」「プリーズ・リクエスト(邦題)」を聴いて、ピアノはこんな音も出せるのかと感激したのを覚えています。

昨日からCDを取り出して聴いてみているのですが、「We Get Requests」は、ピアノトリオの最高傑作のひとつかもしれません。どの曲も高度な演奏テクニック。選曲もスタンダードで心地よいスイング感。自然と体が動いてしまいます。聞けば、ジャズファンがオーディオチェック用に使用する定番とのこと。お持ちでない方はお勧めします。

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2007年12月24日 (月)

クリスマス背景のブログ

Photo 今日はクリスマスイブですね。皆様どうお過ごしですか?

クリスマスの背景のブログも明日で変更になります。評判が良かったのでぜひとも続けたかったのですが、年中クリスマスというのもおかしいですよね。

今年はブログの背景をいくつか変えてきました。

Photo_2 前回のバージョンの紅葉

Photo_3 その前のバージョンの桜

それぞれ書き連ねて来ましたので愛着があります。

明日からの新年のブログの背景もお楽しみください。そうそう。クリニックFの営業は30日まで。新年は7日からとなります。

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2007年12月23日 (日)

高崎 だるま弁当

003 患者さんからのありがたい差し入れで頂いた高崎駅名物の「だるま弁当」。

容器もユニークで、なにより旨そうですよね。

クリニックに一日いると昼食がマンネリになるので、本当に嬉しいです。スタッフ全員で頂きました。

ありがとうございました。

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2007年12月22日 (土)

まぶたに フラクセル

012 この写真、なんだか分かりますか?

フラクセルを瞼に照射するときのアイガードです。目と目の周りは御存知のようにとても繊細ですが、コレを使用するときちんと目を保護することが出来るので、目に影響なくフラクセルを照射できるというわけです。

患者さんから「フラクセルとフラクセルⅡはどう違うんですか?」とよく聞かれます。フラクセルからフラクセルⅡに進化して、最も特徴的なのは「ブルーダイ」といわれる青い染料を塗らなくても良いので、顔の何処にでも照射できるということ。

人の第1印象の8割は目だといわれています。また女性が老化を最も気にするのも目と目の周りです。ただ目の周りの皮膚は、卵の薄皮ぐらいの厚さしかなく、ギャラクシーやオーロラでは施術がしにくい。それらも含めて今までは上瞼と下瞼に使える機器がなかったので、美容外科手術に頼る患者さんも多かったのですが、レーザーの進化によって瞼へのアプローチが出来る時代になったというわけです。

このアイガードを入れた施術を「フラクセル・アイズ」と呼んでいるのですが、まぶたの上を施術できるようになると、施術の選択の幅が大きく広がります。

肌を入れ替えるフラクショナル・リサーフェシングレーザー「フラクセルⅡ」ですが、クリニックFで、目にアイガードを乗せてまぶたの上下まで施術をする方法を取り入れてから、患者さんの満足度が格段と上がりましたよ。

目の周りの老化にお悩みの方、でもメスを入れるのはイヤだと言う方にはお薦めできる施術です。

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2007年12月21日 (金)

年末はやはり「第九」??

12_20daiku_fb 昨日は東京国際フォーラムのホールAにて、毎年年末に熊谷弘さんの指揮で行なわれている「第九と皇帝」を聴きに行ってきました。

なんとこの企画は1981年から続いているのだそうです。 

「第九」と「皇帝」は誰でも知っているベートーヴェン最後の交響曲とピアノ協奏曲。すなわち交響曲第九番“合唱付”と、ピアノ協奏曲第五番“皇帝”の組み合わせです。

年末にこれ以上のカップリングは無いのでは??(笑)

約2年前に第九のブログを書きましたが、第九が年末に演奏されるのは世界で日本ぐらいなのです。それどころか、合唱団と独唱声楽家とオーケストラが共演しなければならないため、欧米ではそもそもの演奏回数も少ない。毎年日本では年末に第九が流れますので、もしかしたら第九を歌える合唱団の数は日本が最も多いのかもしれません。

9第九の合唱付きは何度も聴いているのですが、第2楽章が終って、ぞろぞろと合唱団の人たちがひな壇に並んで入ってくると、毎回今日はどんな合唱を聴けるのだろうとワクワクするのです。なので、ここ数年来、年末の予定の空いた日には必ずどこかの交響楽団の第九を聴きに行ってしまいます。

あの

♪O Freunde♪

から始まる「歓喜の歌」に聴き入って、コンサートが終ると、

「ああ今年も終ったなあ」

と思えるんですよね。

ところで、第九は、第4楽章で前の3つの楽章の旋律をそれぞれ管弦楽が再現します。その後、独唱に移りますが、その最初の部分でなんと言っているのかご存知でしたか?

