開業医のためのポスト・マーケティング時代②
昨日書きかけたブログの続きを。
サービス業は、米国のGNPの80%、日本の70%を占める今や先進国の産業です。
いわゆる「所有欲」や「物欲」が満たされた客層が次に向かうところとして、「経験」や「体験」、「自己実現」などにお金を使うようになると言われています。
たとえば、「旅行」は、「経験」のわかりやすい形ですよね。それから各種イベントに、それらの観賞、スポーツなどもそこに入ることでしょう。
ある程度の欲が満たされ、日々の暮らしもそこそこ安定してくると、「わくわく」すること、「どきどき」すること、知的好奇心を満たすもの、そういったものにお金を使いたいと思うようになる、と考えられているわけです。
最近海外旅行に行く若者、行きたいと思う若者が減っていると言われますが、これは先行きが不透明で、こうした「体験」に手を伸ばすだけの余裕がない、ということなのかもしれません。
「自己実現」の方は、大人になってから資格をとるために学校に通ったり、今よりも高いレベルの自己になりたい、自分に足りないものを補いたい、と「自分磨き」に投資することです。
これは、先ほどの説=ある程度の欲が満たされてから向かうところ、という解釈もできますし、逆に今ある欲が満たされないのは、自己実現がされていないからだ、目指す自己が手に入れば、それによって欲も満たされるはず、と先にこちらに向かう場合もあり得ます。
僕たちが関わっている美容医療という職業は、この「自己実現」と「わくわく・どきどきする体験」どちらもをカスタマーに提供することを求められる「サービス業」である、と考えています。
医療はサービス業なのか
というのは、何度もなされてきた議論だと思いますが、こと美容医療・アンチエイジング医療に関しては、サービス業である側面は否定できないと、僕は考えています。
なぜなら、医師が必要な領域であっても、この分野で求められている医療は病気を治すための医療ではないからです。
ビジネスにおいて、自分が携わっている産業・企業・店舗などが「商品」そのものを買ってもらうビジネスなのか、それとも「サービス」という“ラッピング”が必要不可欠な「商品」を買ってもらうビジネスなのかによって、マーケティングは異なります。
インターネットの普及によって、商品を買ってもらう産業は熾烈な戦いを強いられることになりました。消費者は、どこでその商品を買うのが最も「得」なのかをネットサーフィンで見極めることが常識となり、各ビジネスが
「うちで買うことこそ得だ」
ということを強力にアピールしなければならなくなったのです。
「得」には、さまざまな見せ方があります。「価格的に安い」「商品自体が他で買えない」はその中でも最もわかりやすい「得」でしょう。「価格ドットコム」や「楽天市場」などがその“売り場”として機能することも多々あります。
一方、「商品」そのものではなく、商品を包んだ「サービス」で勝負するビジネスの場合、カスタマーにとっての「心地よさ」「便利さ」または「不快を最小限に留める」ということに重きを置いた商売センスが求められます。
こちらも同じように、インターネットの普及によって戦いが熾烈になった産業もあるかと思いますが、医師及び病院にとっては、その限りではありません。
なぜなら、広告を出すことを基本的に禁じられている開業医にとって、ホームページの充実やブログによって、他社(他院)との差別化を図ることが初めて可能になったからです。
つまりインターネットは
■「商品」を売る業種にはマイナスに働いた面もあることを否定できない。
なぜなら戦略上、「コストリーダーシップ」に舵を切らざるを得ないから。
しかしながら、
■「サービス」を売る業種には逆にプラスに働いた面が大きい。
なぜなら戦略上、「差別化」を明確に打ち出すことができるから。
・・・ということがいえるのだと僕は思います。
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