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2009年11月の54件の記事

2009年11月30日 (月)

数学の苦手な子どもたちへ

20091130今日は朝から寒いですね。そんな中、とある大企業の社長さんが久しぶりにクリニックにお越しくださり、とても嬉しい週明けとなりました。

明日からいよいよ12月。今年もラストスパートに突入です。

クリニックFにおいでくださる患者さんは、小学生や中学生のお子さんをお持ちの主婦の方も多いのですが、今週から期末試験が始まるところもけっこうあるようですね。

期末試験! 懐かしいな。

施術後そういった患者さんたちと世間話をしていると

「理科はやっぱり塾に行かせないと、出来るようにならないのかしら」

とか

「うちの子は数学が苦手で、どうしたら出来るようになるんでしょうね。」

なんていう御相談?を受けたりしています。

僕が理系なので、理科や算数、数学の話が多いんですよね。国語や英語の話をしても仕方がない、と思われているのでしょうか(笑)。

確かに僕は、理科も数学も得意でした。

でも、実は小学校時代、算数は苦手だったんですよ。

意外ですか?

一見同じように見えて、数学と算数は全く次元が違う教科だと思うのです。

算数は、実数に関する学問ですよね。

実際に「存在する」 1とか10とかの数字を思い浮かべて、足したり引いたり、かけたり割ったり、「計算」をすればいい。

算数で、間違いなく計算して、正しい答えを出せるようになるためには、「そろばん」や「ドリル」が役に立つのだと思うのです。

僕が小学校時代、算数が得意ではなかったのは、

「どうせ電卓があるのにばからしい」

(今思えばなんて生意気な小学生だったことか!)

と言って、「ドリル」を全くやらなかったのです。そのため、成績表でも算数は「ふつう」評価止まりでした。

これが中学に入って算数が「数学」になった途端、俄然おもしろくなって、10段階評価の10をもらう常連になりました。高校三年生の時に全国模試で、偏差値判定「93」を取ったこともあります。

算数と違って数学は、実際に存在しない「実体のない数字」を、決められた法則の下想定して計算しなければならない。

方程式の虚数解や無理数、無限大など、実体として「認識しにくい」もしくは、「存在しない」数字を想像することができないと、出来るようにはならないわけです。

それには脳のある一部を活性化しなければならないですし、実数として算数の延長上で認識しようとしてしまうと、齟齬が起きて失敗する。

そろばんなどをやっていて、算数が得意で、数字を実数として関連付けて考える癖があるまじめな子どもは、教科が数学に入ると途端に理解出来なくなり、落ちこぼれてしまうことも多いのではないかな、と思います。

数学と算数の共通項は、「数字を使う学問」ということでしかないのでしょうね。それ以外は全く別の教科だと考えた方がいい。

実際、かつて数学が得意だったはずなのに、計算や経営を出来ない大人も沢山います。

(むしろ、経営は数学よりも算数が得意な人の方が向いてるかもしれません。)

数字の計算を学ぶのが「算数」であるならば、数学はその延長線上にあるわけではない。

数学は、国語に似ています。

国語を、ひらがなやアルファベット、カタカナ、漢字を使って行うコミュニケーションであると仮定すれば、「数」という「言語」を使って行うコミュニケーションを学ぶ学問が、数学なのです。

実際、僕が高校生の頃最も得意だった教科は国語でした。

逆に言うと、小学校のときに算数が出来なかったからと言って、中学生以降数学も出来ないのではないかと心配しなくてもいい。

数学に求められる最も重要な素養のひとつ、想像力があれば、ある日突然霧が晴れたように数学を理解できる日が来るかもしれないのです。

そして、数学は特定の条件下、論理という複雑な思考を訓練することで、学校を卒業し社会に出た時に必要な頭の使い方のトレーニングをしてくれるのです。

子供の理系離れが進んでいるといいます。

数学だけでなく、理科も僕は大好きでしたので、いかに理科や数学が面白い教科か次世代の子どもたちに教えたいな、診療の後塾講師でもやってみようかな、と思うことがしばしばありますよ。

大学の時のアルバイトで、高校生を教えていましたが、僕は三人兄弟の長男だけあって、教えるの好きなんですよね。

さて、冒頭の写真はなにかわかりますか?

なんと、iPhoneでダウンロードできる関数電卓なのですよ。

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ローマで選んだ宿

ローマで宿泊するホテル。

どこにしようか、あれこれと見て、ローマ クイリナーレ ホテルというホテルにしました。

決して高級なホテルではありません。

でも、音楽好きな人に言えば

「なるほど、そこを選んだのか!」

と、わかるかもしれませんね。

760 共和国広場のナイアディの噴水(三越ローマ支店があるところです)から、

916ヴィットリオエマヌエーレ2世の像があるヴェネチア広場に抜ける道の途中にあるのです。

このホテルの場所は、ローマ オペラ座のほぼ裏にあたります。

ローマに行かれた方はご存知かと思いますが、ローマ市内は地下鉄が二路線しか通っていません。

おそらく、地下鉄を掘ると、古代遺跡にぶつかってしまい、工事の予定が立たないのでしょうね。しかも、ローマの治安は必ずしも安全ではありません。

このホテルに泊まるとオペラで夜が遅くなっても、歩いて帰れるのは魅力的ですし、そしてなによりも、あの20世紀最高のソプラノ歌手とも言われるマリア・カラスが定宿にしていたことで有名なホテルなのです。

ホテルとしての評判は正直言って今ひとつのようですが、オペラ好きな僕としては、一度行ってみたかった。

マリア・カラスの絶頂期は10年ほどといわれ、他のソプラノ歌手よりも短いのです。というのも、マリア・カラスはこのローマのオペラ座である事件を起こし、それをきっかけに絶頂期は終わりを向かえ急速に没落していったと言われているからです。

きっとその事件を起こしたときにも、このホテルに宿泊していたのでしょう。

どんな気持ちでその夜を過ごしたのか。

620ホテルの入口に華やかさはありません。写真を撮るのも控えてしまうほど。

中に一歩入るとこんな感じ。

621 待合のロビーでは無線LANが使える様子。イタリアの旅でようやく安定したネット回線が拾そうです。

619誰もいませんでしたが、こちらが食堂です。

1958年1月2日。

マリア・カラスは、ベッリーニの「ノルマ」に出演すべく、オペラ座に向かいます。

題名にもなっているノルマを演じたカラスは、第一幕終了後、発声の不調を訴え、突如出演を放棄してしまうのです。

場内は怒号の渦巻く大騒動となり、オペラ史上でも後世に残る事件となってしまいます。

そのときの映像をYou Tubeで見つけ、これを見てから今回の出張に出発しました。

別バージョンはこちら。

歴史の舞台ともなったオペラ座に、これから急いで向かいます。

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2009年11月29日 (日)

フィレンツェからローマへ

再び11月初旬に訪れたイタリア出張記に戻ります。

フィレンツェSMNの駅に戻り、ユーロスターのローマ行きチケットを買います。

567時間が少し余ったので、駅名にもなっている、駅からすぐのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会に行きました。

この名前のついた、香水のお店もあるそうですね。

571 礼拝堂は決して豪奢ではなくこざっぱりしたかんじでしたが、とても広く、聞けば奥行きが100m近くもあるのだとか。

568 こちらのステンドグラスも印象にのこりましたよ。

573 駅のすぐ前にあるこの教会を出て、ローマまで一直線。

572 雄大なトスカーナの風景を楽しめる、約2時間の旅です。

757 ローマ・テルミニ駅に着きました。ローマは二年ぶりです。

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2009年11月28日 (土)

レーザーフローレンス参加証

20091128クリニックFのカウンセリングルーム(診察室)の壁には、僕が持っている海外の学会で頂いた専門医証や、参加証をレイアウトしています。

患者さんとの話がこれで弾むこともあるので、カンバセーションピースとしても役に立つのです。

今回ここに、レーザーフローレンス2009 学会発表でいただいた参加証が加わりました。004

Speaker(講演者)と書いてありますが、さすがイタリアだけあって、とてもデザインがきれいですよね。

今まで、この場所にはポーランドでの学会の招待講演感謝状があったのですが、こちらのがきれいだったので替えましたよ。

いらした方は、今度ご覧になってください。

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ADMを「肝斑」と誤診されていませんか?

最近クリニックFにお越しくださる患者さんで

「他院で、シミを“肝斑”と診断されたけれど、違う気がするので藤本先生にもう一度診て欲しい」

とおっしゃる方がいます。

これが、けっこうな数なのです。

このブログでも何度か書いていますが、両頬の目の下に出現するシミは、肝斑の場合もありますが、そのほかの種類のシミが混在していることがほとんどです。

それに関連して、今日このブログに頂いたコメントで、他の方にも御参考にしていただけそうなものがありましたので、僕が書いた答えと共にここでご紹介させていただきます。

Q:「他院で、顔のシミが後天性真皮メラノサイトーシスと診断されました。

御ブログでこの症例を読み、最新の機材と適切な出力により、今までより効果的な治療ができることを知りました。御院、クリニックFでの治療を検討しています。

ちょうど症例のように頬の上に薄めのもやもやと一点の濃いシミのようなものがあります。

ADMの治療を保険適用とする病院も多いようですが、クリニックFでは適用になりますか?」

A:「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、よく肝斑と誤診される疾患です。

僕の経験上、肝斑だと思って来院される患者さんのうち、8割の方がこのADMを合併した症例を持っています。

診断された先生の診断技術は、素晴らしいと思いますよ。

お話戻しますね。

日本には多くのレーザー機器が輸入されていますが、保険適応がなされるレーザーは、必ずしも最新のものではないのが現状です。

特に、この10年間に、アメリカを中心に世界で開発された「新技術を伴う」レーザー機器は、厚生労働省の認可が得られていないものばかりです。

日本では医師の個人輸入という形でしか手に入れることができません。つまり、日本では、最新のレーザー機器での保険診療はできないのです。

クリニックFでは、米国と同じ最新レーザー治療を、リアルタイムで、最も効率よく行うことを信条としていますので、現在は、保険適応のレーザー機器を使用していないのです。

患者さんのためにも、新技術の認可がより早く降りるシステムがあれば良いのにと思いますよ。

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2009年11月27日 (金)

今日の僕 20091127

20091127今日は入ったばかりのサーマクールCPTが大活躍しています。早速何人かの患者さんに照射しました。皆さんブログも読んでくださったようで、情報も早い! 早速取材のお話も頂きましたよ。

施術の方は、痛みが劇的に減り、皆さん喜んでくださっているので、良かったです。

これから今日最後の患者さんの施術に入ります。

今日最後はフラクセルになりました。

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ドクターのティータイム、イタリア製のリュック

レーザーフローレンス2009では、講演の部屋が二つあり、二つの部屋で講演が続いていきます。

539写真で左側のドクターが黄色のリュックサックを背負っているのが見えますか?

これは、この学会の参加者たちがもらえる“コングレスバック”。

他の学会でもらうものよりも、デザインや使い勝手がよく、「さすがイタリア」と、感心しました(笑)。日本に持ち帰りましたが、気に入って今も使っていますよ。

546休み時間にはドクターが集まって歓談する時間があります。

544こんな風に、専門の給仕の方がコーヒーやワインを出してくれます。

526レーザー企業の展示はほとんどないに等しいくらいでした。

547ふと視線を感じて振り返ると、僕を見ている人を見つけました。

グレン・コールダーヘッド博士

海外の様々な学会でよくお会いする大先輩です。

前回お会いしたのは、数年前のシンガポールの学会だったでしょうか?

僕のブログにも何度か登場していますよね。

実はここ数年ちょっと体調を崩していたようでしたが、この日はとてもお元気な様子でほっとしました。日本語も堪能なので、「グレンさん!」と声をかけたら、「タカちゃーん」と呼んでくれました(笑)。

しばし、お互いの近況を語り合いましたよ。

562 窓から見えるこの美しいフローレンスの街を眺めながらの歓談。

なかなか得られない、楽しい体験でした。

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フラクショナル・レーザーの比較演題

541ちょっと緊張した顔をしていますね。

僕の演題はフラクショナルレーザーの比較演題でした。

537「アジアンスキンにおける、CO2 (10600nm) フラクショナルレーザーとエルビウム・グラス (1550nm) フラクショナルレーザー治療の比較検討」 

つまり、フラクセルⅡ(リストア)とeCO2(エコツー)をはじめとしたフラクショナルレーザー機器の比較検討を含めた研究発表。

Abrative_fractional_lasers まずはフラクショナル・レーザーが市場にもたらした意義について、まとめたスライドを用意しておいたのです。

フラクショナル・リサーフェシング・レーザーが開発された事は、レーザー照射後に色素沈着症を起こしやすいアジアンスキン治療にとってはパラダイムシフトに相当する大きな変化で、その登場によって、治療できるものが明らかに変わったと、まずマーケティング的な視野のスライドを挿入しました。

さらに、スライドの内容も文字よりも図を多くして、世界のレーザーマーケットを比較、そして認識できるようなものに変えました。

僕は、ニキビ肌や毛穴といった治療には、治療する過程において、数種類のフラクショナルレーザーの「併用」が必要だと思っています。

組織のどの深さにどの程度のエネルギーが入り、組織温度が変化したかによって、

生体の反応が

Thermal_biological_effects熱刺激(コラーゲン・エラスチン増成)

凝固(組織変性および壊死)→日単位の組織の入れ替え

破壊(蒸散)→週単位の組織の入れ替え

と大きく変わるのです。

Fractional_lasers 凝固変成をうまく使ったものがフラクセルⅡ

蒸散破壊をうまく使ったものがeCO2

ということになります。

そして、実際の組織の再生に役立つのは熱刺激部位です。

この三つの反応のバランスをいかにうまく調節して治療に結びつけるかが重要となります。

Comparison_of_fractinal_lasersそのため、どの波長のどの種類のフラクショナル・レーザーが、どの深さの治療に適しており、どの様な頻度で治療を加えるべきかの考察を加えました。

