風景画の巨匠ターナー、ミレイ、ウォーターハウス
ターナーは、風景画を描き始めた初めての画家として知られています。
ターナー以前の絵画は、宗教画や肖像画を描くことこそが「絵画」であり、自然や風景をそのまま描くことは、「全く意味のないこと」とされてきました。
ヨーロッパの絵画は、1867年のパリ万国博覧会に展示された幕府や薩摩藩、佐賀藩などの工芸品や、浮世絵などの「ジャポニズム」の多大な影響を受けて、写実主義から抽象主義への芸術表現の大きな転換をはかります。
1874年にモネ、ミレー、マネ、ドガなどによって開催された私的な展示会が、現在では第1回印象派展と言われていますが、その時でさえも、自然や風景を題材にした「印象派」なるものは、「嘲笑」の意味も込められていたのです。
ターナーは、多くの印象派の画家に比較しても30年も早い。当時、風景画を描くことがいかに前衛的な表現方法だったか、想像もできないですよね。
そしてターナーは、特に水彩画の画材(絵の具の色)について工夫した人でした。
絵を制作年代順に並べると、徐々に色彩が豊かになってゆくので、絵の色彩表現が変わっていったことがよくわかります。
とても興味深かったですよ。
テートブリテンには、もちろんターナー以外のコレクションもあり、見ごたえがあります。
こちらはミレイの代表作の「オフェリア」
自殺したオフェリアが小川に浮かんでいるという衝撃の絵画ですが、シェイクスピアのハムレットの有名なシーンですよね。
こちらはJWウォーターハウスの作品。アルフレッド・テニソンの詩「The Lady of Shalott」を題材にして描かれたものです。
幾つか好きな絵を見て、優雅な時間を過ごすことができました。
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