O Freunde, nicht diese Töne!
Sondern laßt uns angenehmere
anstimmen und freudenvollere.

と歌っているのです。

この部分の訳は

おお友よ、このような音ではない!
我々はもっと心地よい
もっと歓喜に満ち溢れる歌を歌おうではないか

なんですよ。

つまり今までの三つの楽章のメロディーなんて駄目だと独唱者に歌わせ(とても美しいと思うのですが)、最後に「もっと歓喜に満ち溢れる歌」である「歓喜の歌」を大合唱にしてオケごと飲み込んでしまうわけです。

この作曲当時、ベートーヴェンはもう耳が聴こえなかったはずですが、この発想力。すごい人ですよね。

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2007年12月20日 (木)

ジェネシス

1_3 診療が始まる前に、 ジェネシスの適応範囲がどこからどこまでなのか、自分の皮膚で実験しています。

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2007年12月18日 (火)

レーザーの守備範囲

国内のレーザー学会で講演を頼まれると、講演終了後聴いくださった先生方から、

「これから開業を考えているのですが、どのレーザーを購入すればいいと思いますか?」

レーザー選択のアドバイスを求められることが良くあります。

そういった先生方にお願いするのは、開業する地域の競合となるクリニックをまず調べ、それらのクリニックに配備してあるレーザーの情報を揃えてください、ということです。

僕の方はそれを元に、ではどのレーザーを買うべきか選択ができます。

いくら良いレーザーであっても競合のクリニックが同じものをすでに持っている場合には、買っても結局稼動せず無駄に終わってしまうこともありますからね。

「競合」という言葉を経営ではよく使いますが、クリニックの場合は「競合しない」ことはとても重要です。競争軸を変えて独自の路線を見極めていくことで、ライバルを作らず他のクリニックとも「共存」できるからです。

「競合相手」とは対峙する敵のことですが、「共存相手」になると共に歩んでいく味方になります。医者同士でつぶし合いをしても仕方がないわけですから、むしろ

「どうしたらこの業界を盛り上げ向上が出来るのか」

ということを建設的に考える方が良いように思っています。まだまだ日本のレーザー治療は発展途上にあるのが現状ですから。

先日ある先生から頂いたメールにこんなことが書いてありました。

「地方のレーザークリニック(ばかりか東京の名前が売れているクリニックでさえ)のレーザーの中には、古くて耐用期間が過ぎても捨てられずに使われていたり、レーザーの守備範囲を明らかに超えた症状に対して使用されている現状がある」

雑誌によく取材されるクリニックでさえ、エビデンスの無いものや

「どう考えてもその機械の波長やパルス幅でその症状は改善できないだろう」

というものをあたかも治療が出来るかのように書いているところもあり、そうした記事を見つけると、これが日本のレーザー治療の現状なのかと驚くことも多々あります。

レーザー治療は日進月歩で進化していることもありますが、どうしたら日本の現状を良くしていけるのかも皆で考えていきたいですね。

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2007年12月17日 (月)

緊急美白コース

診療の合間に時間があると、クリニックFのWEBを調整する作業をしています。

僕はこの手の作業が好きなので、はまりだすと何時間もずっとPCの前でマウスを握り締めています(苦笑)。WEBはこだわりはじめるといつまでも終わりの無い作業ですからね。予算もありますから、その中で出来る作業をするしかない、と考えると文字情報によるコンテンツ強化がてっとりばやい。文章は自分でいくらでも考えられますから、デザイナーさんやシステム会社の手を煩わせるのも、最小限で済みます。

僕は今回が5軒目の美容クリニックです。この世界に関わるようになってからこの5年余りの間に、美容クリニックの集客の仕方はあきらかに変貌を遂げつつあります。

以前は広告や美容雑誌への掲載による集客をまず考えないと、東京のこの美容クリニック激戦区では生き抜いていけませんでした。今は雑誌などメディアには全く出ていないのに、驚くほどの集客力を誇るクリニックがあると聞きます。

