« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »

2012年3月の25件の記事

2012年3月31日 (土)

■アメリカ・サンディエゴ出張2012春⑥米国形成外科医の大御所 Steven R. Cohenのクリニック FACES+

おはようございます。

今日3月31日(土)もクリニックFの診療日です。

いよいよ本年度も最後ですね。今日は朝から風の強い東京。春先の独特な気温に雨も混じって、なんともいえないお天気です。

今日クリニックにお越しくださる患者さんにおかれましては、交通機関の遅延などもあるかと思いますので、慌てず気をつけていらしてくださいね。

僕のほうはひとつニュースが。

4月12日からインドで開催される皮膚科学会でレーザー招待講演の依頼があったのですが、ようやく学会より連絡がきました。

3度目にしてやっと実現されそうなインド訪問。

これでなんとか航空券の予定がフィックスできます。

昨日、学会よりの正式な招待状をもとにビザを申請することが出来たのですが、このインドのビザ、内容の細かいこと細かいこと・・・。

インドには、インド時間とインド常識があるのでしょうが、こちらはヒヤヒヤしますよね(苦笑)。

さて、僕のブログは先週訪れた、サンディエゴでのクリニック訪問の話。

*************************

ラホイヤでの会食の後、向かったのは、Dr.Steven R. Cohenのクリニック。

Cohen

こちらは昨年11月に開催された、横浜シンポジアで開催された「第6回日本美容抗加齢医学会」の前日の講演者会長招待の時にドクターと撮った写真です。

形成外科という学問を作った、米国形成外科医の大御所の一人。

そしてフェラーリを駆る、西海岸で経営的に最も成功した医師の一人としても有名です。

そんな彼はとても日本びいきなのですよね。

今回のサンディエゴ滞在に合わせ、何度かメールをして時間を合わせようとしたのですが、数時間の差で、残念ながらコーエン先生とサンディエゴでお会いできる日程がありませんでした。

ですが、案内をつけるので、ぜひクリニックを見学してくださいとご連絡をいただいたので、見に行ってきました。

Img_4923

NEVER LOSTというナビゲーションシステムの示すままに向かった先は、青空に映えるこんなにきれいなビル。

Img_4924

コーエン医師の表札を見つけました。

Img_4925

大きな商業ビルの入口。

コーエン先生のクリニックは二階にあります。Img_4926

受付ではにこやかに迎えてもらいました。

Img_4950

見晴らしの良い待合室の奥に進むと…。

Img_4927

Img_4930

コーエン先生が描いたという、大きな絵画が並んだ空間に出ます。

Img_4939_2

Img_4944

右の絵は、ゴルゴダの丘を十字架を持って登るキリストでしょうか?

外科医の中でも特に、形成外科医は空間把握能力が高いと思いますが、絵を描いたり、楽器を演奏したりといった、芸術家肌の人が多いですよね。

絵が沢山あると、待ち時間も楽しめますね。

Img_4934

このクリニック建築で、特徴的だと思ったのは、廊下が緩い弧を描いている点です。

このアールによってプライバシーも守られますから、空間が許せばこうしたアイディアはとても良いかもしれません。

Img_4942

窓側の部屋がすべて診察室や施術室、手術室になっています。

Img_4935

キュテラの機器が置いてありますね。

Img_4936

こちらは脂肪を凍らせるゼルティック(クールスカルプティング)です。

Img_4945

フラクセル3DUALも導入されています。

Img_4938_2

一番奥は、光がまぶしいぐらいの手術室です。

そして

Img_4937_2

コーエン先生の院長室。

クリニックの窓から見える、カルフォルニアの景色です。

Img_4948

Img_4952

この日院内を案内してくれたのが、この院内統括マネージャーの女性。

なんとコーエン先生と30年以上も仕事をしているのだとか。

もう私は60前だけれど、この通りコーエン先生のおかげで、歳を取らないでいられるのよ!

と言っていました。

クリニックFは、限られたスペースで、限定された患者さんだけを診るという、東海岸ニューヨークのアッパーイーストサイドにある隠れ家的なレーザークリニックを意識して作ったのですが、西海岸のクリニックは、東海岸と比較すると、広大な土地を利用し、スペースを生かした作りをしていますね。

次は、こんなクリニックも作ってみたいなあ。

様々なインスポレーションをもらいました。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月30日 (金)

■アメリカ・サンディエゴ出張2012春⑤La Jollaラホイヤの海辺でランチ

おはようございます。

今日3月30日(金)はクリニックFの診療日です。

昨日は所用で北海道に行ってきました。

あちらの気温は1度前後、花粉も全く飛んでいませんでしたが、東京は、桜もそろそろ開花の雰囲気ですね。

昨年は震災もあって、どんな桜を見たのか記憶が曖昧なくらいですが、今年は去年よりも明るい声が聞こえると良いですよね。

さて、僕のブログは先週訪れたカルフォルニア、AAD米国皮膚科学会の話です。

***********************

Dr.フィッツパトリックのクリニックを見学後、La Jolla(ラホイヤ)のビーチで食事をしました。

Img_4900

UCSD(カルフォルニア大学サンディエゴ校)のメディカルセンターが見えるすぐ先です。

Img_4897

残念ながらラホイヤについた時も曇り空。まあ、カリフォルニアでは逆に珍しいことですから、こんな空も見ることができて良い思い出になったということにしましょう。

Img_4901

ついたお店はビーチ沿いの有名店

Img_4903

眼下には太平洋が広がる場所です。

Img_4904

Img_4908

食事をしている間に少しづつですが青空が見えるようになりましたが、これが滞在期間中最後の青空となりました。

Img_4905

このレストラン。以前にも来たことがあるのですが、とても景色が良いのです。

Img_4909

こちらでこんな蕎麦をいただきました。

Img_4910

海産物が豊富で、とてもおいしかったですよ。

Img_4913

Img_4916

青空の下。最後に写真を一枚。

次は、ラホイヤの形成外科医 Dr.スティーブン•コーエンのクリニックに向かいます。

Img_4919

カルフォルニアらしい景色ですね。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月27日 (火)

■アメリカ・サンディエゴ出張2012春④フォトフェイシャル生みの親、Dr.Fitzpatrickのクリニック

アメリカは南カリフォルニア、サンディエゴで開催されたAAD米国皮膚科学会ですが、滞在期間中、レーザー・クリニックを2院、見学することができました。

ひとりはフォトフェイシャルの生みの親の一人、Dr.Fitzpatrickのクリニック。

Img_4854

サンディエゴからレンタカーで、リゾート地として有名なLa Jollaラホイヤまで移動します。

Img_4855

Img_4856

30分ぐらいでしょうか?

看板が見えてきましたよ。

こちらのインターを降りて、少ししたところ、大きなメディカルビルに彼のクリニックがありました。

Img_4858

Img_4892

Img_4893

クリニックの正式名称は、「Goldman Butterwick Fitzpatrick Groff & Fabi, Cosmetic Laser Dermatology」。

その名の通り、4人のドクターが集まって開業しているスタイルです。

Phlebology(静脈学)で有名な Michel P.Goldman も一度は独立してクリニックを作ったものの、またこのフィッツパトリックのところに戻ってきたのだとか。

Img_4880

ちょうどサンディエゴで開催された皮膚科学会に参加している日程と、僕たちがこちらを訪問できる日程が重なってしまったため、クリニック見学中は、こちらのどの先生ともあいにくお会いすることはできませんでしたが、見事なクリニックでした。

まず、レーザーや診療室などの資材をDrたちはここで共有することができます。

経営的にも合理的ですよね。

Img_4863

入り口を入ると、ドクターの開発した化粧品の商材がところ狭しと、並んでいます。

Img_4882

Img_4864_2

Img_4888

Img_4885

ショップとしてだけでも機能しそうな豊富なラインアップ。

これだけ並んでいると、あまりに壮観です。

スタッフの方に奥を案内してもらったのですが、レーザー室はなんと13室もありました。

Img_4877

Img_4881

Img_4878

Img_4875

それぞれの中には名だたるレーザー機器が・・・。

Img_4876_2

フラクセルリペア、アンコア・ブリッジセラピー、サイトンジュール…。

Img_4869_2

Lumenis One(ルミナスワン)

Img_4870

Isolaz(アイソレイズ)

Img_4873

サーマクールCPT

Img_4874

フラクセルリストアDUALにサイノシュア・シナジー

Img_4871_2

専門のスタッフを備えた撮影室。

Img_4872

患者さんの待合室。

Img_4865_2

こちらはフィッツパトリック先生の院長室です。

Img_4890

ここまで完璧にそろえられてしまうと、本当に見事です。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月26日 (月)

■アメリカ・サンディエゴ出張2012春③San Diego 痛恨のlost baggageバゲッジロスト再び

おはようございます。

今日3月26日(月)はクリニックFの診療日です。

今日も快晴。風は冷たいですが、気温もすこし上がるようですね。

さて、僕のブログは、先週訪れたサンディエゴ、米国皮膚科学会についてのお話です。

成田空港へ。

今回の出張はユナイテッドエアラインでした。

Img_4790

2010年にユナイテッド航空とコンチネンタル航空が合併して以来、新たなロゴを付けた機体も増えてきましたね。

Img_4789

ロサンジェルス経由でサンディエゴへ。

ロサンジェルスからサンディエゴまでは車で2~3-時間なのですが、帰りがサンフランシスコ経由だったのもあって、今回は飛行機を選択。

写真ではサイズ感がわかりづらいかもしれませんが、小型機での飛行です。

しかし、陸路ではなく空路を行くこの選択が、悲劇となりました…。

Img_4796

機体はサンディエゴ空港に到着したのですが、待てども待てどもターンテーブルに僕の荷物が届きません。

Img_4797

・・・ロストバゲッジです。

先日購入したTUMIのトランクは、他の場所へと飛び立ってしまったようでした。

目立つように黒のトランクではなく今回は茶色にしたのですが、TUMIのナイロン・トランクは似たものが数多くありますからね。

そして、僕の荷物の代わりに、誰も引き取り手のないトランクが4つ並んでいます。

家族連れのものでしょうか?

