ストレスがあると、なぜ過食してしまうのか?
肥満ネタをもう一つ。
ストレスがあると、食欲が増すことはありませんか?
そもそも“ストレス”という言葉の語源は、
「外力が物体に加わった場合の歪み」
という機械工学の専門用語でした。
これが、生体にも起こり得ることをに医学的に証明したのが、カナダの生理学者ハンス・セリエです。
生体に対するストレスは、彼の提唱した「セリエのストレス学説」に由来します。
セリエはストレスを「外部環境からの刺激によっておこる歪みに対する非特異的反応」と定義し、さらにストレスを引き起こす外部環境からの刺激を
「ストレッサー」
として定義しました。
代表的なストレッサーは
温熱、寒冷、圧力、騒音などの「物理的ストレッサー」
薬剤、有害化学物質などの「科学的ストレッサー」
ウイルス、細菌などの「生物的ストレッサー」
さらに、人間関係の葛藤や、社会不安、大切な人の喪失体験などの「精神的ストレッサー」・・・などがあります。
セリエは、マウスを使って実験的にストレスをかけ、ホルモンを抽出する研究を行った時に共通して現れる三つの症状(セリエの三微候)を報告したのですが、それは
1.副腎皮質の肥大
2.胸線や脾臓の委縮
3.胃、十二指腸の潰瘍と出血
の症状でした。
セリエがこの学説を発表した1936年当時は、医学の分野の中では、内分泌系の解明が最も盛んな頃でした。
これらの症状を共通に引き起こすホルモンはACTH(副腎皮質刺激ホルモン)ですので、セリエは「ストレッサーはACTH分泌を増加させる有害刺激である」と定義したのです。
生体にストレスがかかると、体重が増えることに対しては、上記の中の1と3のメカニズムが関わっているのだと思います。
ひとつめは、ストレスがかかることによって、視床下部から下垂体、さらに副腎のストレスホルモン系で、抗ストレスホルモンのACTH(副腎皮質刺激ホルモン)やコルチゾール(副腎皮質ホルモン)の分泌が増える。結果として脂肪組織にエネルギーが蓄積される
という経路と、
ふたつめは、胃壁や消化管を守るという点です。
消化管に対する一番の防御策は、食物を入れておくことですから、生体は食欲を増進することでこれに対応しようとするのです。特にストレスがかかると、腸管に食物がなくなる夜間に食欲が増す、“夜間過食”という状態になるのです。
皆さん、夜になってもう寝てもいい時間に、無性になにか食べたくなることってありませんか?
ダイエットをする人は、ストレスを食欲以外で解消する工夫や努力が、まず必要なのかもしれませんね。
クリニックFでは今年からダイエットやメディカルスパのメニューを増やし、新しいサイトを立ち上げました。ストレス解消や、加齢に対する対策を行っていこうと思っています。
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