育毛に効果のあるレーザー
ルートロニック社営業部門のトップであるハンス・キムです。
彼は世界各国のルートロニック社製品のディストリビュータ(輸入販売業社)を統括する立場にあるので、僕が海外の学会に出席するたびに顔を合わせています。
ルートロニック社は毛穴治療のマックスピールや肝斑治療のマックストーニングなどに使用するスペクトラVRMⅢ、フラクショナルレーザーのモザイクを製造販売する会社です。
新規のレーザーをデビューさせる際に、最も重要なのは使用法と、使用するパワーの設定です。
僕は海外のレーザー会社数社と契約して、特にアジアンスキンに、こういったレーザーのパラメータの初期設定を決定する仕事を請け負っているのですが、今回彼は、クリニックFで使わせていただいているモザイクとスペクトラVRMの、新しいパラメータと使用法についてのディスカッションにやってきたのです。
クリニックFの院長室には、こういった際のディスカッション用に、50インチのプラズマディスプレーがあります。彼は新規のレーザーの新しいプレゼンテーションをいくつかしてくれたのですが、その中で面白い実験結果を見せてもらいました。
それは題目にもあげた、フラクショナルレーザーの育毛への使用についてです。
昨年11月に招待演者として参加した韓国のレーザー医学会でも、この話題はディスカッションの中でも出ていました。非常に興味深いですよね。
この件については、フラクセルの開発医でもあるキャメロンロクサーともディスカッションしたことがあるのですが、彼の意見は否定的でした。
「レーザー光が毛根まで届くと思えない。」
「育毛に対するメインターゲットは皮脂腺で、これに効果がある波長は、フラクセルの1550nmでは難しいのではないか?」
ということだったのです。僕もその時はそれに同意したのです。
しかしながら、残念ながら症例写真をブログに出すことはできないのですが、今回ハンスが持ってきた数症例を検討すると、臨床的にはかなり効果があると思うのです。
「レーザー光はやはり毛母細胞へ刺激をする」
「正常細胞の毛母細胞が、フラクショナルレーザーによって異常部位に迷入する」
「同時に使用するフィナステリドやミノキシジルなどの育毛剤の浸透をよくする」
などの理由が考えられますが、再考の余地ありですね。
うちでもプロトコールを作って、研究をしてみたいと思います。
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