家族皆のトランクが届かなかったというのも、これもまたかわいそうですよね。

とりあえず、担当者を呼び出し、ロサンジェルスのトランジットで確認したはずの荷物が届いていないことを伝え、サンディエゴの滞在先ホテル名を書き、手続きするだけで1時間弱。

Img_4801

足取り重く、サンディエゴ空港を去りました・・・。

こういうことがあると、陸路と空路の選択肢がある場合は陸路をとるほうがリスクは少ないだろうと思うのですが、飛行機好きな僕はついつい空路を選択しがちです(苦笑)。

Img_4802

サンディエゴは、いつ来ても快晴で暖かいというイメージだったのですが、今回は寒いようなお天気。

青い空も長く続かず、雨雲が空を覆います。

冬着はトランクの中。

移動中、トランクがないというのも身軽ではありましたが、寒さと相まってちょっとさびしかったですね(笑)。

Img_4804

とは言え、大好きなサンディエゴの街が近づくと、気分も高揚してきます。

Img_4806

タクシーの車窓から、見えてきたのは現在博物館になっている空母ミッドウェイです。

Img_4961

Img_4805

空母ミッドウェイといえば、80年代に横須賀基地に寄港する問題でメディアを賑わせましたよね。

神奈川県出身の僕としては、良くも悪くも印象に残る名前でした。

学会会場横のホテルにチェックインして、まずはサンディエゴ中心にある、ショッピングモールに衣類の買い出しに行きました。

Img_4814

この場所は、サンディエゴに来たことのある人ならば、誰でも知っているのではないでしょうか(笑)?

Img_4815

食材売り場にも行きました。

さすがサンディエゴ。

Img_4818_2

海産物がたくさんです。

Img_4817

こんなのもいました。

どう料理するんでしょう…。

Img_4800

部屋に届いていた新聞を読みながら、学会に備えます。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月24日 (土)

今日、弟が博士号(地域政策学) をとりました

おはようございます。

今日3月24日もクリニックFの診療日です。

土曜日だけあってクリニックの予約は朝から満杯。集中力を切らさず、おひとりおひとり丁寧な診療を心がけてがんばりたいと思います。

さて、実は今日、一つ嬉しいことがありました。

僕は男三人兄弟なのですが、3つ年下の真ん中の弟も、僕とは分野の異なる大学院に通う学生でした。

その弟が、今日、経済学部大学院博士課程の修了式を迎え、博士号を取得したのです。

弟は大学卒業後、一部上場企業でシステムエンジニアとして12年間働き、一大奮起をして5年前、会社を辞めて経済学部の大学院修士課程に進学しました。

医学や工学といった理系の分野では、仮説を立て、その仮説を実験で立証し、論文発表を行うというのが博士のアプローチですが、文系の博士は仮説から実験をする代わりに新たな理論を作り上げ、別の補強理論で仮説を立証するという、いわば論理、文章力勝負です。

理系のように実験結果という、皆がわかりやすい確固たるエビデンスとなるものがないので、文系の理論が認められるためには、皆が納得するための一定以上の水準が必要であり、日本では特に、文系の博士号は取得が難しいと言われています。

文系博士(Ph.D)を目指すのであれば、海外の大学で取得することを考えては? と勧めたのですが、弟は僕と違って、鉄道旅行は大好きですが、飛行機が全くダメ。今の今まで海外渡航経験がありません。

兄弟なのに、まったく性格も趣向も違うのです。不思議ですよね(笑)。

経済学部ですので、修士2年。博士3年。

貯蓄を切り崩しながらの生活でしたので、兄として心配も多かったですし、一緒に食事に行くときには、少しでもいいものを食べさせてやろうと、良いレストランを選んだりしていたのを思い出しますよ(笑)。

一旦社会人として生活したのちに、大学に戻り、30代のうちに念願の博士号に到達できたのは、感無量でしょう。

博士(地域政策学) 

というのだそうです。

本当に頑張ったね。おめでとう。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月21日 (水)

第70回米国皮膚科学会参加してきました リスト ピアノ協奏曲 第一番

おはようございます。

今日3月21日はクリニックFの診療日です。

昨日米国皮膚科学会の開催されたサンディエゴより帰国し、今日は早めにクリニックに出勤しました。

残念ながらサンディエゴではクラシックのコンサートには行けませんでした。

ちょっとクラシック音楽に飢えていて、なぜか聴きたくなったのがリストのピアノ協奏曲第一番。

ユンディ•リが弾いたものが見つかりましたので、のせておきますね。

実はクリニックFの音響を今月入れ替えたのです。

クリニックFには、オペラ歌手などの声楽家の方、ヴァイオリン、チェロなどの演奏家、ピアノの先生、声優さん、ロック歌手、ポップス歌手の方などなど、音楽の専門家や、音響にかなり詳しいの方もよくいらっしゃりますので、何人かの方が音の違いに気づかれました。

さすがです(笑)。

ご存知の方もいるかもしれませんが、LINNのDSというシステム。

素晴らしい技術だと思います。

そうそう、米国皮膚科学会(AAD)の展示ブースでは、ものすごく沢山の企業展示がありますが、特に新規性のあるものは、とても小さいブース見つかることが多いのです。

こうした細かいブースで技術者や開発者と語って、技術の先物買いをするのも僕の楽しみの一つ。

個人的に、これはいけるのでは!!

と思った全く新しい技術が二つありました。

一つはレーザー、IPL(フラッシュランプ)に次ぐ、第三の治療光になりうる光源の発表。

ちなみにプラズマやLEDではないです。

会場の何人ぐらいの人が気づいたでしょうか?

工学技術的にも新しく、これはいけるのではないでしょうか。

そしてもう一つは診断機器。

こちらもこのブログで触れてゆきますね。

米国皮膚科学会では、川口クリニックの川口英昭先生、湘南鎌倉美容院の山下理恵先生、かおる美容形成外科クリニックの佐藤薫先生、高崎メディカルクリニックの貝瀬友規先生など、日本の著名な先生方ともご一緒させていただき、とても楽しい時を過ごさせていただきました。

ありがとうございました。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月20日 (火)

無事帰国しました

アメリカ・サンディエゴより、1時間ディレイで今日の夕方無事帰国しました。

不在中はご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。

少々疲れがあるようで、明日の診療と打ち合わせに備え準備を整えたいと思いますので、また出張のご報告は明日以降少しずつしていきますね。

では、また明日からよろしくお願いいたします!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月18日 (日)

■アメリカ・サンディエゴ出張2012春②第70回AAD米国皮膚科学会総会 in サンディエゴ

米国皮膚科学会に参加中です。

428003_3570989081832_1486146253_329

こちらが舞台となったコンベンションセンターです。

年間360日晴天が続くサンディエゴですが、不運なことに週末は大雨でした。

418557_3581471983898_1486146253_329

こちら、色素性疾患のセッションが終わったところの写真です。

大きなスクリーンが三つ。

雰囲気がわかりますか?

