美容レーザー医療は何年続けてよいのか? どの会社の光治療機器を選べばいいのか?
一昨日まで滞在していたシンガポール。
こちらはスピーカーが集まるクラブラウンジ。
僕はそこで、コントリビュートレクチャーという枠で二つ目の講演をしてきました。
10種類以上のフラクショナルレーザー機器を利用した比較演題です。
フラクショナルレーザーの機能を、波長、照射方法、照射密度、スキャナの特性の工学的な解説したのち
より具体的な例として、ニキビ跡のタイプ分けに適したフラクショナルレーザー機器選択について講演しました。
フラクショナルレーザー機器は、僕が最も得意とする分野のひとつですが、今回の講演は他の講演者の時間が圧してしまい、時間があまりに足りなくなり、急ぎ足になってしまった部分が多く、自分としては不本意な講演だったと残念に思っていました。
ところが、後日座長を務められた台湾のPo-Han Huang先生から以下のようなメールをいただきました。
Thank you for your fantastic lecturing in Singapore and really my pleasure to chair your talk. I really enjoyed your analysis of different fractional lasers. Look forward to listening to your presentations soon.
彼とは名刺交換をしてきませんでしたので、僕の連絡先をWEBで探してくださったようです。連絡が取れてよかったです。
次回きちんとした持ち時間をもらい、話してゆきたい内容です。
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この枠では世界各国から招待された医師が講演をしたのですが、中でも最も興味深かった演題があります。
それは、光治療を繰り返して治療した患者さんを10年単位で追いかけた写真を提示した米国のDr.マイケル=ゴールドのプレゼンテーションです。
彼はかなり早い時期から皮膚治療にレーザーを取り入れた、いわば米国レーザー医療会の重鎮の一人。
彼がプレゼンの中に、
37歳の初診時に撮ったある患者さんの写真
と
彼女が12年間、レーザーと光治療器を照射を続けた49歳の写真
を供覧したのです。
会場のドクターから歓声が上がりましたよ。
12年経過したのちの方が、はるかに若々しい透明感の高い肌。
ハリがあり、テクスチャーも整って実に美しいのです。
レーザー及び光治療機器は、「肌質を改善する」という事実をまさに実証したような写真でしたね。
ちなみに、会場のドクターから「肌質を改善するには、どのメーカーのフォト治療機器が良いのか?」
という質問を受けていましたが、マイケルゴールドは、
「光治療器(フォトもしくはIPL)であればどの機器でもよいが、特定の機器を照射し続けるよりも、数多くの違った機器を照射したほうが効果が高い」
と言っていました。
光治療器の場合、レーザー治療器とは違って、同様な目的で作られた機器であっても各社でスペックには大きな違いがあります。
また、比較的設計が楽なので、工学的に工夫を凝らしやすいですし、どの機器にも、その機器なりの良さがあります。
一方で、1機種で肌の中のすべての色素を反応させるのはむしろ不可能ですので、「数種類の機器を使いまわす。」
というのが正しいのだと思いますよ。
もちろん一定以上の技術を持った会社の機器を使用し、さらにその機器が定期的にメンテナンスされていることが条件ですが。
「幾つかのIPL機器を持ち」
「これを交互に使いまわす」のが最適。
というこの答えについては、僕もまったく同じ持論を持っていましたので嬉しかったですね。
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