日本における痩身市場の成熟度合い
昨夜は、アメリカから来日中の医療機器会社の方々との会食の席にお声を掛けて頂きました。
2005年に設立され、脂肪組織を氷結によって溶解させる技術を開発してきた会社です。
僕のブログにも何度か登場していますよね。
中央は現在チーフ・サイエンティフィック・オフィサーのMitchell E Levinson。僕は彼と米国やヨーロッパの学会会場で会うのですが、今年は10月にも日本で会食したばかりなので、
日本でもよく会うね(笑)
とお互い再会を喜びました。
このゼルティック社については、今年の5月の
2009年4月の
2008年3月の
オーランドの秘密のカクテルパーティー
などで触れてきました。
この機器は、運動ではとりにくい下腹部の脂肪や側腹部の脂肪を、約1時間吸引された状況で氷結されることによって、脂肪細胞をアポトーシス(プログラムされた自然死)に持ってゆくというものです。
彼らの研究グループは、ハーバード大学のウェルマン光医学研究所のロックス・アンダソン教授と綿密な連携を取って地道な研究をしてきています。
僕も2ヶ月前にこの機器を実際に体験してきました。
吸引を始めて、その後にクーリングが始まるのですが、最初は感じた鈍痛も10分ぐらいで消失します。僕は側腹部にたまった脂肪の施術を片方だけやったのですが、確かに2カ月すると、左右の違いがわかり、脂肪が減ったのがわかります。
このゼルティックは、現状唯一の可能性を持つ脂肪溶解機器だと思います。
弱点は、吸引のカップが大きすぎて、まだアジア人には向かないこと(これについてはミッチは数か月以内に対処するといっていました。)そしてある程度大きな吸引カップを装着しなければならないため、患者選択が難しく、部位も選ばなければならないということです。
ミッチは今後の日本市場に対する戦略を考えているようですので、僕の意見をいくつか述べさせていただきました。
ひとつめ。
日本は他の国と違って、エステティック・サロンの数がかなり多く、独自のマーケティングシステムを持っている。
約10年前にフォトフェイシャルという美顔の光治療器がクリニックで使用されるようになったが、明らかにすぐれた効果のある機器であっても、今でこそ当たり前の「クリニックで美肌治療」という考えを、患者さんに浸透させるまでには時間がかかった。
痩身のマーケットは幅広くあるが、現在はまだ「痩身治療はエステティック 脂肪吸引はクリニック」というイメージがまだ患者さんにはあり、はるかに効果のある機器で行う「クリニックでの痩身治療」という考えを患者さんに浸透させるのは、多少の時間がかかるだろう。
ふたつ目。
現在開発されてきた痩身機器の中で、ゼルティックは最高の能力を持った機器の一つであることは自分の実感でも理解している。
ただし、ゼルティックには得意な体型や部位があるが、事前診断できるとはいえあまり効果のない患者も存在する、効果のなかった人たちに対するキラーコンテンツがまだ開発されていない。
三つめ。
エステティック産業の文化から、「痩身」というと、「体重減少」を連想する人が日本には多い。
しかしながら、ゼルティックは写真判定で、脂肪組織を確実に減らすが、体重減少を伴わない場合が多い。
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会食は大変楽しく、有意義なディスカッションができました。
「医療現場で行う痩身治療」が近い将来この日本でも確立されることを、僕はこのブログで何度も書いていますが、確信しています。
現在のラインアップを考えると、その中にはいくつかの分類があります。
技術的には
レーザー RF 氷結 超音波 EMS(電流) 薬
に分類でき、
マーケット的には
■皮下脂肪を氷結して、確実に減らすゼルティック
■大腰筋を鍛えて、内臓脂肪を確実に減らすACーBODY
■ボリュームの減った皮膚のたるみをとる サーマクールforボディ
■皮下脂肪を手術で減らすレーザー脂肪溶解と脂肪吸引
■PromoSlimtやUltraShapeなどの超音波機器
そして薬剤治療として
■内服抗肥満薬 (ゼニカル・サノレックスなどの体重減少薬)
■痩身メソセラピー(フォスファジディチルコリン・αリポ酸など)
などになるでしょうか。
たぶん現在開業されている諸先輩方、そしてこれから開業されるドクター、多くの美容/アンチエイジングに関わる医師が、この市場を見据え様々な動きをしていることと思います。
この市場に関わる情報は、今後も随時このブログでお届けしていきますね。
世界の最新レーザー情報 はこちらから
クリニックF http://clinic-f.com/
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