イタリアのレーザーメーカーの工学博士の相談
おはようございます。
今日は4月16日(水)。午後より新宿はサンルルートホテルにて、医師向けの会の招待講演に呼ばれています。
午前中は企業と打ち合せと患者さんを数人診察し、その後で講演に向かおうと思っています。
昨晩はイタリアのレーザーメーカー副社長であり工学博士でもあるマウロ・ガリとの会食でした。
折り入って相談があると先週メールが来て、急遽来日となったのです。
青山のChez Pierreにて二人で会食となりました。
会食で出た話題のすべてをここでお話しするわけにはいきませんが、お話しできることだけお伝えすると、15年以上前に日本に輸入された機器が、未だに幾つかのメンテナンス会社によってメンテナンスされて使用されており、それらが現在健康被害を及ぼしていることがわかった。
しかしながら、それらを止める手段がない。
通常であれば10年経過すれば古い機器は使えなくなるはずなのだが、当時の設計が優れていたため、現在も使えてしまっているという。設計者としても困っている。
という、これは正直言ってとても大きな課題を含む、僕が思っていたよりも遥かに重い内容を伴うものでした。
新たに開発される医療機器は、誰が、どのような施設で、どのような資格を持った技術者の下使用されるのか、自社基準でしか決めることが出来ません。
その機器の追従品が出て、社会的な知名度が上がった時には法律が出来るのですが、きちんとした法整備がなされる前は、いわば白黒どちらにも解釈できるグレーゾーンになるわけです。
15年前にはグレーゾーンだったものが、現在法整備がなされているのですよね。
こうした現状は、僕たち美容レーザー業会にいる医師達に伝わっている話とはいくつもの食い違いがあり、今回新たに理解したことも沢山ありました。
3時間ばかり話した後、このプランでいこうという指針は見いだしたものの、道のりは遠いです。
※※※
レーザー機器をいつまで使用するか? という選択は、経営する医師にとっても難しい問題ですが、僕は工学博士を取り、内部のレーザー機器事情がわかってからというもの、クリニックFでは、出来れば数年以内に機器を買い替えるようにしています。
レーザーロッドやフラッシュランプの劣化。フィルターの劣化。電圧配給源や冷却装置の劣化。その他も諸々の条件を考えると、古い機器をメンテナンスして利用して行くよりも、マイナーチェンジされ続ける新しい機器を、2年以内に買い替えを行って、患者さんに提供した方が良いと考えているのです。
もちろん機器の入れ替えにはお金がかかりますが、クリニックFは、レーザー/光治療を専門としたクリニックですので、機器に関しては最高のものを、最高の状態で提供したい。
そうした治療を求めてくる人たちに対して、最もメリットのある、今までの日本になかった新たな価値を持ったレーザー/光治療を提供したいと思っていままでやってきました。
反対に古い機器でも、施術を少しでも安く提供したいと思うクリニックもあるでしょうから、その辺りは院長の診療方針と考え方の違いですよね。
マウロとはインドネシアでの新たなビジネスの展開などの話や、痛みのない次世代脱毛機器、さらにRFではなくマイクロ波を利用した新たな美容医療機器の開発の話など、今後のレーザー機器のトレンドを左右する機器について話しましたし、僕がこれから取り組もうとしているフラクショナルレーザー・ドラッグデリバリーの話も興味深く聞き、アドバイスをくれました。
医療レーザー業界の大先輩でもあり、優秀なレーザー設計者である工学博士でもあり、貴重な友人の一人のために、僕がどこまで役に立てるでしょうか?
策を練りたいと思います。
世界最先端のレーザー情報がわかる
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