ドレスデンのフェルメール、ラファエロのマドンナ
さて、ドイツ・チェコ出張記に戻ります。
ドレスデン・ツヴィンガー宮殿の中のアルテ・マイスター美術館にやってきました。
まずはお目当てのフェルメールの部屋に向かいます。
2枚の絵がならんでいます。
「手紙を読む少女」
フェルメールはこの絵で単身女性像を描く、自分の絵のスタイルを作り上げたといわれています。
そしてこの絵の右下の部分に注目。
カーテンがかかっていますが、X線解析により、この部位にテーブルとワイングラスが描かれていたのがわかっているのだそうです。
カーテンを引くことによって、絵の中の人物と、同じ部屋にいるかのような気持ちにさせられるなあ
・・・と、興味深く見せてもらいましたよ。
「取り持ち女」です。
この作品、高貴で寡黙な絵を描く印象のあるフェルメールにしては、極めて異質な作品といわれています。
この場所は売春宿。
黄色い売春婦に対して、黒い頭巾をかぶった“取り持ち女”が赤い服の男性に商談を持ちかけ、それが成立した時の絵だと言われています。
あのフェルメールがなぜこんな絵を???
と思いますよね。
この絵は、プロテスタント的な観点から、
「慎むべき行為の規範」
ともいうべきものを示したもので、教訓と風俗画の境界線に位置するものではないかと考察する本を読んだことがあります。
「フェルメールが日本人にとって、とても親しみやすいのは、他の画家と違って宗教画が少ないので、キリスト教の聖書のようなバックグランドの知識がなくても作品を楽しめるからだ」
と述べていた人もいますが、なるほどその通りかもしれませんね。
そしてもうひとつ、この美術館で見ておきたかった絵があります。
印象的な紫とピンクの間のような色を使った壁に囲まれた部屋。ひとつ向こうにも同じ部屋が・・・奥に・・・
見えてきましたよ。
「システィーナのマドンナ」
です。
微笑み度は、モナリザよりも印象深くないですか(笑)?
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