午後は2時間かけて横浜から府中に移動。
東京外国語大学府中キャンパス内講堂で開催された
「第一回 世界自然療法シンポジウム」
にて
「統合医療の可能性、患者に自然療法ができること、医師との連携で求められるセラピストとは?」
という演題のパネルディスカッションに参加しました。
座長は大学の同級生の関谷剛先生。
関谷先生はANAの機内誌や、雑誌ソトコトでの連載「アンドルーワイル博士との手紙」など文筆業でも活躍されています。
パネリストは
■ピーター・マッカレス: 英国クリスティーホスピタル補完療法チームリーダー
■デニス・ティラン: 助産師、Expectancy代表、英国グリニッチ大学助産学前主任講師
■インガ・ドーガン: 南アフリカリフレクソロジー協会会長
■藤本幸弘: 医師・医学博士・クリニックF院長
という構成。
世界の自然療法士を相手に、内容の濃いディスカッションになりました。
イギリスは、1990年代にサッチャー政権下で医療費の削減が行われたため、癌の手術待ちの患者さんが1年近く待たされるなど、医療機関へのアクセスの配備が大きく立ち遅れました。
そうした中、リフレクソロジーやアロマセラピー、そして鍼灸といった西洋医学以外の補完医療が保険診療の枠組みの中に入り込む条件が揃っていました。
しかしながら、現状の日本の保険診療制度下で、自然療法が今後保険診療点数の中に組み込まれることはまずないと言ってよいでしょう。
医療保険の仕組みの中に自然療法が組み入れられない以上、日本における自然療法士は独自の路線を歩まなければなりません。
自然療法の役割である健康増進や予防医学という観点では、西洋医学によるアプローチよりも明らかに優れている点がいくつもあります。
また、僕の専門のひとつでもある「痛みの緩和」についても、タッチングやアロマセラピーなど、医療以外のアプローチでできる事はいくつもあります。
「あるがまま」の生体に何らかの負荷=ストレスがかかり続けると、人は病気になります。
その歪みの原因となるストレスを、何らかの方法で解除する。
または、なんらかの負荷によって病気ではないけれど、心身に痛みが生じることがあります。
痛みは不安や恐怖を伴い、それらは人間にとって最大のストレスとなりますから、これらを何らかの方法で解除/緩和/改善することが必要となります。
その解除する方法はいくつもあって
○西洋医学を中心としたMedical メディカル アプローチ
○運動や栄養学といったPhysical フィジカル アプローチ
○心理学的、心療内科的なMental メンタル アプローチ
といったものの中に、
○マッサージやツボ刺激を含めたタッチング、アロマセラピーなどを採用したフィジカルとメンタルどちらにも作用を及ぼす、自然療法的アプローチ
があることを、日本にいる医師も認めざるを得なくなっていると思います。
そして、クライアント側の方もこうした様々な方法の中で、歪んでストレスがかかった自分を本来の自分の姿に戻す、あるいは戻すことが不可能でも近づけるために、自分に合った療法を選ぶことができる環境があると良いと思うのですよね。
ディスカッション中ピーター・マッカレスが、
「イギリスでは自然療法に対して二つの制約を意味する法律がある。
1つはこの療法で病気が治ると言ってはいけない。
もう1つは療法に関連する商品を売ってはいけない。」
という指摘をしていましたが、病気の人は西洋医学の医師が診るというこの二つの原則さえ守っていただければ、自然療法を学んだ方に、患者さんを元気にするお手伝いしてもらいたい医師は沢山いるはずです。
とはいえ、マッサージ大国である日本では、セラピストといっても今はまだ混沌としていることも事実。
こうしたニーズが日本の国家にも認められ、資格発行に関する法整備が整う日が来ると良いと思うのですけれどね。
写真はディスカッション後。関谷先生は残念ながらお帰りになった後だったのですが、皆で収まりました。良い記念になりましたよ。
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