井筒俊彦著「意識の形而上学」
おはようございます。
今日は7月10日(水)。クリニックFの診療日です。
暑い日が続きますね。
引き続き忙しく診療を行っていますが、実は昨日、7月の終わりまでに英語のプレゼンを4本作らなければならないことが判明して、ちょっと焦っています。
そして、仕事に焦るとなぜか僕は現実逃避なのか、ついつい専門外の本に手を伸ばし読み始めてしまう・・・という癖が昔からあります(苦笑)。
最近読んでおもしろかったのは、こちら。数ヶ月前にある方からご紹介いただいた「意識の形而上学」 (井筒俊彦著 中公文庫)。
今朝読み終えました。
イスラムを含めた古今東西の形而上学・神秘主義の研究家であった井筒俊彦さんの遺作です。
この人は本物の天才ですね。
形而上学は「存在が保証されていない」前提で議論をするもの。
元々形而上学は、哲学の伝統的領域の一つとして位置づけられる研究で、歴史的には、アリストテレスが「第一哲学」と呼んだ学問に起源を有しています。
僕が専門としている自然科学(数学、物理、化学、生物)は、アリストテレスによると「第二哲学」。
形而下学の代表例と言えます。
「物質が存在する」という前提があって初めて、自然科学の法則が意味を持つのですよね。
滅多に人と会わないことで有名であった晩年の井筒教授が、東洋哲学全体の共時論的構造化を目的とした最初の巻がこの「大乗起信論」の哲学だったのですが、続編の公開前に1993年に脳溢血で亡くなってしまったのだそうです。
続編が出ていたら東洋哲学史が変わっていたのでしょう。
この本にはどこか文学部に入りなおして、勉強しようかと考えたくなるぐらい、衝撃を受けました。
井筒俊彦さんの、ほかの著書も読んでみたいと思います。
哲学を俯瞰的に理解すのであれば、この哲学大図鑑という本もお勧めですよ。
世界最先端のレーザー情報がわかる
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 耳つぼダイエットの本が本日より発売されます(2016.11.29)
- 日経BPムック別冊「ほうれい線は消せる!」に掲載されました(2014.06.13)
- フレグランスジャーナル誌への論文最終校正が終わりました(2015.03.18)
- Escherの飛び出す絵本(2015.03.17)
- 日経ヘルスに掲載されました(2014.07.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント