ニキビ跡治療とフラクショナルレーザー
VOGUE CHINAの記事をブログでアップしたところ、何人かの知り合いや患者さんからお叱り(?)を頂きました。
曰く
「全部中国語で何が書いてあるかわからない。日本語訳はないのか?」
・・・すみません、実は僕もなにが書いてあるのか、まだすべて解読できていないのです(苦笑)。
ただひとつわかっていることは、今回の中国講演で僕が評価を頂いたとしたら、その理由は数あるフラクショナルレーザーの違いとそれぞれの適性を明確に解説することができた点にあるということ。
2004年のフラクセル以降、いくつものフラクショナルレーザーが世に出ました。
「フラクセル」「アファーム」「フラクセル2」「アファームマルチプレックス」「スターラックス1540」「ピクセル2940」「モザイク」「エコツー」「フラクセル・リペア」「フラクセル・リストア」「フラクセル・リファイン」
どの機種がどんな疾患にどのような効果を及ぼすのか、これを臨床データを元に解説した医師はこれまでほとんどいなかったのです。
それぞれの高額な機種をすべてを取り揃え、実際の施術を幾多の症例に対して行い、さらにどの機種にもバイアスがかからない中立な評価を下す・・・というのは、世界的に見てもなかなか難しいということでしょう。
実は今回訪れた欧州でも、
「クリニックFでは、ニキビ跡の治療に対して、その段階/フェーズごとにいくつかのフラクショナルレーザーを使い分ける」
という話をしたら、何人ものドクターに驚かれました。日本でもまだまだそうかもしれませんが、いわゆる「美肌クリニック」にニキビ跡の治療で訪れた場合、そこでの選択肢は、
1 外用剤を使うか
2 レーザー・光治療など、機器を使った治療を行うか
3 上記のどちらも組み合わせるか
・・・といったものになりますが、この内2に対して、いくつもの選択肢があるクリニックはなかなかありません。せいぜいあって2種類程度。3種類以上の機器を取り揃え、それを的確に使い分けられる医師のいるクリニックは、日本で数軒しかないのではないでしょうか。
ニキビの治療ならまだしも、ニキビ跡の改善というのは、治療の選択肢自体がそもそも限られてしまうこともありますが。
そういう意味で今回
「最善の治療のために、借金してまで高額なレーザーをいくつも買ってきた苦労がすこし報われたかなあ・・・」
という気分を、奇しくもルーマニア、そして中国で味わうことができました(笑)。
詳しい講演内容や、ドクターたちとの歓談の内容は、また後日詳しく書きますね。
世界の最新レーザー情報 はこちらから
クリニックF http://clinic-f.com/
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コメント
はじめまして。先生が1/17掲載したフラクショナルeco2レーザーに関心があり、メールをさせていただきました。
にきび痕をとりたいので、フラクショナルeco2かパールの選択で考えています。効果の違いを教えていただけますでしょうか?
(最近、掲載されているレーザーの種類等別の波長を示した図の波長の長さから考えると、断然,eco2の方がより効果的かと思いますが、図には、パールの方が100%tissue removal(細胞組織を取り除く?)とあるので、パールの方が、より効果が現れやすいのでしょうか?
投稿: noha | 2009年8月23日 (日) 14時49分
nohaさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
ニキビ跡の治療にパールかeCO2をお考えとのこと。どちらがより効果が高いか、といえば、皮膚の状態によって効果のある機器が異なります。
パールとeCO2では波長が異なります。これはどういうことかといえば、パールとeCO2では、皮膚のどの深さにアプローチできるのか、どの深さを最も得意としているのかが異なるということです。
nohaさんのニキビ跡が皮膚のどの辺りまで到達しているのかによって、どちらの機器を使用するか、あるいはパールでもeCO2でもない、まったく別の機械を選択するのか、はてまた、パールもeCO2もどちらも必要なのか、お話・解説させていただくことになるかと思います。
ちょっと話はそれますが、ひとつご参考までにお話させていただきますね。
僕はよく診察でこのたとえ話をするのですが、
包丁を思い浮かべてみてください。
万能包丁、というものもあるようですが、プロの料理人はいくつもの包丁を使い分けるのが普通だと思います。
大きな魚をさばくときには出刃包丁を使いますが、フランスパンを切るときには、独特のぎざぎざ感のある専用のパン切りナイフがあるほうが便利ですよね。
肉を切るときには、肉専用のものが切りやすいし、果物を剥くときにはペティナイフの方が扱いやすい。チーズを削るときにはナイフよりもグラインダーの方が良いかもしれない。
それぞれの食材に合った包丁があるわけです。
どの包丁がより優れているとか、どの包丁が他方より切れる、ということではなく、実際の食材と、その状態を見ないと、どの包丁が選択としてベストなのかは言えないのです。
もちろん、そこまで一本一本にこだわるからには、常にどの包丁も完全に研がれている状態であること、そしてそれらの包丁を自由自在に操る技量に対し自信をもてる状態に自分を置くことは、必要不可欠かと思います。
nohaさんの肌に合ったベストなレーザーは、実際の皮膚を見ないと判断ができませんが、それがどれであっても確実に最適なものを選び出し、最良の治療を施すことができると思いますので、機会があったらぜひカウンセリングにいらしてくださいね。
クリニックF 院長 藤本 幸弘
投稿: 管理者 | 2009年8月24日 (月) 00時11分