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2009年2月の16件の記事

2009年2月28日 (土)

痩身のために開発されたレーザー

031_2 この日の午後は、痩身のための新しい波長を使ったレーザー機器「AccuSculpt」の発売記念のシンポジウムが開催されました。

0391444nmという新しい波長を使ったのは、面白い考えだと思いました。

この痩身の分野では、米国ボストンのサイノシュア社で販売している「スマートリポ」という機器が最も有名です。

スマートリポで使用される1064と1320nmの二つの波長よりも水分および脂肪の吸収率が高い1444nmという新しい波長を使用しているのがこの機器の特徴です。

036 広い会場の横には機器の展示ブースがありました。

200人以上の韓国の先生が集まっていたようで、なかなか機械までたどりつけません。

040 やっとたどり着いて、機器を見せてもらいました。

実際に使用してみると、使いやすさという点では、運動センサーを内蔵したスマートリポにはかないませんが、熱だまりが少なく、表皮でも熱感を感じにくいのです。

火傷のリスクが減るかもしれませんね。

035 早朝から二つの学会をはしごしたのは体力的にもきつかったのですが、得るものが多い学会で参加して良かったと思いました。

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2009年2月27日 (金)

Mark Tagerとの再会

ところで、今回このワークショップでMark Tager(左から二人目)に再会したのです。

これにはびっくりしました。

聞けば006彼は昨年末に、イスラエルのシネロン社からルートロニック社に移籍したと言うのです。

前日の夜にヘイリャン社長からその話を聞かされ、思わず

「あんな優秀な男を雇えるなんて、ヘイリャンはすごいラッキーだよ!」

と言ってしまいました。

マークはサンディエゴの郊外に住む、レーザー医療業界を代表するマーケッターです。

彼は米国で医師の資格を持っているのですが、現在は医師としての診療はしていません。

このレーザー業界のマーケティングでオーソリティになる道を選択したのです。

フラクセルを販売しているカルフォルニア・リライアント社のマーケティングを担当し、フラクセルのリリースに尽力しました。フラクセルが短い期間に飛躍的に知名度を伸ばしたのは、彼の功績が多分にあるのです。

彼はその後シネロン社のマーケティングディレクターに就任しました。

僕は2007年6月に、サンフランシスコで彼の開催したシネロン・リーダーシップ・ミーティングで、アジアを代表してオーロラとポラリスの複合機であるギャラクシーの講演させていただく機会があったのです。

その日の夕食をご一緒したときに、僕がレーザー皮膚治療はもちろん、レーザーを購入し続けるためにクリニックマネジメントに興味があって、ついにはMBAまでもこの分野で取得したなどと話をして、非常に盛り上がりました。

彼は昔から日本贔屓で、酔いが回ると、奥さんと、二人の大学生のお子さんと皆で、「殿」「姫」「愛」「鬼」などの漢字をモチーフにしたTシャツを着た家族の写真を見せるのです。

「私がどんなに日本が001好きかわかるだろう??」とか言って(笑)。

そんな彼が昨年に出した7冊目の本が、 この美容医療クリニックのマネジメントの本です。

この本は、電話の応対からコンサルテーションの仕方。

さらには、レーザーなどに投資した場合のキャッシュフローの説明など、レーザークリニック経営に役立つ知識がいっぱい。

今までにない分野の独特の本なのです。

以前にこの本の日本語訳をしないかといわれたこともあり、その権利は現在でもあるのですが、ご興味のある出版社の方がいらっしたらご連絡いただきたいですね。

002

今回、彼がルートロニック社に入ったのを記念して、このワークショップに参加したドクターに彼の本が配られたのですが、実際に本を見たのは今回が初めて。

さっそくお祝いを述べて、サインをいただきました。

001_2実は僕はこの本の販売をとっても楽しみにしていたのです。

早く読みたかったのはもちろんですが、何を隠そう、実はこの本の謝辞の欄に、数々の世界のレーザー関係のドクターに並んで僕の名前が入っているのを知っていたからです。

本を頂いて、

「ほら! ちゃんと載ってるだろう?」

と、マークがそのページを見せてくれました。

実際にこうして英語の本の中に自分の名前があるのを見ると、嬉しいですね。

しかも、こうして世界の名だたるドクターの中に並べていただくと、感無量です。

大切に読ませていただきます。

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2009年2月26日 (木)

ルートロニックeCO2/モザイクワークショプ

001 2日目は朝早くからグランドインターコンチネンタルホテルで、ワークショップが行われました。

002 このホテルは、今までも韓国の学会で何度も使用されている場所です。

005 午前中のワークショップでは、モザイクとeCO2(エコツー)、さらにQスイッチヤグレーザーVRM3の実践と講義セッションがありました。

エコツーのスピーカーであるDr.Kyung-Tae,Hongは、今までも韓国や台湾の講演で御一緒させて頂く機会が多く、今回も再会を祝いました。

彼の高校生のお嬢さんが大の日本びいきで、特に原宿が好きなのだとか。

講演中も、集まった多くのドクターの中で、

「ドクターフジモトからは、何か御質問はありますか?」

と、名指しで指名(?)して頂き、気を使ってもらいました。

023_2 セッションの中では、肝斑治療を低出力レーザーと、「Tri-Luma」という、アメリカで最も売れているFDAで認可のされた肝斑治療薬(塗り薬です)とのハーフテストを行った発表があり、これは興味深かったです。

004 肝斑治療薬である「Tri-Luma」は、今月の米国皮膚科学会(AAD)会報誌にも大きく宣伝が出ていました。

025

この実験では、8週間まで片顔をレーザーのみ、反対を「Tri-Luma」で治療をしますが、その後9週間から16週目で、治療を入れ替えるのです。その際に肝斑インデックスを比較するのですが、

結果、低出力レーザーの方が、肝斑除去の確率が増すのがよくわかります。

028_3 最後にHong医師から参加記念のサーティフィケートを頂きました。

003 こんな感じです。

030 日本人や韓国人医師の他は、中国(上海)や、台湾の医師達が参加されていました。それぞれに得るものが多く、母国へのお土産を得られた充実のワークショップでした。

関係者の皆様、お疲れ様でした。大変勉強になり、心からお礼申し上げます。

ありがとうございました。

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2009年2月25日 (水)

