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2012年2月16日 (木)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月⑯ 生誕150年のクリムトの作品を探してウィーンの街を歩く

おはようございます。

今日2月16日は木曜日でクリ二ックFは休診日です。

実は今日明日と、工学部大学院博士課程の単位取得のため、特別講義を大学で受講しなければならなくなりました。

そのため明日17日(金)の診療は、夕方からとなります。

そんな理由もありますが、今日の国際学会周遊記は、年始にウィーンで観たクリムトの作品についての長いブログです。

どうぞお付き合いください。

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ウィーンの街で今回楽しみにしていたのは、クリムトの散策でした。

クリムトと言えば、女性の官能的な絵を描く画家ですが、その絵の中に常に「死」が見え隠れするのがは不思議です。

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2012年はグスタフ・クリムト生誕150周年で、ウィーンの街は彼の作品の特別展が多く開催されています。

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クリムトの作品は、

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こちらのベルヴェデーレ宮殿上宮にある「接吻」。

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2007年にこの地で開催されたヨーロッパ皮膚科学会(EADV)に参加した時に、初めて本物の巨大な「接吻」の絵を観たときには、衝撃で息が止まりそうになりました。

この絵はレプリカですが、本物は金箔が貼られています。

金箔は日本画の影響を強く受けたものだそうです。

今回も赤い額の中で、変わらぬ姿を観ることが出来ました。

そして、

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ウィーンミュージアム・カールプラッツにある「愛」

Liebe

さらに、

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ミュージアム・クウォーターのレオポルト美術館にある「死と生」

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Photo

などが僕の好きなクリムトの作品。

ウィーンでなければ、これらの作品を観ることができません。

ウィーンの街には、クリムト作の多くの壁画が残されています。

今回のウィーン滞在中は、クリムトの作品を求めて、7つの美術館や施設をはしごしました。

ご紹介しますね。

クリムトの壁画を探しに訪れたのは、こちらウィーン美術史博物館。

お正月の最初のブログで、フェルメールの絵画とバベルの塔についてふれましたよね。

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このロビーの大広間の階段の上に、クリムトの描いた壁画があります。

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こちらの二つの柱の横にある壁画が、クリムト作です。

「エジプト」「古代ギリシャ」をモチーフにしたもの。

ちょっと距離があって、双眼鏡が欲しかったです。

そして、ウィーンオペラの殿堂の一つ。ブルグ劇場。

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ウィーンと言えば、やはり国立オペラ劇場が有名ですが、ブルグ劇場の内装が素晴らしいことはよく知られています。

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こちらは第二次大戦で戦火を免れ、貴重な壁画が残りました。

滞在中に、週に一度のクリムトの壁画専門の英独語ツアーがありましたので、行ってきました。

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こちらの両翼の建物にある階段の上の天井画。

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この一部が若き日のクリムトが描いたものなのです。

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正面に見える美しい壁画。

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上部にも壁画があります。

そして、ガイドさんに導かれて向かった反対翼。

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こちらもこのような天井画があるのです。

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こちらも見事な壁画です。

ブルグ劇場の最上階には、これらのクリムトのスケッチが残されている場所があります。

普段はいけない場所ですが、こちらもクリムトツアーで案内していただきました。

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鉛筆での実物大のデッサン。

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試行錯誤の跡があり、実際に出来上がった壁画とは違う姿勢のデッサンもありました。

 

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こちらの絵の中に描かれた人物。

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クリムトの自画像です。

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こちらの天井画に描かれていた絵の右端中央の人物と比べてみてください。

そしてもう一つ感激したのが、

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こちらセセッション館にあるベートーヴェン「交響曲第9番」をモチーフとした壁画。

(ちなみに「セセッション」とは、Wikipediaでの説明から引用しますと、1897年にクリムトを中心に結成された新しい造詣表現を主張する芸術家のグループを指し、日本語では「ウィーン分離派」と呼ばれます。

セセッションの活動は、Arts&Crafts、アールヌーヴォーなどに影響を受け、モダンデザインへの道を切り拓いたとされています。

クリムトに代表される世紀末の官能的、退廃的な雰囲気を漂わせた作品も多く、セセッション館とは、そんなウィーン分離派の作品を集めた展示施設で、ウィーンの名所のひとつです。)

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地下室の上部には、クリムトの連作壁画 「ベートーヴェンフリース」があります。

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写真が撮れませんでしたので、この写真のみ、セセッションのWEBからお借りしました。

白い壁の壁面を見上げる様に、約20mの長さでベートーヴェンの第九の曲想に沿ってクリムトの絵が描かれているのです。

作品が作られた当初は反発もあったようですが、僕は素晴らしいと思いましたよ。

頭の中で、ちょうど年末に聴いたばかりの第九の旋律を思い出しながら観てゆくと、実に興味深い。

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こちら、第九の第四楽章で合唱に入る部分です。

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歓喜に満ちた表情で、合唱が歌われつつある絵に、いつしか第九の歓喜の歌が聴こえてくるようで、一時間ばかりかけてじっくり鑑賞してしまいました。

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セセッションを出るときには天気も変わっていました。

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