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2011年1月17日 (月)

サル・プレイエル、アルカディ・ヴォロドスのチャイコフスキー

2011年1月。パリ到着の初夜。

パリ17区にある、管弦楽専用ホール「サル・プレイエル」に、パリ管弦楽団の演奏を聴きに行きました。

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2006年にリニューアルオープンしたこのホールで、この日はパリ管弦楽団の定期演奏会があったのです。

題目が、僕の大好きな

チャイコフスキーの

■ピアノ協奏曲第一番

■交響曲第五番

・・・と聞いて、今年最初のコンサートで聴くのがこの曲だなんて、これは演奏次第で2011年は幸先の良いスタートになりそうだな、と

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すぐにチケットを押さえました。

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中は観客でぎっしり。

まさに地域に根付いた地元の人に愛されるホール、といった趣で、場内もフランス語によるアナウンスしかありません。


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この日選ばれたピアニストは、ロシア出身のアルカディ・ヴォロドス。

巨匠ホロヴィッツや、僕も注目する若手ピアニスト デニス・マツイエフと同じ、いわゆる“超絶技巧”で知られたピアノ演奏家です。

昨年発売されたウィーンでのコンサートCDは、評論家を魅了して高評価をうけていましたが、僕自身は彼の生の演奏を聴くのが初めてだったので、楽しみにしていました。

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実際のヴォロドスの演奏は・・・といえば、彼が鍵盤の上に指を置いた瞬間から、それこそ会場が静まり返って息を呑むのも憚られるような雰囲気。

しかも、技術だけで観客を威圧するのではなく、情感もたっぷり込められたピアノ演奏に、感動の波が客席一杯に押し寄せてきます。

ピアノ協奏曲の演奏が終わった瞬間から、

「ブラボー!!」

の声と拍手が鳴り止まず、彼は3度もソロのアンコールに応えてくれました。

アンコールの曲はスクリャービン。

以前お話しさせていただいた演奏家の方に、技術の巧劣と、感動の度合いは違った尺度にあるといわれたことを思い出しますが、彼は技術が巧みでしかも人を感動させる演奏ができる数少ない人物なのでしょう。

「現代のヴィルトゥオーソ」

といわれているのもよくわかりましたよ。

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パリらしく、ホール内のカフェもおしゃれです。

続いて後半のチャイコフスキー交響曲第五番も、素晴らしい演奏で引き込まれました。

この曲も、大学受験の時にはまって何度も聴きこんだ曲なんですよね。

それこそ1音階1音階そして、曲のすべての旋律を覚えている曲です。

最近オペラやバレエなどの映像が入ったコンサートに行くことが多かったので、久しぶりに聴いたのですが、やっぱり名曲ですね。

会場から出てゆくときに、第五番を鼻歌で歌っている観客が何人もいて、そういった文化度の高いクラシック音楽の楽しみ方をしているパリジャンに、親しみを覚えました。

いい夜でした。

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