2011年レーザー治療機器総括その5 まぶたの周囲の施術
おはようございます。連休明けの10月11日。
今日もクリニックFの診療日です。
連休中に、ある企業からの依頼で急遽、来週ポルトガルのリスボンで開催されるヨーロッパ皮膚科学会(EADV)へ出席する予定が決定しました。
今回は日程的にもぎりぎりですが、20日に出発。24日の午前中の便で帰国。そのままクリニックで診療という日程で行くことになりました。
ポルトガルはまだ行ったことのない国ですが、やはりジェロニモス修道院はこの目で見ておきたい。
そして、オペラファンとしては、18世紀に建設されたサン・カルルシュ国立劇場 (Teatro Nacional de São Carlos)にももちろん是非とも行ってみたいですね。
学会会場の近くなのです。
さて、2011年レーザー治療器総括のブログをあと2つ。仕上げてしまいますね。
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2011年、施術の点での二つ目の進化は、眼瞼(まぶた)まわり、特に上まぶたのレーザーによる施術方法です。
特に昨年末ぐらいから、ヨーロッパ皮膚科学会誌(JEADV)や、米国皮膚科学会誌(JAAD)などで、まぶたの上のレーザー照射により、まぶたのたるみを改善する施術の論文が数多く出てきました。
通常の脱毛レーザーや、色素を取るレーザー機器は、メラニンに吸収される1200nm以下の波長を使うことが多いため、いわゆる黒目や、網膜のある目の上にレーザーを照射するのは非常に難しいことでした。
しかしながら、フラクショナルレーザーをはじめとした1400nm以上の波長のレーザー光や、RF(ラジオ波)は、メラニンに吸収される率が低いため、まぶたの上のレーザー照射が可能となってきたのです。
サーマクールアイや、フラクセルアイなど、特殊なコンタクトレンズを使用した、まぶたの上の施術が紹介されたのが、2006年ぐらいだったでしょうか…。
特にまぶたの上は肌がデリケートで、表皮も薄いため、レーザーの精度が高くなければ施術はしにくいのです。
僕の記憶では、初期にレーザーによる施術が発表された時には、いくらコンタクトゴーグルをするとは言え、レーザーの深達度が安定していないのに、ずいぶん野蛮なことをするものだという印象を受けたのを覚えています。
しかしながら、5年もすれば新しい施術も市民権を得て、多くの工夫もされてきます。
特にCO2フラクショナルレーザーを、上まぶたに使用した、イタリアDEKA社のスマートサイドドットを使用した「マドンナリフト」は、米国でも欧州でも注目の施術ですね。
目の周りだけはレーザー治療が苦手とした治療部位。
クリニックFでもマドンナリフトの施術を始めましたが、まぶたの弛みに加えて、目の下の細かいしわには、非常に強力なツールになりつつあります。
今後も適応が増えてゆくと思います。楽しみですね。
世界最先端のレーザー情報がわかる
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