銃・病原菌・鉄
いつも出張に行く時には何冊か本を持って行くのですが、今回のイースター島の旅にはこの本を持って行きました。
作者のジャレド・ダイアモンドはカルフォルニア大学ロサンジェルス校 医学部生理学教室の教授です。
彼はハーバード大学で生物学、ケンブリッジ大学で生理学を修め、進化生物学、生物地理学、鳥類学、人類生態学などを研究を続けた人物です。
だれかの言葉ではないけれど、まさに「知の巨人」ですね。
その広範囲な知見を統合して、世界の文明が、なぜ多様に、そして不均等に発展を遂げたのかを本書の上で解明しているのです。
たった168人のピサロ率いるスペイン部隊が、4万人に守られる、当時南米最強の帝国であったインカ皇帝を戦闘の末に捕虜にできたのは何故か?
歴史に「IF~もしも」はないと言いますが、インカ帝国がスペインに攻め入り、ヨーロッパ諸国を滅ぼした可能性もないわけではなかったはず。
国として文化を発展させるためには、定住化が必要です。
家畜化できる動物がその地域に存在したか? 農耕に適した植物がその地域に存在したか? などの世界の「地理的な初期条件」の差異が、人類の歴史の差異を生み出したのではないか? という主張に、納得、さらには感動さえしてしまう客観的なデータの数々。
実際には、銃、鉄器、そして特定の病原菌にたいして免疫を持つ種属が、戦いにおいては先住民に対して圧倒的な優位に立つのです。
イースター島でも起こったことですが、実際に銃器によって戦闘で殺された人よりも、免疫のない伝染病によって部族が死に絶えてしまった例も多いのです。
13000年にわたる人類の歴史の謎を紐とき、知識欲を満たしてくれる素晴らしい本でした。
出会えてよかった。
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