レーザーによるニキビ跡と毛穴治療のコツ
ほんの数年前までほとんど治療が不可能だった皮膚疾患の中で、最近治療が可能になってきたものがあります。
それは「ニキビ跡」と「毛穴縮小」の治療です。
今までも、ニキビ跡や毛穴の縮小に対して多くの化粧品や、ケミカルピーリング、ダイヤモンドピーリングなどの施術が世に出てきました。
しかしながら、いずれも効果の点で理論的にもなかなか難しいものがありました。
画期的な治療効果を期待できるようになったのは、 やはり2005年のフラクセルの登場によってだと思います。
2005年から2009年に至るまで、沢山のフラクショナルレーザーが販売されましたが、波長や照射方法などの変化を経て、沢山の機器が出ましたよね。
1440nmのアファーム+マルチプレックス
1540nmのスターラックス1540
1550nmのフラクセルやモザイク
2790nmのパールおよびパールフラクショナル
2940nmのピクセル
10600nmのeCO2(エコツー)やブリッジセラピー(アンコア)
915nmダイオードレーザーとバイポーラーRF(ELOS)の複合機であるマトリックスIR
これらここ数年間で出てきたフラクショナルレーザー機器は、どれも特性があって、一台の機器“だけ”で毛穴やニキビ跡を治療することは不可能だと断言できます。いくつかのフラクショナルレーザー機器を組み合わせた治療が必ず必要になってくるのです。
クリニックFではこれらのフラクショナルレーザーを組み合わせて治療を行っていますが、ひとつ波長の選択に、非常に重要なファクターがあります。
それはレーザー光の深達度です。
特定のレーザー波長が、どの程度まで肌の中に入り込むかご存知ですか?
可視光線に近い波長領域では、最も深達度の高いレーザー波長は1064nmぐらいの近赤外線の波長です。
それよりも紫外線に近い短い波長では、メラニンの吸収曲線に、そして長い波長では水の吸収曲線に影響されるため、レーザーの深達度が落ちるのです。
このもっとも深いといわれる1064nmの波長でも、深さ1500μm(1.5ミリメートル)の深達度しかありません。
深いニキビ跡や毛穴を治療するには1500nm前後の波長をもつフラクセルやモザイク、アファーム。
最後に浅い部位に照射して、肌を整えるのには2700nm前後の波長をもつパールやエルビウムヤグの波長が必要となるわけです。
さらに連休などで、数日のダウンタイムが許容できる人には、10600nmのフラクショナルCO2レーザー(エコツー)を使用して治療速度を加速するのも、良い選択肢になります。
クリニックFでは、約二年前の開業時から、日本で初めて複数のフラクショナルレーザーを所有して、海外の最先端の治療理論でニキビ肌や毛穴治療を行ってきました。
この2年間でさえ、新しいレーザー機器が発売されてきましたので、そのたびに新機種を導入して治療に加えてきましたが、最近では、「この人がニキビ肌だったの?」と言われるような結果の良い症例も増えてきましたよ。
ニキビ跡や毛穴といった、皮膚の「形状的老化」+「感触的老化」のダブルパンチにお悩みの方はぜひご相談ください。
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クリニックF http://clinic-f.com/
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コメント
ニキビ痕についてなんですが、エコツーだけより、他の機器との併用がいいんでしょうか?
いろんなクリニックのホームページをみてるとエコツーかブリッジセラピーのどちらかしかないかのように感じます。
先生のブログを読んで、それぞれのレーザーに得意不得意があるのはわかりました。
エコツーにも不得意分野はあるんでしょうか?
