ミュージカル「ビリー•エリオット」
クロアチアからイギリス・ロンドンに戻ってきました。時刻は夕方6時過ぎ。
この時間なら、まだぎりぎり間に合うかも・・・
と、ホテルに荷物をとりあえず置き、すぐにまた出発です。
何に間に合うか? それは、今夜のショウです(笑)。ロンドンの舞台はたいてい19時半頃スタートするのです。
朝から何も食べていなかったので、中華街で軽く食事をとり、またレスタースクエアに。ミュージカルの当日チケットを今日も真剣に物色します。
今日出ているものの中から金額と席のバランスを考え、最終的に購入したチケットは「ビリー・エリオット」。かのエルトン・ジョンが音楽を作曲した名作です。
2009年度トニー賞で、ベストミュージカル賞、ベストアクター賞を含む10部門受賞を受賞し、
「このディケイド(10年)最高のミュージカル」
と評価されているようですよ。
街中でもこんなタクシーを見かけました。
さて、会場にはいると、中はこのようなつくり。
「ビリー・エリオット」は、2000年に「リトル・ダンサー」の名で映画にもなり映画でも数々の賞を受賞しましたので、御存知の方も多いかもしれません。
ストーリーを簡単に説明すると
小さなときに母を亡くした主人公のビリー・エリオットは、イギリス北部の炭鉱の町エヴァリントンで、炭坑夫の父と兄、そして祖母と暮らしています。
炭鉱夫たちは政府の決定した炭鉱閉鎖に反発し、とうとうストライキに突入します。
政府の決断に屈するまで彼らは、何度も警官との激しい衝突を繰り返しているのです。
そんな時代に、労働者階級に生まれ育つビリーが、父に勧められてボクシングを習いにいくのですが、彼はその隣で行われているバレエのレッスンが気になって仕方がありません。
ビリーの運動神経とリズム感に天与の才能を見いだしたバレエの先生「ミセスW」は、当時女の子だけのものとされていて、しかも炭坑夫の様な労働者階級には縁のなかったバレエに目覚めたビリーに、ロイヤルバレエスクールの受験をめざすよう父や兄を説得するのです。
炭坑夫の仲間たちも、なけなしの給与からビリーのスクールの受験代やスクール代をカンパしてやります。
いよいよ試験となりました。
最初は
「教養のない子供がこの由緒あるロイヤルバレエスクールを受けにくるなんて」
・・・と歯牙にもかけない試験官たち。バレエを観るものにも、踊るものにも子供のときからの教育と文化度の高い生活習慣を送っていることが大切なのだと言うのです。
ビリーとともに試験に同席した父は、自分の生まれた階級に対して引け目を感じ、ガチガチに緊張しながらも、次第にビリーの強い意志に影響され、試験官に対して毅然とした態度を取るようになります。
実際にビリーの踊りを見た試験官たちは態度を一転させます。結果、見事ビリーは階級を超えて、ロイヤルバレエスクールの入学試験をパスするのです。
主人公のビリーを演じたOLLIE GARDNERは、まだ12歳ぐらいでしょうか。
ジョークもこなす。バク転もする。ダンスもバレエも踊る。タップダンスもする。ついでに空中浮遊(笑)もする。
ミュージカルのホスト役をすべて行うのですから、見事の一言です。
そして、この難しいビリー役を行える少年が、ロンドンにもニューヨークにも何人もいるのだと思うと、改めて毎回驚いてしまうんですよね。
ミュージカル「ビリー・エリオット」は、踊りや衣装で楽しませてもらえるので、英語があまりわからなくても楽しむことが出来ると思います。観た事のない方にはチャンスがあればぜひ観ていただきたいです。
しかし、物語の背景を正確に理解しようとすると、ちょっと英語力が必要かもしれません。
階級社会であるイギリスでは、階級によって話す英語が変わります。以前にサッカーのデビッド・ベッカムの話す英語があまりにブロークンで驚いたことがあるのですが、このビリーエリオットのミュージカルで話される英語に良く耳を傾けると、それぞれの階級の言葉とイントネーションが出てきます。
それらのバックグランドがこのミュージカルの深みを作り、リピートファンを増やしているのだと思いますよ。
ちなみに映画では、大人になったビリーをロイヤル・バレエ団のプリンシパルを務め、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」などで知られるアダム・クーパーが演じ、短いシーンながらクライマックスを贅沢に飾っています。ビリーを演じたジェイミー・ベルや、お父さん役のゲアリー・ルイス、先生のジュリー・ウォルターズも素晴らしかったですよね。
また、とても楽しいミュージカルなのですが、要注意なのがロンドンで演じられる場所です。
僕はてっきり
この辺り(レスタースクエア)にあるどこかの劇場で観られるのだろう
・・・と思い込んでいたら大間違い。ヴィクトリアステーション前での公演なのです。
買った後に気づいて、大急ぎで地下鉄に飛び乗りましたよ(苦笑)。
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