さらに、クリニックFでは、フラクショナル・レーザーを治療に使用する前に、主に光治療器により肌のコラーゲンやエラスチンを増やして肌密度を上げるという、

「肌の基礎工事」

を行っており、事前に、一見遠回りのように見えるこの作業をする事により、治療効率が著しく向上したと発表しました。

そして何よりも目に訴えるものをと、症例写真を沢山揃えたのです。

これは、口演としてもとても興味深い内容だったようで、講演し、いくつかの質問に答え、席に帰るとき、予想外の拍手喝采と温かい言葉を贈って頂きました。

日本から遠く離れた異国の地で、他の演者の方より大きな拍手を頂けるとは、研究者としても大変嬉しく光栄なことでした。

528

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2009年11月26日 (木)

サーマクールCPT 明日(27日)から照射できます

003 サーマクールの最新版、サーマクールCPTが、いよいよ本日夕方に、クリニックFに導入されました。

こんな感じです。

日本上陸の第1号機だそうです。

バイブレーターが付いているので、確かに痛みは弱くなりましたね。

本日夜にトレーニングを行いますので、いよいよ明日の朝の予約分から、新しい「痛くない」サーマクールを照射できるようになります。

今まで

「サーマクールが本当に効くのはよくわかる。打つならクリニックFで打ちたいけど、痛いのがどうしても耐えられそうにない。」

とおっしゃってくださる方が多数おいでになりました。特に「痛みに弱い」男性諸氏。その気持ち、僕もよくわかります(笑)。

明日からもう大丈夫です。ぜひいらしてくださいね。

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レーザーフローレンス2009のチェアマン

559 講演会場の外には、今回の学会のチェアマン2人がいました。

イスラエルから来たAbraham M Baruchin教授とイタリアは地元フィレンツェのMariano Postiglione医師です。

僕にとってレーザーフローレンスの学会参加は初めて。自己紹介と、自分の専門分野について話をしました。

自分はアジアンスキンを対象に東京で開業しており、フラクセルやエコツー、アファームマルチプレックス、e-matrixなどのフラクショナルレーザー機器を多数所有し、毛穴やニキビ跡の治療を特に得意としていると話したところ、日本から来た若い医師に対して、非常に興味を持って向き合ってくれました。

思わぬ場所で話も弾みましたよ。

ヨーロッパのレーザー医療は一見進んでいるように見えますが、欧州の先生方の治療に対する姿勢はもともとコンサバティブな傾向があり、ここ10年ぐらいに開発発売されたレーザー機器に対する評価はほとんどされていないのが現状のようです。

しかしながら、患者さんの需要は日々高まる一方のようで、潜在マーケットはかなりある様子。開拓が遅れている分、やり方によってビジネスチャンスは大きい、と感じましたよ。

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イタリアにおけるレーザー治療に対する認識

551学会会場になったVilla Vivianiという建物は、山の上に立つ保養所のような雰囲気の建物です。

552こんな場所でどんな学会が開かれるのだろうと思いましたが、レジストレーションを済ませて、とりあえず自分の演題と時間を確認します。

スピーカーのリボンがついた自分の名札と、自分の名前の入った冊子をもらい、まずは安心して会場に入ります。

この学会では、講演する部屋は二つあり、並列して発表が行われているようです。

まずは僕が次の枠で発表する予定になっている部屋に入ってみました。

527会場内は、こんな感じです。50人前後の、いかにも研究者といった雰囲気の医師達が口演を聞いています。

少し講演を聞いていたのですが、最新のレーザー機器を扱うアメリカやヨーロッパのレーザー学会とは少々趣が異なるようです。

演題に使われているレーザー機器もずいぶん古く、しかも症例写真に、フィルム写真にあった時のように(19)98年とかのオレンジ色の印字が入り込んでいる古い症例を出した先生もいました。

1998年と言えば10年以上前。10年前の症例写真が、進歩が著しいレーザー医学会で出てくることはまずあり得ません。

しかもこの枠でフラクショナルレーザー機器について発表していたアメリカの先生は、

本当にこんな機器は安全なのか? 

とか

治療は有効なのか?

などといった、これまたまるで10年くらい過去にタイムスリップしてしまったかのような質問を受けています。

レーザー医療と言っても、専門はそれぞれ違います。

ニキビ跡や毛穴を治療するリサーフェシングレーザーを専門としている医師が少なかったという事なのでしょう。

今回僕は、口演での発表だったのですが、学会事務局から割り振られた時間は15分。

学会発表としては異例の長さです。

これは用意してきた口演の内容を少し変えなければならないな・・・

部屋を出て、さっそく作業に入りました。

僕の口演の時間まであと一時間余り。

僕は時間が迫ると集中力が増すのです。

今回の発表は、招待講演、学会発表を合わせると英語での僕の47回目の講演になります。多少のアドリブを効かせる自信もあります。

発表の時間までしっかり準備して、緊張のまま、順番を待ちました。

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レーザーフローレンス2009 会場へ

521 さて、今回の学会会場はフィレンツェの街から少し離れたところにあります。

学会のレターに記載があったとおり、フィレンツェSMN駅から10番の路線バスに乗ろうとしますが、その番号のバス乗り場がどうしても見当たりません。

かといってもインフォメーションセンターやバスの制服を着た人がいるわけでもないので、人に聞くことができません。

万事休すで、しょうがないので切符売場の長い行列に並び、15分後にやっと順番が回ってきたので受付の人に聞いてみると

「今は、10番バスはこの駅からは出ていないので、歩いてサンマルコ広場まで行け」

というではないですか!!

なんとアバウトなイタリア人。

とりあえず700mぐらいの道のりを歩いてサンマルコ広場に移動しました。

519なんとかバスに乗ったのですが、もちろん日本のように車内アナウンスなどありません。

バスは、だんだん山奥に入ってゆき、すこし不安になってきました。

英語で話をしても誰も通じないので、ジェスチャーです。

建物の名前が書かれた資料を指さして、ここわかる?

と聞いてみます。

「任せとけ」

というジェスチャーをしてくれた男の人がいたので安心したのですが、その人は、何と数個手前の停留所で降りてしまい、

「この先だから安心しろ」

というように指をさしてジェスチャーします。

良い意味でのいい加減さも、日本人は学ばなければならないのかも知れないなと、思うようにしました。

注意深く道路の景色を見ていると、念のため打ち出しておいたグーグルの航空写真に似た特徴あるカーブがあって、その先の停留所で降りてみることに。

そこからは、勘を頼りに細い坂道を上がります。

522 途中の景色は、ミケランジェロ広場からみたものとはちがうフィレンツェの景色があります。

こちらも本当に素敵です。

坂道を上がったところで、ようやく学会会場を見つけましたよ。

523こんな建物でした。数名の、いかにも学会に参加していそうな名札を付けていた人たちがいましたので、多分間違いないだろうと。

525正面の扉を開き、中に入るとようやくこの看板を見つける事ができました。

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2009年11月25日 (水)

フィレンツェのお土産やさん

326 雨の中でしたが、お土産屋さんは活況でしたよ。

327 面白いと思ったのは仮面舞踏会用のマスク専門店があったりしました。

334ご当地もののTシャツもたくさん売られていましたよ。

アイ・ラブ・フィレンツェ 

僕もそうです(笑)。

333光のプリズムのTシャツもありました。

光医学が専門という職業柄かどうかわかりませんが、僕はすぐ虹色には反応しちゃうんですが、いったい誰が着るんでしょうか???

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トスカーナの風景

418ミケランジェロ広場からドゥオーモを見下ろした構図。

Cimg0474_2 フィレンツェに来たんだな・・・と、感慨深い風景です。

ここに来るためには川の対岸にある山を登らなければならないので、歩くと一時間コースなのですが、実は市内バスで15分で行けるんですよ。

417この広場には、ダビデ像のレプリカがあります。

4231フィレンツェ公国の人々は、ここから、ドゥオーモの丸屋根を見ると故郷に帰ってきたと安心したとか。

この場所に来て、それは良く理解できる気がしましたよ。

422でも、 風があって寒いのです。

写真を撮ってもらったのですが、髪の毛が(顔も)茂木健一郎さんみたいになってますね(苦笑)。

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2009年11月24日 (火)

今日の僕 20091124

20091124連休明けの今日。朝から僕の大好物をお土産に持ってレーザー会社の方が訪ねてきてくれました。

葉山 日影茶屋の「日影大福」。

この大福は、賞味期限が「本日限り」。そのため買い置きができないのです。

うちのスタッフも皆大好きなため、今日は朝からお店に行って買ってきてくださったのだとか。

皆大喜びです。ありがとうございます!

僕は朝からもう2個も頂いてしまいました。日本茶でも美味しいし、コーヒーにも合うのです。

3個目についつい手が出そうですが・・・自粛しています・・・(笑)。

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2009年11月23日 (月)

医師による痩身のトレンド

先週帰国したフィレンツェでの学会講演記がまだまだ続いていますが、東京での僕の近況を。

連休の中日は、秋葉原のUDXビルで開催された、第7回日本臨床抗老化医学会 東京アンチエイジング・フォーラムに出席してきました。企業プレゼンテーションの枠での招待講演です。

Udx秋葉原の大きな駐車場跡に忽然と現れたUDXビルに、当初は驚きましたが、久しぶりに行ってみるともう秋葉原の風景のひとつになってしまいましたね。

今回僕が講演を依頼されたのは、進化型EMSアルゴリズムを組み込んだメタボリックシンドローム解消機器

「AC BODY」

について。

ここ数年、米国レーザー医学会(ASLMS )の機器開発のトレンドは、痩身に向いています。

脂肪吸引の手術を除いた、実際の機器としては

1 レーザーまたは光を使用するもの
2 RFを利用するもの
3 超音波を利用するもの
4 冷凍凝固を利用するもの
5 薬(メソセラピーや投与薬)を利用するもの

の大きく5つの分野に分かれ、

さらにマーケットとしても

○体重を減らす
○内蔵脂肪を減らす
○皮下脂肪を減らす
○部分的な脂肪やセルライトを溶かす
○ボディを彫刻するように削る

などと、市場の細分化がなされてきました。

医療分野として見ても、医学的根拠やエヴィデンスがしっかりとあり、本格的なアプローチが可能になる“役者”がいよいよ揃ってきたな、というかんじです。

これが何を意味するか。

およそ10年前まで、この日本ではエステティックサロンの独壇場だった「痩身」という分野に、「メタボリックシンドローム」という“追い風”に乗りここ数年じわじわと医療が進出していましたが、これで医療がいよいよ本格的にこの分野に乗り出し、顔の美肌が主な目的だった「メディカルスパ」に痩身というもうひとつの“柱”が出来ることになるのです。

このブログでも何度かお話していますが、美容医療の分野で開業する医師にとって、ライバルは同業者ではないのが、この日本という国の特徴です。同業者を気にしているだけでは、戦略を誤ってしまう。

かつてエステティックサロンがターゲットとしていたマーケットをよくよく勉強している医師が、この世界で生き残っていくことが出来る。

そういう意味で、痩身のトレンドは無視することの出来ない情報ではないかと思いますね。

Acbody

今回僕が発表した「AC BODY」は、今までも僕のブログ新国際学会周遊記の

痩身 ダイエットカテゴリーで

何度も触れてきましたように

腹部の体幹部の筋肉を鍛える事によって、基礎代謝をあげて、内蔵脂肪を中心に優位に減少させるというもの。

筋肉を鍛えるという、ある意味、最も古典的とも言えますが、最も確実な効果を期待できる機器でもあると言えるのです。

通常使用されるEMSの装置は、痩身に対しては「過去の遺物」という印象もありますが、この機器が痩身に効果がなかったのは、低周波を利用する電流の場合、体表面の、つまり浅い部位の筋肉にしか電流が届かないという致命的な弱点があったからなのです。

この特許を申請した新アルゴリズムは、この致命的な弱点を克服し、深い部位に電流を入れ、体表から深い部位にある、体幹部の大きな筋肉を鍛える事ができるのです。

体の中で基礎代謝量ををあげているのは筋肉です。

筋肉量が多い人は、基礎代謝も当然上がり、太りにくい体になるのです。

僕自身が実際に18回の施術を体験して、身を持って効果を再確認したので、この機器に本当に効果があるのかどうか、医学的検討を加えてほしいという依頼のもと、

ここ一年ぐらい、ボランティアの方のCTを撮ったり、数度に渡りホルモン値を含む血液検査を行って結果を判定してきました。

優位な変化が出たと判断しましたので、今年10月に浜松で行われた第30回日本肥満学会において、その成果を発表しました。

昨日の発表はその結果も付け加えたものにしました。

メタボリックシンドロームは、健康と病気の境界にある予備疾患です。

西洋医学の医師は、「病気に対するアプローチ」は手術や薬など、沢山持っていますが、

健康を維持するのに何が大切か? 若々しさや活力を保つために何ができるか? という「健康に対するアプローチ」をあまり持っていないのです。

この機器は、体幹部の筋肉を鍛え、内蔵脂肪を減少させることで、体をより若い状態に戻すという意味で、この予備疾患に対し対応できるという、基本的な使用法以外に

脂肪吸引の術後などに、体形維持のために併用する

さらには、体幹部の筋肉を他動的に鍛える事で、高齢者の病後離床を早める

脳梗塞などで廃用性萎縮がおこった筋肉を個別に鍛える

など、さらに多くの利用法があると思います。

僕の15分間の講演を聴いていただいた方の中で、どのくらいの方に真意が伝わったかまだ分かりませんが、体験して頂くと、ほとんどの方がかつてのEMSとの違いに驚きますよ。

