ルーヴル美術館のダ•ヴィンチとフェルメール
この日の日程を終えた夕方からルーヴルに向かったのには理由がありました。
通常18時には閉館となるルーヴル美術館ですが、水曜日と金曜日に限っては22時まであいているのです。
しかも、この時間、団体客がいないので比較的すいています。おまけに18時以降の入場には、入場料も6ユーロに値引きされるのです。
いろんな意味で「お得」ですよね(笑)。
本当は時間をかけてじっくりと見たかったのですがそんなに余裕もなく、とりあえずどうしても見たい絵と彫刻の前に小走りに向かいます。
「モナ•リザ」や
「サモトラケのニケ」などをざっと見た後、見たかった絵に向かいました。
この作品は、ロンドンのナショナルギャラリーにもほぼ同じ構図の絵で、ダ•ヴィンチの作品とされる絵があります。わかっているのは、このルーブル版のほうが先に描かれたこと。
そもそも、どうしてほぼ同じ構図の絵が二つ存在するのか? また、二つの絵の細かい作風の違いや、作品中の人物の持つアイテムの違いなどが様々なミステリーになっていますよね。
ルーヴルには何度も来ていますが、過去に来たときはいつもタイミング悪く他国に貸し出しされていたり、広い構内で見つけられなかったりで、この絵を実際に見たのは初めてでした。構図からとても大きな絵を想像していたのですが、思ったよりも小さな絵でちょっと驚きました。
そして、このルーヴルにはフェルメールの絵が二つ収蔵されていることを調べていましたので、その絵に向かいました。
「レースを編む女」そして「天文学者」。
今までもNY、ワシントンDC、ベルリン、ドレスデンなどの美術館でフェルメールの絵を見てきました。
この国際学会周遊記で、34枚とも37枚とも言われているフェルメールのすべての絵を見ることができるのでしょうか?
ともあれ、フランス国内に存在するフェルメールの作品は、このルーヴルの二枚だけなのです。
「レースを編む女」はフェルメールの作品の中でも最も小さいものとして有名な絵なのですが、その額の存在感?もあって、すぐに見つけることができました。
ところが同じ部屋にあるはずの「天文学者」が見当たりません。
この「天文学者」の絵は、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、フェルメールの単身窓の構図に、通常の女性ではなく、天文学者とおぼしき男性が描かれています。そして窓から差し込んだ光の中に浮かび上がっているのは、地球儀と本(地図?)なのです。
僕は昔からオブジェとしての地球儀がなんだか好きで、地球儀を集めていた時期がありました。フェルメールがあの独特の光の中に描いた地球儀を、近くでじっくり観察したかったんですよね。
ふと「レースを編む女」の少し隣をみると何やら掲示板の様なものがあります。
フランス語をなんとか解読してみると、どうやらヨハネス•フェルメールの「L'Astronome」は、2009年10月18日から2010年1月10日までミネアポリスの美術館に貸し出し中と書いてあるようです。
残念ながら「天文学者」の絵はお留守だったのです。
明後日の1月10日からすぐに公開されるのであれば、今回の学会会期中にぎりぎり間に合うのですが、フランスのことですからわかりませんし、場合によっては帰国便のスケジュールには無理が生じそうです。
そしてもう一枚、ダヴィンチコードの最終章で有名になったルーブルの逆さピラミッドの写真を載せておきますね。
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