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2011年8月 9日 (火)

ニキビ跡の赤みを消す光治療機器 MaxG

今日も暑いですね。今日8月9日もクリニックFの診療日です。

ロシアブログが終わって一段落しましたので、先月クリニックFで購入したレーザー光治療器について話をしようと思います。

ここ数年進化したフラクショナルレーザー機器が登場したことにより、ニキビ跡の治療が大きく変化しました。

「フラクセル3DUAL」を頂点に、最近はDEKA社のSmartSideDOT2、シネロン社のCO2REなどの進化型フラクショナルCO2レーザー機器が出そろってきましたので、ニキビの肌の凸凹を平滑にする技術が非常に発達してきました。

しかしながら、赤みの残ったニキビ跡は色が目立つため、凹凸が目立たなくなっても治療効果の満足度でいけば、もう一段階、機器に進化があればと思っていたのです。

Absorption
レーザー機器は、茶色いメラニン色素に反応する波長の検討が長く行われてきました。

日本人にとっても茶色いシミを取ることが、レーザー治療の目的の一つだったと思います。

赤い色(メトヘモグロビン)をレーザーで治療するのは、一つ厄介な点がありました。

それは施術ののちに必ず起こる、2週間程度の内出血(紫斑・パープラ)です。

Pulsedulation

赤を治療するためには、590nm近辺のパルスダイレーザー(PDL)か、532nmのKTPの波長が必要なのですが、この波長をヘモグロビンが破壊できるぐらい短いパルス幅で照射してしまうと、理論的には必ず紫斑が生じるのです。

過去、パルスダイレーザーやKTPに代わる波長の模索が行われてきたのですが、ここでレーザーの代わりに注目されてきたのがもう少しパルス幅が長いIPL(光)治療器です。

ここ数年で、特に注目されている機器が、米国パロマ社 スターラックス MaxG。

Starlux_3

今年2011のテキサス州グレープヴァインで開催された米国レーザー医学会(ASLMS)で、ヘモグロビンの赤に効果があるレーザー機器が二つ話題に上がっていたことはこのブログにも書きましたよね。

一つは

IPLを光源に利用した米パロマ社 MaxG

もう一つは

KTPレーザーを光源に利用した米キュテラ社 エクセルV

でした。

熟慮の結果、僕はMaxGを購入することにしたのです。

米国皮膚科学会の重鎮で、僕が米国皮膚科学会に入るときに推薦状を書いてくれたEmil Tanghetti, MDは、特に顔面の毛細血管拡張症に関しては、パルスダイレーザーに比べてMaxGのほうが効果が高いと述べていますね。

I believe the StarLux 500 with the MaxG handpiece is just as good if not better than modern pulse dye lasers in the treatment of facial telangiectasia.

Maxg

MaxGの特徴は、

DUALフィルターによりヘモグロビンと血管に集光しやすい光を選んでいること。

パルスダイレーザー(PDL)に比べて皮膚の深い部位にある血管にも均一に集光できること。

パルスダイレーザーに比べて、照射後の紫斑(内出血)がほとんど現れないこと。

浅く細い血管に対して効果のある500-700nmの波長と、深く太い血管に対して効果のある850-1000nmの波長を、レーザーのパワーとパルス幅を調整することでスペクトラルシフト調節できること。

ということでしょうか。

クリニックFでも、いよいよ赤みの強い患者さんに対して治療を開始しましたが、MaxGは、今年注目すべき機器ですね。   

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

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レーザー治療 ニキビ跡」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。傷跡治療で検索していたらこちらのブログにたどり着きました。
私の場合は、ニキビとは違いますが、顔に線上ではない傷跡が複数個あります。
フラクショナルレーザーも増え、先生のクリニックは多数そろって見えるのと、よりよい複合治療などもしていただけるではと思いコメントさせていただきました。
1センチ四方くらいの凹みの大きさで多少凸凹もあります。化粧すると隠せる部分とやはり凸凹が目立つ箇所があります。
ついつい隠そうとするあまり、厚化粧になってしまいます。
フラクセルリペアが最新と聞き、どれくらいの効果があるのか興味があります。
また、治療後に副作用として、シミになってしまった場合シミ治療で消すことは可能ですか?

投稿: yosiko | 2012年6月28日 (木) 19時26分

yoshikoさま。

コメントありがとうございます。

傷跡のレーザー治療は、正しい診断の後、正しい機器を選択し、正しい治療を行う。

という三点に集約されます。

特に傷跡の治療の場合は、実際に症状を診せていただかなければ診断はできません。

フラクショナルレーザーは市場に沢山出ていますが、どの機種を治療で使用するか決定するかを決めるのは、あくまで診断した医師です。

新しい機器が、その傷跡に対して最も効果があるというわけではないのです。

特にレーザー機器の場合、あくまで治療道具の一つですので、パラメータの設定、機器の整備具合、その後に使用する薬剤などもそれぞれ治療結果も大きく違います。

たとえば、AクリニックとBクリニックで同じフラクセルリペアがあったとしても、同じ治療ができると思わない方が良いと思います。

また、治療の経過によって発生したシミとは、反応性色素沈着症のことを指すのだと思いますが、これは治療可能です。

僕を含め、医師ができることは、傷跡が綺麗に治るように、コンシェルジェのようにレーザーの最新知識を提供し、患者さんを応援してゆくことだけです。

いくつかの病院にカウンセリリングに行って、納得できる治療を提案してくれた先生に診てもらうのが良いとおもいますよ。

投稿: 管理者 | 2012年6月29日 (金) 15時44分

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