脂肪を減らすために 痩身理論の科学的検証
おはようございます。
今日は3月11日(火)。クリニックFの診療日です。
今日で震災から3年もの月日が経過したというのはにわかに信じられない気持ちです。
時間は万人に容赦なく過ぎ去って行きますね。
思えば震災の後、自分の中での幾つかの価値観が大きく変わり、自分の生活スタイルも、クリニックの運営スタイルも変えたのを思い出します。
日本国としては事態の解決には遥かに長い道のりがまだまだ必要だと思いますが、日本人の力を信じて、自分もその中の一人として頑張るしかないですね。
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ここ数か月取り組んでいた機器による痩身の本の原稿と、新しい英文工学論文。
昨日めどがついたので、読み上げた日本語の教科書と、英文資料を並べてみました。
痩身について横断的な資料がなくて困りましたが、おかげで結果的にずいぶん沢山の生理学の教科書を読み込むこととなり、痩身と絶食のメカニズムについて細かく語ることができるようになりました。
科学の世界ですので、もちろん実験しての実証は必要ですが、過去の論文を比較して新たな理論を構築するのも、とても大切な作業です。
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ダイエットや痩身のためには、口から入る食物を減らすことが必要条件の一つです。
キーとなるのは、
①食後4時間まで
②4時間から10時間
さらに
③10時間以降
の代謝の変化です。
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○4時間まで
食物を摂取した後、約4時間は消化管から吸収されたグルコースが血糖として供給されます。
この時、余ったグルコースは、同様に食事からの摂取時に余ったアミノ酸とともに肝臓で中性脂肪に変えられます。食事によって小腸で吸収された脂肪も、脂肪組織に中性脂肪として蓄えられます。体内の脂肪組織でも、血中の過剰な血糖がインスリンの作用により中性脂肪に変えられます。
○4時間から10時間
食後4時間を過ぎると、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが分解されることによって、グルコースに変換され、血糖が維持されます。筋肉にもグリコーゲンがあり、運動時に利用されるのですが、肝臓と違って筋肉にはグリコーゲンからグルコースに変換する酵素がないため、これを血糖として使用することはできません。しかし、筋肉活動によって生じる乳酸やアミノ酸のアラニンは、肝臓に運ばれたのちに糖新生によって一部がグルコースに変換されます。
○10時間以降
食後10時間を過ぎると肝臓のグリコーゲンが底をつき、筋肉などのタンパク質を分解して得られる糖原性アミノ酸(アラニン、グルタミン酸、グリシン など)と中性脂肪の一部のグリセロールという成分を肝臓でグルコースに変え(糖新生)補充されます。脂肪組織からは激しい運動時以外は遊離脂肪酸が放出さ れて血糖と同量以上のエネルギー源となります。
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つまり脂肪をエネルギーとして利用するためには絶食後10時間という時間が必要なのです。
この理由から脂肪を減らしたい成人の場合、一日のうち一度は10時間以上絶食する時間を持つことは体重の維持にはとても大切です。
10時間というと一見難しいと思われるかもしれませんが、睡眠時間を加えれば可能ですので、ぜひこのプチ絶食時間を日常生活に取り入れることをお勧めします。
さらに絶食状態が長引くと、血糖を維持することが困難となるので、肝臓からケトン体がエネルギー源として産出されます。この状態では、限られたエネルギー 源のケトン体を脳が最優先して利用するようになるため、他の体内での代謝は低く抑えられます。
脂肪を減らす目的の痩身のためには、生理学的には以下の5つの必要条件を満たさなければなりません。
これらについては、来月出版される僕の著作をご覧くださいね。
また、ブログにアップしようと思います。
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