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2008年2月 2日 (土)

四季とレーザー

レーザー/光治療器を扱う医者は、ひとりひとりの患者さんが、四季の中でどの季節に自分のクリニックに初めて来たのか、そしてそれに対し今の季節はどう違うのか、常に念頭に置き対応できるよう準備しなければならないと思っています。

レーザーの先進国はアメリカである、とは皆共通の認識ですが、レーザーの打ち方に関しては、アメリカの打ち方をただ真似ても日本でそのまま応用は効かないのです。

なぜなら、日本には四季があるから。

日本では、春先に来た患者さんの肌は、梅雨→盛夏→初秋→初冬→厳冬・・・と季節を通して劇的に変化します。気温と湿度が一年を通して大きく変化することが一番の理由でしょう。

医者はこの季節の変化に応じて、レーザー/光治療器のパワー設定を変えたり、使う機種を変えたりしなければならないのです。

Img_0639 たとえば春に来た患者さんにオーロラSRを照射するとします。

Img_1029 梅雨から夏にかけて、この患者さんへの適応照射パワーは少しずつ上がっていきます。気温と湿度が上昇カーブを描くからです。

Pb250057秋頃には、SRをSRAに変えられるくらいに肌は調子を上げていきます。

213_2 しかし年を越し、厳冬の1月2月を迎える頃には、一度パワーを弱くするか機種を弱いものに一度戻す・・・といった選択が必要になるのです。

そしてここで様子を見て、改めて適正機器の選択をもう一度再検討する方が良い。

これはアメリカの医師やレーザー会社からは学ぶことができない、日本独自の環境と市場を念頭に置いたテクニックです。皮膚とその皮膚を取り巻く環境がアメリカと日本では全く違うのです。

結果をなかなか出せなかったり、患者さんの満足度が低かったり、また火傷や事故を起こすクリニックというのは、もちろん技術自体が未成熟な場合もありますが、こうした

「日本でレーザーを扱うときには四季を意識せねばならない」

という、日本独自の視点を持っていない医師が担当している事も、その原因のひとつにあるかもしれません。地域によってもパワー設定・レーザーの選択は異なってくることでしょう。

気温と湿度を考えただけでも、北海道と九州で同じでいいわけはないですもんね。

これまでは講演に呼んでいただく場合、医療経営について話をすることが多かったのですが、今後はこうした話もドクター向けにしていく機会があったら、と思っています。

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