キム・ドンゴン皮膚科見学

021_2韓国に到着後は、時間の関係上金浦空港で軽く昼食をとり、直接「キム・ドンゴン皮膚科」に向かいます。

031キム・ドンゴン皮膚科は、エステティックサロンも併設した、“メディカルスパ”スタイルのクリニック。内装も女性を意識した淡い色合いが目立ちます。

036院長のDr.キムはモザイクやeCO2、そしてVRM3などのルートロニック社機器に関しては使用経験が長いことで知られているそうです。

まずは院長室にて、主にパラメータについてのディスカッションをさせて頂きました。

023患者さんの中からこの日のために数名のモニターさんを用意して下さっていたようで、実際患者さんの皮膚を前にしてのディスカッションが続きます。

キム先生が使われていたエコツーは、クリニックFに導入されているeCO2 プレミアムではなく、ひとつ前のタイプのもの。

調節できるパラメータは少ないのですが、総じて日本よりは、強いパワーで照射しているようです。

そして、エコツーの後にモザイクを照射する、フラクショナルレーザーの併用療法を推奨されていました。疾患の状態によっては、この方法を日本で実践してみるのもよいかもしれません。クリニックFでも検討してみます。

035クリニックの倉庫で、日本に導入されていないタイプのホヤコンバイオのエルビウムヤグレーザーを見つけてびっくり。ずいぶん古い機器でした。

033_2 今回の韓国出張では、みやた形成外科・皮フクリニックの宮田成章先生、そしてノエル銀座の武田安代先生とご一緒させていただきました。

写真は宮田先生です。宮田先生のレーザーに対する知識は素晴らしく、とても勉強になりました。

宮田先生は、医師として僕より4年先輩で、学会などではよく御講演を拝聴させて頂くのですが、こういう形で御一緒させて頂くのは初めてでした。

移動のバスの中で、

「ネオジウムヤグレーザーの石をホルミウムに換えると、ちょっと違った波長が出るらしい」

とか、

「実はレーザー開発のトレンドは、すでに波長ではなく、パルスデュレーションなのではないか?」

など、

臨床医師ではなく、工学博士かレーザー開発者同士の会話??みたいな話題で二人で盛り上がってしまいました。本当に楽しかったです。

044_3夜はヘイリャン社長や台湾のドクターも合流して、「ガンヤンブルゴギ」の店に。

楽しいお酒と美味い料理を沢山頂きました。

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2009年2月24日 (火)

空と宇宙の間

羽田からソウルに向かった土曜日は、素晴らしい快晴。

行きの機内では、ついつい座席から身を乗り出して窓の外に広がる景色に見入ってしまいました。

離陸してしばらくすると、富士山が。

009_2 008良く見れば、富士五湖がすべて見えるのです。

僕が自家用操縦士免許を取ったときに習ったことを思い出しました。

日本の上空を、地上の経線の東向きに進路を取る場合、3500、5500、7500フィートのように、千の奇数倍+500フィートの高度を取ることになっています。

ちなみに西向きに飛ぶ時は、千の偶数倍+500フィート。つまり4500、6500、8500フィートのように高度をずらして飛ぶのです。

地軸に対して西向きと東向きの飛行機が、1000フィートずつ高度をずらして飛ぶので、水平飛行中の飛行機は理論上はぶつかり合うことがないのです。

ちょうどこの機は西向きで、高度は30000フィート約10kmで、富士山の二倍半の高さを飛んでいることになります。こうして富士山が見下ろせるわけですよね。

ところで、皆さんは空がどこまでで、宇宙ってどこからなのかご存知ですか?

通常の商業航空機が飛んでいる高度は、10-13kmの上空(成層圏)です。航空機の高度の記録は約30kmなのだそうです。地球の直径が6400kmなのを考えると、航空機の飛ぶ範囲なんて、卵に対して、卵の殻のような薄い高さの領域なのです。思ったよりも狭いですよね。

ちなみに宇宙について明確な基準はないそうなのですが、地上から約100-150km程度を地球の大気圏と考え、それ以上の高さを宇宙としているようです。

宇宙まで旅行に行くなんて、気の遠くなるような印象がありますが、実は東京から箱根ぐらいの距離しかないのです(笑)。

さて、今回の出張の目的である韓国の学会については明日のブログで。

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2009年2月20日 (金)

明日から韓国出張です。

明日朝一番のJAL羽田→金浦の便で、韓国に行ってきます。帰国は月曜日になる予定です。

Eco2 今回は昨年末に購入した、ニキビ跡や毛穴に効果のあるフラクショナルCO2レーザーである、eCO2(エコツー)の販売元であるルートロニック社からお声を掛けていただき、滞在中はエコツーが導入されている皮膚科クリニックの訪問や、痩身やボディメイキングに効果のある新機種のレーザー・ワークショップなどが予定されています。

クリニックFでも、エコツーを導入して二ヶ月あまりが経過し、ニキビ肌や、深い毛穴用のパラメータの設定も完全に安定しました。

ダウンタイムが数日あるのですが、だいたいフラクセルⅡの2~3回分の効果を一度で獲得できるので、非常に魅力的な機械だと感じています。

しかし、ある程度予測はしていたものの、聞いてみると韓国のドクターはパワー設定が想像よりも遥かにアグレッシブなのです。当然ダウンタイムも違うと思うのですが、どういう基準でそれらを設定しているのか。結果はどれくらい違うのか。日本人の肌では、その内のどこまで対応できるのか・・・などは興味深いところですよね。

ルートロニック社のヘイリャン社長との久しぶりの再会も楽しみです。まだまだこの会社が立ち上がったばかりの小さなベンチャー企業だったころに、ヘイリャン社長と2人でポーランド台湾シンガポールなどでレーザーの講演に行ったのを思い出します。

海外の地で、いろいろと英語でディスカッションしたのですが、あのおかげで今の僕があるのです。思えば僕のレーザー部門の英語の先生だったのですね(笑)。

ルーロトニック社が見事に韓国株式市場(コスダック)に上場を果たし、米国ルートロニック社も成功しているようで、ヘイリャンは韓国でも有名な大成功者になってしまいました。

あちらのドクターやレーザー開発者たちとディスカッションをして、いろいろな情報を精査して、クリニックFの患者さんのために役立つ治療方法を模索してきます。

これについては、またブログでご報告しますね。

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2009年2月19日 (木)

BLUE MAN GROUP

一昨年日本に上陸したパフォーマンスグループ「BLUE MAN GROUP」を御存知ですか?