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フィレンツェの美術館

フィレンツェは他にもたくさんの美術館があります。

329 アカデミア美術館には、何といってもミケランジェロの傑作であるダヴィデ像があります。

彫刻の裏まで回れましたので、いろいろな角度からのダヴィデ像を見ることが出来て楽しかったですよ。

361近くのサンマルコ美術館にも行ってきました。

362 サンマルコ美術館は元々修道院だったため、礼拝堂もあります。

コンパクトでしたが、個人的にはとても気に入りました。

363 こちらにはこのサンマルコ修道院の修道僧であったフラ・アンジェリコのフレスコ画である、「受胎告知」があります。

マリアの懐妊を告げる大天使ガブリエルと、その告知を驚きながらも真摯に受け止める聖母マリア。

たくさんの金箔が圧巻の見事な絵でした。

前日に観たウフィツィ美術館にあるレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」と並んで、受胎告知を題目としたものとしては世界的に評価の高い絵ですよね。

フィレンツェに数多く残された美術品は、ルネッサンスを後押ししたメディチ家の功績につきます。

メディチ家はその名前の通り、医者か薬問屋の祖先をもっているのではないかといわれています。

メディチ家の紋章の中にある赤い丸も、丸薬(もしくはメディチ家が財を築いた銀行業を表わす貨幣という説もあり)を表わすものではないかといわれていますよね。

メディチ一族に多いコジモという名前も、医師と薬剤師の守護聖人であり、4世紀に実在した双子の医師である、聖コスマス(Cosmas)と聖ダミアヌス(Damianus)の聖人コスマスから由来しているのだそうです。

コスマスとダミアヌスは奇跡的な治療をいくつも行ったとされていて、二人は医学の聖人に格上げされました。

二人の聖人の絵はたくさんの画家によって残されています。

ここサンマルコ美術館には、二人を題材にした、フラ・アンジェリコの「助祭ユスティニアヌスの治療」という絵がありました。

112これは聖コスマスと聖ダミアヌスが、壊疽になった助祭ユスティニアヌスの足を切り落とし、事故で死んだ他人の足を移植して治療しているところの絵なのだそうです。

もちろん中世の医学では、脚を移植するなど夢物語でしたが、このように機能廃絶してしまった身体の一部を、健常なものと入れ替えようとする考えは、昔からあったのだと思います。

この時代の絵画は、まさに民衆とキリスト教の教義を繋ぐメタファーとしての役割を果たしていたのでしょう。

もともと巡礼した旅人を泊める巡礼教会を表すホスピスの語源となった修道院が、言語としてもホテル(宿泊施設)やホスピタル(病院)に変化していった事をみれば分かるように、修道院が実際に、現在の病院や医学研究所の様な役目をしていた時期もあります。

そういえば、遺伝の法則を発見したメンデルも、カトリック修道院の司祭でしたよね。

修道僧としてこのサンマルコ修道院に暮らしていたフラ・アンジェリコにとって、この医療に携わる聖人の物語は最適な画材だったのでしょう。

思えば現代医学の一端を担う、臓器移植や、輸血に至っても、医学の歴史の中ではきっと数々の危険極まりない実験に近いことが行われてきたのでしょうね。医学は多くの犠牲の上に成り立っているのです。

ちなみに臓器などの移植手術が可能になったのはずいぶん遅く、20世紀になってからのことです。

血管吻合および血管移植の技術が発達し、さらに移植後に起こる拒絶反応を抑える免疫抑制の技術ができてからのことなのです。

血管縫合、血管および臓器移植の功績に対しては1912年にフランスのアレックス・カレルがノーベル医学生理学賞を受賞しています。

医学の歴史の厚さをひしと感じる瞬間ですね。

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2009年11月22日 (日)

ピサの斜塔へ

唐突に決めてしまったピサ訪問ですが、ピサはジェノヴァやヴェネツィアと覇を競っていた大海運都市国家でした。

のちにフィレンツェがピサを併合した時には、

「ついに海への港を手に入れた!」

と、フィレンツェ中が沸いたそうです。

428 さて、フィレンツェからピサまでは電車で1時間程度。

1時間に一本電車が走っています。チケットは、ローカル線なので6ユーロぐらいでした。

480 電車の駅からはバスに乗って、斜塔に向かいます。

430 バスを降りると、綺麗な芝の中、白い建物が四つ並んでいます。

手前から白い大理石でできた礼拝堂、カンポサント、ドゥオーモ、ずっと奥には斜塔が見えます。

431_2 歩くと、斜塔が近づいてきました。

建築好きな僕としては、ちょっとドキドキしますね。

467 本当にこの斜塔は、すごい傾いているんです。

どうやって立っているのか、もう、笑いが出てくるぐらい。

ガリレオがここで落下の実験をし、「落下の法則」を発見したといわれています。

一時期、この斜塔の補強工事がなされて立ち入りができなかったのですが、2001年12月から再度公開されました。

461 ちょっと周りを見渡してみると、こんな恰好をして写真を撮っている人たちがたくさんいます。

463 そう、斜塔を支えている写真を撮っているんです(笑)。

僕は予約券を買って、斜塔に登ることにしました。

30分間に25人しか入れませんが、僕一人だったので、あっさりすぐ次のツアーに入れることになりました。

あまり沢山の人が入ると、本当に傾きそうですよね。

438塔を登ると、明らかに塔が傾いているのがわかるぐらい、ちょっと地面が傾いていて、気持ち悪いです(笑)。

443 1173年から使用されていたので、中の階段もすり減っています。

454 塔のてっぺんはこんな感じでした。

457 見晴らしがとてもよいのですが、傾いている側に立つのはちょっと怖かったですね。

塔の高さは55メートルなのだそうですが、

塔の北側と南側では、なんと70センチもの差があるのだそうです。

448ピサには背の高い建物は他にないので、 トスカーナの雄大な景色を楽しめましたよ。

447 写真を一枚撮りました。

459 塔の先端。よく見ると、てっぺんの構築物だけ傾きが違うのです。

建設途中から少しずつ傾いてきて、最後に修正したんでしょうか。

449476の前のドゥオーモ

ファサードの彫刻も素晴らしかったです。

469 このドゥオーモの中にはガリレオが「振り子の等時性」を発見したと言われているランプがありました。

470 こんな長い鎖に繋がれたランプでした。

実際には、このランプのできる前にガリレオは法則を見つけたようなのです。

でも、こんなランプがあると後世の人には、「ガリレオの振り子の法則」の説明がしやすかったのでしょうね。

いずれにせよ、ガリレオはピサの大学時代に医学の勉強を諦め、数学や幾何学、天文学を学んだわけですが、こうして現在まで彼の功績と彼の名が残っている事を考えると、本当に良い選択をしたのでしょうね。

「好きこそものの上手なれ」とは言いますが、

(好きなものは上手なものだ)

例えばモーツァルトも、作曲に対して努力はしたと思いますが、恐らく「苦労した」記憶は無かったのではないでしょうか。

彼の人生は、音楽そのものでしたから。

そして、ガリレオも天文に思いを馳せた時は、悩みなど無かったはず。好奇心に後押しされ、生活の中で、いつも天文の事を考えられるほど、この分野が好きな事だったのだと思います。

天賦の才能を持つのは必要ですが、その後に絶え間ない努力をして初めて、後世に残せる様な業績を成し遂げられるのでしょうね。

ガリレオ・ガリレイの生まれ育ったピサを訪れて、僕が得た教訓でした。

僕もやっぱりマニアというか、オタクというか、ハイテクのレーザー治療器が本当に好きなので、知識を求めたり得ることについて「苦労」はありませんし、こうして海外にほぼ毎月出かけてまで、最新の知識や手技を追求してしまうんだろうなぁと思います。

好きな事に関すると、好奇心と知識欲が、他の欲求に勝ってしまうんですよね。

医学の中でも、特に光医学。

このレーザー・光治療器の分野のように、常に進化している医療に関しては、リアルタイムの知識をのせた書物はありません。

研究の成果が専門誌に論文として載るのも最低でも半年から一年後。

医学の教科書に載るのは論文が出てから5年から10年後の話です。

顔見知りになっていて、ある程度本音を語り合える海外のドクターや研究者と、実際にディスカッションして最新情報を情報交換しておかないと知り得無いですから貴重なものなんですよね。

話が逸れてしまいましたね。

バスと電車を乗り継いで、ピサからフィレンツェに帰った時は、もう日が暮れていました。

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2009年11月21日 (土)

サンタ・クローチェ教会

399サンタ・クローチェ教会は、フィレンツェの街の観光地からはちょっと歩きますので、あまり日本人は見かけなかったのですが、この教会は、ミケランジェロやロッシーニなどの多くの文化人の墓があることで知られています。

403ちょっと離れた場所にあるわりには、多くの人が訪れているのです。

402 中に入ると、内部はとても広く、さらに庭や美術館もある施設でした。

407 どんな人のお墓があるのかと文字を読んでいると

16番目にガリレオ・ガリレイと書いてあるではないですか!!

408 お墓を見つけました。

天文学者として名を残しているガリレイですが、もともとはピサ大学の医学生だったのです。

医学を勉強するうちに、数学や天文学に興味をもって、ピサ大学を自主退学したのです。

このお墓を見ているうちに、

「そうだピサに行ってみよう!」

と思いつきました。

確か、フィレンチェからピサまでは電車で1時間ほど。

見どころも斜塔の近辺に固まっていたので、4時間もあれば往復できるはずです。

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憧れの絵に会いに橋を渡ります

390さて、イタリア出張記に戻りましょう。

限られた時間の中、何を優先するか考えます。

395 フィレンツェの街はとても小さく、観光地はほぼ歩いて回れる所に集約されるのですが、アルノ川を渡った先にも観光地がいくつかあります。

392 そのうちのひとつ、ピッティ宮の中にあるパラティーナ美術館に、僕がどうしても見たかったラファエロの絵が一つあったのです。

もう足がクタクタで、しかも豆ができてしまって歩くのもつらかったのですが、とにかくその絵を見たいがため、なんとかたどり着きました。

393 宮殿の中はきれいな噴水がありますが、そのまま二階にあるパラティーナ美術館に向かいます。

この場所には11点のラファエロの作品があるのです。

さて、一つ一つ展示室を見てゆきます。

003そして、とうとう見つけましたよ。

ラファエロ作の「小椅子の聖母」

有名な絵ですので、この顔に見覚えがある人もいるのではないでしょうか?

とても小さい絵でした。

照明が暗くて、もう少し明るいところで見たかったですね。

この絵の目の前にも、写真をガードする女性がいて、カメラを向けたイタリア人女性がすごい剣幕で怒られていました(苦笑)。

しょうがないので、これも絵葉書の複写です。

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今日の僕 20091121

20091121ふらっと本屋に寄って買ってしまいました。

この雑誌「一個人」12月号

西洋名画を読み解くという表題でした。

値段を考えると、内容は本当に充実していましたよ。

レオナルド・ダ・ヴィビンチの絵の解説もとてもよかったですが、

僕が気に入ったのは

「キリストの生涯を知れば西洋絵画は100倍面白い」

という特集記事。

この記事を書いた記者さんの優れた着眼点は、西洋絵画をみるのに必要な知識として、旧約聖書と新約聖書の絵になりやすい場面をピックアップして、表にまとめたところ。

旧約聖書では、天地創造、アダムとイブの物語、楽園からの追放、カインとアベル、バベルの塔、イサクの犠牲、モーゼの十戒など。

新約聖書では、キリストの受胎告知、東方三博士の礼拝、最後の晩餐、そして磔の場面。さらに死せるキリストや復活したキリスト、最後の審判などの絵になりやすい場面が並んで、様々な画家の代表作品が紹介されているのです。

今年7月からほぼ毎月ヨーロッパ開催のレーザー学会に参加しています。ロシア、フランス、モナコ、イギリス、ドイツ、チェコ、イタリア、そしてヴァチカン・・・と、その土地の多くの美術館を回りましたので、実際に見た絵も多かったのですが、僕も知らなかった事が沢山載っていて大変勉強になりました。

保存版特集と書かれていますが、楽天ブックスでは既に品切れでした。一冊あると、美術館巡りが楽しくなると思いますよ。

お奨めします!

