■北京 EADC東アジア皮膚科学会2012⑥ 東アジア皮膚科学会 僕の発表演題 「リポゾームフラーレン(LpsmF)」
おはようございます。
今日6月23日(土)もクリニックFの診療日です。
北京出張後ということもあるのかもしれませんが、昨日・今日と、多くの患者さんの御来院やお問い合わせを頂いており、それに対して現在のクリニックの規模・スタッフの数では御対応しきれていない状態があります。
もちろん僕自身も、診療に入っていないときは率先して電話に出たり、患者さんの対応が出来るようにしているのですが、それでも昨日はクリニックにかかってきた電話に誰も出られなかったときがあり、おかけ直しして頂いたかたもいらっしゃいました。
申し訳ありませんでした。
クリニックFは、僕の方針で、出来る限りコンパクトに作りこんでいます。接客力・技術力共に少人数の熟練したチームによるクオリティの高い治療を提供しようと心掛けてきましたので、開業以来ずっと同じスタッフでやっていますし、医師も僕一人しかいません。
スタッフの中で1人だけご主人の出張でノルウェーに転居したスタッフがいたのですが、それ以降も、新しい人材を入れるつもりはなかったのです。
しかしながら、そろそろ増員を考えなければならないタイミングなのかもしれませんね。
とはいえ、良いスタッフを見つけ、雇用するというのは実に難しいんですよね。
少し考えてみます。
さて、ブログ「新国際学会周遊記」は先週参加した東アジア皮膚科学会についてです。
暫しおつきあいください。
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日中韓 3ヵ国から皮膚科のドクターが集まる国際学会。
今年で二度目の開催です。
こちらが僕の発表演題です。
演題は、新素材「リポゾームフラーレン(LpsmF)」を皮膚治療に応用した発表。
三菱商事の子会社であるVC60社と、東京工科大学応用生物学教室との共同研究です。
現在僕が仕上げている米国レーザー医学会誌への投稿論文も、抗酸化剤についてです。
抗酸化剤というものは、生体で発生する活性酸素を除去する物質です。
ここ10年、抗酸化はアンチエイジング医療におけるトピックの一つですね。
この10年で一般用語化した様に思いますが、おさらいすると生体の老化には活性酸素が大きく関わっているのです。
活性酸素はそもそも、生体が酸素呼吸をすることによって手に入れた高いエネルギー生産性と引き換えに受け入れた酸素のネガティブな側面です。
特に最外殻に電子を一つ残した酸素化合物である、活性酸素(スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素の4種類)は生体の遺伝子を傷つけるのです。
遺伝子が傷ついた細胞は、増殖の際に、
○誤った細胞として無限に分裂し続ける → 癌化する
○分裂能(の一部)を失う → 老化する
ということになります。
活性酸素を除去するための、低分子の抗酸化物質としては、
■ビタミンC(アスコルビン酸)
■ビタミンE(αトコフェロール)
■グルタチオン
■ポリフェノール
■カキテン
などが有名ですよね。
これらの低分子の抗酸化物質を、化粧品の素材など皮膚にそのままの物質で使用すると、刺激性があったり、すぐに分解されてしまったり、深達度が低かったり、活性化しなかったりしますので、前駆体を利用したり、パルミチン酸を付加するなどして、化学的に“化粧”を施します。
今回の発表は、ここ数年注目されている強力な抗酸化物質フラーレンをリポゾーム化し、化粧品の原材料として使いやすく、より効果の高い素材に改良したもので、これが新素材の「リポゾームフラーレン(LpsmF)」というわけです。
こちらの中国医学雑誌にも
この通り、僕の名前と「リポゾームフラーレン(LpsmF)」が掲載されました。
今後も、より化粧品の商材として、日本国内ばかりか世界で使用されてゆくものだと思います。
ポスターセッションも沢山の発表がありましたよ。
特にこの数年、レーザーに関する演題が増えてきているのは、とても楽しみなところです。
この広い北京国際会議場。
隣を見ると、こちらも精神科の国際学会が併設されています。
米国ではこのように数万人が収容できる国際学会会議場が州ごとにありますが、日本も東京ビックサイト規模の会議場を、国際学会などでよりうまく機能させた方が良いような気がしますね。
もっと世界の学会にPRすべきです。
会議場の上部より鏡越しに見た北京新市街。
これがあの北京だったとは、想像つかないぐらいの綺麗な街並みでしたよ。
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コメント
ご出張お疲れ様でした。
会議場内外の様子がきれいな写真で良く分かります。日本は手を尽くして存在感出さないといけませんね。
投稿: 山名修一 | 2012年6月24日 (日) 00時17分
山名社長
コメント頂きましてありがとうございます。やはり日本製の化粧品新素材というと各国ドクターに非常に興味を持たれます。
これは世界的な流れだと思います。
やはり、地道にアカデミックな国際学会に演題を出し、その国での認可を待つのが王道なのでしょうね。
またフラーレンの件も折に触れてこのブログでも伝えてゆきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
投稿: 管理者 | 2012年6月24日 (日) 08時40分