昨日の僕 20091114
南仏~ロンドン出張記で、僕がスリラー・ライブを見に行ったことを読んでくださった方から何人も、
「現在公開中の映画・マイケル・ジャクソンの“THIS IS IT”が素晴らしかったから、絶対観た方がいい」
とメールを頂きました。
昨日、スタッフに聞いてみたら、既に見ている人が二人。どちらも大絶賛するではないですか。もう感動して涙なしには観ることができなかった、と言うのです。
ひとりは元レコード会社出身なのですが、六本木ヒルズで一度観た後、あまりに良かったので、後日新宿バルト9で観なおしたのだそうです。
「バルト9は音響が良いと聞いたので」
とのこと。
僕はこのバルト9というエンタテイメント・コンプレックスに行ったことがなかったのですが、聞けば場所は四谷のクリニックからすぐの新宿3丁目。駅からもすぐ、と聞いて、どうしてもそこでこの映画を観たくなってしまい、診療前に朝9時から行ってきました。
ほんとうに素晴らしかったです。まだ観てない方はぜひ観て下さい。
僕は2時間弱本当に我を忘れて惹きこまれてしまい、それは他のお客さんも同じだったようで、映画が終わる時には、自然と観客から拍手が湧き起こりました。
映像で見るマイケルは、これが最後の姿なのでしょう。
この映画は、マイケル・ジャクソンのドキュメンタリー。彼が亡くなる直前まで続けていたコンサートのリハーサルの様子が映画では映し出され、それを通してマイケルのプロフェッショナリズム、人柄を見ることが出来ます。
まず、驚くのは彼がやろうとしていたコンサート・ツアーの内容とその規模です。
僕は残念ながら、マイケル・ジャクソンのコンサートに行ったことはありません。見たことがあるのは「ライブ・イン・ブカレスト」などの古いライブDVDのみ。それでも、今回のライブが実現していたら、コンピュータグラフィックや、ハリウッドの特殊変装技術などの映像技術の向上も加わって、「2D」が「4D」になったと同じぐらい、次元の代わったすごいライブを企画していたことがわかります。
このブログを読んでくださっている方は御存知のように、僕の趣味の一つはオペラやバレエ鑑賞です。現代では「古典」とされていますが、オペラもバレエも初めて上演されたときは、きっとその時代の皆が驚く前衛的で最先端のエンターテイメントだったんだろうな、と思うのです。
文学、音楽、絵画、舞踊。四つの文化を融合させ、その時代で最も進んだ技術でもってアウトプットする。それが時代によってはオペラの形をとり、バレエの形をとり、ミュージカルの形をとる。
今世紀に入って映像の動画が記録できるようになりましたが、この映像技術を組み合わせたのが、マイケルの作り上げたエンターテイメントに代表されるライブであり、それは人類の作り上げた文化の延長線上にあるわけですよね。
人知を超えた世界を揺るがすような作品を数多く残し、さらに奇行の限りをつくし、若くして神に召されて亡くなってしまったマイケルは、モーツァルトになんだか重なるような気がしましたよ。
マイケルが失われてしまったことにより、彼の功績もクラシックになってしまうのだなぁ・・・と考えてしまいました。
そして、映画を通して改めて知ったマイケルのプロとしての姿勢、皆を楽しませることへのこだわり。エンターテイナーとして、ファンが喜び、日常生活を束の間忘れられるものを全力で作り上げる姿には、胸を打たれるものがありました。
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コメント
マイケルのことはよく知らなかったのですが、この映画を観て、彼がすごい事に挑戦し続けていたことを知りました。肌の色が変わり、顔の作りが変わっていったマイケルは、人種(地域集団)や本来の自己までも演出しようと、新しい人間像を作ろうと試みていたのではないかとさえ思えました。ただしかし、神はその領域に就くことを許さなかった死ではなかったのだろうかと思えました。
私も感動しました(o^-^o)
投稿: kana | 2009年11月15日 (日) 18時25分