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2009年11月20日 (金)

ニキビ跡に悩む痛みに強い人

イタリア出張記の途中ですが、クリニックの話もまたすこし書いておきましょうね。

先日、診療終了後。クリニックFのスタッフがふたり

「私たちにもサーマクールを打ってください」

と、お小遣いを貯めて(笑)やってきました。

サーマクールは高額機器の代名詞のようになっていますが、一度打つと効果が持続するため長い眼で見ると安上がりでもあるのです。

レーザークリニックはどこでも

「スタッフに人気のある機械が本当に良い機械」

という暗黙の了解があります。毎日施術前後の患者さんを間近で見ているわけですから、考えてみれば当然ですよね。

さて、この日僕はこのスタッフふたり続けて照射をしたのですが、おもしろいことがありました。

年齢も近いふたり。全く同じパワーで照射を始めます。一方は照射の度に痛みに顔を歪めて、見ていても可哀想なくらい。本当は首も打って欲しかったようですが、痛みに耐えられず断念することになりました。

このスタッフがサーマクールに求めているのは、たるみの改善だけでなく、アトピー性皮膚炎の改善もあります。

アトピー性皮膚炎の場合、掻き壊しにより皮膚全体が萎んだ風船のようになってハリ感が失われ、乾燥と共に全体的に皮膚の色が1~2トーン沈んだようなくすみが目立つ場合が多いのですが、サーマクールによってハリ感と保水力が徐々に戻り、それに伴い皮膚の色味も少しずつトーンが上がってくるのです。

もちろんサーマクールを照射する前に「皮膚の基礎工事」は必要ですが、ある程度土台を作ってしまえば、その後は年に1~2度のサーマクール照射と、日々のメンテナンスはスキンケアとビタミン導入で、確実に良い状態を維持していくことが可能となります。

同じ効果を求められるレーザー機器はなかなかなく、そのためサーマクールは大人のアトピーを患う患者さんから圧倒的な支持を得ているのです。

「ダーティネック」と呼ばれる首の黒ずみも、顔よりは時間がかかってはしまいますが徐々に良くなっていきます。(顔と首は代謝が違うのです)

アトピースタッフの照射を終えて、次はもうひとりのスタッフに照射を行います。

こちらは10代の頃からニキビとニキビ跡がずっとコンプレックスだった、というスタッフ。

クリニックFで、フラクセルやeCO2の照射を行い、ずいぶん凸凹が目立たなくなり喜んでいます。

全く同じパワーで照射を始めたところ、こちらのスタッフは多少の刺激は感じるものの、痛みの方は

「へっちゃら」

というかんじのようです。

パワーを徐々に上げていっても、大丈夫な様子。

高いパワーの方がより効果を狙える

・・・という側面は否定できないため、横で先ほどのアトピースタッフが羨ましそうにその様子を見ながら介助しています。

おもしろいことに、ニキビやニキビ跡で悩まれている患者さんは、サーマクールに限らずどのレーザーでも、「機器の痛みを感じづらい」という特徴があるようです。

これは逆に言うと「痛みを感じづらい」から、ニキビが悪化し、ニキビ跡になってしまう・・・ということもあるのでしょうか。

すこし似ているかもしれませんが、こうしてクリニックで日々皮膚の悩みを伺っていると、同じ疾患の悩みを持つ人には、性格の傾向にも似たようなところがあることに気付くことがあります。

特にニキビに悩む患者さんと、アトピーに悩む患者さんは、性格的に逆のベクトルを持っていることが多いように思うのです。アトピーは自己に向かうエネルギー。にきびは他者に向かうエネルギー。

皮膚を見れば、性格診断も出来るようにその内なるかもしれませんね(笑)。

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フィレンツェのウフィツィ美術館

382 フィレンツェの美術館と言えば、やはりウフィツィ美術館ですよね。

メディチ家の財力を結集して集められた美術品がここに残っているともいえます。

僕はこの美術館で見たかったかった絵はボッティチェリの

001 「ヴィーナスの誕生」と、

002 「プリマヴェーラ(春)」

でした。

描かれた人たちが、ちょうど等身大になるような、どちらもかなり大きな作品でしたよ。

384 この美術館も写真撮影は禁止でした。

回廊からヴェッキオ宮を見たところです。

385 反対の窓から、そしてアルノ川がよく見えます。

個人的には彫刻家として名高いミケランジェロが唯一残した油絵「聖家族」が記憶に残りました。

386写真が撮れない代わりに写真集はいかが?

というかんじで、たくさん置いてありました(笑)。

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フィレンツェ

373 フィレンツェの街は歩行者天国になっています。

304ヴェッキオ宮近くのホテルまで、駅からちょうど1kmぐらい。

トランクを押しながらてくてく歩いて行きました。

途中、花の聖母教会ドゥオーモなどが見えます。

気分が高まりますね。

307中はこんな感じでした。

306こちらはドゥオーモの前にある礼拝堂。

309 天井画が素晴らしかったです。

ダンテも洗礼を受けた場所だそうですが、中でも有名なものは、ミケランジェロが「天国の扉」と名付けたギベルティによる、この礼拝堂の東の門。

314 モーゼの十戒や、イサクの犠牲など、旧約聖書の10場面が彫られ、金色に輝いています。

ひとりで立ち止まって見ているとたくさんの旅行者に、写真を撮ってくれと頼まれました。

でも、実はこの扉はレプリカなんです。しかも、日本人の寄付によるものだそうですよ。素晴らしいことですね。

本物の扉は、ドゥオーモ付属美術館の中に展示してありましたので、しっかり見てきましたよ。

378

フィレンツェの中心と言われているこの礼拝堂、ドゥオーモ、ジョットの鐘楼が見える場所ですが、とにかくいたるところに観光客がいるのです。

僕もお願いして一枚写真を撮ってもらいました。

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2009年11月19日 (木)

ユーロスターでフィレンツェへ

287 翌朝、ミラノからフィレンツェに電車で移動をします。

288 ヨーロッパの駅は皆とてもデザインが素晴らしいですよね。ミラノ駅はこんなにきれいなのです。

291ユーロスターで約2時間の旅。

294 綺麗な山並みが見えます。

296フィレンツェに到着です。思ったよりもはるかに近いんでびっくりしました。

50ユーロぐらいでした。

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バレエ「ジぜル」、帰り道の月

さて、美術館を巡っているうちに夜も更けてきました。

226 スカラ座に向かいます。

230 この日は「ジゼル」の初日。

以前バレエをやっていたのかな?

と思わせるスタイルと姿勢の良い女性がたくさんいましたよ。

231 初めて行く劇場は、中がどんななのか、とてもわくわくします。

232 赤い色が映えていますね。

234 舞台は統一されています。

237 スカラ座のエンブレムです。

241 イタリアっぽくて、なんともいえない雰囲気ですよね。

236 シャンデリアもしゃれています。

240僕がこの歌劇場を気に入ったのは、照明が落ちるこの瞬間です。

一斉に照明が落ちるのではなくて、客席照明だけがしばらくの間残ってから余韻をもって消えてゆくのです。

256 バレエ「ジぜル」

「白鳥の湖」と同じぐらいの頻度で公演される最も有名なバレエの一つですよね。

ジゼルは突然村にやってきた高貴な雰囲気を持つロイスと恋仲になります。

ジゼルに想いを寄せる森番のヒラリオンは、ロイスが何か隠し事持っているのではないかと疑っていました。

ロイスの正体は貴族の青年アルブレヒトという人物。元々婚約者がいたのですが、ジゼルと恋に落ちてしまったのです。

狩の途中で村に立ち寄った貴族の一行の中に、偶然にも彼の婚約者がいたためこの秘密は二人の女性に露見します。

元々心臓の弱かったジゼルはショックのあまり正気を失いそのまま息を引き取ってしまいます。

ここで第一幕が落ちます。

244 さて、第二幕です。

この地方にはお嫁に行く前に亡くなった娘はウィリと呼ばれる精霊になるという言い伝えがあります。

ヒラリオンとアルブレヒトはジゼルを失った悲しみのあまり、ジゼルのお墓参りに行きますが、真夜中にヒラリオンはウィリ達に捕まり、踊らされ続けてついに死んでしまいます。

後悔に苛まれるアルブレヒトも同じようにウィリ達に捕まりますが、新参のウィリになったジゼルの懇願もあって踊る時間を引き延ばす事ができます。

アルブレヒトが夜通し踊り続けて、ついに力つき、ちょうど倒れたところで夜が明けます。

日の出とともに魔力を失うウィリ達が朝闇の中に去ってゆき、バレエは終わります。

262 初日でしたので、スタンディングオベーションもすごかったですよ。

もうひとつ、このスカラ座で感動したことが帰り道です。

263 スカラ座を出ると、空を見上げると満月でした。

264 スカラ座の目の前からヴィットーリオ・エマヌエーレ二世のガッレリアを歩いて帰ると、ドゥオーモに出るのですが、

これがまた高揚した心に、とても心地よいのです。

217 目の前に忽然と現れる夜のドゥオーモ

215 そして振り返るとガレッリアの正門が見えます。

272 満月と合わせて、思い出に残る写真が撮れましたよ。

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美術館で写真撮影が禁止される理由

ミラノには数多くの美術館があります。ただし、写真を撮ろうとすると厳重に注意されます。

油絵に対してフラッシュ撮影することを禁じるのは世界的な常識だと思いますが、フラッシュなしの撮影は、ヨーロッパやアメリカでは認められることが多いのです。

パリのルーブル美術館では、以前は禁止されていました。僕も10年前に行ったとき写真を撮ろうとして注意されたことを覚えています。しかし、昨年のEADVで行ったときは、写真については黙認、ということになったのだとか。

注意する人たちの声が嗄れてしまったので、もう諦めた、ということのようです。

イタリアはまだ頑張るようで(笑)この日もあちこちで皆注意されていましたよ(笑)。

これもイタリアの流儀ということでしょうか。

文化財が貴重な収入源になっている国なので、仕方がないのかもしれませんね。

123 こちらはブレラ美術館。唯一写真撮影が可能だったところです。

子供達が集まって絵を描いていましたよ。

世界の文化財の40%があるという、このイタリアで幼少期を過ごせるなんて、うらやましい環境ですよね。

この美術館にはラファエロの名作「聖母マリアの結婚」という絵があったはずなのですが、ちょうど今回は貸し出し中で見ることができませんでした。

残念。

もうひとつ見たかった、マンティーニャの「死せるキリスト」の絵は見ることができました。素晴らしい絵で、一度見たら忘れないと思いますが、ちょっとどぎつい絵なので、ブログでは載せないようにしますね。

アンブロジアーナ絵画館にも行きました。

Caravaggio カラヴァッジョの果物籠は、確か中学校の美術の教科書に載っていた作品。当時の国王(名前は失念しました)が、これ以上優れた果物の絵は存在しないと明言した作品です。

実際に見てみると、果物の質感や枯れ葉の枯れ具合など、本当に見事ですね。

Photoそして、レオナルド・ダ・ヴィンチの「音楽家の肖像」がありました。

二作品とも写真集の複写をあげておきますね。

厳重な監視のもと、ガラスの中に保管されていましたよ。

172 もうひとつ、ミラノにはボルディ・ペッツォーリ美術館という、ミラノの上流階級の邸宅を利用して個人のコレクションを展示している美術館があるのです。

これはイタリアの美術雑誌でもイタリア人が最も好きな美術館に名前が挙がる場所。

この場所にも行ったのですが、残念ながら火曜日はお休みだったのです。

時間的に、今回の旅で訪れるのは無理でした。

残念。

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2009年11月18日 (水)

女性の「美」、男性の「清」

もうしばらくブログ上は11月初旬に訪れたイタリア出張記が続きますが、実際の僕は東京にいます。すでに年末年始に日本に一時帰国される海外在住の方や、東京においでになる地方在住の方から御予約を頂戴し、12月末と1月初旬は御予約も埋まりつつありますが、今のところ12月は出張が入らない筈なので(笑)、年末に向けて治療を御検討中の方はクリニックまで御連絡ください。

クリニックの方は、最近また男性の患者さんが増えた気がします。特に20代、30代のニキビ跡や毛穴、シミに悩んでおられる患者さん。

カウンセリングでお話を伺うと、ニキビ跡や毛穴、脂性肌に関する悩みは深刻で、ずっと悩まれてきた方が多いんですよね。

顔立ちがモデルさんのように整っている、いわゆる「イケメン」もかなりいらして、

「時代は変わったな」

と、つくづく思いますね。

女性にとって顔の皮膚が「美」と「若さ」を表現するのに欠かせないものだとしたら、男性にとってそれは「清」・・・「清潔感」「清々しさ」を表現するために必要不可欠であることは間違いないでしょう。

凹凸や赤み、ごわごわ感やぶつぶつ感、皮脂でてらてらと光っていたり、逆にがさがさと乾燥している皮膚では「清」の印象を残すことはできません。

レーザー治療はこうした「肌質の改善」には、この上なく効果的です。またなぜ効果があるのか、機械の理論もしっかりしているので、男性にとってはわかりやすいのかもしれませんね。

男性の患者さんは真面目な方も多いので、治療も日々のスキンケアも僕が言った事をきちんと守ってくださる。皆さんどんどん綺麗になっていきますよ。

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ミラノ スカラ座

さて、ヴィットリオ・エマヌエーレ二世のガレッリアをドゥオーモと反対方向に抜けると、そこには世界的に有名なオペラの殿堂であるスカラ座があります。

103劇場が建設されたのは、1778年。ヴェルディの「オテロ」や「ファルスタフ」、プッチーニの「蝶々夫人」「トゥーランドット」などが初演された場所としても知られています。

指揮者のアルトゥーロ・トスカニーニが1898年よりこの地でタクトを振るようになってから、ここは世界的に重要な音楽の殿堂になりました。

近年では、クラウディオ•アバドの後任として1986年に音楽監督に着いたリッカルド•ムーティが2005年に退任するまで約20年間、スカラ座を盛り上げました。

105 世界的に有名な場所だけあって、観光客が写真を撮っていますね。

107 このスカラ座の前をスカラ広場というのですが、ここにはレオナルド・ダ・ビンチの像が立っています。

僕がミラノに立ち寄った目的はもうひとつ。

110 このスカラ座でのバレエ「ジぜル」の鑑賞です。

写真の中に反射して、僕が写りこんでいますね(笑)。

108 夜までまだ時間があります。

それまで、美術館でも回ることにしましょうか。

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ミラノ、モンテ・ナポレオーネ

Cimg0446 最後の晩餐の余韻にひたりながら、初めて来たミラノの街を散策します。

051有名なヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガレリアです。

このガレリアを通り抜けると、ドゥオーモ前に出るのです。

092 ドゥオーモ広場には人がたくさん集まっています。

179広場にはいわゆるパフォーマーもたくさんいましたね。

059 ドゥオーモの中にも入りました。

074 さらに、ドゥオーモの屋上にも上がれるのです。僕は裏手から階段で上りました。

080 素晴らしい眺望。

079 Cimg0451 遠くにアルプスの山々が見えるのです。

078 屋上に到着しました。

084 ミラノの中心であるドゥオーモ広場もよく見渡せます。

164 こちらはミラノの高級商店街であるモンテ・ナポレオーネ通りです。

高級ブランドのフラッグシップ店が並ぶところ。

166僕はあまり買い物に興味がないのですが、見物方々歩いてみました。

この通りには、車の植木鉢のモニュメントがあって、ブティックよりもこちらに気を取られてしまいましたよ(笑)。

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ウィトルウィウス的人体図

Da_vinci_vitruve_luc_viatourさて、「最後の晩餐」を描いたレオナルド・ダ・ヴィンチは、医学とも非常に大きな関わりを持っていました。

ダ・ヴィンチが人体を描く上で解剖学に興味を持ち、30体以上の解剖に実際に立ち会い、多くのデッサンを残した事はよく知られていますよね。

世界で初めて子宮と胎児をつなぐ「胎盤」のデッサンを描いたのはダ・ヴィンチだと言われています。

有名なものとして、古代ローマ時代の建築家であるウィトルウィウスの著作を元に、ダ・ヴィンチが描いたこのデッサン。

写真はWikipediaからお借りしましたが、教科書や書籍などで誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

