皮膚の導電率変化を考慮した、サーマクール照射の工夫について
昨日もサーマクールの取材がありました。
サーマクールも日本発売10年目を迎えましたが、依然取材も多く、美容医療機器としてはとても息の長い機器となりましたね。
これはひとえにサーマクールの開発コンセプトが画期的で、しかも進化をし続けてきたからだと思います。
リフティングを目的とした機器としては、他に振り替えができない機器であると言えます。
この機器は、どちらかというとフェイスリフトに近い機器で、3次元、すなわち立体的な構造を変化させるための機器。
僕も2002年より既に5台のサーマクールを購入し、かなりの数の患者さんを照射してきましたので、自分の照射方法にはこだわりがあります。
漫然と照射するのではなくて、顔の形状と、目標とした顔に合わせた照射方法を工夫することが大切だとおもいます。
ちょっと工学的な話をしますね。
サーマクールは、RF(ラジオ波)に属する6.78MHzの周波数を利用した電磁波によるたるみ治療器です。
RFを肌に利用する際に、最も大切なのはその深達度。
電磁波治療における深達度δは、以下の式によってあらわすことができます。
この際に分母にある要素が4つありますが、これらの変数が小さければ小さいほど、エネルギーが深く入るのです。
Π(円周率)とf(周波数=6.78MHz)には変化がありませんが、施術の時間経過とともに、大きく変化する変数があります。
それはσ(導電率)。
実際の照射時間では、RFを照射するとともに、皮下の血流が上がりますので、皮膚の導電率が下がります。
つまり、RFの皮下への進達率が上がり、RFのエネルギーが深く入ることになるのです。
このため、僕はサーマクールの施術時間を
1)肌全体に均一にマルチプル照射(皮下全体の導電率を下げるように)
2)引き上げたい方向にベクトル方向に、2次元的に照射(アンカリングメソッド)
3)ボリュームを減らしたい部位を、3次元的に照射(リフティング)
と、
前半、中間、後半と大きく三つにフェーズを分けて患者さんに照射しています。
これでサーマクールの照射結果が驚くほど変わりますよ。
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