Bm

元々は1980年代後半にニューヨークの路上で行われていた、3人組のパフォーマンス。

それが話題に話題を呼んで、ボストン、シカゴ、ラスヴェガス・・・と全米を席巻。その後ヨーロッパでも大成功を収め、とうとう2007年末にこの日本にもやってきた・・・というわけです。

僕もずーっと気になっていて、昨日とうとう行ってきました。

そもそもこの公演が行われている「六本木インボイス劇場」が、

「それってどこにあるの??」

というかんじで、全然知らなかったのです。

六本木ヒルズ、テレビ朝日よりの交差点の目の前に、コーンズという高級外車のお店があるのですが、その横の階段を4階分上がると、こんな劇場が突然現れます。

Blueman_2

入ってみると、満員御礼。本当に人気なんですね。

チケットを取るときに

「ポンチョ・シートにしますか?」

と聞かれたのですが、これも??? 

聞けば最前列の4列は、水を含めた「様々な?」ものが舞台から飛んでくるので、ポンチョをかぶることで衣類や目、髪、皮膚などを守らなきゃいけない「ポンチョシート」と呼ばれていて、席に着くと本当にポンチョが背もたれに置いてあります。

会場の熱気でポンチョを着ていると暑いのですが、油断してフードをかぶらずにいると、飛んできた物体によって、服や髪が汚れてしまいます。

僕もポンチョシートを取ったのですが、やられましたよ。避けようと思っても、避けられないものなのですね(苦笑)。

以前、テレビでパフォーマンスしていた打楽器系のイメージがあったので、音楽系のパフォーマンスかと思っていたのですが、それだけではなかったです。どうにも表現が難しいのですが、シュールで、ちょっとヘンで、マニアック。リピーターが多いというのも納得。会話が全くないので、国籍を問わず子供から大人まで楽しめるようになっているのです。

004会場から出るときには、皆笑顔。

2時間弱で終わるステージなので、場所的にも気軽に行けるところがいいな、と思いましたね。

005帰るときにはあたりはもう真っ暗。良い気分転換になりましたよ。

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2009年2月17日 (火)

オーロラ・リファーム進化版治療器トリニティ

神戸からいらしてくださった患者さんを最後に、昨日はクリニックFの診療を早めに切り上げて、イスラエルからの来客をわくわくしながら待っていました。

シネロン社クリニカル部門の副社長、Yoni Iger博士です。

006_2

シネロンといえば、このブログでも何度か御紹介させて頂いていますが、オーロラ、ポラリス、リファーム・・・と、日本でも今やレーザー/光治療の代名詞となっている数々の機器を開発してきた、イスラエルの有名な会社です。

レーザー治療におけるイスラエルという国とそこにある企業が果たしている役割は、以前にも書きましたので、去年のイスラエル出張時のブログを御参考にして頂ければ、と思います。

今回のトピックは、マトリックスIR。ポラリスというシワを改善する機器の進化バージョン。本体e-MAXの機器アップグレードによって使用可能になる、マトリックスIRの「テクスチャーモード」という新しい設定の説明をしにいらして下さったのです。

30分ぐらいかけて、クリニックFのe-MAXをアップブレードして頂いた後、いよいよ新マトリックスIRを装着します。

003

Iger博士はまずJMECの田井中さんに照射することでクリニカルトレーニングを行い、照射技術のコツを教えてくれました。

008_2 クリニカルトレーニング後、機器に関する説明を受けながら、理論についてのディスカッションをさせていただきました。

このマトリックスIR・テクスチャーモードは、シミを取り、肌をホワイトニングするオーロラ(SR)やオーロラプロ(SRA)よりも下層。

たるみに効果のあるリファームSTよりも上層のコラーゲンを主に増殖させる効果があります。

実際の施術では、リファームがたるみを引き上げるのに対し、マトリックスIR・テクスチャーモードは、毛穴や、小じわの改善。

そしてマトリックスIR・レギュラーモードは、法令線のような深いしわの改善を行うということになります。

「オーロラ」もしく「SRA」を、「リファームST」と同時にダブルアクションで照射する方法を「ギャラクシー」または「フォトファーム」といいますが、

これにマトリックスIRを加え、肌の最下層から最上層までの照射を行う「トリニティ」という照射方法が欧米では一般的になってきているようです。

クリニックFでも、このシネロン社光治療器での最上級の照射法である「トリニティ」をメニューに入れましたので、ご興味ある方はお声をかけてください。

009ディスカッションは、ついつい僕がいつも疑問に思っている工学的、技術的なことばかりを立て続けに質問してしまったので、詳細にわたってしまい、小一時間で説明のノートが一杯になってしまいました。

ですが、理論に関しては「スッキリ!!」。これで安心してクリニックFの患者さんにもお勧めできます。

Iger博士は、ずいぶん遅くまで僕の細かい質問に、どこまでも真面目に、そして真摯に答えてくれました。

イスラエル人の学者さんは、とても真面目で優秀だと聞いていましたが、本当にそのとおりですね。こういうところ、とても好きだなあと思いました(笑)。

Iger博士、JMECの皆さん、本当にありがとうございました。 おかげさまでとても勉強になりましたし、とても楽しかったです!

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2009年2月16日 (月)

肝斑に最適なレーザー機器の研究

001 先週一週間かけて、今年4月にワシントンで開催される米国レーザー医学会(ASLMS)の発表演題のポスターを仕上げていました。

「ポスターをマイクロソフトのプレゼンテーションで作製し、それを学会の持つアドレスにアップロードする」

という作業のインストラクションが英語で送られてくるのですが、毎年ちょっとづつ仕様が変わるのです。

米国時間15日に締め日だったので、先週一杯を使ってしまいました。

Pulse_width 今回の学会では演題が二つ通過しているのですが、このうち一つは「肝斑治療」の演題です。

米国サイノシュア社のQスイッチアレキサンドライトレーザーのアコレードと、韓国ルートロニック社のSPECTRA-VRM3というQスイッチNd:YAGレーザーの二つのレーザー波長を比較対照しました。

レーザー治療で最も大切なファクターは「波長」ですが、組織を破壊する能力は、「パルス幅」に依存します。

レーザーのエネルギーは、縦軸の瞬間風速(POWER)×横軸の時間(Time)であらわされますが、全く同じエネルギーが照射されていても、照射時間によって瞬間風速が大きく変わるのです。

二つのレーザーはQスイッチという、レーザー照射時間がナノ秒単位(100万分の1秒)のごく短いものですが、その中でもパルス幅の違いで、反応に違いがあります。

この二つのレーザー。適切なパラメータで照射すれば、どちらも肝斑を除去する能力がとても高いのです。

実際に対照実験を行ったのですが、理論通りの非常に興味深い結果が得られました。4月の発表の後、このブログでも提示しますが、「肝斑はレーザーで治療できる時代になった」といえますね。

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2009年2月12日 (木)

機械で病院を選ぶ時代

みなさんは、病院を選ぶとき、何で選びますか?