こうしたクリニックの特徴はやはりホームページ、SEO対策による集客戦略がうまい。情報量だけでなく、そのクリニックのイメージ、院長のポリシー、ヴィジョン、FAQ・・・などをうまくWEB上でプレゼンし誘導できることが患者さんに求められる時代になったと言えるのではないでしょうか。

そしてその中で「差別化」が求められる。これは経営戦略の基本、と言えるでしょう。

クリニックFのホームページは注意深く見ていただくとわかるのですが、他のクリニックとは一線を画す「仕掛け」をいくつも盛り込んでいます。最近WEBを見たという患者さんも増えてきましたので、地道な努力が報われているようで嬉しいですね。

ところで、新しくクリニックFのメニューに加えたコースで、

「これ何ですか?」

と聞かれるのが表題の「緊急美白コース」です。

クリニックFは

「リゾートに行くのは大好き! 日焼けもある程度は仕方がないでしょ。でも帰国したら一時も早く美白したい!」

という、欲望に忠実な(?)患者さんも多いものですから、そういう方向けにプログラムを組むことがあるのです。内容は内服や各種機械と化粧品を織り交ぜたもので、かなり効果があるのですよ。

最近もファッション雑誌でモデルの仕事をしている患者さんがハワイで真っ黒になって帰ってきて

「来週撮影なんです! 担当者に日焼けがばれて怒られないようになんとかしてください!」

と。正直

「ばれないようになんて、そりゃムリだろう~」

と一瞬その黒さにぎょっとしましたが、

このコースをご案内させて頂いたところ、撮影時にはまったく日焼けしたことがばれなかったそうです。主治医としても一安心した出来事でした。

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2007年12月15日 (土)

MBA仲間

今週から忘年会が続いています。友人や仕事関係者、レーザー会社や美容関連会社、機械メーカー・・・など、この一年お世話になった方々とこうして一年の終わりに楽しいお酒を飲めるのは嬉しいことです。深酒だけ気をつけないと。

今日の診察も無事終わり、これからMBAを取るために一緒に頑張った仲間たちとの忘年会です。濃いメンバーで毎回集まるとおもしろい話が聞けるんですよ。

では、行ってきます。

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2007年12月14日 (金)

ラッキーエビス見つけました!!

Ebisu_2 ラッキーエビス(社名はヱビス)って知っていますか?

昨晩僕は、とある上場企業の社長さんと、忘年会を兼ねて銀座で飲んでいたのですが、噂に聞くこのヱビスビール瓶を見つけてしまいました。

通常のヱビスビール瓶には、恵比寿様が鯛を一匹持った図がかかれています。ところが数百本(一説によると一万本)に1本、この下の図のような鯛を二匹抱えた恵比寿様のビール瓶があるのです。この瓶に出会ったら幸福が訪れるとか。

Img_2505_2以前に都市伝説として聞いていたのですが、まさか本当に出会うとは…。

あまりに嬉しくて、お店の人に瓶を頂いてきました。クリニックFにもってきましたので、見たい人は声をかけてください。来年幸せが訪れますように、幸福のおすそ分けします(笑)。

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2007年12月13日 (木)

シミを取るレーザー

002_2 クリニックFは、「肌質の改善」「肌の若返り」を専門とした新しい概念のクリニックなので、「治療」がテーマではありません。

いわゆる「ほくろ」や「いぼ」、「あざ」など治療の希望がある時は、原則としてほかのクリニックをご紹介しています。

この機械はドイツのAsclepionというメーカーの「ルビーレーザー」です。ちょうど二週間クリニックFにてテスト照射をしているところです。

ルビーレーザーは機械として完成しているのでメーカーによって差が出にくいレーザーとなりつつありますね。さらに「黒子」や「入れ墨」などにも効果があり、一旦カサブタにしてシミを取るという、旧来のレーザー機器では、やはりQスイッチルビーレーザーが最も優れていると思います。黒い刺青の色や、茶色いメラニンなどはよく反応してくれます。

ルビーレーザーの弱点は、694nmという宝石のルビーの波長を使用しているので、赤色、オレンジ色、黄色系の刺青は取りにくいということでしょうか。

近年刺青治療によくつかわれるようになったQスイッチヤグレーザーは反対に緑色の刺青に反応しにくいという性質を持っています。

Qスイッチルビーレーザーとヤグレーザー、この二つの波長が一台で出すことができる「ウルトラQスイッチレーザー」をどこかのレーザー会社が開発できたら魅力的なのですけどね。そんなプロジェクトがあったらぜひ参加したいくらいです。

