ユダヤ人に多い病気
そういえば、イスラエル出張中にふと思い出したのですが、実は最近日本人にも増えているある疾患で、イスラエル人に多く見られるものがあることを御存知ですか?
実はユダヤ人に多い病気はいくつもあります。腸の疾患であるクローン病や潰瘍性大腸炎。血管の疾患であるバージャー病(TAO)などなど。
そんな中、日本人にも増えている疾患として最も注目すべきは「多血症」です。
多血症とは、赤血球増多症とも呼ばれ、血液中の赤血球量が正常範囲を超えて増加した状態です。
血液の粘稠度が増すため、頭痛・眩暈などの非特異的な中枢神経症状や高血圧が出現する他、脳梗塞・心筋梗塞などの原因にもなり得ます。
治療法としては、赤血球の増加によるものの場合、心筋梗塞・脳梗塞などの合併症を回避するとともに、自覚症状を軽減する目的で「瀉血(しゃけつ)」が行われます。
瀉血とは、血液を抜いて赤血球濃度を薄めるもので、これにより粘度が高まらないようになるのですね。
一般には高地で生活を続けると、反応性に多血症となることがあります。
しかしながら、この多血症に「真性多血症」と呼ばれるものがあります。これは、骨髄原発の白血病類縁疾患であり、化学療法の適応となるのですが、これがユダヤ人に発症することが多い病気なのです。
真性多血症とは、まれな悪性腫瘍の一種であり骨髄の異常な増殖により赤血球の他、白血球、血小板とも増加するものです。
中年以上の男性に好発し、血小板は増加するものの機能は低下しているためむしろ出血傾向を示します。急性骨髄性白血病への進行があり得るため、楽観はできません。
TVなどで「どろどろ血」と言われる状態は、調べてみると多血症である場合がありますから、注意が必要ですね。
ふだんから予防及び進行を止めるためにできることは、脱水症状を避けるため、出来るだけコマメに水を飲むこと。(利尿作用の強いお茶などではなく、水や白湯などをメインに)
飲酒・喫煙を控えること。
飲酒をどうしても止められない人の場合は、肝臓への負担も考え、せめて適量の蒸留酒(焼酎・ブランデー・ジン・ウォッカ・泡盛・テキーラなど)に留め、飲酒の際その倍量の水をチェイサーとして摂取していただくことをお薦めします。
アルコールの分解には水が大量に使われてしまいますから、脱水症状を招くことによって血液の粘度を高めないためにも必要なのです。
酒飲みからすると、
「喉が渇いたから、水の代わりにビールを一杯!」
が、この上なく旨いこともわかりますし、この時期熱燗やワインを控えなきゃいけないことがツライのもわかる。「水を飲んでください」と言うと、
「金魚じゃないんだから水ばかり飲めるか!」
という気持ちも、僕自身酒飲みとしてよくよくよくわかるのですが(苦笑)、健康の為、そしてお酒をこれからも適度に楽しむためにはやむを得ません。これから本格的に忘年会のシーズンが始まりますから、くれぐれも気をつけてください。
そして、適度な運動を心がけること。肥満は厳禁です。
今後この日本でも益々増えることが予測されるこの疾患。ユダヤ人に何故多いのかと言えば、遺伝子の違い、環境要因や食生活もあるのでしょうが、興味深いですね。
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