ほんの10年前までだったら、その選択基準は 病院までのアクセス、規模や設備、そして医師の評判や実力であったのではないでしょうか。

特に医師の実力に関しては、医師・患者さんそれぞれに意識したり、こだわりがあったりするところだったと思います。

外科医の場合は、手術能力。

内科医の場合は、診断能力や優しさ。親しみやすさ。

あの先生は肝臓がんの名医だとか、今まで誰も見つけてくれなかった病気を発見してくれたのだとか、患者さんに親切で温かいとか、そういったファクターが病院の最も大きく重要な選択基準のひとつだったと思うのです。

医師はどこまでも専門家であり、職人であることを求められ、さらに人間力も求められてきました。

しかしながら、高度工学技術が医療の世界に入ってきてから、こうした医師の努力と実力、持って生まれた才能だけでは覆せない、もうひとつの基準が徐々に出来上りつつあるのではないかと思います。

それはその病院にどんな機器が揃っているのか。

そして、それらを正確に扱い解析できる医師であるのかどうか。

保険診療であれば、放射線科の抗がん治療器やSPECTやPETのような診断装置。

循環器科の心臓ペースメーカーや、人工補助心臓。

産科であれば、4Dエコー機器。

眼科であればイントラレーシック機器・・・などなど。

それぞれ数百万から数億円の投資が必要な医療機器ばかりなのですが、これだけ進歩が著しいと、

「医師の腕の違いが、機器の違いを越えられない。」

または

「優秀な医師でも、その機器が勤務先に導入されていないため、病院自体が患者から選ばれない。」

はてまた

「その機器を操作する環境に恵まれない為、操作をマスターできず最新の治療に遅れをとってしまう」

・・・といった事例がどうしても出てくるのです。

医者が経営者も兼ねる、病院という特殊な組織でこれは、時に悩ましいことではないでしょうか。

こと、自由診療の領域ではこの傾向が、じわじわとですが、顕著に見られるようになってきていると思います。

先日治療後に、とある患者さんと世間話をしていたら、その人が興味深いことを言っていました。

その方はお子さんを妊娠中、最初は小さなクリニックに通われていたのだそうです。

仮にこのクリニックをAクリニックとしましょう。

Aクリニックはこぢんまりとしていて分娩設備もないため、やがて妊娠後期になり、主治医の先生が懇意にしている、産科では大病院として有名で医師の知名度も非常に高い、B病院に転院することとなった。

さすがにこの世界では有名なB病院。設備もスタッフも素晴らしく、本当に良くして頂いた。

でもひとつ大きな違いがあった。

Aクリニックにはあった4Dエコーが、B病院にはない。

(ちなみに4Dエコーとは、いわゆる三次元(3D)の立体視画像を、さらにもうひとつの次元であるD(ディメンション)=すなわち時間経過を含めて見ることができる=動画で見ることができる というものです。

最新のエコー装置では、お腹の中の赤ちゃんの成長の度合い、手や指、足の裏などが立体的に見えたり、表情などを動画で見ることができます。起きているのかどうかも表情でわかるし、時に笑顔も見られたりするのです)

自分は検診の度に4Dエコーに映る赤ちゃんを見るのと、帰りがけにその写真をもらえるのをなによりもの楽しみにしていた。

検診の費用は決して安くないし、待ち時間もいつも長かったけれど、それを見るのが楽しみで楽しみで毎回きちんと通っていた。

マタニティブルーや、妊娠中のキツイ仕事も、その写真を見ると励まされ乗り越えることができた。

なのに、B病院にはそれがない。

大きな楽しみがひとつ減ってしまった。

B病院がいくら有名な大病院だとしても、

いくら知名度のある先生がいるとしても、

出来ることならそのままAクリニックに通い、Aクリニックで産みたかった。

・・・そう言うのです。

時代はほんとに変わったのだな、と僕はその話を聞いて思いました。

どんな機器がその病院にあるのか。そしてその機械からどんな感動とメリットを引き出せるのか。これに患者がこだわり、それを元に「患者が病院を選ぶ」。

これは10年前にはほとんど聞くことのなかった話です。

僕の専門であるアンチエイジング領域、美容皮膚医療では、しかしこの傾向はすでに数年前から見られていました。

サーマクールフラクセルアファーム、タイタン、パール・・・など、治療を受けたい「機械」がまず患者さん側に明確にあって、その機械がある病院であることを条件に、病院を探したり検索する患者さんが出てきたのです。

そして、もちろんその中から、お目当ての機械を使って確実に治療できる

「名器を使いこなす能力のある医師」

を更に絞り込んでいく。

いくら腕のいいピアニストでも、ピアノがない場所でその腕を披露することはできない。あるいは、ストラディヴァリウスのように、この名器の極上の音色を聴きたいから、そこから最高のパフォーマンスを引き出すことのできる、このヴァイオリニストのコンサートに行く。

そんなかんじでしょうか。

以前ならこういうことはなかった。患者さんはその病院の評判や悩んでいる疾患に応じて病院を選ばれていました。

雑誌やTV、ネット内で評判の病院だから。

毛穴治療で定評のある病院だから。

たるみを改善したい、

シミを改善したい、

肝斑やにきびを改善したい 

その設備がある病院だから・・・etc。

そのように選択し訪れる病院では、実際の治療法はあくまで医者・病院まかせであり、どんなツールを使うかまでを患者さんが指定することはなかった。

それが時代と共に変わって来た。

患者さんの情報レベルや病院に要求するレベルが上がってきたことと技術革新がシンクロし、「レーザー医療」という機器そのものにこだわり、特化した医療が確立され、その認知度とその分野の専門医であることの重要度が、急速に高まってきたのです。

