メリル・ストリープの「マンマ・ミーア!」
年末にニューヨーク・ブロードウェイでの観劇についてブログを書きましたが、実は僕のブロードウェイ・ミュージカルデビューは、「マンマ・ミーア!」でした。
往年の大ヒットグループ「ABBA」の歌を22曲も取り入れたこのミュージカルは、1999年にロンドンで初演され、ブロードウェイには2001年に上陸。現在では世界10都市で公演され、世界的な大ヒット作品としてすっかり定着していますよね。
経済の高度成長期を走り抜けたABBAの音楽と、明るいコメディタッチのストーリー。当時は今ほど英語を聴きとる能力はなかったと思うのですが、本当に楽しくて、以来ミュージカルにすっかりはまってしまったのです。
そんな「マンマ・ミーア!」がメリル・ストリープ主演で映画化された・・・と聞いて、診療後観に行ってきました。
ストーリーの舞台はギリシャの地中海に浮かぶ小さな島。そこで、だいぶくたびれて、あちこち修理の必要なホテルを1人で切り盛りするシングルマザーのドナ。彼女には、20歳になるひとり娘のソフィがいるのですが、父親が誰なのか彼女に告げたことはありません。
結婚式を控え、バージンロードを父親と歩くことを夢見るソフィ。母親の昔の日記を盗み読みし、自分の父親である可能性がありそうな3人の男性に、母の名を名乗って招待状を送ります。
その3人が3人共
「自分が父親だ!」
と名乗りを上げて・・・。
古くは「クレイマー・クレイマー」「ディアハンター」「ソフィーの選択」、新しいところで言うと「プラダを着た悪魔」などで知られる名優メリル・ストリープ。今年のアカデミーにもノミネートされていますが、今回も素晴らしい演技、そして歌を見せてくれました。観るまではメリル・ストリープが歌って踊るところをうまくイメージできずにいましたが、見事なはまり役でしたね。
特に「The Winner」を歌うシーンや、娘の花嫁支度を手伝うシーンなど、表情や仕草のひとつひとつが大女優そのもので、楽しいだけの作品で終わらせず、作品全体に深みと温かさを与えています。
映画を観た後に、彼女のインタビュー記事などを改めて読んでみると、 メリルはこのミュージカルを、9・11アメリカ同時多発テロが起きた直後に娘たちと一緒に観て、とても感動したのだそうです。帰宅後すぐにキャスト全員に宛てて手紙を書いたのだとか。
この作品は、あの時期暗く沈んでいたニューヨークの街に必要な「蘇りの薬」だったと語っています。
3人の「父親」役には、007 5代目ジェームス・ボンド役のピアース・ブロスナン。「ラブ・アクチュアリー」のコリン・ファース。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のステラン・スカルスガルド。
「ハリー・ポッター」のジュリー・ウォルターズや、映画版「シカゴ」でメアリー・サンシャインを演じたクリスティーン・バランスキーも出ていましたね。実力派が揃ってとにかく豪華。
ただ、ボンド役のイメージが強いブロスナン・ファンはちょっとがっかりするかな? と思ってしまいましたが(笑)。
製作総指揮をトム・ハンクス-リタ・ウィルソン夫婦が手がけています。
撮影は、ギリシャ・スキアトス島とスコペロス島で主に行われたそうですが、この映画をきっかけに観光客もどっと増えたのだとか。確かに美しいシーンがたくさんあって、僕も行きたくなりました(笑)。
舞台とはまた違ったエネルギーをもらえる映画でしたよ。
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