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2011年3月18日 (金)

被曝とは?

クリニックにいらしゃる患者さんから、被曝について聞かれています。

何人もの方から同じ御質問を受けるので、ブログでもお話しておこうと思いました。

放射線に、人体がさらされることを「被曝(被“爆”ではない)」と言います。

被曝には大きく分けるとふたつあり、外部被曝と内部被曝とに分けられます。

「外部被曝」は、体の表面から放射線を浴びることによっておこり、

「内部被曝」は、放射性物質を人体内部に取り込んだ場合におこります。

人体に対して長期的に害をもたらすものは、短期的な照射による「外部被曝」よりも、長期的な放射性物質の体内蓄積による「内部被曝」に多いので、現在のような状態の場合、私たちができることは、まず内部被曝を防ぐこととなります。

では、どういった際に内部被曝になるのでしょうか?

空気上に舞った放射性物質を肺から吸い込んでしまう場合、さらに傷口から血管に入る場合などがありますが、一番多いのは放射性物質を口から取り込んでしまうことです。

手を汚染した場合は、その後の飲食やメイク、ちょっと口元に手を当てるような仕草をするような際に、口に入りやすくなりますので、現在私たちが行うべきことは、帰宅後の手洗いと、マスクの着用ということになります。

さらに、実際に放射性物質を浴びた際には、帰宅後すぐにシャワーで洗い流すこと。着ていた服にも放射性物質が付いている可能性があるので、袋に入れて隔離することが大切です。

放射線による被曝によって、人体にはどのような影響が及ぶのでしょうか?

これには大きく分けて二つの影響があります。確定的影響と、確率的影響と呼ばれているものです。

確定的影響は、大量な放射線を短期間に浴びた場合に起こることで、ある一定の値(しきい値)以上の放射線を浴びると起こります。

人体が恒常性を保っているのはDNAのおかげです。

体の中には60兆個もの細胞があり、恒常性を保つために、常に細胞分裂を繰り返しています。

この2本鎖のDNAは非常に巧妙な再生システムを持っており、細胞分裂中に何らかの影響で一方のDNAが破壊されても、わずか数時間のうちに再生してくれるのです。

しかしながら、ある一定量以上の放射線を浴びてしまうと、体の中の細胞の、細胞分裂中のDNAの再生能力が間に合わなくなるために、DNAに傷がつき細胞分裂ができなくなり、細胞がアポトーシス(自死)してしまうのです。

つまり、細胞の中でも分裂をする回数の多いものほど、この影響を受けやすいということで、骨髄の造血細胞、小腸の粘膜細胞、皮膚上皮細胞などが害を受けやすくなります。

同時に子供も細胞分裂が速いので、放射線の影響を受けやすいと言っていいと思います。

もうひとつ、放射線には確率的影響というものがあります。

仮に放射線によってDNAが傷がついても遺伝子のDNAコード中でまったく仕事をしていない部分が非常に多いのですが、確率的影響は、重要なDNAが傷つき、かつ分裂能力を残した細胞が生体に残された場合に起こります。

こういった細胞は長い年月をかけて、癌や白血病といった病気に変化することが多く、疫学的にも放射線とは因果関係がつけにくいのですが、これ以下なら安全という「しきい値」がなく、被曝線量が少量であっても、少量のリスクがあるといわれています。

特に生殖細胞が変異を起こした場合、遺伝的に影響を及ぼすことがあります。

男性の精子の遺伝子は、常に新しいものが作られていますが、女性の卵子の遺伝子は、生まれたときより数が決まっていて、それが順番に排卵されていますので、これから子供を産む女性のほうが、より注意が必要です。

ですが、実際には、日常生活の中でも私達はごくごく微量ながら被曝しています。

自然界で被曝する線量や、健診などによって被曝する線量もあります。

飛行機に乗っても宇宙線によって被曝します。

そもそも人類を含めた生物の遺伝子的な進化とは、自然被曝によりその生物のDNAが変性し、その中で生態系の変化により適したものが残されてきた結果であるともいえます。

現状政府や関係筋により発表されているレベルの放射線線量が、本当に実測値であり信頼できるものであれば、避難区域からある一定距離以上離れていれば、恐れるほどの問題はない、というのが今現在の僕の見解です。

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