治療をするためのレーザー機器は波長ごとに機器が必要なので数多くありますが、このハイテクのレーザー皮膚科の世界で、医者にとってのレーザー機器は、F1パイロット(レーサー)にとってのマシンみたいなもの。

マシンの性能差が僅差であれば、腕でカバーできる場合もありますが、挽回できない格差というものも確実に存在します。

アイルトン・セナやミハエル・シューマッハーがいくら優秀でも、マシンにある程度のポテンシャルがなければF1の世界で勝てないように、いくら優秀な医師でも、波長のぴったり合うレーザー/光治療器がなければ、この世界では厳密な意味での最適な治療法は導き出せません。

Qスイッチレーザーやフォトフェイシャルで治療できるレベルと、フラクセル、アファーム、eCO2などのフラクショナルレーザーで治療できるレベルには圧倒的に乖離があります。

本来であれば、こうした最新鋭のレーザー機器を大学病院に配備し、医師をトレーニングすることができれば、もともと器用な日本人医師ですから、日本の美容皮膚レーザー医療の技術は格段に上がるのでしょう。

しかしながら、これができない大きなハードルがひとつあるのです。

それは「厚生労働省」の新規機器の認可の問題です。

毎年のように米国をはじめとして、新しいレーザー機器などが開発されていますが、この機器が日本の厚労省で認可されるのには最低でも数年の時間と、検査のための相当の額のお金がかかります。

これは国民の生命を守るためには当然のことで、慎重な姿勢をとらざるを得ないのはよくわかります。けれど、FDA(米国の厚生労働省に相当する機関)などの認可は、日本に比べると遥かに早く、ことレーザーの分野では技術革新が速すぎて、日本で数年かかる厚労省の認可を待っていると、その間にまた別の新しいコンセプトのレーザーがデビューしてしまう。

厚労省の認可のないものは、文科省下の大学病院に入れることはできません。ですから最新のレーザーは、日本の大学病院には配備できないのです。

一方で、僕たち開業医は自分の医師免許を使って、レーザーを個人輸入するという手段で最新のレーザーにアクセスすることができます。

しかし、個人輸入するわけですから、所有権を他に移すことはできず、リースもかけられません。

さらに技術革新のすさまじいレーザー機器は、税法上の機器としての耐用年数は10年にされているにもかかわらず、実際に使用できる期間は3年余りと、償却年数に大きくズレがあります。

これが、レーザー医療開業医の経営状態を徐々に悪化させてゆく、トラップなのです。

クリニックFには、ニューヨークで最も有名なレーザークリニックとほぼ同じレーザー機器のラインナップがあることは、以前のブログでもお話ししたのですが、現在の機器を選択するのは、長い年月がかかりました。

僕は

「クリニックFで治療できなかった患者さんは、NYに行っても駄目」

・・・というくらいのレベルを維持しようという意気込みで、このクリニックFをやってきました。そのためにも、たとえ前年の利益が全部ぶっ飛んでも、「治療に必要な」最新のレーザーだけは、必ず購入すると決めています。

さて、こんな自由診療の現場での、医療全体を見れば「小さな」ムーヴメントが、果たして保険診療の臨床現場にも波及していくのか否か。

これまでの医者は“腕の良い職人”そして“良い人”であれば、“良い医者”だと言われていました。

病院は、そんな良い医師をどれだけ集めることができるか。患者さんからのアクセスをどれくらい確保できるか。ベッド数、科目数、臨床データの数などを看板に掲げてきました。

しかし、これからの時代、それだけでは患者から選択されないようになる。

多くの情報を収集する能力。

その情報群から必要な情報だけを選択する能力。

最新の機器に対する目利きがいて、それらを備え、操る能力。

加えると、医師にとってはその環境に身を置く嗅覚と先見性。

こうしたものを常に備え、先を読む重要性に気付くことの出来る医師と病院が、これからの日本の医療を変えていくことになるのではないでしょうか。

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2009年2月 9日 (月)

鎌倉高校同窓会 

週末、高校時代の同窓会が大船にある鎌倉芸術館で開催されました。

Photo 高校卒業当時、年号はまだ昭和でしたから、なんと卒後20年以上経過してしまったということになります。

海沿いを走る江の電の駅の中で、「鎌倉高校前駅」という高校の名前がついた駅があり、晴れた日の校舎からは相模湾に浮かぶ大島から江ノ島、富士山までが見渡せる絶好のロケーション。思えば環境に恵まれた、素晴らしい高校生活を過ごさせてもらいました。

当時から鎌倉高校は、映画やCM、プロモーションビデオなどの撮影でも頻繁に使われていたようです。懐かしいところで言うと、プリンセス・プリンセスの「Diamonds」。プロモーションビデオに登場しています。また、漫画「SLAM DUNK」に出て来る陵南高校の校舎のモデルにもなっています。卒業生では、うんと先輩にあの赤城圭一郎さん、ちょっと先輩には鈴木保奈美さんがいることで有名ですよね。

今でも年賀状を送り合ったり、飲みにいくような仲の良い友達はいるのですが、なぜかうちの学年は、全体の同窓会なるものに縁がなかったのです。

クリニックFのある四ッ谷から診療後JRで大船へ。1時間ばかり遅れて会場に入ると、もう人が溢れんばかり。聞けば、160人近い出席者がいたようです。当時12クラスありましたから、20年の歳月を経て、約4分の1の生徒が集まったということになります。

人の波を掻き分けながら、3年1組のテーブルへ行ってみると、ちょっと歳を重ねてはいますが、懐かしい顔ぶれが勢ぞろい。まるで皆で一緒にタイムスリップをしたみたいに、記憶が当時の映像と共に蘇ってきます。

