ニキビに適切な波長とは?
今回の学会は広い会場であったため、後部にもスライドが設置されていました。後方からもとても見やすかったです。
本当に
「年に一度の祭典」
といった趣になります。
演題は、それぞれ部門に分かれているのですが、その中で
「Best over all Basic Science Award」
を受賞した発表に、僕も大変興味を持ちました。
ハーバードメディカルスクールMGH(Massachusetts General Hospital)レーザー研究所である「ウェルマン光医学センター」に現在在籍している、日系ブラジル人の女医さん=フェルナンダ・サカモト医師の演題です。
彼女は、ロックス・アンダソンの“Selective Photo Thermolysis(選択的熱融解理論)”と予備実験により、皮脂腺に対する最も適切なレーザー波長をこの演題の中で予測しています。
そして、いまだ開発されていない波長=1700nm近辺のレーザーがそれに相当するのでは? という仮説を立てたのです。
1700nmに最も近いレーザー波長は、エルビウムグラスのフラクセルの波長=1550nmですが、これだとちょっと足りない。
しかしこの上になると、YSGGのパール=2790nmと一気に1000nm以上上がってしまいます。
1700nm前後の波長をもつレーザーというのは、ちょうど不在なのです。
こうした仮説を医師が立てるというのは、非常に斬新で、演題の組み立て方としても大変勉強になりました。
学会に夕方6時近くまで参加したあと、家路につく途中で床にこんな図が照らし出されていました。
さすが光の専門であるレーザー医学会。
ちょっと感動しました。
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