ちなみに原本は、ヴェネチアのアカデミア美術館に保管されているのだそうです。

この図は、人が手を広げた時は正方形に内接し(身長と手を広げた長さはほぼ一定である)、足を広げた時は臍(へそ)を中心とした真円に内接する事を表したもの。

正方形は物質的な存在を象徴し、真円は精神的な存在を象徴するが、それらの図形と人体を関連づけたいと描かれたものだという説があります。

このウィトルウィウス的人体図は、現在の病院においては医療に関わる職業と関連づけられている場合が多く、アメリカやドイツなどでは、この図が医療の専門技術のシンボルになっています。

Cimg0571 いずれにしても、この「ウィトルウィウス的人体図」はほぼ完璧な人体比率を表していて、普遍的に共感を得るのでしょう。

現在でも様々なところで使用されていますよね。

ちなみに今回滞在した、イタリアの1ユーロ硬貨にも採用されていましたよ。

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2009年11月17日 (火)

ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」

028 1495年から1497年にかけて描かれた「最後の晩餐」は、当時主流であったフレスコ画の画法でなく、テンペラ画の画法で描かれています。

テンペラ画法は、絵具が乾けばすぐに塗り重ねる事ができて、修正がしやすいので描き手にとっては有利な反面、当然傷みやすい。

この作品は、レオナルド・ダ・ヴィンチ生存中からすでに彼の作品の中で最も優れたものに違いないと評判でした。

けれど作成から20年も経たない内に早くも劣化を始めたと当時の記録にあるそうです。

これまでも、この絵に対し修繕作業は大きなもので5回も行われているそうです。1977年から1999年には、大規模な洗浄修復作業が行われました。

そう、絵画「最後の晩餐」を見るのに事前予約が必要なのも、すべてはこの「痛みやすさ」に由来しているのです。

絵の保存状態を保つため、という理由で会場は入場制限がかけられています。

「室内の二酸化炭素を減らすために」

という理由で、1回1組最大25人、15分の入替制で絵を公開しているのです。

それならば、単に換気をすれば良いのでは?とも思いましたが、まあ、それはさておき(笑)。

1時間に100人。これが長い日だと1日9時間公開されますので、1日900人がこの絵を見ることができる、ということになります。

その限られた枠に対して世界中から観光客が来るわけですから、当然プレミアムもつきますし、最低でも予約が必要というわけですね。

世界的ベストセラーになったダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」によってこの「最後の晩餐」は知名度がさらに上がり、世界中から人が殺到する状態に。

034実際会場に入るときは、こんな自動扉の前で、カメラ付きで監視されながらグループで順番を待ちます。

036最後の晩餐、本物を前にすると、近くから見るときと、遠くから見るときとでは、印象ががらっと変わるのです。

近くから見るときはそれぞれの人物の細かい描写が気になりますが、遠くから見ると、視点が変わるんですよ。

遠近法により、絵に描かれたすべての直線がイエスの頭部に集約し、

「この中に一人、私を裏切るものがいる。」

とイエスが発言したその瞬間に、描かれているすべての人物の意識がイエスに向かった

その瞬間のシーンが、まるでその場にいたかのようにわかるのです。

考えてみれば、横一直線に並ぶテーブルで食事をするのは不自然ですし、この構図も含めてすべてダ・ヴィンチがその頭脳で構築していったということになりますよね。

僕は、正直ダ・ヴィンチの作品の中では最後の晩餐よりも好きなものが個人的にはありますし、日本から現地の何倍もの価格でチケットを購入してしまっている人がいることを見聞きしたり、入場制限の意味についてなど、科学者としても一個人としてもこの仕組みには首を傾げたくなる部分もあるのですが(笑)、この構図については実際に見て

うーん、すごい

と感動しましたよ。

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ドゥオーモ、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

早朝に目が覚めます。

散歩がてら街を歩いていくと、15分ぐらいでミラノの中心部につきます。

ゴシック建築の傑作といわれるドゥオーモが見えてきました。

ドゥオーモは、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂、そして今年訪問したロンドンのセントポール大聖堂に次ぐ世界3番目の広さをもつ聖堂だと聞きました。020

今回、学会が開催されるフィレンツェに入る前にミラノで一日滞在できる日を作りました。

ミラノでどうしても見たいものがふたつあったのです。

ひとつは、世界遺産 レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」。

通常、世界遺産は建築物などの不動産に対してのみ与えられ、絵画には与えられないらしいのです。ただ、この絵は聖堂の壁に描かれているため、その教会とともに世界遺産に認定されたのだそうです。

026_2 日本からチケットを予約していったので、予約時間の9時ちょうどにサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会に向かいます。

ドゥオーモからは歩くとちょっと距離があります。

しばらくすると教会が見えてきましたよ。

028 そしてこちらがファサード。

032 いよいよこの横の事務所に行って、チケットを受け取ります。

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イタリア・フィレンツェへ

ドイツ・ベルリンで開催されたEADVヨーロッパ皮膚科学会から帰国して3週間後、JMEC社のトータル・アンチ・エイジングセミナーで講演をさせていただいた翌日から、今度はイタリアに行ってきました。

11月2日から9日まで、イタリアはフィレンツェで行われた学会「レーザー・フローレンス2009」でフラクショナルーザーについての発表をしてきたのです。

成田からミラノに飛び、電車を使ってフィレンツェに移動。ローマから帰国するルートをとることにしました。

002今回使用した航空会社はJALでした。

成田からミラノまで約12時間。今年出張した今までの学会と違って当日乗り換えがないのは楽でした。003

ミラノ・マルペンサにつきましたがあいにくの雨。

ミラノは初めての訪問なので、土地勘も全くありません。

とにかくホテルに移動しようと思い、空港バスと地下鉄を乗り継いで、なんとか宿泊予定だったロイドホテルにたどり着きました。

012あたりは真っ暗。

ひとまず眠りました。

011翌朝。

見事に晴れています。

ミラノの街並みが綺麗に見えました。

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2009年11月16日 (月)

第三世代のサーマクール 「サーマクールCPT」 登場

Cpt

「サーマクール」と言えば、肌のたるみを施術するエキスパートとして世界中に知れている名前です。

2003年の初代サーマクールの登場から、

2007年の二代目サーマクールである

「サーマクールNXT」

が登場し、操作性が飛躍的に上がりましたが、いよいよそのサーマクールに上位機種が出ることとなりました。

Thermagecpt第三世代のサーマクール「サーマクールCPT」です。

ちなみにCPTは

Comfort (快適な)

Pulse (パルス照射)

Technology (技術)

の略だそうです。

Cpt_2この 「サーマクールCPT」 は、今年の8月にバミューダで行われたコントロバーシーズ&カンバセーションズという学会で、世界で初めて概要が発表されました。

僕も毎年出席している学会ですが、ハーバード大学の光医学研究所の卒業生が集まる同窓会のような学会。医師の本音が聞けるのです。

003 このサーマクールCPTですが、痛みを減少させるために、ハンドピースにバイブレーターが付き、クーリングパルス(上図の青パルス)を挿入することによる、エネルギー・デリバリーの新しいアルゴリズムが開発されました。

002 さらに新機種は従来のシステムに比べると、照射部位に対して「より均一な加温」と「高温」が長く持続するようになっています。

「より痛みが弱く、より効果が上がる」 CPTシステムは、専用の使い捨てチップを使用します。

入れ替わりの早いレーザー・光機器の中、2003年から一貫して「たるみ」治療に使用されてきたサーマクール。

通常であれば、より良い機器が開発されると、どんな機器も名前が廃れてしまいます。

逆にいえば、「たるみ治療」に関しては、これを超える機器は開発されなかったのだといえます。

僕は8月にCPTの発表があった時から、導入を決めていました。

日本でのデリバリーはもう少し遅いのではないかといわれていたのですが、

いよいよ今月、日本デビューすることとなり、今日クリニックFでも日本に最初に入るロットの契約を済ませました。

到着が楽しみです。またブログでご紹介しますね。

→11月26日に日本導入の1号機がクリニックFに導入され、11月27日より治療が可能になりました。

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2009年11月15日 (日)

ベルリン経由で帰国

さて、前日のトゥーランドットの余韻も冷めやらぬうちに、仮眠をとって早朝5時にホテルを出ました。

400kmの道のりを走ってベルリンに向かい、13時55分のベルリン発の飛行機に乗らなければならないのです。

気温はちょうど摂氏0度。

030

イヤな予感はしていたのですが、見事的中。チェコからドイツに抜ける山道は、御覧のように真っ白な雪になってしまいました。

032_2それはほとんど吹雪に近い状況。

スタッドレスタイヤのついてないレンタカーなので、ひやひやしながら時速40kmぐらいで運転します。

雪が深くなってしまい、いよいよ高速道路が閉鎖され、一般道に降りたものの、大渋滞になりました。

このままだと確実に飛行機に乗り遅れてしまう・・・どうしよう・・・。

もう真っ青です。

レンタカーをどこかで乗り捨てて、鉄道の特急を探そうかと思っていた時

036 僕の数台先に一台の除雪車が入り、路面が除雪されたのです。

これなら、なんとか間に合うか!?

峠を越えて、ドイツに入った時には雨に変わり、アウトバーンでは飛ばすことができたので飛行機の時間には間に合いました。

もうほっとしましたよ(笑)。

043 今回はスター・アライアンスグループですので、ベルリン空港からはスカンジナビアエアラインを選択しました。

045_2 デンマークのコペンハーゲン経由です。

048途中、とてもきれいな空の写真が撮れました。

雲が二層に見えるのがわかりますか?

054_2 デンマークは晴れでしたが、飛行機にディレイがあったため、空港ではラウンジに行く時間もなかったです。

061 いよいよ帰国です。

10月7日から14日までの、わずか一週間ほどのドイツ・チェコ滞在だったのですが、EADV欧州皮膚科学会では有意義な発表も行うことができましたし、「音楽の旅」(笑)も満喫しましたし、素晴らしい体験ができました。

062 新国際学会周遊記、ドイツ・チェコ学会記はこれでおしまいです。

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オペラ「トゥーランドット」

プラハの最終日。プッチーニが最後に作曲したオペラ。

010_2「トゥーランドット」を観劇しました。

トゥーランドットはフィギュアスケートの荒川静香さんが、オリンピックで金メダルをとった時のフリーで使われたアリア「誰も寝てはならぬ」の印象が強いですよね。

021 このオペラの舞台は中国の北京です。伝説の時代の紫禁城にいた皇帝の娘トゥーランドット。氷の様な心を持った女性です。

彼女の美貌は世に知れ渡っていました。

王族の血を引く男達には彼女に求婚する権利があるのですが、結婚するためには彼女から出される三つの「謎」に答えなければなりません。

しかも、答えられないと結婚ができない、というだけでなく、なんと首を切られてしまうのです。

すでに何人もの王子達が紫禁城で命を落としています。

オペラはペルシャの王子が処刑される幕から始まります。

トゥーランドットの顔を見て、その美しさに一目惚れした主人公カラフ。かつてダッタン王であった父親ティムールや、その付き人で女奴隷のリューの猛反対を振り切る形で、求婚者として名乗りを上げます。

カラフが謎解きに挑戦するため、その合図である銅鑼を3回打ち鳴らし、第一幕で一度も声を出さなかったトゥーランドットが冷たい視線でそれを見守っているところで、第一幕は終了。幕間となります。

013_2 バーに向かいます。

012

シャンパンを一杯。

016

賑やかです。

014そろそろ席に戻らなければなりません。

さて、オペラは二幕目です。

カラフは見事、三つの難題を解く事に彼は成功するのですが、事もあろうにトゥーランドットが

「身も知らぬ男の嫁になるのは嫌だ」

と言い出すのです・・・。

いやがる女性を嫁に迎えても意味が無い、とカラフがひとつの謎解きを提案します。

「夜明けまでに、現在伏せている自分の名前(カラフ)を答えてほしい。私の名前が分かったら、すすんで首を切られよう」というもの。

ここで二幕目が落ちます。

トゥーランドットは北京中に、「今夜は誰も寝てはならぬ。求婚者の名を解き明かすことができなかったら住民をみな死刑とする。」

と通達を出し、カラフの名前を知るものを町中から探し出そうとします。

密かにカラフに恋心を抱いていたリューは

カラフの名前を知るものは私しかいない

と名乗り出ます。

そして、トゥーランドットの目の前に立たされると、トゥーランドットの髪の櫛を引き抜き、その櫛でカラフのために自殺をしてしまうのです。

トゥーランドットは、ここで「愛」の本質を知ります。

リューの自己犠牲にもかかわらず、カラフはというと、夜明け前に嫌がるトゥーランドットにキスをして、

「私の名はカラフだ」

と自らの名前を語ってしまいます。

夜明けとともに、トゥーランドットは民衆の前で

「夜明け前に、この人物の名前が判明した。」

と言い出すのです。会場は緊張に包まれます。

しかしリューの献身的な愛を目の当たりにしたトゥーランドットの氷の様な心は解け、彼女はこう続けます。

「男の名前は“愛”である」

と。

カラフとトゥーランドットは結ばれることとなり、感動のまま幕が落ちます。

023 この中国を舞台にした「トゥーランドット」は、日本を舞台とした「蝶々夫人(マダム・バタフライ)」とカルフォルニアを舞台とした「西部の女」と合わせて、プッチーニの“御当地三大オペラ”として知られています。

イタリアオペラのヴェルディの正式な後継者となったプッチーニは、このトゥーランドットを作曲する時に中国の曲をかなり勉強したらしく、随所に中国風の歌が挿入されています。

衣装も中国風。見た目も楽しかったですよ。

そうそう、実はこのトゥーランドットには荒川静香さん以外に、日本人にとってとてもなじみ深い関連があるのです。ご存知ですか?