質問多くてすみません
投稿: シマウマ | 2009年12月26日 (土) 21時11分
シマウマさん
エコツーとブリッジセラピーはほぼ同じコンセプトのもと作られた機器です。
ですからできる事も、不得意な事もほぼ同じだと思っていいですよ。
これらの2機種はたまたま日本に導入されているだけの話で日本語のサイトでは話題に上がるのでしょうが、実は海外ですとニキビ肌についてはもっと評価の高い機器は沢山あります。
ちなみにエコツーやブリッジセラピーが苦手とされるアイスピック型のニキビ肌や、こめかみのニキビ痕だと、国内ではクリニックFにのみ導入されているイーマトリックス(e-matrix)は非常に有効だと発表されています。
e-matrixは、鼻の毛穴には照射できないのが弱点ですが、クリニックFでの照射後の患者さんに評判も極めて良くて、来年に向けてニキビ肌の主力の機種になるのは明らかです。
また、フラクセル:リペアという、国内に導入されていないCO2フラクショナルレーザーは、エコツーやブリッジセラピーが手本にした、上位機種です。これは機器の価格が非常に高いのもあり、国内には導入がありません。
現状のフラクセル:リストア(フラクセル2)の後継機種なるフラクセル:リストアデュアル(フラクセル3)も海外では販売されていて、ニキビ痕や、色素沈着には非常に効果を上げています。クリニックFでは来年販売されるこの機種のデモ機が導入されていますが、効果は非常に期待できますね。
投稿: 管理者 | 2009年12月27日 (日) 10時19分
返信ありがとうございます。
もっとほかに効果の高い機種があるのに、日本に入ってこないのは、日本人の肌質の問題でしょうか?
投稿: シマウマ | 2009年12月28日 (月) 10時14分
肌質の問題ではありませんよ。似た肌を持つ韓国や台湾には導入されているものも多いですから。
単に採算ベースの問題で国内の輸入代理店が手を出さないのだと思います。一定数以上のレーザーを輸入しないと、利益は出ないでしょうから。
残念ですが、日本はレーザー治療に関しては、あまり先進国とは言えないのです。
僕が毎月のように海外の学会に出張して勉強するのはそういった理由があるのです。
投稿: 管理者 | 2009年12月28日 (月) 11時23分
返信ありがとうございます。
なるほど、そういうことなんですね。
他の、クリニックのブログではわからない部分がわかっておもしろいです。
これからも新しい情報をどんどん発信していってください。
何かありましたらまたコメントしますのでそのときはよろしくお願いします。
投稿: シマウマ | 2009年12月28日 (月) 18時33分
先生始めまして。
私は31歳です!
10代の頃に鼻の汚れを指で押し出してしまいました。
挙げ句便秘で不規則な生活をしていて一時ニキビ肌になってしまい それもまた指で押し出してしまい
若い頃から鼻 ほっぺの毛穴に悩まされてます。
今までケミカルから始まり数多くのレーザー治療をしてきました
フラクセル②も合計で15回以上はしています
一時の改善はされても日が立てば元通りの毛穴顔(>_<)
どんなに優れたレーザーでも 陶器肌にはなれないのでしょうか?
素人の考えなので
有り得ないかもしれませんが ケミカルの濃度の高いやつ、レーザーの高いやつを使ってベロンベロンに剥けたとしても
日にちが立てば元通りなのでしょうか?
凸凹になってしまった肌はもう二度と平らにすることは不可能なのですか?
国外にもないのでしょうか?