肝斑のセッションでは、ハイドロキノンや低出力のレーザートーニングの使用について、意見が割れていましたが、どちらも理論武装してきます。

こうした専門医達のディスカッションの理論展開を聞くのは、理論構築の側面でも非常に勉強になりますね。

今年は景気が少し上向きになったのか、昨年のニューオリンズに比べると活気がありました。

展示会場もご覧ください。

417149_3581493104426_1486146253_329

広い! のです。

リーマンショック前もこんな感じだったのですが、あまりに広くて、会場の端が見えません(笑)。

講演の合間に展示場をまわりましたが、展示も多く、今日一日で半分しか観ることができませんでした。

新しいレーザー機器なども発表されていましたが、今年はボディに関する機器が沢山販売されているのが目につきました。

各社で自社開発するか、技術を持った会社を買収するかで、数が揃ってきたようですね。

会場を歩いていると、知り合いが何人も話しかけてきてくれます。

数万人の参加者がいる中、会場を歩いていると、遠くからでも僕のことを見つけてくれるものですから、嬉しい限りです。

昼食でダウンタウンのメキシコ料理店にいると

「ドクターフジモト!」

と女性の声が....。

一昨年上海交通大学病院でレーザーの講演をしたときに、僕の英語を中国語へ通訳をしてくれた女医さんでした。

今晩も、サンディエゴ在住のドクターに、近くに良いダンスクラブがあって、夜中までパーティーをやっているから踊りに行こうと誘われましたが、時差ぼけだからなあ...。

食事してそのあと元気があったら電話するよと伝えておきました。

さて、これから夜の会食に行ってきます。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月16日 (金)

■アメリカ・サンディエゴ出張2012春①目的はAmerican Academy of Dermatology 70th Annual Meeting,San Diego,Calif.

2012年3月16日~20日まで、アメリカ カリフォルニア州サンディエゴにて開催されるAAD American Academy of Dermatology 70th Annual Meetingに出席するため、サンディエゴにやってきました。

San_diego

また落ち着いたらブログを更新していきたいと思います。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月15日 (木)

今回はUNITED

夕方5時半、成田発の便でアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴに行きます。

United

今回はUNITED。ロサンジェルス経由です。

では、現地でまた!

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

リヒテンシュタイン公国製の新しいレーザー機器

おはようございます。

今日3月15日木曜日はクリニックFの休診日ですが、これから米国サンディエゴで開催される米国皮膚科学会(AAD)に参加するために出張です。

AADは、世界最大の皮膚科医学会。医師を始め、企業のスタッフも含め、4万人以上の人が集まります。

クリニックFの患者さんに還元できるように、最新のレーザー医療技術について情報交換をしてこようと思いますので、またブログで報告させていただきますね。

20日の帰国になりますが、スタッフは通常出勤していますので、ご予約やご質問がありましたらクリニックにご連絡ください。

***********************

リヒテンシュタインという国をご存知でしょうか?

スイスとオーストリアの国境にある小さな公国なのですが、国土は南北に25キロメートル、東西に6キロメートルという、とても小さな国。

世界で6番目に小さいのだそうです。

リヒテンシュタインで興味深いのは、海に出るために少なくとも2つの国境を越えなければならない二重内陸国であるということ。

二重内陸国は、世界の中でもリヒテンシュタインとウズベキスタンの二か国だけなのです。

このリヒテンシュタイン公国の新興レーザー会社が、新たな技術を使ったフラクショナルレーザー機器を開発したという話は、前にもこのブログでふれましたよね

Please

その時は上記の写真しかデータがなかったのですが、一昨日社長がリヒテンシュタイン公国から実物の機器を持って、クリニックFを訪れてくれました。

Img_4784

こちら、pantec biosolutions社 社長のChristof Böhler。

化学の博士号を持っていますが、まだ40代で若いですね。

僕たちの中央にあるのがその新しいフラクショナルレーザー機器

please professionalです。

タッチスクリーンの機器ですが、コンパクトにまとまっていますよね。

スペックはダイオードポンプのエルビウムヤグレーザー。

2Wの最大出力ですが、repetition rateを100-500Hzまで調整可能とし、さらにパルス幅も50-225μ秒の間で設定が可能で、スタッキング機能を加えることにより、最大2㎜の深さまで到達できる技術を持っています。

自分で照射してみましたが、

Img_4788

フラクショナルビームもトップハットで、深達度も十分臨床利用できるレベルにあります。

直径40㎝の、この大きさの機器の中に、施術中に蒸散した組織を吸引する吸引器も備えています。

感度の良いタッチスクリーンパネルで、ユーザービリティも高い。

いっさいOEMをせずに、自社で作り上げたという、非常に完成度が高い機器でした。

これから一年かけて、機器のテストに入るようですが、ニキビ痕には効果がありそうですし、大きさも一般クリニック向きです。

値段設定によっては国内の皮膚科の開業医を中心に、大きな市場があるような気がしましたよ。

Img_4786

クリストフとは、イタリアンとワインをいただきながら、ゴルフやスキー、さらにオペラの話で盛り上がってしまい、ふと気づいたら夜12時近くになってしまいました。

また、今日から僕が出張するサンディエゴにも10年前に住んでいたことがあるそうで、いろいろと情報をもらいましたよ。

今後の動向を楽しみに観てゆきたいと思います。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月14日 (水)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(32) パリのお気に入りのビストロ シェアンドレ 日本への帰国

朝ロンドンを出発して、ユーロスターに乗り、お昼過ぎにはパリで凱旋門を観ているなんて、ちょっと驚きます。

1569

市内のホテルに預けていたトランクを取りに向かいます。

1572

トランクを取る前に、パリで最後の食事。

パリ16区に、おきにいりのビストロがあるのです。

1574

こちらの「シェ・アンドレ」。

1573

良い赤ワインがあると言われたので、まず赤ワインを頼んだのですが、僕好み。

おいしそうな牡蠣も、結局この赤ワインのままで食べてしまいました。

その後はシャルルドゴールに移動。

1578

1579

1580

帰国となりました。

1581

1583

パリの夜景がきれいでしたよ。

これで2012年、年始に滞在した、ドイツ・フランクフルト、フランス・パリ、オーストリア・ウィーン、イギリス・ロンドン、再びフランス・パリの、独仏英語圏の国際学会周遊記を終わります。

明日からのサンディエゴ出張。

また新しいレーザーの話題を仕入れてきますね。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(31) ユーロスターでロンドンからパリへ 旨味レセプターの発見

おはようございます。

今日3月14日はクリニックFの診療日です。

先ほどキャンセルが入ったので、本日夕方に一部予約が空いている時間があるようです。

明日より20日まで、米国のサンディエゴで開催される米国皮膚科学会(AAD)に参加予定ですので僕の診療は休診になります。

僕の留守中も、電話番のスタッフは出勤しておりますので、ご質問やご予約がありましたらクリニックFにお電話くださいね(03-3221-6461)。

毎年米国皮膚科学会では新しい機器がデビューしますので楽しみです。

さらに、今回はサンディエゴ近郊の有名クリニック(フォトフェイシャルの開発者Dr.フィッツ・パトリックと、形成外科医のDr.スティーブ・コーエン)を2院、訪れるアポが取れていますので、またよい報告ができると思います。

*******************************************

年末から滞在していたヨーロッパ4か国。

いよいよ帰国となりました。

帰国便はシャルルドゴールパリ空港からですので、ロンドンからユーロスターを利用することにしました。

当初に予約していた列車が、打ち合わせの関係で使えなくなり(残念ながら払い戻しができなかったのです)、やむなくホテルからインターネットで翌日の切符を予約したのですが、時間帯によってはディスカウントチケットがあり、思ったよりも安く移動できるのです。

キャンセルしたチケットと合わせてもロンドンパリ間の航空券に満たないぐらいでした。

こちら、ユーロスターのロンドンの出発駅となるセントパンクラス駅。

Img_4516

隣のキングスクロス駅は、ハリーポッターで一躍世界的に有名になりました。

ホグワーツ特急の始発駅です。

Img_4517_3ントパンクラス駅に入り、ユーロスターの改札を目指します。

こちらは少しわかりにくく、構内の一番奥にありました。

1558

看板を見て気づきましたが、ユーロスターには日立の技術が使われているのですね。

1559

駅の構内で待つ間、車内で食べるものを探していたところ。「SUSHI BENTO」寿司弁当を見つけ、つい買ってしまいました。

1561

ロンドンで寿司弁当が食べられる時代が来るとは思わなかったなあ。

1560

中身はこのような感じで、けっして美味ではありませんが、久しぶりの醤油の味で、ちょっとホッとしました。

醤油に入っているアミノ酸が、うま味を感じさせるんでしょうね。

料理の世界で五味というと、酸味、塩味、甘味、苦味の他にうま味があるのはご存知だと思います。

うま味は特に東アジアや中華圏の料理では、重要な味のひとつ。

L-グルタミン酸ナトリウムを主成分とするうま味調味料である、「味の素」の影響も大きいのだと思います。

僕の名前は「ふじもと」ですが、インドネシアなどに講演に行った時には、「あじのもと」とよく混同されました。

東南アジアでは、特に有名な日本語のひとつなのでしょうね。

最初に発見されたうま味物質はグルタミン酸。だし昆布の中から日本の学者によって1908年に発見されました。

数年後には、鰹節から抽出したイノシン酸が、さらに椎茸の中からグアニル酸が抽出され、こちらも新たなうま味成分であることが発見されました。

ところが、このうま味を口腔内で感知するレセプターは、長いこと発見されずにおり、西洋の学者たちは、この第五番目の味覚である「うま味」をなかなか認めず、酸味や塩味、甘味などの複雑な混合物だと考えていたのです。