それは「ピンポンパン」。

1966年から1982年にかけてフジテレビで放映された子供向けの番組。番組の最後、「おもちゃに行こう!」というシーンが子供の時に本当にうらやましかったっけ。

026_2 トゥーランドットには狂言回しとして、中国の三人の大臣が舞台に出てきます。

このスタンディングオベーションの写真で、中央から左に向かって三人がその大臣たち。

彼ら3人の名前がピン ポン パン Ping Pong Pang なのです。

国民的子供番組の名前の由来は、トゥーランドットにあったのですね。

032 素晴らしい夜が続きました。

明日の早朝に車でベルリンに向かい帰国します。

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人形劇の街プラハ

201さて、ドイツ・チェコ出張記を仕上げてしまいましょうね。

チェコのプラハは人形劇の街としても名前が売れています。

チェコ国立芸術アカデミーでは人形劇の学部も存在し、操り人形師を専門の職業にしている人も多いのだそうです。

166街を歩くと、マリオネットを売るお店がたくさん。

「ドンジョバンニ」や「フィガロの結婚」などの劇場も多くありました。

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2009年11月14日 (土)

昨日の僕 20091114

20091114i-phoneの中にある、この画像わかりますか?

南仏~ロンドン出張記で、僕がスリラー・ライブを見に行ったことを読んでくださった方から何人も、

「現在公開中の映画・マイケル・ジャクソンの“THIS IS IT”が素晴らしかったから、絶対観た方がいい」

とメールを頂きました。

昨日、スタッフに聞いてみたら、既に見ている人が二人。どちらも大絶賛するではないですか。もう感動して涙なしには観ることができなかった、と言うのです。

ひとりは元レコード会社出身なのですが、六本木ヒルズで一度観た後、あまりに良かったので、後日新宿バルト9で観なおしたのだそうです。

「バルト9は音響が良いと聞いたので」

とのこと。

僕はこのバルト9というエンタテイメント・コンプレックスに行ったことがなかったのですが、聞けば場所は四谷のクリニックからすぐの新宿3丁目。駅からもすぐ、と聞いて、どうしてもそこでこの映画を観たくなってしまい、診療前に朝9時から行ってきました。 

Thisisit結論から言いましょう。

ほんとうに素晴らしかったです。まだ観てない方はぜひ観て下さい。

僕は2時間弱本当に我を忘れて惹きこまれてしまい、それは他のお客さんも同じだったようで、映画が終わる時には、自然と観客から拍手が湧き起こりました。

映像で見るマイケルは、これが最後の姿なのでしょう。

この映画は、マイケル・ジャクソンのドキュメンタリー。彼が亡くなる直前まで続けていたコンサートのリハーサルの様子が映画では映し出され、それを通してマイケルのプロフェッショナリズム、人柄を見ることが出来ます。

まず、驚くのは彼がやろうとしていたコンサート・ツアーの内容とその規模です。

僕は残念ながら、マイケル・ジャクソンのコンサートに行ったことはありません。見たことがあるのは「ライブ・イン・ブカレスト」などの古いライブDVDのみ。それでも、今回のライブが実現していたら、コンピュータグラフィックや、ハリウッドの特殊変装技術などの映像技術の向上も加わって、「2D」が「4D」になったと同じぐらい、次元の代わったすごいライブを企画していたことがわかります。

このブログを読んでくださっている方は御存知のように、僕の趣味の一つはオペラやバレエ鑑賞です。現代では「古典」とされていますが、オペラもバレエも初めて上演されたときは、きっとその時代の皆が驚く前衛的で最先端のエンターテイメントだったんだろうな、と思うのです。

文学、音楽、絵画、舞踊。四つの文化を融合させ、その時代で最も進んだ技術でもってアウトプットする。それが時代によってはオペラの形をとり、バレエの形をとり、ミュージカルの形をとる。

今世紀に入って映像の動画が記録できるようになりましたが、この映像技術を組み合わせたのが、マイケルの作り上げたエンターテイメントに代表されるライブであり、それは人類の作り上げた文化の延長線上にあるわけですよね。

人知を超えた世界を揺るがすような作品を数多く残し、さらに奇行の限りをつくし、若くして神に召されて亡くなってしまったマイケルは、モーツァルトになんだか重なるような気がしましたよ。

マイケルが失われてしまったことにより、彼の功績もクラシックになってしまうのだなぁ・・・と考えてしまいました。

そして、映画を通して改めて知ったマイケルのプロとしての姿勢、皆を楽しませることへのこだわり。エンターテイナーとして、ファンが喜び、日常生活を束の間忘れられるものを全力で作り上げる姿には、胸を打たれるものがありました。

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プラハの中心、旧市街広場と天文時計

プラハの中心である旧市街広場は、観光客でいっぱいでした。

126_2こちらはティーン教会。1135年に建設された、2本の柱が特徴的な教会です。

この教会に入った時には讃美歌が流れていて、束の間の良い時間を過ごせました。

127 旧市庁舎には、大きな天文時計があり、これが毎正時になると、仕掛けが動き出すのです。

こちらもすごい人。

147 この広場には屋台も出ていて、盛況です。

旧市庁舎には展望台があり、プラハの街が一望できるので、登ってみました。

156

151レンガ色の屋根に、素晴らしい眺望でした。

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プラハの本屋で村上春樹が

187本屋にも行ってみました。

チェコ出身の芸術家でポピュラーなのは、画家のミュシャ、作曲家のスメタナ、ドヴォルジャークそして、作家のフランツ・カフカあたりでしょうか。

カフカの「変身」は、高校生の時に読みましたが、不思議な物語でしたよね。

本当はミュシャの画集を買おうと思ってきたのですが、残念ながら見つからず。

代わりに見つけたのがこれ。

190誰の本だとおもいます?

チェコ語でしたのでよくわかりませんでしたが、

たぶん「スプートニクの恋人」

と書いてあるのです。

なんと、村上春樹のチェコ語の翻訳本でした。

うーん。すごい!

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2009年11月13日 (金)

チェココルナ

171チェコの通貨は、「チェココルナ」と言います。

4ユーロが100チェココルナという感じ172_2で両替できました。

必要な額だけ両替したので、小額紙幣だけですが、物価は総じて安かったですね。

オペラは一夜7000円ぐらい。

あのグレードのオペラをこの価格で体験できるなんて、嬉しいですよね。

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プラハ城の華麗なステンドグラス

プラハは本当に美しい街です。

173街の美しさを語る上で、欠かせないものが、スメタナの交響詩「我が祖国」で有名なモルダウ川。

172 そしてカレル橋の向こうにそびえたつプラハ城。

067 山の上にあるプラハ城には路面電車でアクセスできます。

091 お城につくと映画「アマデウス」そのものの景色が広がります。

094 衛兵の守る城は、観光客でいっぱいです。

133

この王宮の裏手にまわると聖ヴィート大聖堂が見えてきます。

135_3プラハ城の建設が始まったのは9世紀半ばだそうで、現在の様式になったのは14世紀のカレル4世の治世のときだそう。

099 とても寒い中、凍えながら列に並んで待ちます。

100 このゴシック建築の大聖堂は、プラハの景色の中に、圧倒的な存在感をもたらしています。

102 大聖堂の中に入ると厳かな気持ちにさせられますが、何よりも素晴らしかったのは、この中にある19世紀末から20世紀初頭に造られたステンドグラスでした。

104 何枚か写真を撮ってきましたので、ごらんください。

126 色彩も豊かですよね。

108ミュシャによってデザインされたものもありました。

109ミュシャのやさしい女性のデザインが本当に素晴らしい。

息をのんでしばらく見つめてしまいました。

125_2 ステンドグラスになると、また趣が違うのですね。

110そうそう、ステンドグラスの写真は、カメラの露出がとても難しいのです。

今回たくさんステンドグラスの写真を撮ったので、少し写真がうまくなりましたよ(笑)。

140 お城を出るときに写真を撮りました。

本当に寒い日だったのですが、晴れ晴れとした顔をしていますね。

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2009年11月12日 (木)

プラハ、オペラ「魔笛」

この日プラハに向かったのは、プラハで二晩に渡って二つのオペラを予約していたからなのです。

初日はモーツァルトの「魔笛(マジック・フルート)」。

ドイツの知的階級は、

「子供に最初に見せたいオペラは、“魔笛”だ」

と言うのだそうです。

009 さて、夜の7時にプラハ国立劇場にやってきました。

010 プラハ国立劇場は、元々はドイツ人のために建てられた歌劇場で、1960年代から1970年代にかけて全面的に改修されたそうです

この場所では、モーツァルトの「ドン・ジョバン二」と「皇帝ティトの慈悲」という二つの名作が初演されています。

013 入口には魔笛のポスターがありました。

018

幕が上がるのを、わくわくしながら待ちます。

チェコ共和国には、国全体で人口が1000万人ぐらいしかいません。

東京都の人口よりも少ない国家、ということになりますが、その文化度は非常に高いことで知られています。

チェコの小学校では、午前中の授業が終わると、午後は絵画、楽器演奏、ダンスなどなど全員が何らかの芸術の講義を受けるのだそうです。

僕もそんな小学校に通いたかったなぁ(笑)。

芸術に関して素養を持ち、歴史や文化を理解した上で楽しむには、誰でもある程度の時間と教育が必要だと思うのですが、こういった作業を小学校のうちから行う事で、芸術を理解する人口を圧倒的に増やす。

芸術立国としてのチェコの国家政策は、すばらしいと思いました。

015さて、こちらが舞台を撮った写真です。舞台の上に、字幕の出る画面があるの、わかりますか?

字幕は英語とチェコ語で出てきます。

017オペラの所属団員たち。

034モーツァルトの時代はオペラという概念がありませんでした。

この魔笛も、当時は「ジングシュピール(歌芝居)」という劇の一種。

映画「アマデウス」にも描かれているように、この魔笛は、数々のトラブルを巻き起こした作品でもありました。

このオペラは当時モーツァルトが所属していた“フリーメイソン”という友愛団体の形態をとる秘密結社の秘密を暴いてしまった、と言われています。

フリーメイソンの様々なシンボルや教義に基づく歌詞が設定に使われており、特に「3」という数字へのこだわりが随所に見られます。

0471 王女の3人の侍女がでてきたり、3人のボーイソプラノの童子がでてきたり、同じフレーズが3回繰り返されたり。

3はフリーメイソンにとって特別な数字。

このフリーメイソンの秘密を暴いたためモーツァルトが毒殺されたと、いう意見があるぐらい。

(そうそう、「三人の童子」は本来なら男の子なのですが、今回のプラハ公演では女の子が演じていましたよ。とてもかわいらしかったので、こんな童子もいいなと思いました。)

ここで魔笛のストーリーを簡単におさらいしておきましょう。

舞台は、時代不詳のエジプト。狩り着を着た主人公の美青年タミーノが大蛇に教われ、絶体絶命の危機を、夜の女王の三人の侍女に救われます。

タミーノの美貌と勇気を知った夜の女王が、悪役のザラストロにさらわれた娘パミーナの救出を願います。この時に配下についたのが、夜の女王に遣える鳥刺しのパパゲーノ。

彼はこの舞台で道化の役目をします。

038 この時に身を守るものとして、タミーノには「魔法の笛」が、パパゲーノには「(魔法の)銀の鈴」が与えられました。

こちらが幕間に展示してあった「銀の鈴」です。

劇中、パパゲーノがこの鈴を鳴らすと、暴れている悪役達がおとなしくなってしまうのですが、子どもたちは大喜びでしたね。

025 こちらも幕間に見た楽譜

使い込んでいますね。

026 幕間にもオーケストラのスタッフは、練習を繰り返していました。

ホールには余韻にひたる人たちがたくさんいました。

028 さて、劇の説明に戻ります。

意気揚々パミーナを救いに行くタミーノとパパゲーノ。

しかしながら、悪魔であると考えられていたザラストロは、実はエジプトのイシス神とオリシ神を唱える、極めて多くの信者を持つ聖職者だったのです。

ザラストロに感服したタミーノとパパゲーノは、改心し、彼の指導のもと、修行の旅に出ます。

注意深く観ていないと分かりませんが、ここで悪役と善役が入れ代わるのです。

実は悪役であることが判明した「夜の女王」である母のところに戻ったパミーナは、宿敵のザラストロを殺さないと、親子の縁を切るとまで言われ、ナイフを渡されます。

この時のアリアは、本当に難易度が非常に高く、有名なものですので、誰もが一度は聞いているのではないでしょうか。

結局ザラストロの元で数々の試練に勝ち抜いたタミーノとパパゲーノは、ザラストロの庇護の元、パミーナとパパゲーナという伴侶を得て祝福され、幕が落ちるのです。

045今回の魔笛に本当に感銘を受けて、帰国後に魔笛のDVDを10回以上も観ているのですが、観るたびに

ああ、こういう事だったのか

と発見がある、本当に深い意味を持つオペラなのですよ。

いまだに僕の車には魔笛のDVDがいつも常備してあります。

モーツァルトがこの魔笛を仕上げたのは1791年9月30日の事。

当時35歳だったモーツアルトは、そのわずか2ヶ月後の12月5日にウイーンにて永眠しました。

モーツァルトの死因には様々な説がありますよね。

宮廷音楽家サリエリの嫉妬説や、ちょうど魔笛の作曲中から体調を崩したことからフリーメイソンの秘密を明かしたことに対する復讐説。はたまた妻のコンスタンチンによる毒殺説などなど。