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2007年12月12日 (水)

ビタミンCがガン細胞を殺す

 Vitaminc_2 

今日はクリニックFの休診日でした。僕は在宅診療の日だったのですが、向かう途中偶然本屋で立ち読みしていて見つけたのがこの本です。

「ビタミンCがガン細胞を殺す」

「ビタミンCの大量注入療法は果たしてガンに効果的があるのか?」

という議論は、古くから医師の間でなされていました。

ライナスポーリング博士による「メガビタミン療法」という言葉を聞いたことはありますか? 一度は米国医学会から葬り去られた彼の理論は2005年にPNAS(米国科学アカデミー紀要)に採択された「薬理量濃度のアスコルビン酸は選択的にガン細胞を殺す:過酸化水素を癌組織へ移送するプロドラッグ作用」( 2005;102:13604-13609 )という論文によって、また注目を浴びることになりました。大量ビタミン療法がやはりがん治療において無視できない理論であったことが再確認されたのです。

この論文を一般読者向けに噛み砕いて書かれたのがこの本です。

家に帰ってから論文の原文を読んでみました(下にアブストラクトを貼り付けます)。ほんの10年前なら、よい論文を見つけても、大学の図書館に通って、内容を確認しなければならなかったのです。これが大学病院勤務医と開業医の知識差を作っていたのですが、今は英語を読むのが苦でなければ、自宅から原文をチェックできるのです。日々勉強している医師ならば、どんな地域にいても最新の医学知識にアクセスできる。インターネット時代の素晴らしいところです。

この実験では、バーキットリンフォーマという悪性リンパ腫の細胞を使用していますが、大量のビタミンCが、その抗酸化作用により、正常の細胞に影響なくガン細胞のみを破壊することが出来るということが証明されています。ガン細胞を破壊できるまでビタミンCの血中濃度を上げるためには、ビタミンCを静脈に注射をするしかないのですが、その方法は医師であればいたって簡単であり、しかも抗がん剤などとの併用も可能です。

しかし残念なのは、この方法は、日本では現在、保険診療が出来ないということです。日本の保険診療は、国民に低い自己負担額で、医療のアクセスを保障したと言う点では世界に胸を張れる素晴らしい制度だと思いますが、こと最新医療に関しては、厚生労働省が保険診療を認可するまで、試すことが出来ないというのは残念な話です。

ちなみに、現在世界で使われている販売実績ベスト100の薬の中で、日本の保険診療下で使用できるのは60程度。つまり世界で最も売れている薬の3分の1が日本で保険診療では使用できないのです。これは世界の主要30カ国のうちで27番目の数字です。驚くべきことだと思いませんか?

僕のクリニックFでも、最新のレーザーは、自分の医師免許を使って個人輸入しています。そうでもしない限り、世界と同じレベルの医療は提供できないのです。

今後、日本の医療がこれから転換をしてゆかなければならない分野ですね。

Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Sep 20;102(38):13604-9. Epub 2005 Sep 12.

Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues.

Molecular and Clinical Nutrition Section, National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892, USA.

Human pharmacokinetics data indicate that i.v. ascorbic acid (ascorbate) in pharmacologic concentrations could have an unanticipated role in cancer treatment. Our goals here were to test whether ascorbate killed cancer cells selectively, and if so, to determine mechanisms, using clinically relevant conditions. Cell death in 10 cancer and 4 normal cell types was measured by using 1-h exposures. Normal cells were unaffected by 20 mM ascorbate, whereas 5 cancer lines had EC(50) values of <4 mM, a concentration easily achievable i.v. Human lymphoma cells were studied in detail because of their sensitivity to ascorbate (EC(50) of 0.5 mM) and suitability for addressing mechanisms. Extracellular but not intracellular ascorbate mediated cell death, which occurred by apoptosis and pyknosis/necrosis. Cell death was independent of metal chelators and absolutely dependent on H(2)O(2) formation. Cell death from H(2)O(2) added to cells was identical to that found when H(2)O(2) was generated by ascorbate treatment. H(2)O(2) generation was dependent on ascorbate concentration, incubation time, and the presence of 0.5-10% serum, and displayed a linear relationship with ascorbate radical formation. Although ascorbate addition to medium generated H(2)O(2), ascorbate addition to blood generated no detectable H(2)O(2) and only trace detectable ascorbate radical. Taken together, these data indicate that ascorbate at concentrations achieved only by i.v. administration may be a pro-drug for formation of H(2)O(2), and that blood can be a delivery system of the pro-drug to tissues. These findings give plausibility to i.v. ascorbic acid in cancer treatment, and have unexpected implications for treatment of infections where H(2)O(2) may be beneficial.