その均衡を破ったのが2000年に「Jounal of Nutrition」に発表されたこちらの論文。

Umami

舌の味蕾にある感覚細胞に、グルタミン酸受容体(mGluR4)が存在することを突き止めた論文なのです。

うま味(umami)が世界共通に認識されるようになったのはこの論文がきっかけなのですが、

思いのほか、新しい研究成果です。

さて、ユーロスターの話に戻ります。

1562

この駅の待ち合わせ場所では、無線LANが使い放題でした。

空港も見習ってほしいですね。

1563

乗り込んで、ドーバー海峡を渡り、うとうとしている間に、あっという間にパリに着きます。

1566

1567

ロンドンからパリまで2時間15分。

速い、安い。

これは、お勧めします。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月13日 (火)

心拍解析による、自律神経機能評価の研究

おはようございます。

今日3月13日もクリニックFの診療日です。

今日の朝は、医療機器メーカーとの打ち合わせで、クリニックに早く出勤しました。

開発中の新しい機器の効能について、自律神経の測定機器を使用して、研究ができないかと相談を受けていたのです。

美は健康の上に初めて成り立つもの。

自律神経の安定化は、健康に欠かせませんので、美容レーザー機器を扱う人間にとっては、自律神経の安定化は非常に興味のある研究テーマでもあります。

今日、使用した機器はこんなもの。

カルフォルニアのBIOCOMテクノロジーという会社の機器でした。

Img_4781

僕の指につけた脈波測定器が見えますか?

ここで取得したデータをコンピューター解析するのです。

今回使用しようとしている測定機器は、心拍変動解析による自律神経機能評価のもの。

ちょうど10年ちょっと前、1999年のことですが、僕も自律神経の研究室で研究をして、自律神経学会誌に英文論文を書いたことがあります。

Autonomicreport

人間の体は、そのバランスを、自律神経系の交感神経と副交感神経を併律することで保っています。

この自律神経系とは、ドイツのビュルツブルグ大学生理学研究所名誉教授であるRobert F. Schmidt博士が研究、確立された分野。

現代の生理学の基礎の一つとなっていますよね。

この自律神経の研究の際に、シュミット博士の一番弟子といわれた(故)佐藤昭夫博士にご指導いただきましたので、僕はシュミット博士直系の孫弟子ということになります。

理論上はほぼ構築されたこの交感神経と副交感神経理論。

しかしながら、この交感神経と副交感神経の実際の緊張度を、生体で測定するため機器は長い間ありませんでした。

一つ有効な手段と考えられたのが、心電図のRR間隔の揺らぎをスペクトル解析を行う方法。

ちょうど10年前の、僕が東京都健康長寿医療センターの自律神経の研究室にいたころにこの手法は注目されていたのですよね。

当時は心電図からデータをおこしていたのですが、この機器は脈波からデータを取っています。

厳密にいうと、本来であれば心電図上の電気データは、脈波とは乖離があります。

脈波をRR揺らぎ解析に利用するのは問題があるといわれていたのですが、機器を見ると、波の形をした脈波の波の微分値を測定することで、この問題をクリアしているように見えます。

Img_4780

まず、上記の様に5分間測定した心拍の揺らぎを測定します。

それらのデータをもとに揺らぎをスペクトル解析すると

超低周波VLF(0.0033Hz-0.04Hz)

低周波LF(0.04Hz-0.15Hz)

高周波HF(0.15Hz-)

の三つの領域に分けることができます。

このうち

LFは、交感神経+副交感神経の緊張度を

HFは副交感神経の緊張度を示すというデータがあるのです。

そこで、交感神経の緊張度を示すためにLF/HFレシオを算出するとそれぞれの緊張を調べることができるというわけです。

Img_4782

測定されたデータは、縦軸が副交感神経、横軸が交感神経のデータとして出てきます。

僕の場合、両者ともにバランスがとれた状態のようですね。

Img_4783

こちらはもう少し細かく取得したデータ。

取得データの再現性や、さらに呼吸や会話などによって引き起こされる誤差データをいかに排除するかが課題ですが、一定数の母集団となるデータを取得すれば、評価できるのではないかと思いました。

今後の共同研究が楽しみです。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月12日 (月)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(30) ウエストミンスター大聖堂 ダーウィンの進化論がもたらした歴史的変化を考える 王立裁判所

おはようございます。

今日3月12日も快晴ですね。クリニックFの診療日です。

昨日は15年来の友人のカナダ人が、恵比寿に一軒家を買ったというので、ホームパーティーに呼ばれてきました。

311の震災などもあったが、東京は素晴らしい街で離れる気がないので、家を購入したと言っていました。

不思議なことに、確かに僕も、ニューヨーク、ロンドン、パリなど多くの都市に滞在する機会は多いですし、大好きな街なのですが、あまり住みたいとは思わないのです。

ちょっと遊びに行くには良い街という感じ。

でも、東京は違います。

まず、清潔で安全。

衣食住すべてにおいてバランスがよく、やはり住むなら東京に住みたい。

と言いつつも、僕も東京を離れる時がいつかは来るのでしょうね。

僕のブログ国際学会周遊記、年始のヨーロッパブログですが、自分の頭の中ではあと3つで終了しそうです。

木曜日出発の米国皮膚科学会までにはなんとか、間に合いそうです(笑)。

*******************************

ロンドンに仕事で来るときは、打ち合わせの合間にできる散歩を楽しみにしています。

バッキンガム宮殿から、ヴィクトリアステーションまで歩く途中にあるウエストミンスター大聖堂。

英国王室のための教会であり、世界遺産であり、ニュートンやマクスウェル、ダーウィン、ヘンデルなどが眠るウェストミンスター寺院(Westminster Abbeyと混同されることが多いのですが、違います。

こちら。

1507

イングランド及びウェールズで最大のカトリック教会なのです。

1995年にウェストミンスター大司教の招きに応えて、女王エリザベス2世が大聖堂を公式訪問して典礼に参加したときは、大きなニュースになったそうです。

イギリスにおいて現役の君主がカトリック教会を公式訪問するのは、なんとイングランド王室史上最高のインテリと称されたヘンリー8世の、16世紀の以来のことであったとか。

初めての大聖堂は、壁と天井一面を覆うモザイク画が素晴らしかったです。

そうそう、「ウェストミンスター寺院に眠るダーウィン」と書きましたが、先日も書いたように異国の地で日本の歴史書を読むのを楽しみにしている僕は、今回の旅でダーウィンのことを思う場面が何度かありました。

今では誰もが疑うことのないダーウィンの「進化論」は、発表されてから200年も経過していない理論ですが、この進化論が宗教論はもとより、社会科学を含むヨーロッパの思想を根底から変えてしまうほどの破壊力を持っていた――

ダーウィンがいなかったら、あるいはダーウィンの誕生があと少し早かったら? または遅かったら?

歴史はどうなっていたのだろう、と想像してみたりしたのです。

Darwin_2

こちら、National Portrait Galleryにある、自然科学者チャールズ・ロバート・ダーウィン(1883年)の画像です。

2002年BBCが行った「100名の最も偉大な英国人」投票で、ダーウィンはアイザックニュートンや、ウィリアムシェークスピアを抑えて、学者・文化人としては最上位に選ばれました。

ダーウィンは1809年に英国・ウェストミッドランズにあるシュロップシャーで、医師の父の元に生まれています。

エディンバラ大学で医学、ケンブリッジ大学でキリスト教神学を学びましたが、卒後に乗船したイギリス海軍のビーグル号での5年間に及ぶ航海で、ガラパゴス諸島などに立ち寄り、進化論のヒントを得たと言います。

――すべての生物は変異を持ち、変異のうちの一部は親から子へ伝えられ、その変異の中には生存と繁殖に有利な要因がある。

さらに、限られた資源を生物個体同士が争い存在し続けるための努力を繰り返すことによって、自然選択が起こり、環境に適応したものが生き残ってゆく――。

・・・という進化論の提案は、すべての生物は神の生成物であるという聖書の教えにそもそも背くもので、大変な論議となったことは想像に難くないと思います。

ローマカトリックの教皇ヨハネ・パウロ2世が、1996年に

「進化論は仮説以上のもので、肉体の進化論は認めるが、人間の魂は神に創造されたもの」

であると述べた上で、進化論をキリスト教と矛盾しないものと認め、カトリック教会との和解がなされたのは記憶に新しいですが、米国での進化論論争は、まだ続いているようですね。

この最適者生存の生物学的進化論は、1820年生まれのイギリスの哲学者ハーバート・スペンサーにより、自然(宇宙、生物)のみならず、人間の社会、文化、宗教をも貫く第一原理であると、適応を広げる提案がなされました。

