■EADV 2011in Lisbon,Portugal⑧ Ellipse I2PLの新機種
今回のEADVで参加したセッションの一つが、デンマークのEllipseという光治療器のメーカーが新しく出したEllipse MultiFlex +(エリプス マルチフレックス プラス)です。
今回は、ドイツのミュンヘン技術大学皮膚科レーザー部門(The laser unit of the department of dermatology, Technical University of Munich)で Haut & Laser Clinicの開設者であるProf. Michael Drosnerが講演を引き受けていました。
エリプス社は、本家イスラエル・ルミナス社のフォトフェイシャル(IPL)を超えるという目的で作られた、「I2PL」という光治療器を製造しています。
I2PLは、国内にもファンが多く、非常に評価が高い光治療器ですよね。
レーザー機器と違い、フォトフェイシャル、I2PL、パルストライト、フラッシュランプ、APLなどと呼ばれる光治療器は、レーザーとは違って単一波長ではないので、どの機種が性能的に優れているか評価が難しいです。
I2PLが、ほかのIPLと違って優れた特徴を持つ点としては、
二枚のフィルターを使用することで光源の波長の上下を区切っていること。(これはパロマ社も同じ技術を利用しています。)
さらに、火傷をおこす可能性があるオーバーパワーになるパルス時間を、照射エネルギーを均一にすることでなくしたこと。
という記載がWEBあります。
思えば1999年のフォトフェイシャルの発売以来、10年が経過していますので、光治療器の技術自体は各社肉薄しています。
どちらかというと、光治療器はその機器を使い慣れた職人のような医師が使用するかどうかで、治療効果が大きく変わる施術と言えるでしょう。
もともとフォトフェイシャルに代表される光治療器はシミを取るために使用されてきた機器ですが、現在は脱毛や組織のタイトニング(コラーゲンやエラスチンの増加作用)に使用される機会が多くなりましたね。
このI2PLをベースに血管治療用のロングパルスNd:YAGレーザーを付加したのがこの新しいEllipse MultiFlex +です。
新しく血管治療用に付加されたNd:YAGレーザーの解説をしていましたが、
「同じ波長のNd:YAGレーザーでも、メーカーにより照射時に形成されるパルスに違いがある」という点が強調されていましたよ。
全く同じスペックのレーザー機器が、各社で違う反応をする現象がよくあるのは常識とも言えることですが、同じ機種を使用していても、複雑な構造だけに、機器に劣化が起こっている可能性が非常に高い。
つまり、レーザー機器は製造年月日で性能が変わると考えたほうが良いのです。
クリニックFでは機種によっては、2年以内に機器を丸ごと買い替えますが、それもそのような意味合いがあるのですよね。
世界最先端のレーザー情報がわかる
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