http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pubmed&pubmedid=16157892

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2007年12月11日 (火)

クリスマス

クリニTreeックFもすこしクリスマスらしい飾り付けになりました。

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2007年12月10日 (月)

任天堂「Wii」

商品券がいくらか余っていたので、何を買おうか迷っていたところ、話題の任天堂「Wii」を買ってみようと思い立ちました。

任天堂といえば、イチローのいるシアトルマリナーズのオーナー企業でもありますし、TVゲームという、アニメと並んで世界で勝負できる日本のソフトコンテンツを作っている企業と言えますよね。

Photo_6 Wiiを使ってフィットネスや体調管理をするという「Wii Fit」が欲しいと思って探してみると、どのお店を見ても完売。クリスマス商戦さすがうまいですね。

今回は「Wii Fit」はあきらめ、「はじめてのWii」「Wiiスポーツ」というソフトを買いました。

テレビゲームは、とりわけ好きだという意識で見たことはなくても、小学校時代にインベーダーゲームを見てしまった僕たちの世代はなんだかんだでゲームが身近な世代です。

医学の世界では最近内視鏡の外科手術が流行していますが、内視鏡手術は画像を見ながら、手元を動かして手術します。実は、この手術はテレビゲーム世代と、それ以上の世代では、上達のスピードが違うと言われているんですよ。術者を見ているとよくわかりますが、テレビゲーム世代の若い人の方がうまい。

衛星放送を使って、ヨーロッパの患者さんにヨーロッパで行う脳外科の手術を、アメリカ人医師がアメリカから遠隔操作で行ったりすることができる時代になりましたので、今後も「ゲーム世代の外科医」はよりニーズが増えるように思います。

果たして良い事なのか、悪い事なのか。

最新の手術が出来る医者が増えるのは良いことのように思いますが、ゲームを攻略するように執刀するのは考えものですよね。

話がそれました。

ところで、この「Wii」はコントローラーが変わっています。コントローラーの動きや向きを感知して、キャラターがそのまま動くのです。テニスやゴルフをしましたが、感覚は本物そっくり。打った時の振動や音なども、ちゃんとリモコンのコントローラーから感じたり、聞いたりできるのです。いやー、すごいですね。おかげで今日は寝不足です(笑)。

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2007年12月 9日 (日)

肝斑とイオン導入器

肝斑は、メラニン色素の影響で茶色に見えますが、このメラニンは活性酸素がついて酸化型になることにより、茶色い色が増すことになります。

厄介ですね。

ここで、皆さんもよくご存知のビタミンCの出番が来ます。

ビタミンCと一言で言ってもいくつかの種類があります。簡単に言うと、「美肌に効くビタミンC」と「効きづらいビタミンC」があるのです。

皮膚への浸透が高い、「高浸透型のビタミンC」を使用すると、ビタミンCの活性酸素還元能力により、茶色い酸化メラニンが、還元型に変わり、色が薄くなります。

肝斑治療ではこのビタミンCを使った外用薬治療も非常に重要である、と考えています。

このビタミンCの浸透能力を上げる施術の一つにビタミンCのイオン導入というものがあります。クリニックやサロンで使用する、いわば業務用と家庭で使うことができるホームケア用の二種類があります。

イオン導入器にはレーザーと同じように長い歴史があり、毎年のように新しい機能が付加されるため、ホームケア用に三年以上前のイオン導入の機械を使っている方は、現在最も安い機械を買いなおしても、新しい機械の方が効果が高いと考えてよいと思います。

Ionskincre_2クリニックFでホームケア用に推奨しているのは、「イオンスキンケアリフト(写真)」という発振周波数に1,000Hzを使用した、現在販売されている同種のイオン導入機器の中ではもっとも効果的なものなのですが、価格は19,950円(税込)と割安なので人気商品です。

家庭用に使うものは、あまり高すぎてもいけないですよね。

ちょうど施術する手に当たる部分が、金属でできており、これをアースにすることで、より浸透度をあげています。

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2007年12月 8日 (土)