この考え方を、社会進化論(Social Darwinism)と言いますが、19世紀の列強の帝国主義時代には、この理論を後ろ盾に国家の侵略や植民地化が正当化されたのです。

歴史に「もし」を考えても仕方がありませんが、「もし」を考察してみるのも好きな作業の1つです。

********************************************

もう少し時間があったので、テンプル騎士団のテンプル寺院を見に行こうと思いたち、地下鉄で移動。

途中の王立裁判所 (Royal Courts of Justice)。

1514

歴史を感じる建物ですね。

テンプル教会は、エルサレムの聖墳墓教会を模したものだと聞いていたので、一度観てみたいと常々思っていました。

1516

ところが目の前の門まで行ったところで、この日は休みであることが判明。

1517

何人かの観光客がいたのですが、一緒に残念がりました(笑)。

1520

この場所はコヴェントガーデンにも近いのです。

歩いて10分程度。

1524_2

昼食はコヴェントガーデンの一角のこちらのお店で。

1522

ナンと、カレー、それにゴハンを食べました。

美味しそうだったのですが、味は日本のカレーの方がおいしいなあ。

ロンドンでカレーを食べるなら、インド料理やさんにちゃんと行かなきゃいけないですよね(笑)。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月10日 (土)

肌の透明感を上げるためには? 光治療器の歴史的意義

こんにちは。

今日の東京は朝起きたら雪景色。ちょっとびっくりしてしまいました。

その雪もほどなく雨となり、今は院長室の窓から外を見るともう雨も止んだようです。

季節の変わり目を肌で感じますね。

さて、この季節、昨日のニキビ跡に続き、もう一つ質問が多いのは、シミ、くすみ、といったトーニング・・・美白のレーザー治療についてのご質問です。

春休みにハワイなどのリゾート地に出掛けられる患者さんも多く、出掛けられる前にクリニックで美白対策のレーザーを打っていかれる方がほとんどです。

ご存知の通り、皮膚は、表皮、真皮、皮下脂肪層の三つに分類できます。

このうち、肌の色彩的変化に対応しているのは表皮の部分です。

Skin

表皮の最下層の基底層という部分に、メラニンを作るメラノサイトが存在しています。

強い紫外線や一部の可視光線を浴びると、皮下のDNAを守るためにメラノサイトが活性化し、メラニン顆粒が放出される準備がなされるのです。

若いころにシミが目立たないのは、肌のターンオーバー(入れ替わり)が速いからなのですが、10代、20代に特に強い紫外線を浴びた人は、35歳をめどにシミが目立つようになります。

こうしたシミを治療するために、約15年前に、シミを破壊するQスイッチレーザー(ルビー、アレキサンドライト、ネオジウムヤグ)が開発されました。

特定の波長のレーザー光によって破壊されたメラニンは、空胞化し熱を放散するため、表皮は白色化し、さらには「かさぶた」になって数週間で剥離します。

一部は保険診療でも認められていますので、通常の日本人が考えるレーザーによるシミ取りというのはこちらなのでしょう。

ところが、1990年代後半になって開発された光治療器(パルスライト、IPL、フォトフェイシャル、フォトRF、オーロラ、ライムライト、IP2L、elightSR、elightSRA、スターラックスなどの短波長ナローバンドの治療機器)によって、流れはがらりと変わります。

これらの光治療器で、直接メラニンを破壊するのではなく、「ターンオーバーを上げることで表皮に含まれるメラニン顆粒を減らす」という新しい治療が始まったのです。

光治療器は、レーザー機器とは違って、メーカーによって全く異なるパワーバンドの「波長やパルス幅を持ちます。

機器によって得意分野、不得意分野などの性能が異なりますので、クリニックFでも、常に数種類の光治療器を組み合わせて患者さんに治療を行っています。

これらの機器が出てきた最も大きなメリットは、肌全体の美白です。

美白と言っても化粧品の様に、単に肌を白くすることではありません。

肌の表皮に残存しているメラニン顆粒を一掃することで、「肌の透明感を上げる」こと。

この、「肌の透明感を上げ」、「透明感のある肌を手に入れる」ために、過去の歴史上どんなに多くの努力がなされて来たことでしょう。

歴史上の人物には、ヒ素や水銀などを美白の化粧品として常時利用し、中毒症で命を落とした人もたくさんいます。

もちろん、遺伝子が良く、もともと肌が綺麗な人も、人口の2%ぐらいは存在します。

しかしながら、過去10年間の技術の進化によって、透明感のある肌を、後天的に手に入れる方法が開発されたということなのです。

レーザー治療というのは、医療全体を見渡せば非常にナロウでニッチなものとされています。

しかしながら、対人関係が重要視される仕事に就かれているビジネスパーソンは、自己プロデューズの一環としていかに自分をより良くPRしていくべきか、そしてそのPRがうまくいき功を奏するとどれだけの恩恵が様々な場所に普及していくか、よく理解されています。

皮膚という、非常に面積の大きい、そして他人から見てとても目立つ一枚の布を自分が常に纏わなければいけないと考えれば、たとえいくら高級であっても、汚れ、シミがつき、毛羽も立ち、穴が開き、よれよれになっているカシミアやシルクの布を纏っている人よりも、ピンとノリがかかったような艶と張り、光沢感があり、清潔感漂う木綿の布を纏っている人のほうが、信頼できると思いませんか?

それを手に入れる手段としては、レーザー光治療以上に有効なものは現代の科学・工学にはありません。

光治療器は、今世紀における顔の色素治療において、最も大きな発明・変化なのではないかと思うぐらいの革命なのです。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 9日 (金)

ニキビ跡治療に最も適したフラクショナルレーザー

金曜日でばたばたですが、最近また同じ御質問が増えてきた「ニキビ跡」治療について、すこし書いておきたいと思います。

いよいよ4月目前で、新学期や新入社など、生活が変わるとき。

クリニックFには、さまざまな肌の悩みを持った人がやってきますが、特にこの時期に増えるのがニキビ跡治療です。

進学や就職を控えておいでくださる10代・20代の方から、ずっとニキビ跡がコンプレックスだったと言っておいでくださる50代・60代の方まで。

現在、ニキビ跡治療は、フラクセル3DUALをはじめとしたフラクショナルレーザー機器を利用した治療法が主であり、これらの機器がなければ治すことは難しい、といっていいでしょう。

それぞれのフラクショナルレーザー機器にはそれぞれに特徴、得意な分野、そして大きな機能差があり、①深いニキビ痕、②浅いニキビ痕、③波状のニキビ痕、それぞれの病態に合ったフラクショナルレーザーを利用しなければなりません。

Photo

クリニックFも、ひとりでも多くの患者さん、ひとつでも多くの病態の治療に役立てるべく、フラクショナル機器の進化に合わせて機器の購入を続けてきました。

レーザー医師にとってレーザー機器とは、料理人にとっての包丁、あるいはフォトグラファーにとってのカメラのようなもの。

ひとつひとつの場面に対し、より細密な対応をしたければ、自然と多くの種類・機器を所持することになりますし、日々機器のメンテナンスをしなければならないのです。

また、これらのレーザー機器のどこ機械がどの部分で優れているのかは、実際に機器を所有して、比較テストをしなければわかりません。

これは僕が昨年米国レーザー医学会で発表した演題で、異なるフラクショナルレーザー機器の比較演題です。

Photo_2

フラクセル、フラクセル2、フラクセル3、アファームマルチプレックス、エコツー、モザイク、eマトリックス、パロマ―ラックス1540XD、DEKAスマートサイド、サイトンプロフラクショナル。

などなど、数多くの機器をテストしてきました。

Photo_3
実際に機器を比較すると、得意な分野と不得意な分野が機器によって違い、やはりたった一つを選ぶことはできないと感じます。

患者さんの肌を診て、それぞれの肌質と、ニキビ跡の形状、さらに部位に対して、別々の機器を使用するのが最も早い治療法と言えるのです。

そして、フラクショナルレーザーのような強力なリサーフェシング機器が有効ではない場合、フラクショナルレーザーが打てるように、肌を鍛え、肌質を改善するために違ったレーザーを使用したりもします。

最近の傾向としては、ニキビ自体が出来る場所が10年前とはだいぶ異なること。

昔は、ニキビといえばいわゆる「Tゾーン」=おでこ・鼻周り・顎 にまず出来て、その後広がる人は頬などにも出来てしまう・・という傾向でしたが、最近はTゾーンは綺麗なまま、頬にだけニキビが繰り返し出来、それがいつしか傷になって残ってしまう・・・というケースが増えているのです。

食生活や生活環境の変化などもあると思いますが、興味深いですね。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2012年3月 8日 (木)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(29) ピグマリオン効果 Covent Garden Street performer