陶器肌にすごく憧れます(^w^)
教えて下さい(*_*)
投稿: じゅん | 2010年1月30日 (土) 14時55分
じゅんさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
結論から言ってしまうと、凸凹な肌を平らにすることは、可能です。
でも、使用する機器は選ばなければならないですね。
ニキビ痕の肌に対してフラクセル2は万能ではありません。治療経過中は、いつくかのフラクショナルレーザー機器を組み合わせる必要があると思います。
また、たとえ濃度を上げたとしてもケミカルピーリングだけでニキビ痕を治すことは、まずできないと思った方がいいと思います。
ニキビ肌を治療するのにクリニックFで一押ししているのはシネロン社の新製品「E-MATRIX」サブレイティブ・フラクショナルRFの機器とフラクセル3(リストア:デュアル)との併用です。
また、他のクリニックでフラクセルを照射しても効果が出なかったと言って、クリニックFに来院する多くの患者さんの肌を診察してみると、肌がフラクセル2を照射できる準備が整っていないことが多いです。
このブログでも書いてきましたが、そういった方にはフラクセルの効果が出やすくなるように肌を整える「基礎工事」のレーザー照射が必要です。
投稿: 管理者 | 2010年1月30日 (土) 16時07分
先生はじめまして、こんにちは。
先生の記事興味深く拝見させていただきました。
私は24歳なんですが、10代より鼻と頬と毛穴に皮脂が詰まりやすく、詰まっては指で押しだしていました。そのために鼻と頬の毛穴が開いてしまい、化粧では隠せないほどになってしまいました。
高額でしたが、とても悩んだ末、これで少しでも悩みが解消されれば…と思い、皮膚科でフラクショナルCO2レーザー(eCO2、エコーツーレーザー)の治療を2回行いました。1度目の治療は安全な程度でとお願いしましたが、効果が見られなかった為、2回目は少し強めにお願いしました。
しかし、2回目の治療後、肌を見ると明らかに肌質が変わってしまいました。ごつごつして3カ月たった今も赤みが引きません。何より、レーザーを照射した跡が毛穴のようにポツポツと残ってしまっているのです。
何度か皮膚科に足を運んでいるのですが、時間がたてば治ると言われます。また、レーザーの跡も、とても小さな穴をあけるので残るはずはないと言われます。
レーザーの跡は本当に残らないのでしょうか?
治療を受けてからというもの、気が滅入ってしまい外出が減ってしまいました。
今後、治療を続けることは怖くてできません。
長くなって申し訳ありませんが、教えていただけないでしょうか?
投稿: あい | 2010年3月12日 (金) 16時09分
あいさん
実は最近、クリニックFでも、フラクショナルCO2レーザー(eCO2、ブリッジセラピーなど)を強く照射されてしまって、肌が荒れて困っている、というご相談を良く受けるようになりました。
僕は海外の医学会で、英語でのレーザー医療の招待講演をすでに50回以上行ってきましたし、フラクショナルレーザーの理論が初めて発表された2004年のダラスの米国レーザー医学会にも、学会員として参加していました。
僕はその発表を聞いて、日本人の肌の毛穴やニキビ痕を治す方法は、この方法以外に考えられないと直感し、必ず数多くのフラクショナルレーザーが登場する時代になると確信していました。
その後、自分自身でもその後登場した、数々のフラクショナルレーザー機器を、ほぼ全て使用してきましたので、正直なところ、フラクショナルレーザーの使用方法について、自分と同じぐらい知識と経験があるドクターは世界的にもあまりいないと思っています。
これは啓蒙も兼ねて断言しますが、海外の学会では、フラクショナルレーザーのアジア人に対する照射の、肌の入れ替え比率は、約10%ぐらいが適切と言われています。
つまり、日本で現在なされているフラクショナルレーザー治療のほとんどが、実はオーバーパワーということになります。
そもそも、フラクショナルレーザーは、正常な表皮を残しながら、肌を一部入れ替えていく施術です。
ですから、効果がない→パワーを強くする
という方法はあまり得策ではないのです。
あいさんは、一回目の安全なパワーで施術を行った時には、効果が見られなかったと書かれていますが、これはあいさんの肌がフラクショナルレーザーを使用できる状態ではなかったのではないか?と、僕ならば考えます。
このブログでは、何度も書いているのですが、初診の方はまず肌の診断をさせて頂きますが、クリニックFでは、最初からフラクショナルレーザーを使用するという事はあまり無いのです。
毛穴なら毛穴の、そしてニキビ痕ならニキビ痕になった原因というものが必ずあるのです。
まずはその原因を取り除くために、他のより適したレーザーや治療薬をお奨めして、肌の基礎工事を行ってから、フラクショナルレーザーを使用できるステージに肌を変え、その後初めてフラクショナルレーザーの施術をします。
一見遠回りのようですが、結果を見れば、こちらの方がはるかに近道になります。
フラクショナルレーザーはまだまだ新しい機器で、先生によって情報量も違いますし、使用法もまちまちです。
フラクショナルレーザーの様に新しい施術で、強いレーザーについては、必ず副作用もあります。そのレーザーが自分の症状に本当に必要なのか、そして、どの程度が自分にとって適切なパワーなのかを、きちんとしたカウンセリグを受け、納得した上で、受けた方が良いと思いますよ。
この辺りはあくまで最先端医療の自費診療で、治療方法が統一されたものではありませんので、患者さんの自己責任というものも発生すると思います。
最後に実際に穴があいてしまった肌が本当に治るのか?