肝斑とLED

肝斑を特別なレーザーによって治療した後、

「はい、これで治療はおしまい」

と言って帰してしまうのでは肝斑治療は“完全”とは言えません。

まず第一に、顕微鏡を使って肝斑の病態の組織像を見ると、ほぼ100%の確率で炎症細胞が観察されます。こうした皮下の炎症状態を抑えるために赤色のLEDの治療が非常に有効なのです。

さらに、レーザー照射後「マイクロクラスト」といわれる「メラニンのかけら」が肌の中にはまだ残っています。このかけらを処理しておかなければならないのですね。

「マイクロクラスト」を処理する「マクロファージ」という細胞があります。

マクロファージは“肌の異常細胞を食べてくれる掃除屋さん”いわば“仕事人”です。その仕事をきっちりさせるためには、活性化させる必要があります。

マクロファージを活性化するために何が必要なのか? 

必要なのは、赤外線です。830nm程度の赤外線光によって、マクロファージは活性化されます。

また、肌を構築するケラチノサイトや免疫系の司令塔であるマスト細胞なども赤色から赤外線域の光によって活性化されるので、ターンオーバーも活発になります。

003_2 レーザー照射後、赤外線光を当ててマクロファージを活性化することが、肝斑治療には非常に重要である、と言えるわけです。

この赤外線光を当てる機器として白色(赤外線)LEDと呼ばれる光治療器を僕は使用します。

LEDは皆さんの身近なところに常にあります。今年は六本木ミッドタウンのクリスマスイルミネーションが大評判のようですが、あれもすべてLEDなんですよ。以前には赤しかなかったLEDが、今は緑も青も開発されたので、あんなに美しい光の演出ができるようになったのです。

LEDとLEDの効果については以前に書いたフジモトプロトコールでもふれましたが、レーザーと比較して1/1000以下の弱い出力の光を使用することで、肌の細胞をゆっくりと変化させていくという「フォトバイオモデュレーション」という治療法が開発されています。

この画像はクリニックFにおいてあるオムニラックスというLED治療器です。小さな機械ですが、本当に肝斑に関しては「仕事人」ですよ(笑)。

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2007年12月 7日 (金)

肝斑のレーザー治療

肝斑のレーザー治療は、国際的にも推奨できないということで以前は統一されていました。しかし先日も書きましたように僕の方でも発表させて頂いたプロトコールの活用や、2005年に発表されたフラクセルなどのフラクショナル・レーザーがこの図のように肝斑を打ち抜くことによる治療が可能となり、アメリカの厚生労働省に相当するFDAでも認可を受けるようになりました。2 いわば2005年が「肝斑レーザー治療元年」となったわけです。

2007年には、QSヤグレーザーによるレーザートーニングという方法が開発され、肝斑の治療をレーザーにより行なうことが出来るようになりました。現在この方法はFDAに認可を申請しています。

レーザーで肝斑を治療するためには5つの注意点があります。

1.表皮最下層にあるメラニン色素を破壊できるように、深達度の高い“赤外線域の波長”のレーザーを選択する。

2.メラニン色素を破壊する臨界照射時間(TRT・熱緩和時間)である50ナノ秒以下のレーザーを選択する。

3.均一にレーザーが照射されるように照射径内のパワーが均一なトップハットモードのレーザーを選択する。

4.メラニン色素のみを破壊し、周りの正常皮膚に影響が無いパワーを選択する。

5.目の周りに発生することが多い肝斑は、レーザー照射によって網膜に影響を与えることがあるので、適切なスポット径を選択する。

もちろん、医師の経験は必要ですが、この5つを守るレーザー治療を行なえれば、確実に肝斑を治療することが出来るわけです。

韓国の先生では肝斑改善率100%と発表する人もいます。2005年というターニングポイントを越え、肝斑はレーザー治療が可能になったわけで、これは非常に画期的なことです。美容クリニックはもちろん、美容に携わっている化粧品会社、製薬会社、機械メーカー、すべての方々にぜひこの情報はアップデイトさせておいてほしいと思います。そうしないと、

「レーザーは肝斑に使用してはいけない」

というすこし古い情報のまま、患者さんやユーザーの方々がそれを信じ、せっかく治る可能性のある肝斑をあきらめ、鏡を見ながら毎日溜息をつく女性を増やしてしまうことになりかねません。

日々医療は進化しているなと肌で感じながら、僕自身も毎日診療にあたっています。

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2007年12月 6日 (木)