おはようございます。

今日3月8日はクリニックFは休診日です。

今日は休診日を使って、以前にこのブログでもご紹介させていただいた、皮下のレーザーエコーによる観察機器(OCT) を使用して、4月にフロリダで開催される米国レーザー医学会発表予定の演題の追加実験をする予定です。

今まで皮膚科領域で発表されたことがない測定機器ですので、国際学会で発表することで興味が集まるのではないかと今から楽しみにしています。

僕のブログ国際学会周遊記は、新年に訪れたロンドンブログ。

続きを書きたいと思います。

************************

ロンドンのコヴェントガーデンというのは、僕にとってパリのヴァンドーム広場と同じくらい思い入れのある、そしてここに来ると元気をもらえる場所です。

646

芸術と文化、宗教と歴史を包括するエンタテイメントという産業にとって、ここは間違いなく「聖地」のひとつでしょうね。

「コヴェントガーデン」という言葉で連想するもの・・・僕はやはりオードリーペップバーンが「マイ・フェア・レディ」で演じた花屋の女の子が強烈な映像として頭に残っています。

Img_4766

「マイフェアレディ」は、バーナード・ショウによる戯曲「ピグマリオン」(Pygmalion)が原作であると言われています。

コヴェントガーデンは、ロイヤルオペラハウスという上流貴族の社交場と、青果市場で花を売る労働者階級とが接する土地でもあり、階級社会のイギリスでは特別な意味を持つのです。

そんな場所を舞台にした物語。

年長の男性が、偶然出会った(自分とは階級の違う)若い女性を教育し、超一流の魅力的な淑女にするというストーリーは、映画「シーズ・オール・ザット」「プリティ・ウーマン」などにも影響を与えていますが、このストーリー展開は、男性にとっても、女性にとっても共感できるものなのでしょうね。

ちなみに、教育心理学における心理的行動の1つに、「教師の期待によって学習者の成績が向上する」という効果を ピグマリオン効果(pygmalion effect)と言います。

ギリシャ神話から取ったという説もありますが、バーナード・ショウの戯曲から取ったという説も有力なのだそうですよ。

そんなCovent Gardenで必ず足を止めて見入ってしまうのが、Street performance=日本でいう大道芸人のパフォーマンスです。

このコヴェントガーデンのパフォーマンスですが、あのBon Joviも、デビュー前にはこちらで歌っていたそうです。

日々道行く通行人に鍛えられるパフォーマーの芸は確かですよね。

この日もふらっと足が向いてしまいましたが、演技をしているのは、ピンク色の衣装を着たこの女性。

1530

田舎言葉丸出しの、いわゆる英語の労働者階級の言葉で、とても上品とは言えない話をしています。

淑女の国でこんな芸をしてもよいのか…。

という感じで、観客もちょっと引きながら始まったのですが、

1533

剣を使ったジャグリングと、巧みなトークで人を集めます。

1534_2

芸はだんだんと高度なものになってゆき、最後には4人の男性に支えられた、こんなブランコに乗り、

1537

足首だけでぶら下がりながら、3本の剣を使ったジャグリングを始めたのには会場にいた人もビックリ。

1528

コヴェントガーデンの二階テラスの喫茶店からも歓声が上がり、拍手喝采となりましたよ。

僕も楽しませてもらったので、ついついチップを多めに出してしまいました。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 7日 (水)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(28)薬学部の将来展望 バッキンガム宮殿衛兵交代式

おはようございます。

今日3月7日(水)はクリニックFの診療日です。

昨日は診療を途中で一度切り上げさせてもらい、慶應義塾大学薬学部の学生さんを相手に、レーザーの講義をしてきました。

慶應は僕が最初に籍を置いた大学です。経済学部でした。当時薬学部はありませんでしたが、共立薬科大学を合併し、慶応義塾が薬学部を設立したのは2007年のこと。

2012年現在、薬学部の既に全学年が慶應義塾大学薬学部としての入試を経て入学しているのだそうです。

世界的にみても製薬業界は、刻々と増え続ける地球の人口が高齢化する21世紀に向けて確実に成長する産業の一つ。

しかも労働集約型ビジネスモデルの医療とは異なり、世界の市場に目を向けたスケールメリットの生きる職種です。

今後の日本のためにも、薬学部の大学院などに製薬企業マネージメントや、治験ビジネスなどの法的、医学的ノウハウの蓄積、さらに弁理士資格取得のような知的財産管理教育を組み入れてゆくことで、より優秀な人材が集まる魅力ある学部になるなと思いました。

講義後に学生さんとの懇親会に出席してきましたが、利発な学生さんたちと会話も弾み、楽しい時を過ごさせていただきました。

僕も元気をもらって帰ってきましたよ。

さて、僕のブログ国際学会周遊記は年始に訪れたロンドンブログ。

来週のサンディエゴ出張までに、必ず終わらせたいと思います(笑)。

*************************

ロンドンで目覚めた朝は日曜日。

時計を見ると、ちょうど10時頃でした。

この時間なら11時半のバッキンガム宮殿の衛兵交代に間に合うなあ・・・と思い立ち、朝食を食べ、グリーンパークを歩いてやってきました。

1480

1500

目の前にも、既にすごい人です。

1481

 

1483

少しすると、鼓笛隊とともに、衛兵たちがやってきました。

1485

今までに何度も同じ光景を見ているはずなのですが、毎回新たな感動があります。

1487

1492

1495

1501

一日一回30分にして、この見学者の数。

こうした大英帝国の威厳に満ちたセレモニーを観ると、他の国から来た観光客は確実にイギリスのファンになりますよね。

考えてみると、他国に対して自国の好感度を上げるのは至難の業。

ある意味、見事な国家戦略です。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 6日 (火)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(27) ロイヤルバレエ くるみ割り人形

おはようございます。

今日3月6日もクリニックFの診療日です。都内は雨模様ですが、お昼には晴れになる予定だそうです。

今日は都内の大学の薬学部でレーザー医療の講義を頼まれていて、僕は夕方から一度、外出します。

講義を終えたらまたクリニックに戻りますので、ご予約の詳細は03-3221–6461(クリニックF)にお問い合わせくださいね。

僕のブログ国際学会周遊記は年始のロンドンブログの続きです。

************************

ウィーンからロンドンに移動した夜。

今年初めてのバレエ観劇は、「くるみ割り人形」でした。

そういえば去年の1月には、この演題をパリのオペラバスティーユで観たんですよね。

1459

1540

1458

 

Img_4415

観劇前に軽食を・・・と、メトロのコヴェントガーデン駅の目の前にあるMARKS & SPENCERでサンドイッチなどを購入。

この店は、ロイヤルオペラハウスで観るときとても便利。

僕は、オペラやコンサートの前にレストランなどでしっかり食事を摂るということができない性分です。

どうにも気が逸ってしまって、ゆったり食事が出来ないんですよね。

さて、こちらロイヤルオペラハウスでバレエを観るのは、2ヶ月ぶり。前回渡英の時には「マノン」を観たのです。

 

1546

1464

1468

チャイコフスキーの名作「くるみ割り人形」。

1471

どれをとっても素晴らしくきれいな旋律で、つらかった研修医時代に、この曲を聴いて励まされたのを思い出しました。

それこそ、24時間病院に張り付いていましたからね。

考えてみれば、あの時の忍耐が、普通のことでは動じない、今の僕につながっているんだなあ。

くるみ割り人形は、音楽としては好きだったのですが、バレエを観るようになってからは、踊りが無いと物足りなくなってしまいました。

こちらYOUTUBEで見つけた金平糖の精の踊りです。

音楽のセオリーに沿っていないにも関わらず、こうした耳に残る印象的な旋律をどうしてチャイコフスキーは思いつくことが出来るんでしょうね。

くるみ割り人形は、大きく分けると二つの演出があります。

1幕の主役であるクララと、2幕の主役である金平糖の精を同じダンサーが踊る演出と、

クララは子供が演じ金平糖の精は大人が踊る演出

なのですが、この日は別々の演出。

金平糖の精が素晴らしい演技で、ロイヤルオペラの目の肥えた観客から喝采を浴びていました。

東洋人でしたよ。

1473

1474

皆、素晴らしい観劇に、胸を高まらせて帰るのです。

僕の研究や診療など、すべての原動力とも言っていいぐらいの沢山のエネルギーをもらいます。

一番うれしい瞬間ですね。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 5日 (月)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(26) 大日本帝国と大英帝国 日英同盟 ロンドン ナショナル・ポートレート・ギャラリー