修学旅行で僕が風呂場にパンツを忘れた話(笑)、授業を抜け出して海に遊びにいった話、昔好きだった人の話・・・。

思い出したいこと、思い出したくないこと、沢山話が出てきました。

経験に紐づいた記憶って、すごく沢山の引き出しがあるんですね。

多感で、粋がっていた高校時代。あの頃は自分も年齢相応に頑張ってたんだよな・・・と思い出しましたよ。

僕は研究者の家に生まれ、男三兄弟の長男として育ちました。

母親から

「家計を考えると、一人たりとも私立にやることはできない」

と言われ、小学校から高校まで地元の公立。大学も一度は私立に入学したものの、すぐに中退して国立に入り直しました。

世はまだまだお受験ブームが続くようですが、こうして大人になってみると公立の良さも改めてよくわかります。「地元」と今でも呼べる場所で、様々な家庭環境に育った人間と社会に出る前から接し、20年経ってもこうして酒を飲みながら、思い出話が出来る。

次は5年後? 10年後? また行きたいですね。

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2009年2月 7日 (土)

メリル・ストリープの「マンマ・ミーア!」

年末にニューヨーク・ブロードウェイでの観劇についてブログを書きましたが、実は僕のブロードウェイ・ミュージカルデビューは、「マンマ・ミーア!」でした。

往年の大ヒットグループ「ABBA」の歌を22曲も取り入れたこのミュージカルは、1999年にロンドンで初演され、ブロードウェイには2001年に上陸。現在では世界10都市で公演され、世界的な大ヒット作品としてすっかり定着していますよね。

Manmamianyc

経済の高度成長期を走り抜けたABBAの音楽と、明るいコメディタッチのストーリー。当時は今ほど英語を聴きとる能力はなかったと思うのですが、本当に楽しくて、以来ミュージカルにすっかりはまってしまったのです。

そんな「マンマ・ミーア!」がメリル・ストリープ主演で映画化された・・・と聞いて、診療後観に行ってきました。

ストーリーの舞台はギリシャの地中海に浮かぶ小さな島。そこで、だいぶくたびれて、あちこち修理の必要なホテルを1人で切り盛りするシングルマザーのドナ。彼女には、20歳になるひとり娘のソフィがいるのですが、父親が誰なのか彼女に告げたことはありません。

結婚式を控え、バージンロードを父親と歩くことを夢見るソフィ。母親の昔の日記を盗み読みし、自分の父親である可能性がありそうな3人の男性に、母の名を名乗って招待状を送ります。

その3人が3人共

「自分が父親だ!」

と名乗りを上げて・・・。

古くは「クレイマー・クレイマー」「ディアハンター」「ソフィーの選択」、新しいところで言うと「プラダを着た悪魔」などで知られる名優メリル・ストリープ。今年のアカデミーにもノミネートされていますが、今回も素晴らしい演技、そして歌を見せてくれました。観るまではメリル・ストリープが歌って踊るところをうまくイメージできずにいましたが、見事なはまり役でしたね。

特に「The Winner」を歌うシーンや、娘の花嫁支度を手伝うシーンなど、表情や仕草のひとつひとつが大女優そのもので、楽しいだけの作品で終わらせず、作品全体に深みと温かさを与えています。

映画を観た後に、彼女のインタビュー記事などを改めて読んでみると、 メリルはこのミュージカルを、9・11アメリカ同時多発テロが起きた直後に娘たちと一緒に観て、とても感動したのだそうです。帰宅後すぐにキャスト全員に宛てて手紙を書いたのだとか。

この作品は、あの時期暗く沈んでいたニューヨークの街に必要な「蘇りの薬」だったと語っています。

3人の「父親」役には、007 5代目ジェームス・ボンド役のピアース・ブロスナン。「ラブ・アクチュアリー」のコリン・ファース。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のステラン・スカルスガルド。

「ハリー・ポッター」のジュリー・ウォルターズや、映画版「シカゴ」でメアリー・サンシャインを演じたクリスティーン・バランスキーも出ていましたね。実力派が揃ってとにかく豪華。

ただ、ボンド役のイメージが強いブロスナン・ファンはちょっとがっかりするかな? と思ってしまいましたが(笑)。

製作総指揮をトム・ハンクス-リタ・ウィルソン夫婦が手がけています。

撮影は、ギリシャ・スキアトス島とスコペロス島で主に行われたそうですが、この映画をきっかけに観光客もどっと増えたのだとか。確かに美しいシーンがたくさんあって、僕も行きたくなりました(笑)。

舞台とはまた違ったエネルギーをもらえる映画でしたよ。

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2009年2月 6日 (金)

iPhoneはヤッパリすごい

001_2 しばらく換えていなかった携帯。

ずっと悩んでいたのですが、ついにiPhoneに換えちゃいました。

液晶が壊れやすそうだったので、一緒にクリアカバーも買いました。

002実際に使ってみると、iPhone本当にすごいのですよ。

感覚的にタッチして使用できるので、取扱説明書を読む必要もないですし、iPhone専用アプリも面白いものばかり。

ついつい夜中手に取ってダウンロードしてしまいます。

僕は仕事にもGoogleのGmailを使っているのですが、これが外出先で携帯電話の3Gの回線で、すぐに確認できる。

インターネットサーフィンなどではなく、通常文字の使用でしたら無線LANを探さなくても十分実用的です。

国際学会周遊記も・・・

003ほら、この通り、チェックできます。

PodcastでCNN放送を録音して、毎日ソリティアをしながら聞いています。

海外出張も多いので、Skypeが使えるのも魅力です。

「携帯のメールアドレスが変わっちゃうから」

とか、

「バグが多いらしいしやめとこうかな…」

なんていう悩みは何だったのだろう??? と思うほど。

最近は絵文字も使えるらしいですし、悩んでいる皆さん。

iPhone、もう一度よく検討してみる価値、アリですよ。

僕は購入してからハマりすぎて、腱鞘炎になりそうです(笑)。

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2009年2月 4日 (水)

医学の進歩とは

世界の国際学会を回っていると、ひとつ改めて気付くことがあります。

「医学の進歩は、医師同士の議論によって進むのだな」

と。

新しい機器や薬が出たときに、その英文論文を根拠にご紹介(売り込み?)に来て下さる企業の方がよくいらっしゃいますが、研究者として医療に従事していた人間としては、それを頭から信じることは出来ません。

統計のマジックや、実験のプロトコールの立て方によって、いくらでも新しい機器や薬剤に有利な研究結果を提示することが出来るからです。

優位差を出すための「手の内」は、良く知っています(笑)し、簡単には騙されない自信もあります。

まず、その内容やプロジェクト、商材に自分のアンテナが引っかかるかどうか、ピンと来るかどうかを見極めた後、次に僕が行うことは、その種の関連論文で、対抗論文が出ていないか、そして、その数の多さをチェックすることなのです。

