ミュージカル「オペラ座の怪人」再び
今回のNY出張は、到着した日も含めると夜が3日あります。
せっかくのNYの夜。1日たりとも無駄に過ごすわけにはいきません。特に仕事が終わった後の観劇は、NY滞在で最も大きな楽しみのひとつです。
初日に行ったのはミュージカル。
どちらも大好きな「シカゴ」と「オペラ座の怪人」を迷いに迷って、3か月前にNYで観たばかりですが、「オペラ座の怪人」を再び観ることにしました。
このミュージカルは、もう何度も何度も観ています。何度観ても新しい発見があり、観る度またもっと好きになる。
名作ですよね。
作曲を担当したアンドリュー・ロイド=ウェバーは1986年、当時の妻だったサラ・ブライトマン(Sarah Brightman)のために主演女優のクリスティーン・ダーエの役を作り、曲を書いたと言われています。
このミュージカルによって、当時まだ全く無名だった彼女が一躍スターダムにのし上ります。
ふたりはまもなく離婚してしまいますが、サラはその後アンドレア・ボチェッリとのデュエット「Time to say goodbye」で、世界的ヒットを生みましたよね。
今年は北京オリンピックの開会式で、劉歓と大会公式テーマ曲「我和你 (You and me)」を歌ったことでも知られています。
「オペラ座の怪人」でサラが歌う曲の中で、僕は「Think of me」が特に好きです。
劇中、クリスティーンが突然主役に抜擢され、この歌を自信なさげに歌い始めますが、すぐにその頭角を顕す。巨匠ハロルド・プリンスの演出が実に素晴らしいのです。
前回観たときはステージ右手の前から5列目。今回は1階席のステージ中央、前から12列目・・・という、全体を俯瞰で見渡せる良い席を取ることが出来ました。
ミュージカルやオペラは、観る場所によっても印象が大きく変わります。
今回は、特に舞台美術を冷静によく観ることが出来ました。手掛けたのは、英国ロイヤルバレエ「眠れる森の美女」などでも知られる、マリア・ビョルンソン。1988年にこの舞台でトニー賞の最優秀美術賞と最優秀衣装賞を受賞していますが、彼女の素晴らしさを改めてつくづくと考えてしまいましたね。
シャンデリア、プロセニアムアーチ、ドレープの使い方、「マスカレード」のときの壮観な構図、地底湖の蝋燭の灯りとドライアイス、そしてボート。
すべてが絵画のように美しく、また自己満足的な美しさだけにこだわるのではなく
「お客さんを楽しませよう 驚かせよう」
というプロ精神に溢れています。
「オペラ座の怪人」という作品は、本当に奇跡のような“ドリームチーム”が集結することによって完成した、傑作なんですね。
ミュージカルであり、オペラであり、バレエであり、コンサートであり、そしてなによりアートである。
こんな作品が他にあるでしょうか?
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