おはようございます。

今日3月5日はクリニックFの診療日です。

予約表を見ると朝から沢山の患者さんが入っているようです。ありがたいことです。

冷たい雨の中御来院くださる患者さんにおかれましては、どうか道中気をつけてお越しになってください。

さて、僕のブログ「新国際学会周遊記」では、引き続き年始に出掛けたヨーロッパはロンドンの話をお届けします。

***************************

僕は、明治時代や大日本帝国時代の日本の歴史書を読むのが好きで、今回も何冊かロンドンで読もうとスーツケースに詰めていました。

外国・・・特に英国のような国で、読書に耽り日本の歴史について改めて視点を変えて考える、という作業が好きなのです。

幕末に比較して大日本帝国の時代が題目になりにくいのは、特に戦後、大日本帝国時代の賞賛がなされなくなったと言うこともあるのでしょう。

とはいえ、大日本帝国については、その失敗も含めて仕事人としてとても学ぶべきことが多いのもまた事実です。

現在は、日本の政治力、外交力ともに失墜していると評価されていますが、そもそも国家を揺がす様な危機において、過去の歴史上、民主主義政治が上手く機能したことはありません。

ギリシア、ローマ、王政後のフランス然り。

民主主義による、民意をくみ上げることで、国家存亡にかかわる様な大局を見極めた選択などできない、ということかもしれませんね。

そうした場合、国家の崩壊が起こるか、専制的な政治形態となって国家の立て直しが計られるか、歴史上ではその二通りしか選択肢は無いのです。

民主主義は、平和が長期間続く中で唯一存続できる特殊な政治形態でもある、といえるのでしょう。

大日本帝国の前半の期間、特に興隆期は、国家の危機に対して、政府の主導力と外交力が極めて上手く機能した時期と言えます。

選択肢を一つ間違えてしまえば、列強の餌食になる時代。

世界の極地までがほとんどが植民地化され、アジアの国家で日本以外に独立を保てたのは、英仏二大列強の緩衝地帯となったタイ王国ぐらいでした。

当時の大日本帝国は、廃藩置県により大名の既得権を国家に集中させ、中央集権国家をいち早く作り、特に製糸業、さらに紡績業の自国の産業を官主導で発達させて、輸入による借入金を超過させずに国家財政を支える政策を作り、他国の介入を退けました。

この時期のアジア諸国は、鉄道や工場などの自国のインフラを、列強を始めとした他国の出資で整えてしまったがために、その後の利益を吸い上げられ、国家予算につけいる隙を与えてしまった国がほとんどだったのです。

さらに明治政府は、20世紀初頭に国際関係史において、「名誉ある孤立」戦略をとっていた大英帝国との間に、1902年に日英同盟を結ぶという偉業を達成します。

この日英同盟は、近代国家となってわずか30年の日本が、国家として初めて結ぶ同盟でした。

しかも相手は世界一の超大国であったイギリスです。

この同盟は大日本帝国だけでもなく、当時の大英帝国の戦略からしても必要な同盟だったのです。

当時英国は、海軍において「二国標準主義」を採択していました。

これはつまり、世界各地での戦力比で、イギリスが世界第1位の海軍力を持つだけではなく、さらに第2位、第3位の海軍力の合計よりも上回ることを条件としたということです。

当時、唯一東アジアの海域においてイギリスは、第2位と第3位のロシアとフランスの海軍の合計を上回る軍事力を保持しておらず、しかも露仏は同盟を結んでいました。

東アジアの海域で一定以上の海軍を保有している国は、清国か日本であり、1894年の日清戦争で勝利し、新たなアジアの盟主となった日本に白羽の矢がたったのです。

この日英同盟は、日本の外交史において、現在でも光り輝く偉業と評価されるのは当然だと思います。

日英同盟は、1904年の日露戦争、さらに1914年の第一次世界大戦でも優位に働き、二つの大戦の勝利の大きな要因の一つとなり、日本も国際的な立場を確立することにもつながりました。

反対にこの同盟は1921年に、ワシントンで結ばれたアメリカ、フランスとともに四か国条約で、発展的解消ということで消滅します。

この四か国条約は、そもそも日本とイギリスの結びつきを快く思わない当時のアメリカの策略だったという説も聞いたことがあります。

いずれにせよ、明治維新以降世界史に例のないぐらい他国との戦争に連勝した大日本帝国は、日英同盟消滅後には後半期に入り、陰りを見せはじめます。

皮肉なことに、民主主義を掲げた政党政治の名の下で、内閣総理大臣がほぼ毎年代わるようになり、指導者不在のまま、国民の総意で国家の存亡をかけた太平洋戦争~第二次世界大戦へと舵を切ってしまうことになるのです。

*************************

100年前の大日本帝国と大英帝国の関係を思いながら、当時の英国の香りを探しに街を散策するのは、至福のときです。

当時の大英帝国が、国家威信をかけて名画を集めた美術館と言えばナショナルギャラリーですが

実は隣接して、肖像画に特化した美術館があるのをご存知ですか?

1447

ナショナルポートレートギャラリーという美術館です。

1450

イギリスを代表する偉人の肖像画が展示されているのです。

顔、顔、顔ばかり。

National_portait_gallery

このナショナル・ポートレイト・ギャラリーでは肖像画像の検索もできます。

こちらが日英同盟の英国側の調印を行った外務大臣Henry Charles Keith Petty-FitzMauriceのポートレイトです。

Mw03766_2

デフォルメされていますが、英国紳士然とした風貌ですね。

この人が日本の命運を動かした、日英同盟締結に関わった人物の1人なのです。

1449

ギャラリーには、有名な政治家の絵画や写真なども沢山あるのですが、とても楽しいですよ。

女優さんの肖像画の部屋が特に人気でしたね。

ギャラリーを出て、目の前のトラファルガースクエアにて。

1448

ちょうど中央に注目です。

1451

この位置からだと、ライトアップされているビッグベンも見えるのです。

Img_4409

ロンドン五輪のカウントダウンもなされていました。

オリンピックは今年の7月ですから、もういよいよですね。

1456

トラファルガースクエアから、歩いてロイヤルオペラハウスに向かいます。

夜のチケットを取ってあるのです。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 3日 (土)

花粉症にボトックス

誕生日を迎え、「四十にして惑わず」といきたいところですが、3月生まれの僕はこの時期そうも言ってられない事情があるのです。

それは、必ず春を迎える頃になると花粉症に振り回されるから。

毎年春には米国皮膚科学会と、米国レーザー医学会があって、アメリカに出張するとすぐに軽快するのですが、日本の空域に入ると、途端に花粉症が再発するのです。

毎年泣かされています(苦笑)。

ところが今年はそうひどくなく、いやむしろ未だかつてないくらい好調にこの季節を迎えています。

ボトックスが花粉症に効くという話をご存知ですか?

もともとアセチルコリンのブロッカーであるボツリヌス毒素。

顔面のしわ取りだけではなく、多汗症や腋臭症に対しても使用されるのですが、鼻粘膜には注射をしなくても、点鼻するだけでよく吸収されます。

僕も以前から聞いていましたが、ボトックスを常に使用している人に対して点鼻をしてしまうと、皮下に注射するよりも抗体産生が高まる(つまり持続時間が短くなり、効きにくくなる)というリスクがあり、ボトックスを花粉症の治療に適応するのは躊躇していたのです。

しかしながらインタール(花粉症を防ぐ抗アレルギー剤の点眼、点鼻薬)では僕の花粉症は毎年効果がなく、考えてみれば僕自身はボトックス注射をしているわけではありませんし、今後も打つ予定がないので、リスクを考えるに及ばず、今年初めて自分に打ってみました。

打ち方はこんな具合です。

Img_4734_2

Img_4733

Img_4735

Img_4736_2

注射の工程をブログの読者にわかりやすいよう、こんな写真を撮ってみましたが・・・見ていた患者さんとスタッフに大笑いされてしまいました(苦笑)。

ボトックス注射(というか針を使わないので注入)、痛みや匂いは全くありません。

ボトックスを溶解したのち、注射針を外して、通常の点鼻薬のように鼻に入れるのです。

そのまま5分程度鼻をつまみ、薬液が吸収されるのを待てばもう終りです。

30分もしないうちに鼻が通ってきます。

論文によると3週間~3ヶ月の期間、効果があるとのこと。

通常は花粉症の季節に一度やればよさそうですね。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(25) ロンドンの街並み ハードロックカフェ1号店

おはようございます。

3月3日ひな祭りの土曜日、今日もクリニックFの診療日で朝から四谷に来ています。

昨日の誕生日は、患者さんやスタッフなど沢山お祝いをいただきました。

Img_4740

こちらは今日頂いた分。ありがとうございました。

さて、今朝クリニックに来てみると、ビゼーのオペラ「カルメン」の音楽が流れていました。

確かカルメンの初演は3月3日だったなと思い、検索をかけてみると、やはり1875年3月3日 にパリのオペラ=コミック座で初演されたのだそうです。

僕みたいに調べ物をするのが趣味の人間にとって、WEBは本当に便利すぎて、これが果たして良いのだか悪いのだか・・という。

時々、食事中でも何か気になる話題が出たときiphoneで確認したくなる自分がいます(苦笑)。

さて、ブログ「新国際学会周遊記」は、2012年年始に訪れたヨーロッパ4か国目のロンドンに場を移します。

今月中旬にサンディエゴで開催予定の米国皮膚科学会(AAD)の出張までには、このヨーロッパ滞在記終わらせないと・・・。

頑張ります!