世界各国で新しい薬や治療方法は、学会の発表か、論文によって医学誌に発表されます。

この発表や論文が優れた、そして画期的であればあるほど、多くの施設で「追試」なるものが行われます。

同業者が本当にその方法で正しいのか、見極めるのです。

皆が興味のある分野、注目される分野だから、確認をしようとするわけですね。

ある理論が提示され、それが正しいとサポートする論文と、間違いを指摘する反論論文。

過去の経験から、この論文の数が多ければ多いほど、その理論が皆に注目を浴びていて、しかも効果的だと思われる場合が多いと言えます。

今では、西洋医学は万能のように思われていますが、顕微鏡と抗生物質が開発された時を本格的な西洋医学の歴史の始まりと考えると、その歴史は100年もありません。

Photo_3 世界初の抗生物質が発見されたのは、1929年。写真のイギリス人医学者アレクサンダー・フレミングによってでした。(画像はウィキからお借りしました。)

ブドウ球菌の培養実験中に、ブドウ球菌の生育が阻止される領域が生じる現象を発見したフレミング。そこにアオカビが生じていたことから、のちにアオカビの学名(Penicillin Notatum)にちなんでペニシリンが誕生したことは、有名ですよね。

西洋医学はその後飛躍的に発展していきますが、その中で生まれたのが、新しい発想の医療=「アンチエイジング医療」です。

その歴史はまだまだ浅く、アンチエイジングの分野は、そもそも論文の数自体が少ないですし、さらに現在の新しいサプリメントや治療が、30年後にどういった効果、そして作用/副作用を及ぼすかは、実際には現在まだまだ人体実験中のものも多くあるのだと思います。

新しい治療法や薬に出会った時には、そうした状況を前提に、医師は自分の持つ医学知識に照らし合わせて、理が通っているかどうかを考え、一人ひとりの患者さんにとって、利と不利を判断し、本当に必要か否かを毎回立ち止まって考えることが大事だと思うのです。

たとえば、FDAでの認可及び評価が目まぐるしく変化している「ハイドロキノン」。

美白剤としての効果は誰もが認めているものですが、白斑症をはじめとしたその他の危険性を提示する論文が数多く提出されています。

クリニックFでは、メニューに載せてこそいませんが、希望の患者さんに対して裏メニューとしては存在しています。

そして、「プラセンタ点滴

効能を考えるとメリットも多く、完全否定するのはもったいないと思うのですが、感染の可能性を考えるとメニューには載せられない。

ただし、患者さん個人で使用する量を決めた後、仕入の薬剤を100本程度を一括購入してロットを連番で揃え、連続したロットを一人の人に使ってもらえれば感染のリスクは格段に下がるので、希望者にはその方法を提案しています。

最近国内の医師の間でも広まり始めた、ライナス・ポーリング博士の「メガビタミンC療法

これも1965年当時から、反論が沢山出て、何度も葬り去られた理論ですが、しばらくすると、不死鳥のように議論が湧き上がってきます。実際に効能を実感する患者さんや医師がいるという証拠でしょう。

栄養学的に体内のビタミンC必要量を考慮すると、ここまで大量のビタミンCは必要ありません。日々の食事に気をつけたり、足りない場合にもサプリメントの量で十分だと思います。

しかし、メガビタミン療法は、

「若く健康な人が、それを維持するために必要な栄養としてのビタミンC濃度」

の多寡や必要性を議論しているのではないのです。

35歳を超えると、活性酸素を除去するために必要な、SOD活性が急激に低下しますので、老化や癌の助長因子である活性酸素を除去できなくなります。

そこで、ビタミンCの持つ抗酸化作用をSODの代わりに使用する。ここが、メガビタミン療法のポイントであり、ここをまず理解できないと、とんちんかんな議論になってしまうのです。

ビタミンCは3時間でほぼすべてが尿から排出されますが、その3時間の間に活性酸素を「キレート(=排出・除去)」することを目的に、あの量のビタミンCが集中的に必要となる。

ここでビタミンCに期待される役割は、「掃除やさん」。

掃除が終わればゴミと一緒に一度出て行って欲しい=そのままビタミンCが体内に留まっていればそれは意味がない、ということがこれで想像つくかと思います。

ビタミンCの特性である

「3時間でほぼすべてが尿から排出されてしまう」

というところに目をつけたところが、云わばこの療法第二のポイントであり、これを逆手に利用している点が画期的なわけです。

流行の言葉で言えばいわゆる「デトックス(解毒)」をその3時間で行ってくれているのと一緒ですから、仕事が終わった“必殺仕事人”には、速やかに去っていって欲しい・・・=むしろ時間と共に体外に出てもらった方が良い、ということが言える。

この作用のために使用することを考えると、若返りを含めた美容目的や抗老化、疲労や糖化、ストレスなどによって進んでしまった酸化の抑制、さらに抗癌作用を期待する場合は、必ずあの量を「点滴」で導入することが必要となります。

サプリメントなどの経口剤で、口から取り入れたビタミンCでは、どんなに大量に摂取しても、「解毒」に必要な血中濃度には上がらないのです。

ビタミンCについての、今までと違った新たな効能を生かすために、必要濃度と、投与方法が違うということなのです。

さらに、最近流行の化粧品の素材であり、コラーゲンやエラスチンを増やす作用のある細胞増殖因子=「グロースファクター」(EGF FGF IGF-1など)。

これらは基礎医学論文、つまり動物実験やシャーレ上の細胞では、確実に効果が証明された素材です。これが臨床医学で、実際の体内に入れたときにどうなるかはグレーなのではないでしょうか。

女性ホルモンや、男性ホルモンを注射する、ホルモン補填療法やドーピング療法も同じだと思いますが、リスクの見極めがまだ成されていない。女性ホルモンで言えば、閉経後のエストロゲン療法などでは乳がんのリスクも上がります。

増殖系の蛋白を皮下に入れることには、癌化を引き起こす可能性を完全に否定できず、自分としてはまだ抵抗があります。

勤務医だった時代も慎重だった方だと思いますが、開業し自分自身が患者さんすべての命と責任を背負っていると思うと、さらに輪をかけて慎重になりますよね。

いつまで経っても、日々勉強です。

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2009年2月 3日 (火)