というご質問ですが、他の病院でなされたものですので、どの位のパワーで施術が行われたかのか、分かりませんし、実際に診断したわけで無いので断言はできません。
でも、表皮の深さでとどまる穴でしたら、時間はかかりますが必ず治ります。
回復を早める治療もあると思いますので、その辺りは主治医の先生にご相談ください。
投稿: 管理者 | 2010年3月13日 (土) 00時01分
ありがとうございます。
1度目の出力は20mj、2度目は70mjでした。表皮ではとどまっていませんよね。
日に日に肌がぼろぼろになっていくのがわかります。レーザーの穴がはっきりと規則的に顔中に残ってしまっています。もうレーザーを受けて5カ月もたちます。
もう駄目なのでしょうか。
主治医の先生に診てもらっても、跡は残るはずはないと言われます。
もうどうしたらよいのかわかりません。
先生、助けてください。
投稿: あい | 2010年4月25日 (日) 12時39分
あいさん
あいさんの様に、
フラクショナルレーザ―を強く照射された事によって肌が変化してしまい、セカンドオピニオンを求めてクリニックFに来院する患者さんがこのところ、本当に増えています。
あいさんの肌に関しては、見た目ほど、症状が悪化していなかったり、また逆の事もあって、こればかりは一度診察をさせて頂かなければ、何ともお答えは出来ません。
一度診察が出来れば、どのような対応が優れているか、早く症状を改善するために、自宅でどのような対処が出来るのかは話が出来ると思います。
一般論になりますが、フラクショナルレーザーは、使用法が難しいですし、治療法も一般化しているわけではないので、きちんとした知識と経験を持つドクターを、施術前に選ぶ事が何よりも大切だと思います。
今回のアメリカのレーザー医学会でも発表がありましたが、現在のニキビ痕や、毛穴縮小治療の主流は、幾つかのフラクショナル・リサーフェシング・レーザー機器を併用する治療法です。
レーザーを使っているクリニックと一言で言っても、シミをとるクリニック、あざをとるクリニック、肌の表面を入れ替える(リサーフェシング)施術をおこなうクリニックなどなど、それぞれ専門や、得意分野があります。
クリニックFは、ニキビ痕や毛穴縮小といった「リサーフェシング」治療に関しては、現在7種類のフラクショナル機器がありますが、これはアジア太平洋地域では最多の保有台数ですし、これだけのフラクショナル・レーザー機器を揃えているレーザークリニックは世界的にみても5院もないと聞いています。
それだけ、この分野に特化し、専門的な治療をしているので、北海道や沖縄の石垣島などから定期的にいらっしゃる患者さんもいますし、海外からも沢山の患者さんがいらっしゃいます。
フラクショナル・リサーフェシング・レーザー治療を行うためには、
それに適したレーザー機器を持っている事
おのおののレーザーの特徴と適切な治療法を知っている事
の二つが必要条件です。
「フラクセル」や「エコツー」があるからニキビ痕治療が出来る。
と短絡的に考えるのではなく、きちんとしたクリニックを選ぶようにしてください。
投稿: 管理者 | 2010年4月26日 (月) 09時12分