肝斑と女性ホルモン

肝斑は30~40歳代に発症し、高齢者にはほとんど見られないことから、まず年齢でその可能性を判別できることが特徴のひとつに挙げられます。

女性ホルモンのバランスに関わるシミの一種なので、妊娠やピルの服用により発症もしくは悪化することがあり、これも肝斑診断のひとつの参考となります。

女性ホルモンの中の、特に黄体ホルモンが関わっているのではないかといわれています。

黄体ホルモンのおもな働きは、子宮を妊娠の準備をさせるように変化させ、月経周期を決めて、もしも妊娠した場合には出産までの間、妊娠を維持させる役目を果たします。

50代後半に入り閉経を過ぎる頃になると、シミが薄くなったりして自然と治ってしまいます。

肝斑はこうして女性ホルモンと非常に深い関係にあり、この疾患に悩む人は30代~50代の女性である、ということが言えます。ただ内服薬などでホルモン・コントロールを図れば肝斑が消えるか?といえば、なかなかこれも難しいのです。

「婦人科にずっとかかっているけれど肝斑が一向に改善される気配がない」

と言ってクリニックに来る患者さんがけっこういますからね。

僕のクリニックでは、肝斑の患者さんに対し、レーザー治療を行っていきます。内服薬と外用薬を併用しながらの治療になりますので、外からも中からも肝斑に対してアプローチできるのです。結果は非常に良いですよ。

明日はこのレーザー治療についてもう少し詳しく書いていきましょう。

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2007年12月 5日 (水)

肝斑はレーザーで悪化する?

肝斑はレーザー治療で悪化すると言われてきました。実際に他院のレーザー治療で悪化した肝斑の治療に当たることは、今でも少なくありません。

シミがとれるはずのレーザーで、シミの一種である肝斑がなぜ悪化するのか? と言えば、それは

①レーザーの選択を誤っている

②レーザーのパワー設定を誤っている

③レーザーの照射方法を誤っている

この3つが挙げられます。

これまではレーザーによる肝斑へのアプローチに対して決まったプロトコールが存在せず、それによって誤ったレーザー機器を使って、高すぎるパワーで誤った照射方法のまま患者さんの治療にあたっていた医師が多かったのです。そのため肝斑が結果的に悪化してしまう、という事態が起き、いつのまにか

「肝斑にレーザーは禁忌」

と言われるようになってしまいました。

しかしこの云わば「肝斑は禁忌というレーザーの常識」は海外では2005年に覆りました。

以前にも書きましたがアメリカ・レーザー学会で僕の発表した理論によって、「レーザーによる肝斑治療のプロトコール=フジモト・プロトコール」が世界的に認められるようになったのです。アメリカでもヨーロッパでもアジアでも学会に行くといつの間にか僕は

「肝斑治療のフジモト」ということになっていることもしばしばです(笑)。

もう少し詳しくレーザーによる肝斑治療を書く前に、肝斑と女性ホルモンとの関係を次は考えてみましょう。

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2007年12月 4日 (火)

トランシーノは果たして本当に肝斑に効くのか?

トランシーノの主成分=トラネキサム酸は決して「肌を白くする作用」があるわけではない、「肌の漂白剤ではない」ということを書きました。

これは何を言いたいかと言うと、

トラネキサム酸を飲んでいる間は確かにメラニンができにくくなり、肌がターンオーバーすることで徐々に肝斑の色が薄くなっていきます。

しかし、トラネキサム酸だけで完全に肝斑を消すことができるのか? と言えば実際トラネキサム酸を患者さんに処方している僕のような美容皮膚科の医師は皆きっと

「う~ん、トラネキサム酸だけで肝斑を消すのは難しいでしょうね。」

と答えるだろうと思います。

実は、このトラネキサム酸の用法は国際的にはあまり知名度がなく、先日も韓国の学会でディスカッションしたフランス人医師に、

「アジアでは肝斑にトラネキサム酸を処方するようだが、ヨーロッパでは聞いたことがない。トラネキサム酸がどうして肝斑に効くのか?」

と聞かれました(苦笑)。

僕がクリニックで肝斑に悩む患者さんの治療をする際には、内服薬はあくまでレーザー治療と外用剤を補助するものとして使用します。特殊なレーザーで施術を行うと、肝斑にとても効果があるのです。

