毎週水曜日、クリニックFはお休みを頂いています。
僕はMBAを生かして、上場企業を含めたいくつかの企業に、医療器機開発のコンサルティングを勤めさせて頂いているのですが、水曜日はそのコンサルの日にあてています。
これがとても勉強になるのです。
医者と企業経営者というのは、相性が悪い場合も多いとよく聞きます。これはお互いに考え方の違いが根底にあり、時に双方の利益が真っ向からぶつかることもあるからでしょう。
では、企業にとっての利益と医者にとっての利益の違いはどこにあるのか?
一般の営利法人にとって“利益”とは、乱暴な言い方を承知で敢えて言わせて頂けば、
それは「カネ」に尽きる、
ということが言えます。
よく言われる企業にとって大切な
“ヒト”、
“モノ”、
“情報”
は、
なぜ大切か?と言えば、それは基本的にカネを稼ぐ為に大切である、と考えられているわけです。
これは、カネを稼がなければ営利法人は存続ができないし、また大きくなることも容易でない、ということが言えるからでしょう。
高尚な理念や哲学を掲げ、社会的意義を持つモノ作りをする経営者がたとえいても、この経営者が“カネ”という利益をあげることが出来ない限り、営利法人である企業の経営者として「成功」は出来ません。
企業で新しいものを発想するときに、コストがいくらかかってその上でいくら稼げるのか、という議論は必要不可欠です。
対して、
医療法人の場合は、利益=カネではなく“医療の質”を上げることである、と考えます。
“ヒト”、“モノ”、“情報”が大切なのは医療法人でも一緒ですが、目的が異なるわけです。これらが大切な理由・目的は“カネ”でなく“医療の質向上”であると考える。
もちろん医者及び病院も存続していく上で“カネ”は欠かすことができません。けれどこの日本では、国がこれまで取ってきた政策に基づき、医者は
「医療の質が向上すれば、カネは自然と後からついてくる」
と考えてしまう。
アメリカでは医師の資格を持った人が、多くの企業と素晴らしい仕事をしているのですが、日本では企業と組んだ医師が良い仕事をしているという話はあまり聞きません。
日本の医療機関に長いこと勤めてしまうと、企業が何を必要としているか、認識できなくなってしまうのかもしれませんね。けれど、これからの時代はこの日本でも、医者も今までと同じでは生き残っていけなくなることもまた事実なのです。
人の生命に関わる職人であり研究者であることを誇りに思い、カネの話を嫌う医者は依然多いですし、その気持ちは僕自身よくわかりますが、企業の考え方を知り、そこから学び仕事に生かしていく必要が、医者にも出てきたと言えるでしょう。
ところで、今回コンサルに伺ったある上場企業の社長さんから、とても珍しいお酒が手に入ったといわれ、こんな焼酎を頂きました。
よく見ると、なんと、越野寒梅の焼酎なのです。一般には流通していないのだそうです。
早速、氷を砕いてロックグラスに入れていただいたのですが、透き通った?素晴らしい味でしたよ。
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