******************************************

年末年始を英語圏ではない国々で過ごし、久しぶりにイギリスという英語圏に来ると、言葉が通じやすいので気が緩みます。

大きな荷物はパリのホテルで預かってもらい、TUMIで小さなスーツケースを買いなおして身の回りのものだけ詰めてきましたので、地下鉄での移動も楽になりました。

1443

ロンドンでも青空に恵まれました。

1446

Img_4400

1478

ホテルはメイフェアに取りましたので、グリーンパークまで移動。

1479

そうそう、グリーンパークとハイドパークの間、ウェーリントンアーチの近くにハードロックカフェがあるのをご存知ですか?

1476

1475

こちら、今では世界中で見かけますが、ハードロックカフェの第一号店なのです。

1971年に始まったのだそうです。

この場所は元ロールスロイスのショールームだったそうですよ。

学生の頃にハードロックカフェで初めて食事をしたときには、感動しましたっけ。

僕はそんな世代です(笑)。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 2日 (金)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(24) ウィーンからロンドンへ ロンドン上空の景色

おはようございます。

今日3月2日は僕の誕生日。クリニックFの開院日です。

メールやFacebookでお祝いのコメントを沢山いただきました。

ありがとうございます。とても嬉しいです。

孔子の「論語」によると、40代は不惑の年です。

子曰

吾十有五而志于学

三十而立

四十而不惑

五十而知天命

六十而耳順

七十而従心所欲、不踰矩

子曰く

われ十有五(じゅうゆうご)にして学に志(こころざ)す

三十にして立つ

四十にして惑わず

五十にして天命を知る

六十にして耳順(したが)う

七十にして心の欲するところに従えども、矩(のり)を踰(こ)えず

こうした漢詩は、それこそ学を志した15歳の高校生の時に記憶したものですが、現在でも諳(そら)んじることが出来ます。

当時は暗記ものは嫌でしたが、高校生の時に勉強したことが、実体験として追経験され、教養として生きてくるのを感じられる年になったのですね。

不惑の40代に突入して早数年。

確かに40代になると、人生の目標も、自分が得意とする分野も決まってきましたので、人生の選択において些細なことには惑わずというのは理解できる気がします。

僕は医師という職業を選択したときに、一生勉強しようと心に誓いましたが、50歳で天命を知るために、社会経験を積んでゆきたいと思います。

さて、僕のブログは年始に訪れたロンドンへ舞台を移します。

***********************

この日はロンドンへの移動日です。

早朝に地下鉄カールプラッツ駅へ

1409

1408

ウィーンは国際空港までのアクセスが格段にいいですね。

中心街から30分。

羽田空港のような感じで国際空港にチェックインできます。

1411

オーストリア空港です。

これでドイツ語圏とはしばらくお別れ。

1412

僕はブリティッシュエアウェイズに乗り込みました。

1416

風向きがよかったのか、ウィーンからの航路がとても素晴らしく、上空からのロンドンを楽しめました。

1421

タワーブリッジが見えます。

1422

ビッグベンとロンドンアイ。

1427

ロイヤルアルバートホールも見えてきました。

1430

ヒースロー空港の近くは綺麗に整備された住宅地が続きます。

Img_4386

初めてロンドンに来た時も気持ちが高揚したのを思い出しました。

1433

ロンドン・ヒースローに到着します。

1435

昨年4度も来たロンドン。

日本でいうSuicaやイコカにあたる非接触型チップが入ったオイスターカードも持っています。

1437

このカードで地下鉄に乗ると、約50分でロンドンの真ん中に出ることができるのです。

ロンドンについては次のブログで。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 1日 (木)

■ヨーロッパ4ヶ国巡り 2012年1月(23) ペスト ハプスブルグの王宮 皇妃エリーザベト

おはようございます。今日から3月ですね。雪は溶けてしまいましたが、東京は地震が続き、またちょっと落ち着かない日々が続きそうです。

さて、今日3月1日は木曜日で、クリニックFは休診日です。

昨晩は執筆途中の論文を夜中まで書いていました。

今日も続きを仕上げ、時間があれば工学部大学院に顔を出そうと思っています。

僕のブログ新国際学会周遊記はウィーンの最終章。

こちらもようやく書き上げました。

*************************

シュテファン寺院から王宮に抜ける、歩行者天国のグラーベン通り。

1261

ウィーンに来る観光客が必ず通る、いわゆる目抜き通りです。

こちらは通りの中央にある「ペスト記念柱」。

1263

圧倒的な致死率でもって恐れられた死の感染症「ペスト」。1679年にウィーンを襲ったペスト流行は、約10万人の死者を出したのですが、その終結を感謝して、皇帝レオポルド1世が建設したものだそうです。

ペストは人類史上、最も猛威をふるった病気とも言えます。

特にヨーロッパでは、定期的にペストの流行が起こりましたが、このペストが撲滅されるたびに各地で記念碑が作られてきました。

イタリアのローマにある、オペラ「トスカ」の舞台となるサンタンジェロ城もそうした記念碑の一つですよね。

ペストは高い致死性を持ち、症状が悪化するとペスト菌による敗血症から体内に出血斑ができたため、黒死病といわれました。

特に中世ヨーロッパを襲い、人口の3分の1を死滅させたペスト流行は、ペストが「神罰」であった時代から「公衆衛生」時代へと、ヨーロッパ人の死生観と社会構造を変え、中世のヨーロッパ時代からの転換を迎えるほどのインパクトがありました。

ヨーロッパを旅すると、病や死がいかに宗教、芸術、文化に関わっているか、それを改めて知らされる場面が多々あります。そしてそれは医師である僕にとって非常に興味深いことであり、色々と考えさせられます。

ペストは主にげっ歯類(ネズミ)によって介在され、ネズミを刺したペスト菌保有のノミにヒトが刺咬され感染するのですが、ヒトに流行する前にネズミに流行が起こるのだそうです。

この話で思い出すのは、ノーベル文学賞受賞者のアルベール・カミュの、その名も「ペスト」という作品。

1947年、戦後すぐの作品ですが、僕は高校生の時に読みました。

ペストに襲われたアルジェリアのある街を舞台に、ペストと人との戦いが始まります。

物語の初めに、主人公で医師でもあるリウーが、階段で死んだ一匹の鼠にふと気づきます。

やがて、人の中にも死者が出はじめ、リウーはその死因がペストであることに気付くのです。

住民は外部との接触を禁止され、さらに街が閉鎖されます。

住民の中にはリウーを中心した、治療に専念するグループ。

また、閉鎖された街からの脱出を試みるもの。

若者が苦しみながら死ぬのを見て、ペストで死ぬのは罪深いからだと説教する神父(彼は結局ペストで死んでしまうのです)。

家族を守ろうとして努力したリウーはこのペスト流行で妻を亡くしますが、時を違えずして、街でのペストの流行が何もなかったかのように終わるのです。

ペストの脅威と、脅威にさらされた時に人間が取る行動。

細かい人間描写が記憶に残った作品でした。

1281

こちら、ハプスブルグの新王宮です。

1272

ハプスブルグ家の実質的な最後の皇帝、フランツヨーゼフ1世の皇妃であったエリーザベトのシシィ(エリーザベトの愛称)博物館にも行きました。

以前にウィーンに来たときには行くことが出来なかったのです。

1277

エリーザベトの並外れた美貌は、国民に愛され、さらには映画化やミュージカル化されていることで知られていますよね。

この美貌を維持するために、シシィは、本当に毎日のように、それこそ血のにじむような努力を続けたようです。

毎朝の運動。

生の仔羊肉、イチゴの美顔パック、オリーブ油浴、搾りたて牛乳ダイエット、オレンジダイエット、塩入卵白ジュースなどなど、今で言えば抗酸化物質とフレッシュな酵素を含む食材を規則正しく食べる。

まさに食のアンチエイジング医療の実践に励んでいたと言えますが、晩年には過度なダイエットと運動により膝関節や足関節に水が溜まり、歩くのにも苦労したと言います。

当時、レーザー照射系の医療技術があれば彼女の努力も変わったものになっていたでしょうね(笑)。

1275

まばゆいばかりの金銀の食器。

ハプスブルグ家の繁栄を示すものばかりです。

1274

1285

王宮から出ると市庁舎が見えました。

1284

こちらのネオゴシック様式の市庁舎もきれいな建物ですね。

1315

中央の尖塔は98mの高さがあるそうです。

1313

ウィーンは本当に綺麗な街ですよね。

いよいよウィーンからロンドンに移動となります。

世界最先端のレーザー情報がわかる

クリニックFオフィシャルサイトはこちらから

http://clinic-f.com/

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »