レーザーの守備範囲
国内のレーザー学会で講演を頼まれると、講演終了後聴いくださった先生方から、
「これから開業を考えているのですが、どのレーザーを購入すればいいと思いますか?」
と
レーザー選択のアドバイスを求められることが良くあります。
そういった先生方にお願いするのは、開業する地域の競合となるクリニックをまず調べ、それらのクリニックに配備してあるレーザーの情報を揃えてください、ということです。
僕の方はそれを元に、ではどのレーザーを買うべきか選択ができます。
いくら良いレーザーであっても競合のクリニックが同じものをすでに持っている場合には、買っても結局稼動せず無駄に終わってしまうこともありますからね。
「競合」という言葉を経営ではよく使いますが、クリニックの場合は「競合しない」ことはとても重要です。競争軸を変えて独自の路線を見極めていくことで、ライバルを作らず他のクリニックとも「共存」できるからです。
「競合相手」とは対峙する敵のことですが、「共存相手」になると共に歩んでいく味方になります。医者同士でつぶし合いをしても仕方がないわけですから、むしろ
「どうしたらこの業界を盛り上げ向上が出来るのか」
ということを建設的に考える方が良いように思っています。まだまだ日本のレーザー治療は発展途上にあるのが現状ですから。
先日ある先生から頂いたメールにこんなことが書いてありました。
「地方のレーザークリニック(ばかりか東京の名前が売れているクリニックでさえ)のレーザーの中には、古くて耐用期間が過ぎても捨てられずに使われていたり、レーザーの守備範囲を明らかに超えた症状に対して使用されている現状がある」
雑誌によく取材されるクリニックでさえ、エビデンスの無いものや
「どう考えてもその機械の波長やパルス幅でその症状は改善できないだろう」
というものをあたかも治療が出来るかのように書いているところもあり、そうした記事を見つけると、これが日本のレーザー治療の現状なのかと驚くことも多々あります。
レーザー治療は日進月歩で進化していることもありますが、どうしたら日本の現状を良くしていけるのかも皆で考えていきたいですね。
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