ちなみにトランシーノのWEB SITEを見ると、

「肝斑はレーザー治療で悪化すると言われています」

と書いてあります。

これは本当なのでしょうか? 回答はまた次回に。

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「トランシーノ」の主成分トラネキサム酸

トランシーノの主成分はトラネキサム酸である、そしてトラネキサム酸はもともと「止血剤」である、ということを前のブログで書きました。

シミの一種=肝斑の治療にどうして止血剤を使うのでしょう? 不思議ですよね。

これは出血→止血のメカニズムを考えていくと良く理解できます。

出血すると血液凝固を促すために「血栓」ができますが、トラネキサム酸にはその血栓を溶かしてしまう作用で知られる「プラスミン」を阻止して止血を助けるという働きがありました。

実はこのプラスミンはメラノサイト刺激因子の一つなのです。思えば、何度もひっかいて出血してしまった部位は、なんとなく色が付いてきますよね。

この「なんとなく色がついて色素が皮膚に残ってしまった状態を「反応性色素沈着症」と言います。

トラネキサム酸は、

1.メラノサイト刺激因子のひとつであるプラスミンを阻害する作用

2.メラノサイトの樹枝状突起形成を促進させるプロスタグランディンE2の作用を阻害するという作用

という作用があります。

つまり、トラネキサム酸を使用すると、メラニンができにくくなるというわけです。別の言い方をすると、トラネキサム酸は決して「肌を白くする作用」があるわけではない。「肌の漂白剤」ではない、ということが言えます。

ここをまずきちんと理解することが非常に重要です。

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肝斑治療薬「トランシーノ」

Index_main_pic 肝斑治療薬のトランシーノが爆発的に売れているようです。さすが、一流の製薬会社が作っているだけあって、トランシーノのWEBの肝斑の説明は素晴らしいですよ。

肝斑は紫外線や女性ホルモンの刺激によって、ケラチノサイトという肌を作る細胞から放出される「メラノサイト活性化因子」がメラノサイト(色素細胞)に作用し、メラニンの産生を促すために発症する・・・と考えられています。

トランシーノの主成分はトラネキサム酸です。今までも、トランサミンという薬が処方箋によって皮膚科医院では出されていたのですが、トラネキサム酸はもともと「止血剤」なのをご存知ですか? 

では、なぜ「止血剤」が肝斑に効果を発揮するのか? これは次のブログで書いていきましょう。

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2007年12月 3日 (月)

肝斑はシミの一種なの?

肝斑に悩まれている方が最近増えたのでしょうか? 肝斑に関するご質問が本当に増えました。僕の専門分野のひとつでもありますから、こうした質問は嬉しくもあります。今週はすこし肝斑の話を書いてゆこうと思います。

肝斑は、シミの一種です。シミにも種類があり、肝斑の場合には、顔の両頬上部左右対称に発症するという特徴があります。目のまわりを避けて、目の下を縁取るように現れるケースがよく見られます。

シミの診断の際には、雀卵斑(ソバカス)や日光性黒子(老人性色素斑)、あるいは太田母斑などとの鑑別を行います。医師にとって特に肝斑と判別しにくいのは遅発性両側性太田母斑(対称性真皮メラノサイトーシス)で、肝斑の上にこれが重なっている場合もあります。

以前、ケミカルピーリングをしすぎて、反応性色素沈着症を起こした症例が、肝斑そっくりな臨床症状を呈していて驚いたことがあります。見た目ではっきりと判定できるのであれば良いのですが、医師の経験が必要ですね。

明日は肝斑に効く薬として爆発的に売れている、トランシーノについて書きます。

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2007年12月 1日 (土)

フィギュア

Getattachment_7ベトナムのホテルで帰り際もらったベトナムの民族衣装をまとったフィギュア×3人。

けっこう可愛いのでは? と思って受付に置いているのですが、今日現在までこれに気付いてくれた患者さんはひとりもいない・・・。どころか、「クリスマスツリーは飾らないんですか?」と聞かれる。

誰かが気付いてくれるまで待とう。

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寒い・・・

Getattachment2 クリニックで着る白衣を今回のクリニックFでは、ケーシーにしました。写真で見ていただけるように、よく外科医が着ている短いセパレート型の白衣です。

「ケーシー」は「ベン・ケーシー」に由来しています。1961年から1966年まで、アメリカABCで放送された大ヒット医師ドラマですね。長袖型の白衣と違って、動きやすいし袖が気にならない。

しかしこのケーシーの弱点は、なんといっても寒いことですね・・・。

「風邪を引いた」「寒い」「体調が悪い」

とボヤく度に、長袖の白衣に替えたらどうかと言われています。

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