不世出の音楽家であったモーツアルトの遺体が、不思議なことに貧民のための共同墓地に埋葬され、遺体の特定ができなくなっています。検死が事実上不可能になっていることも、さまざまな憶測を呼んでいます。

永遠に謎の解けないミステリーとして語り継がれるのでしょうね。

040

この名作を、皆心から楽しんでいました。

最後に僕の持っているお勧めの魔笛のDVDをいくつかご紹介しますね。

記憶に残る良い夜でした。

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2009年11月11日 (水)

音楽の都 プラハへ

083 さて、この日はチェコのプラハに移動します。

ドイツのアウトバーンから、ひと山越えてチェコに入ると、標識からドイツ語が見えなくなり、ちょっと感じが変わります。

075 ドライブインに入って地図を見てもチェコ語が並んでいます。

090 チェコの首都であるプラハは、神聖ローマ帝国の首都として14世紀から栄えてきた街です。

106 中世の街並みが続き、本当にきれいな街。

街並みもロマネスク様式から始まって、

162_3 ゴシック様式の建物

124 ルネッサンス様式の建物

155バロック様式の建物

057 アールヌーボー様式の建物と

建築好きにとっては目を楽しませてくれるものばかり。

054 ちなみにこの市民会館は音楽祭、「プラハの春」の会場でもあるスメタナホールがある場所です。

この市民会館のモザイク画は、チェコ出身の画家ミュシャが描いたもの。

122_2 ミュシャの特徴的な、そして印象に残る女性の絵はご存知ですよね。

ミュシャは1888年にパリの街に出るまでほとんど無名の画家でした。ある事をきっかけにパリの大女優のサラ・ベルナールの「ジスモンダ」の舞台の新作ポスターを手がけることになったのですが、その美しい絵柄が瞬く間にパリ中で話題になり、アールヌーボーを代表する人物になりました。

サラはすぐにミュシャと5年間の専属契約をして、その間7作品のポスターを仕上げたのです。当時の「椿姫」や「トスカ」のポスターを実際に観た事がありますが、見事でしたね。

116 そして、もう一人、この街で忘れてはいけないのは、モーツァルト。

彼は30歳の時のオペラ「フィガロの結婚」がプラハで大ヒットしたためにこの地に招かれ、「ドンジョヴァンニ」を仕上げたことは知られています。

また僕の最も好きな映画の一つである「アマデウス」の撮影はほとんどがこの中世の街並みが残るプラハで行われたのです。

僕は今までアマデウスを通常のバージョンのDVDしか持っていなかったのですが、帰国後に、一番好きな映画の一つですし、ディレクターズカットを観てみようと今回ブルーレイディスクで買い直したのです。

観てみてびっくり。

これは絶対にディレクターズカットの方が良いですね。今まで分からなかったエピソードが含まれていて、長年の謎が解けたたものもありました。

また、映画の中に出て来るオペラの数々も、実際に観劇したものばかりになりましたので、湧き上がるイメージががらりと変わり、映画監督の意図がより理解できるようになりました。

考えてみれば天才モーツァルトの人生を3時間程度で観ようなんて、そもそも難しいですよね。

ディレクターズカットのDVDには、当時のソ連支配下にあったプラハで行った撮影がいかに難しかったかなどの特典映像がついています。

街並みは当時とほとんど一緒ですね。

アマデウスは以前のブログにもふれましたが、僕イチオシの映画の一つです。

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2009年11月10日 (火)

ヴァルトブルグ城の歌合戦の大広間

イタリアから帰ってきたばかりですが、残っていたドイツ・チェコブログを仕上げてしまいますね。

112 バイロイト祝祭劇場と、ワーグナー博物館に立ち寄ったのち、向かったのはドイツのほぼ中心にある「アイゼナハ」という街でした。

バイロイトからこの地まで、約200kmの道のりです。

122 アイゼナハはバッハが生まれ、若き頃のルターが住んだ街です。

123山の上にある中世の城ヴァルトブルグ城に一路向かいました。

024 山の頂上の駐車場に車を停め、雨の中、きつい山道と階段を歩いて行くとヴァルトブルグ城につきます。

022 さて、この城は、音楽好きにとっては、あることでとても有名な場所なのです。

143 城の中に入るためにはツアーガイドによるツアーに入らなければなりません。

152 勝手に城を歩いてはいけないそうなのです。

162 英語+ドイツ語のツアーがありましたので、そのツアーに参加します。

さて、城は広いのですが、僕が行きたかった場所はただ一つ。ガイドの説明がもどかしいぐらい。

やっとのことでその大広間につきました。

168 この広間は「歌合戦の大広間」と言います。

13世紀のヴァルトブルグ城では、多くの詩人やミンネゼンガーと呼ばれる宮廷恋歌家人が招かれていました。

この場で詩歌を競い合っていたのがこの場所。

オペラを観られる方はピンときたかもしれません。

163 そう。

166 この部屋はワーグナーのオペラ「タンホイザー」の第二幕で描かれる、歌合戦の舞台なのです。加えて主役のタンホイザーはこのヴァルトブルグ城の騎士という設定です。

ちなみにこのガイドさんが言っていましたが、当時は歌合戦に負けてしまった人物は首を切られてしまったとか。

中世らしい、恐ろしい話ですね。

005ツアーも終わりにさしかかり、この広間に到着した時に、荘厳なタンホイザーの第二幕の歌合戦の曲が流れていました。

すごいと思ったのは、その場にいた小学生ぐらいの女の子が、曲に気づくと「タンホイザー」とつぶやいて、そのままハミングを始めたのです。

ドイツ人の子供にとっても、ワーグナーの音楽は親しみがあるんだと、その文化度の高さに驚きましたよ。

016 この部屋の隣には、あのマルティン・ルターが新約聖書をドイツ語訳した小部屋がありました。

ルターは、その著作によってカトリック教会から事実上の破門を受け、帝国議会への召喚を受けます。

その会期中に消息を絶ったように見せかけて、このヴァルトブルグ城主のフリードリッヒにかくまわれたのです。

実はこのツアーでは、こちらがメインディッシュだったらしいのですが(笑)、本当に小さな小部屋。

ここでルターが10か月も悩みつつも作業をしたんですね。

そうそう。

このマルティン・ルターが残した言葉の中に

「医学は病人を、数学は悲しむものを、神学は罪人を作る。」

というものがありました。

僕も一人の医師として働いてきましたが、この言葉には感慨深いものがありますね。

ルターは自分が専門にしてきた神学というものに、例えようのない、ある意味の限界を感じていたのでしょうか。

僕も、12年間大学医局に所属し病気の人たちを診てきましたが、医学というものには限界があるんだなと何度も感じた場面がありました。

当時は最も優秀な人間が、万能だと思って神学を学んだわけです。神学者であったルターが、神学について壁を感じて語った言葉の真意が少しわかるような気がしましたよ。

020 このお城から出るときの景色がとてもきれいでした。

126 ごらんください。

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続きを読む "ヴァルトブルグ城の歌合戦の大広間"

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今日の僕 20091110

20091110

出張から持って帰ってきた資料の整理も、だいぶ片付いてきました。

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2009年11月 7日 (土)

1813年生まれの天才

11月2日からイタリアに来ています。

成田から直行便でまずミラノに入り、その後電車でフィレンツェに移動。「Laser Florence 2009」で口演の発表をさせて頂いた後、再び電車に乗って、今はローマにいます。

ミラノでは、スカラ座でバレエ「ジゼル」の初日を観劇しました。こちらはチケットを取るのが大変でしたけど、それだけの価値がある舞台で感動しました。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」も見ることが出来ました。日本から予約しておいたのが良かったようです。

特急電車で入ったフィレンツェでは、メディチ家歴代の美術コレクションが収蔵されたウフィツィ美術館にも行ってきましたよ。こちらも日本から予約していきました。

海外での限られた滞在日程と時間を、120%有効活用するためにはどうしたらいいか。だんだん僕にもコツが掴めてきたようです(笑)。

そして昨日また口演終了直後電車に飛び乗り、到着したローマ。オペラ座でワーグナーのオペラ「タンホイザー」を観劇してきました。この日が最終日だったのです。

ミラノのスカラ座。ローマのオペラ座。イタリアの三大劇場のうち二つに行くことができたのは個人的には本当に嬉しかったです。

肝心の仕事の方は、フィレンツェのレーザー学会で今回僕が発表した

「アジアンスキンにおける、CO2 (10600nm) フラクショナルレーザーとエルビウム・グラス (1550nm) フラクショナルレーザー治療の比較検討」 

は、口演としてもとても興味深い内容だったようで、講演し、いくつかの質問に答え、席に帰るとき、予想外の拍手喝采と温かい言葉を贈って頂きました。日本から遠く離れた異国の地で、他の演者の方より大きな拍手を頂けるとは、研究者としても大変嬉しく光栄なことでした。

来ることができて良かったです。

ネットの環境が思っていた以上に悪く、接続できても、途中ですぐに切れてしまい、いちいち必要以上に時間をとられてしまうので、イタリアの出張記については、また帰国後改めて写真と共にアップしていきたいと思います。

しかしながら、2ヶ月連続でドイツとイタリアという地方文化(公国)が豊かな国を訪れることが出来、その素晴らしさが身に沁みてわかりました。

少しの地理的な違いでも、文化圏が異なると圧倒的な差が至るところに出てくるのです。そして、その差こそが個性であり豊かさであり、文化であり、歴史である。

全国を都市化・東京化しようとした日本政府の政策について、改めて考えさせられましたよ。

また、先月行ったドイツでは二夜連続、ベルリンとドレスデンでヴェルディとワーグナーのオペラを観劇してきましたが、イタリアに今回来て改めて感慨深いな、と思ったことがひとつ。

イタリア・オペラの巨匠であり作曲家のジュゼッペ・フォルトゥニーノ・フランチェスコ・ヴェルディと、ドイツ・オペラの集大成とも言えるヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナーは、どちらも同じ1813年生まれなのです。

二人は同じ年だったということになります。

改めてここでヴェルディの代表作を挙げると、「ナブッコ」「エルナーニ」「マクベス」「海賊」「椿姫」「仮面舞踏会」「アイーダ」「オテロ」などなど。

ワーグナーの方は「さまよえるオランダ人」「タンホイザー」「ローエングリン」「トリスタンとイゾルデ」「ニュルンベルグのマイスタージンガー」そして、四部作「ニーベルングの指輪」を代表作としています。

全く同じ年に生まれた、類い稀なる才能を持つ二人の音楽家。

1800年代のドイツ地方とイタリア地方は、国家として存在したイギリスやフランスと違って、まだ小国の寄せ集めでした。

現在のドイツとイタリアが国として成立するのは19世紀の中頃。

ヴェルディとワーグナーの曲が、イタリアとドイツ統一のために、そして国家威信と民族のアイデンティティを鼓舞するために、それぞれ使われたのです。

ヴェルディ最初の成功作となった「ナブッコ」が初演されたミラノ・スカラ座に今回初めて来て、その感激を噛み締めると共に、ヴェルディとワーグナーの生年が同じなんて、偶然の一致とはまさにこの事をいうのではないかと、そして、音楽が果たしうる、また果たすべき役割について、考えてしまいました。

明日、日本に帰国します。

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2009年11月 5日 (木)

ワーグナー博物館

050バイロイトには、ワーグナー博物館もあります。

ワーグナーはバイロイト祝祭劇場の設計のために妻のコジマとともにこの場所に晩年の住まいを構えたのですが、その場所が現在博物館となって保存されているのです。

055入るなり、ワーグナーのローエングリンが聴こえてきました。

これがまた、思わず鳥肌が立つぐらい雰囲気に合っているのです。

現在でも世界各国から“ワグネリアン”たちがひっきりなしに訪れるこの場所。

053ここでは小さなコンサートがよく行われるようですが、きっとワーグナーも友人を呼んで、このホールで演奏会をしたのでしょう。

056別室にはワーグナーの使用したピアノもありました。

二階にはワーグナーのオペラに使われた衣装や、初演の時のチラシ、楽譜などが展示されていましたよ。残念ながら、写真は禁止されていました。

072この建物の裏にはワーグナーのお墓がありました。

雨の降りしきる中のお参りでした。

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2009年11月 4日 (水)

ワーグナーの街 バイロイト

041 この日は朝から雨でした。

雨の中、ドレスデンから西へ。一路バイロイトへ向かいます。

042高速掲示板で、 ニュルンベルグやバイロイトの文字が見えてきました。

このフランケン地方のバイロイトには、ワーグナーゆかりの劇場があります。

それが、「バイロイト祝祭劇場」。

ワーグナー・ファンならば、生きている間に一度でいいから行ってみたい、いわばワーグナーの聖地みたいなもの。

ワーグナーはこの劇場の設計から関わっており、そのためここは世界で最も音響効果の素晴らしい劇場とも言われています。082

紅葉がきれいなこの道を一路、祝祭劇場に向かいます。

坂を登りきると劇場が姿を現しました。

099

写真では何度も観た事がありますが、やはり実物は違います。

バイロイトに行った日は、ちょうど月曜日。祝祭劇場はお休みで、劇場内の見学はできませんでしたが、この場所に辿り着いたということだけで胸がいっぱいになりました。

この劇場で毎年7月と8月に行われるバイロイト音楽祭は、ワーグナーの曲のみ(+厳密にはワーグナーの曲以外で唯一、ベートーベン交響曲第9番)が演奏される、世界でもユニークな音楽祭であることで知られています。

音楽祭は、チケットを買えば誰でも行ける、というものではないことも、クラシック音楽フリークの間では有名です。

バイロイト音楽祭のチケットをとるのに最も確実な方法は、まず、祝祭劇場会員になって、毎年会費を納めること。そして、仮に会員となり今から予約したとしても、チケットを手に入れるためにはなんと7年以上も待たなければならないというのです。

世界最高レベルのプレミアムチケットです。

先日、オペラ好きな僕の研究者友達と話していて話題に上がったのですが、彼はインターネットのオークションで、この夏のバイロイト音楽祭のチケットを見つけたのだそうです。20数万円という値がついていたのだとか。

声をかけたら絶対一緒に行くというに違いないと、僕の顔がすぐ頭に浮かんだらしいのですが、

会員限定のチケットのため、会場入口で当日名前を確認されるという噂があるから、仮に競り落とし僕と一緒に行ったとしても、アジア人はこの地では目立つし入れない可能性もないわけじゃない、と考え、思いとどまったのだそうです。

でも、もしその時に声をかけられていたら、僕は行っていたかもしれません(笑)。

091一生の内一度でいい いつか聴く機会があれば良いなと思いますよ。087

098今回の旅を一緒に過ごしたBMWと写真を撮りました。

088紅葉が本当に綺麗でしたよ。

さて、今回ドイツから帰国後に見つけたのが、このバイロイト祝祭劇場で演奏された、ワーグナーオペラ全集。33枚ものCDが入っていて、6,407円!

