ミケランジェロのピエタ4作
「ピエタ」は「慈悲」を表わす言葉。
磔刑に処せられたイエス・キリストと、その亡骸を腕に抱く聖母マリア像をモチーフにした絵画や彫刻のことです。
この像に心惹かれる人は多いと思うのですが、僕も20年前にこの像をここサン・ピエトロ大聖堂で見た時に、本当に心打たれました。
子供を失った親の悲しみの深さはあまりに深すぎて、ちょっと想像できませんよね。
ミケランジェロは全部で4作のピエタを作成しています。
それぞれ、
サン・ピエトロのピエタ 1499年 (ヴァチカン サンピエトロ大聖堂)
ドゥオーモのピエタ 1547年 (フィレンツェ ドゥオーモ博物館)
パレストリーナのピエタ 1550年 (フィレンツェ アカデミア美術館)
ロンダニーニのピエタ 1564年 (ミラノ スフォルツァ城博物館)
ですが、
ミラノから入って、フィレンツェで学会講演をし、ローマ・ヴァチカンに入る・・・という今回の旅で、僕はこの四つのピエタをすべて見ることができました。
年代順に考えると、新しい作品から順序よく見ることができたということになります。
このうち、サン・ピエトロにある像のみが完成し、あとは未完成に終わっています。
年代順に、ヴァチカンの次に制作されたのは、フィレンツェのドゥオーモ付属美術館のフィレンツェ(もしくはドゥオーモ)のピエタ。
イエスの亡きがらに三人の人物が寄り添いますが、右が聖母マリア。左がマグダラのマリアといわれています。
こちらは同じくフィレンツェのアカデミア美術館にあったパレストリーナのピエタ。
アカデミア美術館は、写真撮影を厳重に注意されましたので、写真は複写を使いますね。
そして、今回の旅で最初に見た、ミラノのスフォルツァ城にあるロンダニーニのピエタ。
ミケランジェロは、視力を失ったのもかからわず、手探りで病で倒れる直前まで、この像を彫っていたそうです。
こうして見ると、最初に制作されたサン・ピエトロ大聖堂の若きミケランジェロの作成したピエタと比較して、イエスの像が年を追って作られるごとに、痩せ細って来ますよね。
彫刻家のミケランジェロが、齢を重ねるごとに、ピエタの解釈が変化したのでしょう。
何と言葉で説明して良いのかわかりませんが、どの彫刻にもそれぞれのもつオーラのようなものがありましたが、それぞれのオーラの色は少しずつ変化していったような気がしましたよ。
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