論文を書く手法 治療を組み合わせる 医師の教育
おはようございます。
今日は8月13日(月)。クリニックFの診療日です。
空を飛ぶ飛行機を見ると、ついシャッターを押してしまいます(笑)。
お盆の季節ですね。週末から帰省ラッシュも始まっているようです。僕も近々お墓参りに行って来ようと思っています。
クリニックの方は明日以降も電話番のスタッフはおりますが、僕は3日間の休診日を頂きます。今年はお盆休みをクリニックでは作らず、その中で僕も含めてスタッフは交代でお休みを頂く予定になっています。
日によって人員が少ない日も出てくるかもしれませんが、ご了承いただければありがたく思います。
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引き続き毎日診療のことと同じくらい、論文のことを考えています。苦しんでいるのです(笑)。
考えてみればここ数年は本当に論文を書くことが多くなりました。
医学、経営学、工学と分野の違う論文を書く機会を与えて頂けるようにもなりました。その分頭を抱えることもしばしばですが。
論文を書くには、得られた知識の中から、新しい理論を頭の中で構築することが必要となります。
新しい理論を作り上げる方法には、大きく分けて二通りあるように思います。
○一つ目は、「クリエイト」
0から1を作り出す手法。初めから研究を始めて、理論を組み上げるのです。
これは新規性の高い研究ができるのですが、研究の結果を出すのにどうしても時間がかかります。
○もう一つは、「フュージョン」
既存の、いくつかの全く違った分野の研究結果を、組み合わせて新たな理論を組み上げる手法です。
僕はどちらかというと、二番目のフュージョンの方が得意で、今回の米国レーザー医学会誌に出した論文は、活性酸素という化学の分野と、レーザーという工学の分野を、治療という医学の分野に融合させたような論文です。
論文を書く過程では、普段の診療では考えないことを考えることもよくあります。
学究の世界では、誰にオリジナリティがあり、特許権があるのかという、「知財」に最も価値が置かれていることもわかってきました。
クリニックFに当てはめて考えると、レーザーによる肌質改善治療に特化して、クリニックを運営してきましたが、その中で意識して行っていることは、患者さんとのお付き合いを長期スパンで捉え、その時間軸の中ですべての患者さんの皮膚が確実に前進していけるよう、いくつかの治療方法を組み合わせて提案をしていくことでした。
患者さんの予算、時間、ニーズに合わせて
■Light / Laser therapy 光治療器とレーザーを組み合わせた治療
■RF /Laser therapy RF機器とレーザーを組み合わせた治療
■Ultrasound/ Laser therapy 超音波機器とレーザーを組み合わせた治療
■Injection / Laser therapy 注入療法とレーザーを組み合わせた治療
■Cosmeceuticals / laser therapy 医薬化粧品とレーザーを組み合わせた治療
など個別な提案で対応させていただくのです。
これが今となっては、クリニックFのユニークさやオリジナリティに繋がり、そこを評価してくださる患者さんも、手前味噌ながら増えたように思います。
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0から1をクリエイトし、そこでオリジナリティを構築する、というのはどの世界でも難しいことです。僕自身も含め日本人にとっては、その性質的に得意でない部分もあるかもしれません。
一方、この「フュージョン」から始めた事がいつしか他者から見た時の「オリジナリティ」として完成する、というのは、考えてみれば和洋折衷の文化がある、日本人が最も得意とする手技のひとつでもあるように思います。
自己主張しすぎることを良しとせず、和を重んじ中庸をとるという日本人の美意識的にも、あまり無理せずアプローチできる手法のひとつでしょう。
様々な職業や分野がこれからの時代で分岐点を迎える中、医師は特に今後益々この「組み合わせる」ことがあらゆる場面で求められていくことになるでしょう。医療を取り巻く現状や法の中では課題や限界もまだまだありますが、それでもその必然性に気づき、自分の得意分野でそこをクリアできる人材が生き残っていくことになるのではないでしょうか。
今僕が学んでいることが、医師の教育や何かの分野で役にたつ日が来るといいな、と最近よく考えます。
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