2009年レーザー機器総括③
2008年12月の話ですが、米国カルフォルニアで生まれ、新技術を持った二つのレーザー会社の合併が行われました。
ひとつはThermage社。
1995年に設立され、肌を引き締めるタイトニング効果があるRF機器、サーマクールの米国特許を1997年に取得し、2002年FDAの認可を取った機器を開発した会社です。
もうひとつはReliant社。
こちらは2001年に設立され、フラクショナル光融解理論と呼ばれる理論を構築し、レーザーを使用して、肌を安全に入れ替える技術であるフラクセルを2005年に販売した会社です。
サーマクールは、今まで不可能だと思われていた肌のタイトニングを可能にした機器であり、フラクセルは特にアジアンスキンには、肌を「改善する」レーザー治療から、「肌の入れ替える」レーザー治療にパラダイムシフトさせた機器。
ともにこの2000年代のマイルストーンになった機器です。
2009年には、この二社が合併して「ソルタメディカル社」となり、お互いの技術がシナジーを起こし、二つの新しい機器が生まれることになりました。
ひとつが先日ご紹介した サーマクールCPT いわゆる第三世代のサーマクールです。
バイブレーターとクーリングパルスによって痛みを弱め、照射部位に対してより効果が高くなるように新しいアルゴリズムが開発されました。
そしてもう一つが、8月にデビューが発表されたフラクセルⅢに相当する
「フラクセル レストア デュアル」
です。
この新フラクセルは通常の1550nmのエルビウムグラスレーザーに加えて、
「ツリウム」というランタノイド系列元素の波長1927nmのツリウムファイバーレーザーが付加されるのです。
ツリウムレーザーは、現状のフラクセルに比べて浅い部位に効果があり、今までのフラクセルが得意としていなかった色素斑などに、より効果があると期待されています。
また、スキャナーデザインを変えたことによって、今までの25%増しに施術のスピードが上がります。
日本での発売は来年になってしまうそうですが、二社の技術者達のシナジー効果によって生まれたこの二つの新機種は、来年に向けてとても期待ができるレーザー界の新星と言えますね。
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