イタリアにおけるレーザー治療に対する認識
学会会場になったVilla Vivianiという建物は、山の上に立つ保養所のような雰囲気の建物です。
こんな場所でどんな学会が開かれるのだろうと思いましたが、レジストレーションを済ませて、とりあえず自分の演題と時間を確認します。
スピーカーのリボンがついた自分の名札と、自分の名前の入った冊子をもらい、まずは安心して会場に入ります。
この学会では、講演する部屋は二つあり、並列して発表が行われているようです。
まずは僕が次の枠で発表する予定になっている部屋に入ってみました。
会場内は、こんな感じです。50人前後の、いかにも研究者といった雰囲気の医師達が口演を聞いています。
少し講演を聞いていたのですが、最新のレーザー機器を扱うアメリカやヨーロッパのレーザー学会とは少々趣が異なるようです。
演題に使われているレーザー機器もずいぶん古く、しかも症例写真に、フィルム写真にあった時のように(19)98年とかのオレンジ色の印字が入り込んでいる古い症例を出した先生もいました。
1998年と言えば10年以上前。10年前の症例写真が、進歩が著しいレーザー医学会で出てくることはまずあり得ません。
しかもこの枠でフラクショナルレーザー機器について発表していたアメリカの先生は、
本当にこんな機器は安全なのか?
とか
治療は有効なのか?
などといった、これまたまるで10年くらい過去にタイムスリップしてしまったかのような質問を受けています。
レーザー医療と言っても、専門はそれぞれ違います。
ニキビ跡や毛穴を治療するリサーフェシングレーザーを専門としている医師が少なかったという事なのでしょう。
今回僕は、口演での発表だったのですが、学会事務局から割り振られた時間は15分。
学会発表としては異例の長さです。
これは用意してきた口演の内容を少し変えなければならないな・・・
部屋を出て、さっそく作業に入りました。
僕の口演の時間まであと一時間余り。
僕は時間が迫ると集中力が増すのです。
今回の発表は、招待講演、学会発表を合わせると英語での僕の47回目の講演になります。多少のアドリブを効かせる自信もあります。
発表の時間までしっかり準備して、緊張のまま、順番を待ちました。
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