WEBリニューアルとメディカルスパ

クリニックFのWEBがリニューアルされました。

「レーザークリニック」という切り口で、女性の患者さんにわかりやすい美肌治療を中心としたもの。

そして「メディカルスパ」という切り口で、男性の患者さんにわかりやすいアンチエイジングやメタボリックシンドローム、自律神経系の安定など疲労解消を目的とした治療を中心としたもの。

この2種類のWEBを作成しました。

女性向けレーザー/光治療による美肌情報サイト

http://clinic-f.com

男性向けメディカルスパ情報サイト

http://clinic-f.jp

先日も取材を受けましたが、およそ10年ほど前にアメリカで出来た「メディカルスパ」という概念があります。僕自身もそこを意識してクリニックを作っていた時代も実際ありました。

2007年にクリニックFの企画を作るとき、何度も行ったブレイン・ストーミングで、

「よく考えてみるとこの日本において、女性向けの市場ではだいぶ以前・・・遡ればきっと“アメリカ以前”から、外観はともかく内容が『メディカルスパ』である施設はけっこうある。それが単に時代と共に、インテリアや外観、サービスや治療内容などが進化しただけに過ぎない。そこをあえて今意識しても仕方がないのでは?」

・・・という話になりました。

メディカルスパであるかないか。日本でそれを突き詰めれば、それは資本や能力、キャパシティの問題ではなく、あくまで法律の問題になってきます。

保険診療を行いつつ、補完療法やエステティック、スパ的なサービスも提供したいという病院にとっては、日本ならではの法律=保健所による認可の壁が常に立ち塞がる。

そこにどう対峙していくのか・・・という問題なんですよね。

これについては、また別の機会に書いてみたいと思いますが。

クリニックFではそうした経緯もあり、メディカルスパであることを強調するのはやめました。焦点を、施設のあり方やイメージに当てるのではなく、治療内容と客層=

「レーザー/光治療に特化した、レーザーマニアのためのクリニック」

に絞ったのです。

そのために捨てなければならなかったものも沢山あり、正直大きな決断でしたが、

「治療のベクトルが、シンプルでわかりやすいこと」

「医者として、そして経営者として、何にエネルギーとお金を注いでいるのかが、患者さん(=お客さん)から見えやすいこと」

この2点にこだわり、

「コンセプトによって、医師/経営者と患者/お客さんとの間に信頼関係を築く」

ということを目指して、作りました。

女性の患者さんはその方向性でとてもクリアになり、これまで経営に関わってきた5軒のクリニックの中でも、今回のクリニックFはおかげさまでとてもユニークな患者さんに恵まれています。

ただ開院時には想像していなかった思いがけない相乗効果として、僕自身驚いたのが、こうした治療を求めている男性の患者さんの多さ。こんなささやかなクリニックにこれだけいるのですから潜在顧客はものすごい数いることでしょう。

そして、そんな男性の患者さんに日々接する中、去年の夏辺りからすこしメディカルスパに対する考え方が変わってきました。

「男性のためには、“メディカルスパ”であることを前面に出すことが、今だからこそ必要なのだな」

・・・と思うようになってきたのです。

一時期「メンズエステ」なる言葉が流行りました。TVのCMや電車の広告などに、今も出ていますよね。

20代や30代の男性ならそういう言葉にも抵抗なく入っていけるかもしれませんが、40代以降の男性・・・特に経営者の方含め企業で責任あるポジションにいる方が、「メンズエステ」と書かれたドアを叩くには、ちょっとした勇気が要ります。

秘書や部下に予約をとらせるにも、逡巡があることでしょう。

でもそこが「病院」であれば、話は別です。病院であれば、そこで行うことはあくまで「治療」ということになりますから。

どこまでも「病院」の顔をした施設で、アンチエイジングの治療を行いながら、ホテルやスポーツクラブに併設されたスパのようなリラクゼーションも体験できる。

そして「治療」が終われば、何食わぬ顔で「病院」を後にして、仕事に戻ることが出来る・・・

こういう施設として「メディカルスパ」が、この日本では改めて普及していくのかな、と思っているのです。

WEBの方は、まだまだ未完成のところも多く、これから少しずつ情報を足していきながら今年中に完成させることができれば、と思っています。

随時このブログでも最新情報をご紹介していきますので、楽しみにしていてください。

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2009年2月 1日 (日)

Dear Dr.Fujimoto

去年のブログでも書きましたが、2008年は周囲の方の支えあって、念願の米国皮膚科学会(AAD)認定医になることができました。

認定医になることで最も楽しみにしていたことは、AAD会員のみにほぼ毎日送られてくる、世界最新の皮膚科情報です。

レーザー治療を標榜する以上、皮膚科の情報を常に仕入れなければなりませんので、日々英語と格闘しながら、勉強しています。

また、米国皮膚科学会(AAD)と欧州皮膚科学会(EADV)とが一緒になって協賛している「トレーニング企画」というものが、かなり多い頻度であることも楽しみのひとつです。

昨日もこんなインヴィテーションが送られてきました。

Eadvaad_2

僕は2007年に、欧州皮膚科学会(EADV)認定医の資格を取っていますので、ヨーロッパ皮膚科学会サイドからも、アメリカ皮膚科学会サイドからも、定期的にこうしたお知らせが来るのです。

このトレーニングコースは今年ミュンヘンで行われるものですが、アメリカ・ヨーロッパという世界二大皮膚科学会認定医のために開催される、クロスカルチャーの勉強会に参加できる大きなチャンス。今年も出席して、知識と経験を深めたいと思っています。

インヴィテーションメールを下記にご紹介します。

こういうオフィシャルレターが書けるくらい、僕も英語がうまくなりたい・・・。

Dear Dr. Fujimoto,

It is with great pleasure that we invite you to the State of the Art in Dermatology: EADV/AAD Review Course.

This new program was developed to emphasize that practicing dermatology goes beyond traditional country borders, and to provide in-depth information with practical advice from North American and European dermatologists that can be implemented into your practice back home.

The topics and speakers for this course have been hand selected to address the problems that we all encounter – regardless of where we practice.

As a member of both the EADV and the AAD, you know first-hand the benefits of cross-cultural learning. We invite you to share this new experience with us:

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