もちろん即買ってしまいました。スタッフにぶつぶつ言われながらも、今、クリニックのBGMにしているPCのi-tunesに入れてもらっています。

今月にはクリニックのBGMに流れると思いますので、クリニックにいらしたらぜひお聴きになってくださいね。

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2009年11月 3日 (火)

何回くらいで治りますか?

クリニックFでは、初診のカウンセリングをお受けになる前にいくつかお聞きになりたいことがある患者さんには、メールやお電話で質問や疑問をお受けしています。

海外在住の方や、日本でも地方在住の方も多いクリニックですので、こちらまでご足労頂く前に、ある程度クリアになった方がいいこともありますよね。治療方針もそうでしょうし、ホームページやブログではわからない細かい点などもあるでしょう。

電話やメールの対応で、クリニックとの相性や雰囲気もお分かりになって頂けることでしょうから、とても有効で効率的なプレ・コミュニケーション手段だと考えています。

その代わり、と言ってはなんですが、クリニックFではインターネットによる予約システムはありません。様々なIT関連企業の方から、SEO対策とこの予約システムを勧められるのですが、これからも構築する気はないのです。

国内在住の方の場合、御予約は基本的にお電話で。海外在住の方に関しては、メールでお受けしています。いまどきあまりないアナログなやり方ですが、やはり、御予約を頂く際には、お電話またはメールで最低一度は「会話」をしておく必要があると思いますし、それをとても大事に思っているのです。

クリニックFには、医師が僕しかいないため、それはすなわち患者さんすべての主治医を僕が務めるということを意味します。アンチエイジングという長いマラソンを伴走させていただくためにも、ひとつひとつのコミュニケーションを大切に思っています。

しかし、そんな僕でも初診の前に頂く御質問で、どうにも答えられないものがあります。

それが、掲題の

「何回くらいで治りますか?」

という御質問です。

これは大抵、

①ニキビ跡

②肝斑

③毛穴

④アトピー性皮膚炎

の治療を求めて、様々なサイトを検索し、クリニックFに辿りついて下さった方々です。

きっと、ここまで上記の疾患に悩み、つらい思いもされていることでしょうし、こう聞きたくなるお気持ちは、患者さんの立場に立てば僕もよくわかります。

ただ、これだけは、実際お顔を見て、状態の深刻度、範囲、ここまでにかかった時間、生活習慣や年齢、既往歴、クリニックに通える頻度、御予算、到達されたいレベル、普段のスキンケア・・・・・などをすべて伺わないと、お答えすることが残念ながらできません。たぶんこれは、きちんと患者さんに向き合われているクリニックであれば、どこのクリニックでもそうだと思います。

また、もし1回や2回の治療で「治したい」と思われているとしたら、それは残念ながらほぼ確実に「治りません」。どんな状態であっても、クリニックFが目指す肌を作るとしたら、最低でも半年~1年はかかることは覚悟してください。このブログで何度も書いていますが、僕は肌の基礎工事から行っていきますので、その分時間がかかってしまうのです。

ひとつ、それでも言えることは、上記の疾患について現在考えられる世界でも最先端の治療法に、レーザーや光治療器を使ったものがあることは明白であり、機器の選択やパワー設定、治療法を間違えなければ必ず状態は改善に向かっていく、ということ。

そして、クリニックFでは、各疾患に対して、現在ある技術と知識では最高レベルのものを御提案できる準備が整っています。毎月のように海外の学会に出ているのも、日々「レーザー貧乏への道」を邁進しているのも、そのためですので(笑)。

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2009年11月 2日 (月)

感動のオペラ「ローエングリン」

再び、ドイツ出張記です。

この日の夜はドレスデンの由緒あるゼンパーオペラ(ザクセン州歌劇場)で、ワーグナーの名作オペラ「ローエングリン」を観劇しました。035

向かう前からわくわくしていましたが、劇場に近づくとライティングも幻想的で、さらに期待が高まります。

005 ゼンパーオペラは、ワーグナーの「タンホイザー」や「さまよえるオランダ人」が初演された場所です。

007 戦後再建されたのですが、中の装飾はとても美しく、目を凝らしていつまでも見ていたい気分でした。

009 海外の劇場で、その地の観客とともに、雰囲気を楽しみながらオペラを観るのは、最高の贅沢ですね。

004さて、オペラ「ローエングリン」です。

ワーグナーの音楽としても、すばらしい旋律の多い、最も完成されたオペラの一つだと思います。

ワーグナー・ロマンティック・オペラの最終章。

ブラバント公国の跡継ぎ問題で争う公国の王女エルザと、フリードリヒ伯爵の物語。

伯爵(と妻)の策略で窮地に陥ったエルザが、自分を助けてくれる騎士が来るのを祈ります。

もうだめだという時に、白鳥に引かれたそりで、白鳥の騎士「ローエングリン」がやってくるのです。

ストーリーをわかっているとはいえ、ストーリーが進むにつれ会場は熱気に包まれます。

しかも、ドイツで見るドイツ語オペラは字幕がないんですね。考えてみれば当り前のことなのですが、印象深かったなあ。

011 幕間には、いつもスパークリングワインを飲むのですが、素晴らしい舞台のとき、これが一番幸せな瞬間です。ここまでの舞台を振返り、感動し、余韻に浸り、そしてこの後に何が待っているのかをあれやこれや想像しながら、歴史あるホールで飲む一杯。

興奮して暑くなり、上着を脱いでしまいました(笑)。

028 幕間に見に行った楽譜です。

第三幕ではローエングリンとエルザの結婚式が始まります。

これがまたすべてのキャストの衣裳が本当に美しいのです。

そうそう、いわゆる結婚式で演奏される、結婚行進曲には二つの種類があるのをご存知ですか?

一つはメンデルスゾーンの歌劇「真夏の夜の夢」の結婚行進曲。 ジャジャジャジャーン(ドドドドー)から始まる歌。

もう一つよく使われるのは、このローエングリンの結婚行進曲

ジャン・ジャジャジャーン(ソ・ドドド) ジャン・ジャジャジャーン(ソ・レシド)の旋律。

「ジャジャジャジャーン」じゃわからないですよね(苦笑)。語彙が少なくてすみません。

こちらもYOU TUBEです。

・・・なのですが、この曲が劇中で使われた時は、演奏があまりに素晴らしくて、僕は感動して涙が出そうでしたよ。

このローエングリンの結婚式の曲で式を挙げたカップルは数多いと思うのですが、実はこのオペラではこの曲の流れた後わすか数分後に、この夫婦間には、悲劇が訪れてしまうのです・・・。

幕が落ちる時にはローエングリンは去り、エルザは死んでしまいます。

029 今回のオペラ。本当に演出が素晴らしく、観客はスタンディングオベーションの大喝采でした。

多くの公国に分かれていたドイツの小国の軍服もすべて違うデザインでした。

030今をときめくクラウス・フローリアン・フォークト(klaus Florian Vogt)を主役に置いた配役も素晴らしく、オペラ「ローエングリン」がますます好きになってしまいましたよ。

記憶に残る公演でした。

036雨の中、夜のドレスデンをホテルまで帰りました。

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第9回トータルアンチエイジングセミナー

Img_4525 昨日は新宿京王プラザホテルで株式会社JMEC主催 第9回トータルアンチエイジングセミナーが開催されました。

有料のセミナーにも関わらず、200人以上の医師が参加されたそうです。

自費診療や美容診療に対する医師の興味が年々増している証拠だと思いました。

今年は4部構成のプログラムでした。

第1部 皮膚疾患から美容診療までの 光レーザーを使いこなす

第2部 知っておきたいクリニック経営のポイント

第3部 検証!ボディシェイピング治療

第4部 美容医療 スタンダードからプレミア治療まで

テーマも内容も非常に多岐に渡り、どんな参加者でも勉強になるものが必ずある、とてもよく考えられたバランスの良いセミナー構成となっていました。

中でもフェイシャルの治療に次ぐ次世代のマーケットを担うであろう、「ボディシェイピング」の講演は盛り上がりました。

今までは「痩身」

と一言でまとめられてきた分野の施術ですが、

皮下脂肪を減少させる治療

内蔵脂肪を減少させる機器

部分的な脂肪を溶解させる機器

体重を減少させる機器

体の形態を彫刻のように変化させる機器

などなど、いよいよ細分化された痩身のマーケットが、医療の分野で確立されつつあります。

中でも、聖心美容外科の鎌倉先生が発表された脂肪組織由来の幹細胞の注入療法は、個人的にも興味深く聞かせて頂きました。

再生医療や、グロースファクターに関連する研究は、ここ数年のトレンドですし、これからもより研究が進む分野であると思います。

今後の医学会の発表を楽しみにしてゆきたいと思いました。

僕は第4部の

Ematrix1 新技術 サブレイティブ トリートメント フラクショナルRF(e-matrix) の使用経験

という枠で講演を行わせて頂きました。

「フラクショナル レーザー リサーフェシング」技術が2004年に開発されて以来

世界では既に30種類以上のフラクショナルレーザー機器が開発販売されてきました。

このうち日本に輸入されているのは10%ぐらいでしょう。

この種の機器が開発された事により、いよいよ日本人の肌の毛穴やニキビ痕といった肌の治療が可能になってきたと言えます。

Ematrix 実際にこの機種を使用してみましたが、今までのレーザーを主体としたフラクショナルレーザー機器とは違った独自の機序で肌の治療を行う事ができるため、単独使用よりもむしろ、フラクセルやサーマクールとの併用療法が極めて効果的なのではないかと思いましたよ。

盛況のうちにセミナーが終了しました。

さて、私事ですが、僕は今日からイタリアフィレンチェで行われるレーザーフローレンス2009という学会で演題を発表するためイタリアに向かいます。

最初はミラノから入り、フィレンツェに。そしてローマに立ち寄って帰国する予定です。

クリニックFでの僕の診療は11月10日からですが、予約は常に受け付けておりますので、クリニックFにお電話ください。

イタリアでまた新しいレーザー情報を集めてきます。

イタリアでのWEB環境は全く予想できませんので、ドイツとチェコのブログ他、いくつか書き溜めておきました。

今日からまたそれを徐々にアップしてゆきますね。

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2009年11月 1日 (日)

ドレスデンのフェルメール、ラファエロのマドンナ

さて、ドイツ・チェコ出張記に戻ります。

ドレスデン・ツヴィンガー宮殿の中のアルテ・マイスター美術館にやってきました。

152 窓からの借景は宮殿の噴水が見える見事なもの。

まずはお目当てのフェルメールの部屋に向かいます。

169

2枚の絵がならんでいます。

148 一枚はこの

「手紙を読む少女」

フェルメールはこの絵で単身女性像を描く、自分の絵のスタイルを作り上げたといわれています。

そしてこの絵の右下の部分に注目。

カーテンがかかっていますが、X線解析により、この部位にテーブルとワイングラスが描かれていたのがわかっているのだそうです。

カーテンを引くことによって、絵の中の人物と、同じ部屋にいるかのような気持ちにさせられるなあ

・・・と、興味深く見せてもらいましたよ。

150そしてもう1枚はこの作品、

「取り持ち女」です。

この作品、高貴で寡黙な絵を描く印象のあるフェルメールにしては、極めて異質な作品といわれています。

この場所は売春宿。

黄色い売春婦に対して、黒い頭巾をかぶった“取り持ち女”が赤い服の男性に商談を持ちかけ、それが成立した時の絵だと言われています。

あのフェルメールがなぜこんな絵を???

と思いますよね。

この絵は、プロテスタント的な観点から、

「慎むべき行為の規範」

ともいうべきものを示したもので、教訓と風俗画の境界線に位置するものではないかと考察する本を読んだことがあります。

「フェルメールが日本人にとって、とても親しみやすいのは、他の画家と違って宗教画が少ないので、キリスト教の聖書のようなバックグランドの知識がなくても作品を楽しめるからだ」

と述べていた人もいますが、なるほどその通りかもしれませんね。

そしてもうひとつ、この美術館で見ておきたかった絵があります。

153 印象的な紫とピンクの間のような色を使った壁に囲まれた部屋。ひとつ向こうにも同じ部屋が・・・奥に・・・

見えてきましたよ。

155とても大きなこの作品。ラファエロの傑作

「システィーナのマドンナ」

です。

158 優しそうなこの微笑み。

微笑み度は、モナリザよりも印象深くないですか(笑)?

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